南下編5

1月8日(日)
なんとまあ、いい天気。
おじさんから疑似餌をもらったので張り切って釣りに出ました。
風もなく、とても静かな海。深い所の珊瑚まできれいに見えました。
適当に場所を決めて釣り始めましたが、砂地の上のようだったので魚はいないのでは?と議論を始めようとした直後、【と】の竿が大きくしなりました。ピクピク動く糸(テグス?)を見て「これは大物だ!」と早くも興奮している【む】。
ゆっくり引き上げてみるとなんと20cmくらいの魚が2匹もくっついていました。
ピンクの魚だったので「鯛!・・・なわけないか・・・。じゃ、鯉!・・・って鯉は淡水魚だっけ」とボケまくり。
だけど、お恥ずかしながら魚といえば切り身で並んでいるスーパーのパック物しか知らない私達は、ピンクの魚なんて鯛しか知らなかったのは事実です。だからといって切り身があのままの姿で海をふにゃふにゃと泳いでいるとは思ってはいないのでご安心ください、一応念のため。
交代して【む】が竿を持って釣っていると重りが引っかかってしまったらしく、はずすことができず結局仕掛けごととれてしまいすごすごと浜に帰りました。
そして早速釣れた魚をおじさんに見せに(自慢しに(笑))行きました。
ちょうどバスの運転手さんと話をしているところで、魚を見せると二人とも一緒に喜んでくれて「これはヒメジといって、煮て良し、焼いて良し、もちろん刺身でもおいしい魚じゃ」と調理方法も教えてくれました。
よく釣れるポイントを教えてもらい、また海へ。
しかし【む】が竿をいじるとろくなことがなく、こんどは折れてしまいました(泣)。しかたなく、手釣りもどきで頑張りました。
リールが絡み、ブーブー文句をいっていると妙な手応えがあり、「まさか、かかったなんてことないよね」と言いながら手繰り寄せてみると白いものがヒラヒラと見えました。おぉ、ほんとにかかってたのねとまじめに糸を手繰り寄せていたら、水面まであと1mというところで逃げられました・・・信じられない…(大泣)。片側全体が白で周りが茶色の魚でした。後の釣果からカワハギだったらしいとわかりました。
重りもなくなったし、お昼だしとりあえず浜へ戻りました。

ヒメジ1匹をおろし、刺身にして食べました。白身で脂がのっていて甘い。
さっきまで泳いでいた魚を食べたのなんて初めてのことでした。しかも、おろしたのは砂浜、海水で魚を洗いながら。うーん、ワイルドですわ。

腹ごしらえもすんだのでまた海へ(飽きない奴ら(苦笑))。
しかし、潮に流され重りはすぐ引っかかり、いいことなし。やっぱりビギナーズラックだったのかねと諦めて引き上げました。

残しておいたヒメジ1匹は味噌で煮て食べました。これまた濃厚な味で身がしまっておいしかったです。


1月9日(月)
大島海峡も横断したことだし、【と】に限ってだけど『南大東島方面に流されそうになる』(おじさんにホノホシ〜ヤドリツーリングを報告した時のお叱りの言葉)という危険且つ貴重な体験もしたことだし、そろそろ日本最南端沖縄へ旅立とうかとぼそぼそ話し合いました。
出発にあたり、テカポを洗いたいけど天気がぱっとしないのでできません。
沖縄行きのフェリーの予約をしました。どうしようもなく空いているらしく、「いつでも何度でもどうぞ」って感じの予約係の人でした。でも、行くのは1回でいいので12日の便を予約。

予約の電話を終え、車に戻ってみると猫達の姿が見えません。窓がちょっと開いているけど、まさかこんな隙間からは出られないだろうと思いつつ、外を探してみると純がいました。近くに蛍もいて、近寄るとおとなしく捕まりました。しかし純は逃げたのでしばらく放っておくことに。雨なのにね〜と言いながら車の中で待ってみました。
しばらくして外に出てみると、想像通り野良さんに脅かされた純が車の下にかくれているのを発見。でも車には入りたくない様子なので更に放っておく。
カタンと音がしたので見てみると、フロントガラスに登りワイパーを足場に中を覗いている純の姿(笑)。
そしてそれを中から「あんた何やってんの」という顔で見ている蛍(爆笑)。しばらく笑った後、ドアを開けるとさすがに入ってきました。ずぶ濡れの純。

この騒ぎの最中、海では突然の雨に驚いたのか40cmくらいありそうな魚が大量にバシャバシャ跳ねていました。砂浜から10mも離れていない場所で。誰か〜、網を貸してくれ〜。
後からおじさんにその話をしたら「たぶんボラだろう」とのことでした。それはおいしい魚なんだろうか・・?


1月10日(火)
【と】は朝釣りでヒメジ×2を釣って来ました。
仕掛けをまじめにやったから釣れる、という【と】の言葉を聞いて【む】もがんばってみました。
念を送りながらじっと待っているとまた糸が引っかかった様子。「まただよ〜」とブツブツいいながら巻いていくとどんどん巻ける。なんか変だぞと思っていると小さい魚×2がかかっていたのでした。
おじさんに「食えない魚はいない」と言われたのを思い出し、唐揚げにしようと逃がさずとっておく。
今後、この魚は我が家では『唐揚げくん』と呼ぶことにしました。
その後はいつものように(!)重りを引っ掛け糸が切れました。は〜〜。

ホースを借りてテカポを洗う。
北海道尾岱沼の苦い経験を教訓に、念入りに丁寧に蝶番一つ一つ、隙間も残らず水をかけスポンジでゴシゴシゴシ。だけど真鍮部分の錆はどうしようもないですね。
1ヶ月も組み立てたままでいたので、だいぶ骨が船の形に曲がりました。

今日釣った魚は4匹とも唐揚げにしました。
調理しているととらにゃんとほくろが来てにゃーにゃーうるさい。さすが猫、臭いですぐ寄ってくる。

【と】は新しい遊びを発見。ラップの芯に口をつけ、「ボー、ボー」といって純と蛍を追いかける。えたいの知れない音に猫達は怯えて逃げ回りました。
食事用の皿の近くでも「ボー」と言って近寄らせません。
外に出したとき、ご飯で釣っても帰ってこなくなるからやめれというと「それなら帰ってこなくていい」と。
なんて奴だ〜!!信じられない人<【と】

ホクロのチュパチュパ(膝に乗せてあげると自分の手の肉球をしゃぶっていたのです)とも、シークレットとらにゃん(いまいち行動が読めなくて謎めいたところがあったので)とも、今日でお別れ。
おじさんに追いかけられながらも強く、仲良く生きていっておくれ。


1月11日(水)
明朝早いフェリーなので、今日のうちに名瀬の近くまで行くことにしました。
おじさんとおばさんに挨拶し、ヤドリ浜を出発。
名瀬の町をしばしうろついた後、今夜の宿はちょっと離れた大浜で。
奄美最後の夜、季節はずれで誰もいない大浜海岸で飲んだくれ…られませんでした。だって明日4時起きなんだもん。


1月12日(木)
爆睡魔のくせに心配性の【む】は、夜中に何度も目が覚めました。【と】はコーヒー飲みすぎの為眠れず…。
そして、目を覚まし時計を見ると5:20!!!
どうも昨夜就寝前に【む】が時計を触った時にスイッチを切ってしまったらしい。
びっくりして飛び起き、しばしボー然。船はもう来ている。出航は5:50だから受付はもう終ってる。どーしよう!
一応、駄目で元々と思い、切符売り場に電話してみました。そうしたら、大浜からなら15分で来られるはず、まだ乗れるから来い、とのお言葉。ありがたやアリガタヤ。
大慌てで片付けて港へ向かいました。
港に着くと貨物を運び込んでいるところ。切符売り場は閉まっていたけれど、その辺にいた係の人に聞いてみると、とりあえず船に乗ってから中の人に聞けと言われたので、お言葉に甘えてとりあえず貨物に紛れて乗り込みました。
目が覚めた時には「ギャー!キャンセル料取られる!」と恐れおののいていたけれど、なんとか予定の船には乗れました。係の人の対応の仕方から想像すると、私達みたいなのは珍しくもない感じでした。毎日運行している船だし、バスとか電車感覚で考えると駆け込み乗船がいても確かにおかしくないかも。
船の中で切符を買おうとすると車の料金が妙に高い。「高すぎやしませんか」と言うと料金表を見せてくれました。するとやっぱり係の人は貨物用の料金を言っていたのです。貨物に紛れて乗ってきたんだからしょうがないけど、「うちのは普通車じゃ」と言い、ちょっとプンプンしながら正規の料金を払いました。遅れてきたのはおめーだろ、と突っ込まれそうだ・・・。

海は荒れているようで随分揺れました。【と】は青くなり「おれ、やばい・・・うぷっ」と言い出し、さすがの【む】もあまりの揺れに青くなりかけましたが、空腹であったのを思い出し突如として手持ちのお菓子その他をバクバク食べ始めました。
隣でウプウプ言っている人には悪いけど、【む】は空腹だと船酔いする人なので、酔わない為には胃に何か入れるのが一番なのです。
こんな揺れがずーっと続くとまずいなぁと思っていましたが、しばらくすると収まったので一安心。

次の寄港地亀徳(徳之島)で、車の入れ替えの為ウプウプ状態の【と】は一時上陸。

落ちついた頃それぞれお風呂へ。
鹿児島からのフェリーは夜の為周りが見えなかったけど、今度は昼間だからのんびり浸かりながら見られるぞ〜と期待して行ったのですが、とてもそれどころではありませんでした。
まず、窓が潮で汚れていてほとんど見えない、おまけにお風呂には浸かれない。なぜならお湯がほとんどないから。揺れるためどんどん湯船からザッバーン!と流れ出ているのです。そして浸かるのを諦めてシャワーを使い始めると、その背中にチベタくなった湯船の元『お湯』が情け容赦なく降り注ぐのです。船が揺れるたびに「ヒー!」と言いながらそそくさと出てしまいました。あー、寒かった。

本を読み、パズル雑誌で時間を潰し、お弁当を食べてもまだ沖縄には着かない。フェリーは夜中に乗って眠った方がいいかもしれませぬ。
沖永良部島はひたすら平らで津波が来たら島全体が沈むのでは、と真剣に心配してしまいました。変則無しの自転車でも充分だなぁ、とかね。

19:00定刻通り沖縄着。当然暗い。
名瀬での教訓を生かし、知らない所で暗くなったら闇雲に動くのはやめました。
しかし、とにかく寝る場所だけは確保しなければいけないので、豊見城公園を探すもまたしても辿り着けず那覇の街をぐるぐる回ってしまいました。
ファジーナビの【む】が根を上げたので、途中で偶然見つけた書店で沖縄ガイドブックを買いました。よっしゃ、まかしときと心の中ではつぶやいた【む】でしたが…。
南の方の海水浴場へ向けて走り出すと、途中でこれまた偶然運動公園を発見。こうなりゃ、どこでもいいさとその公園で泊。やっぱりファジーナビはファジーナビにしか過ぎず、この公園を偶然見つけなかったらいったいどこまで行くことになっていたのでしょう。あな、おそろしや。

えーっと、沖縄なのに涼しいんですけど…。


つづく

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