怒りと悲しみの沖縄編
1月19日(木)
信じられない、信じたくない!
車上荒らしにあいました。
朝、薮地島のジャネー洞という洞窟に行き中を見ていたら、地元の人らしき男の人があれこれ説明してくれました。城の跡とかジャングルの中を歩いて教えてくれました。島の先まで行けるからと教えられ、その人とは別れて先端まで行って来て車に戻って勝連城跡に向かいました。
見学した跡、ダイエーで買い物をしようと駐車場に車を停めるとバッグがない!
車中をくまなく探してもない。
気が動転して息が出来なくなりました。興奮した時に息苦しくなるというのはこういうことなのだと初めて知りました。
とりあえず中城まで戻り、歩いた所を探してみました。
でも、よーく思い出してみるとジャネー洞に行った時、バッグは持っていなかったのです。
そこでジャネー洞まで戻り、畑にいる人に聞いたり辺りを探したりしたけどやっぱりありません。
「そういえば、ここ見てる時、車の音がしてたんだよな」と【と】が言います。「下りて来ないから変だと思ったんだ」
正直言って最初は、いろいろ説明したくれた人が関係していると思いました。島の先端まで行かせるなんてちょっと変。しかも、ジャングルの中を通って。迷うことだって考えられるのに…もしかしてそれが狙い?時間稼ぎのための、と。でも確信は持てないし、そうでなかったらせっかく親切に教えてくれた人に失礼だとその考えは捨てることにしました。
どうしようもないので警察に届けました。
やっと探し当てた駐在所にはおまわりさんはいなくて(非番らしかった)電話で本署かどこかから来てもらったけど、これがまたいい加減なおまわりさんで、人の話を聞こうともしない。書類は適当だし、1円もお金がないのにそのことについて心配もしてくれない。くれたのは免許の盗難証明みたいな紙だけ。
きっと私達じゃなく、有名人だったり大金持ちだったりしたら扱いは違うんだろうなと思いました。世の中そんなもんでしょう。あー、試しに「100万円の指輪が入っていた」とでも言ってみればよかった。
お金が全然ないのに輪を掛けて人間も車もひもじいので、一番手っ取り早く手続きが出来そうな郵便局へ。こんなときにも郵貯カードで現金の管理をしてきてよかったと思いました。全国どこでも『簡易』さえつかない郵便局ならどんなに小さくてもCDがあるから。
東具志川郵便局に行って「カードを盗まれた」と言うとさっそく手続きをしてくれました。さし当たっての現金も自分の口座はストップしてるから下ろせないけど窓口送金でどうにかなると教えてもらい、電話を借りて岩手の実家に連絡しました。この窓口送金というのを教えてもらえて本当に助かりました。
とりあえず5万円送ってもらうことで落ちつきました。
送金を待っている間、奥にいれてもらいコーヒーをご馳走になり新聞もすすめられ、すごくよくしてもらいました。
【む】の方はというと落ちついてみると、バッグの中には下ろしたばっかりの生活費、底板の下に隠したお金、免許、カード、腕時計・・・そんな諸々の物よりずっとずっと大切なものを入れていたのを思いだし、またしても息が出来なくなりました。
フィルム、です。7本。
溜めておくよりプリントして見ながら旅行した方が楽しいだろうと、いつでもスピードプリントに出せるようにバッグに入れていたのです。
純と蛍の成長記録にもなっていたのに・・・。
奄美での写真も全部入っていたのに・・・。
人前なのに涙が止まりませんでした。
お金が欲しいなら財布だけ持っていってくれればいいのに、何てことするんだ!
そしてその時、もう一つ思ったことがありました。
バッグを盗る間、きっと車のドアは開け放していたでしょう。
その隙に純と蛍が出てしまっていたら…。
ゾッとしました。そんなこと考えたくもないです。
純と蛍の写真はなくなってしまったけど、本猫達は残っているのだからその逆よりずっといい。そう思うことにしました。
郵便局の次は免許。
車で移動しているのだから免許がないと後々面倒なことになります。
いい加減なおまわりさんに聞いて初めてわかったこと。免許を盗られた場合、盗む現場を見ていない限り遺失物扱いになるのは知っていました(【と】は盗まれた経験あり)。しかし、今回のような場合、再交付しようにも住所があるのははるか海の彼方の岩手、どうしろっちゅうねん!という感じなので、とりあえずの『仮免許』のようなものを発行してくれると思っていたのです。
しかし、そんなことしてくれないんですね、日本の警察。あ、世界のどこでもしてくれないのかもしれないけど。あくまでも『免許不携帯』になるそうです。
ただでさえ無職で住所は岩手に移したばっかりで猫連れてて車であちこちブラブラしている、怪しいことだらけの私達なのに、その上免許もないときたら検問で何にもしてないのに「署まで来てもらおうか」と言われそう。
それだけは避けたいと免許センターへ再交付の問い合わせ。
ここで今回第1回目の「いったいどーゆーこと!?」
センターからは盗難証明書ではなく顛末書を提出しろ、といわれました。警察ではこれで再交付できるからと証明書をもらったのに!怒り心頭に達しながら具志川警察署へ。さんざん待たされた挙げ句(右も左もわからずおろおろしている私達に気がついていながら、暇そうにしていた警察の人たちさえ誰一人として声をかけてくれなかった)、再交付は出来ないけどとりあえず顛末書はくれるということになりました。???またまたどーゆーこと!?再交付はセンターがすることでしょうが!!私達は顛末書をくれ、と言ってるだけじゃ。えーい!どうしてあちこちで話が違って来るんだ?!
このころには犯人も憎いが警察も憎い状態になりました。
観光客が多い沖縄では車上荒らしなんて日常茶飯事なのかもしれません。
後で友人にも「盗られる方も悪い」と言われました。
でも、私は今でもそうは思いません。盗む方が悪いのです。窃盗は犯罪です。私たちは間抜けだったかもしれないけど、悪くは、ない。
「よくあることだから」的な対応をされた「生まれて初めて車上荒らしにあった」私たちの気持ちがわかりますか。
あまりの怒りにぜーぜーしながらも日が暮れたのでとりあえず寝ました。
1月20日(金)
【む】は海の中に落ちているバッグと川に落ちているバッグを夢で見ました。ほんまかいな。
また勝連城跡に探しに行きました。長靴、ほっかむり、ポール片手に捜索隊は草むらを歩き回りました。
でも、やっぱり、ない。
一応近くの川も見てみました。でも、ない。
海に捨てられる可能性もあると思い港にも行ってみましたが、満潮だったため干潮になり少しでも底が見えるようになってからまた来ることにして、再度免許再交付の問い合わせ。
そして・・・またしても、いったいどーゆーこと!?
今度は再交付はできない、と言われました。本当に本当にどうなってるんでしょう。
はっきりさせるため免許センターに直接行って食い下がってみました。するとできなくはないらしい。
誰かに住所を借りて沖縄の住所にいる証明書を持参すれば、2週間くらいで再交付はできるとのこと。
最初からそう言ってくれればいいのにさ。説明するのもめんどくさい、手続きはもっとめんどくさいからできるとは言わずにできないとはねつけた方が自分たちがラクチン、という態度がありありと見え、とても不愉快になりました。
対策会議をし、寝るために糸満の運動公園へ。
1月21日(土)
再度ジャネー洞へ捜索隊は行く。
途中の道が妙にすっきりしていると思ったら、草刈りをしている人たちがいました。その人たちにも見つけたら届けてくれるようにお願いし、作業の邪魔になるといけないのでさっさと退散。どうか見つかりますように。
海は間違いなくきれいなのに・・・心から楽しめない。
免許再交付のための居住証明を、沖縄で唯一、話をした銭湯の人に頼んでみたけど、以前旅行者に騙されたことがあるらしく、返事は芳しくない。警察に行って私たちが車上荒らしにあった証明を見たら協力する、と言われました。警察に行くってことは、月曜日ですね・・・2日後かぁ・・・時間がかかるなぁ。
時間がかかるのと、もう疲れちゃったのとでお願いするのはやめました。
このご夫婦は、旅行者にお金を落としたと言われ1万円貸してあげたら、その人達は詐欺を働いていた人達で、警察から連絡が来て騙されたことがわかったという経験をお持ちでした。そんな経験があったらたった1回話をしただけの私たちに住所を貸すなんてことはできるわけないですね。
寝るところが見つからず、遅くまで開いているスーパーで閉店間際にトイレを借りた後、ダイエーの前の空き地で寝ました。
免許の再交付はできそうもない・・・。
沖縄にいることに疑問を感じ始めた私たち。
1月22日(日)
日曜日は警察も銀行もお休みなので何もできずダイエーで時間をつぶす。
ムーンビーチに行くとなんと門がない!今夜はここで眠れるかなと安心したのに、10時になったらやっぱり追い出されました。あわてて近くの公園の駐車場に行ったけど、うるさかった・・・。
とにかく安住の地はない。
1月23日(月)
遺失物の届けを出しにまた具志川警察署へ。かなり詳しく記入。書いててだんだん悲しくなりました。
銀行の口座もストップ。
悲しくなるほど電話代もかかりました。
大人の遊園地、ハイパーマートへ。店内をぶらついて気を紛らわす。
お菓子も買い込み、やけ食い。
奄美に戻り、管理人のおじさんに助けを求めることにしました。今一番近くにいる頼れる人はおじさんなのです。
1月24日(火)
大阪の実家から借りたお金を受け取りに郵便局に行ったら、保険証がない!車内をひっくり返して探してもない!唯一残った身分証明をなくしてしまった・・・。またしても呆然とする私たち。
まさかと思いつつ、東具志川郵便局に電話してみると、しばらく預かっていたが取りに来ないので書いてあった住所(岩手の実家)に送ったとのこと。気が動転していて落としてきたらしい。しかし、今まで気がつかないなんて、いったいどこまで抜けてるんだろう、私たち。
マリックスラインに奄美行きのフェリーの運航日を聞くと、明日と言うので即予約。
わーい!お風呂だ!(沖縄でろくに風呂に入れなかった私たち(泣))
嫌なことがたくさんあった沖縄ともおさらばなのだ。
もう2度と来ないよーーーだ!
今回沖縄に来てわかったこと。
お金をたくさん持って来てたくさん落としてくれる観光客じゃなければ、背中を向けられると言うこと。
私たちのようなビンボー旅行者は来てくれるな、と言われたような気がしました。
みなさん、沖縄に行くときはお金をたくさん持ってパック旅行で行きましょう。
舞台裏を見なくて済むように。
盗まれたバッグは見つかってません。
つづく