四国編

3月1日(水)
昨日の雨で少しは川の水が増えたかもと、淡い期待を抱いて四万十川上流を見に行きました。しかし、岩場で水がなくなりとても下れたものではありません。下流に望みをかけて下見。


川沿いの道をずっと走りましたが、狭いところが多くてとても疲れました。
横目で見る四万十川の水はやはり少なく、見るだけは見ようと立ち寄った「轟きの瀬」は、岩がゴロゴロしているだけでホワイトウォーターは見られませんでした。トホホ。
どんどん下流に行き、江川崎あたりからなんとか下れそうな水量になったので、そこから下流を下ることに。

生まれて初めて沈下橋を(用もないのに)渡ったのですが、欄干のない橋がこんなに怖いものだとは知りませんでした。車を降りて歩くのもビクビクしていました。こんな橋を地元の人は大雨で橋の上10cmくらいまで水があっても、平気で(かどうかわかりませんが)渡るというのですから、たいしたものです。

バスの時間を調べると、日に3本。朝、昼、夕。・・・あまりいい時間ではないけれど贅沢は言えません。

カヌー館を覗くと四万十川のきれいな絵葉書がありました。1セット購入、カヌーのキーホルダーもありましたが高かったのでパス。

鵜の江まで下見し、明日下ることに決めました。
水量がないのでそれほど高い波の瀬はないけれど、流れはあるので気持ちよく下れそうな感じです。


3月2日(木)
寒くて寒くて寒くて、よく眠れませんでした。
でもがんばって眠り、目覚ましで起きると窓ガラスは凍っていました。・・・えーっと、今日は川を下るんだけど・・・。
震えながら朝食を済ませ、バスに乗るため鵜の江に向かいました。

思ったより時間がかかり、あれよあれよという間にバスの時刻は近づき、「準備する時間がないね」なんて、この期に及んでのんきなことを言い合っている私たちの目の前を、バスがブーーーーッと通り過ぎていきました。
しばし、呆然とする二人。
しかし、ここまで来てただで済ませる私たちではありません。即、今来た道を戻りました。

江川崎に車を置き、テカポを出しました。
川に漕ぎ出したものの、いきなりのポチの散歩(泣)。でも、それ以降はきれいな水で、適度に流れがあり、気持ちよく流されました。

いつもは【む】が前、【と】が後ろに乗るのですが、「いつもでかい頭が視界を遮っているから、たまには前に乗りたい」という【と】の希望を快く(?)聞き入れ、場所を代えて乗りました。しかし、瀬に突っ込み、いい調子で漕いでいると目の前に大きな岩!「ギャッ!」と思ったときにはもう遅く、右側をこすってしまいました。いつも「右!」「左!」と指示し、ひたすら漕いで推進力に加勢しているだけの【む】には、やはり舵取りは難しかった・・・。
元の場所に座りなおし、いつもの「安心な」テカポ体勢になりました。
だいぶ水路を見つけるのもうまくなり、「ほーほっほっほ」などと高笑いしながら調子よく漕いでいたら、またしても岩!横向きに張り付けられ、もうダメだ、と思った瞬間、すっと外れて流されました。テカポえらい!さすがに「浮沈艇」の異名を取る船です(釧路川でのことは忘れましょう)。
瀬の出口に大岩があることが多いのが四万十川の特徴です。

「岩田の沈下橋」では、嬉しがりの私たちは一度くぐったのにまた戻り(川をさかのぼり)、またくぐったりしていました。地元の人が見たら「怪しい二人」に見えたことでしょう。
天気もよく、空気も水もきれいで、とても気持ちのいい川下りでした。空も水も真っ青な写真が残っています。

バスの時間の都合で口屋内までで終了。9:10〜12:00のツーリングでした。

江川崎への帰りのバスでは運転手さんと話をし、大判焼きを貰いました。

江川崎に着いたらカヌーを出している人がいました。「がんばれよー」と心の中で応援。苦労するだろうけど。

夜には久しぶりにRKBラジオを受信できて、私たちのお気に入りの番組が聴けました。


3月3日(金)
昨日ほどではないにしろ、やはり寒くて目が覚めました。

一応四万十川の下流の下見。運がよければ、下れるかなーという淡い希望を抱いて。しかし、水はさらに減っており、とてもテカポを出せる状態ではありませんでした。地元の人に聞くとやはり異常に水が少ないとのこと。渇水は私達川遊びをする人間以外にも影響を及ぼします。むしろそれ以外の人達、農業や漁業を生業としている人たちの方が死活問題なのですね。

水不足の為、四万十川にはこれでさよならし、仁淀川を下ることに。
佐川町の運動公園で泊。

途中、たまりにたまった洗濯物を始末する為、コインランドリーを探したのですが、区画整理のためか地図と大幅に道が違っており、またしても「すぐそこにありそうなのに辿りつけない」状態に陥りました。道行く人もいないので、目の前の「くいしんぼ」をいうお店に飛び込み、怪訝な顔をする店の人を捕まえてコインランドリーの場所を聞きました。よくわからないと言いつつも、何人かでよってたかって教えてくれました。どうもありがとう。おかげで洗濯物も片付きました。


3月4日(土)
仁淀川の下見。
やはり水は少ないけれど、とりあえず下れそうな水位は確保できそう。しかも!きれい。
川沿いにバス路線もあるので下ることに決定し、時間つぶしと買出しのため高知へ。
行く道々仁淀川を見ていきましたが、下流に行っても川の水はきれいでした。

買い物を済ませ、越知の公園へ。
この公園には馬さんがいました。もちろん、私達は純と蛍を抱いて「馬見物」。人間より大きいものを見たことがないので、2猫ともぶるぶる震えていました。
石を敷き詰めた小川があり、飛び石のようになっているのでどういう行動をとるかと思って純を放してみると、普通の顔をして飛び石を渡っていました。もう少し面白い反応を期待したのに・・・。例えば一旦水に手を突っ込んでから手の置き場所を考えるとか。



3月5日(日)
四万十川のときの失敗を教訓に、早めに起きてバス乗車地点、出来地で朝食。
その甲斐あって、目指すバスに乗り込むことが出来、貸切状態だったので運転手さんとあれこれ話しながら道中楽しく行けました。カヌーのメッカとはいえ、やはり畳んだカヌーを担いで乗り込むと興味津々の目で見られます。そして、(釧路川でもそうだったけど)路線を外れてもカヌーを出しやすい所まで運んでくれたりするのです。とてもありがたいことです。

テカポを組み立て、仁淀川下り開始。
川に出ると、すぐ下をたくさんの魚が泳いでいました。結構大きかったので魚の種類を知らない私達は「きっと鯉だろう」ということで決着をつけました。きっと違ったんだろうけど。
途中の放水口まではさすがに水が足りなくてパドルは竿になってしまいました。
川地図に瀬の印がない初めての川下りだったけれど、瀬のたびに慎重に流れを読み、時には上陸して上から見通したので、うまく瀬を抜けることが出来ました。大きな岩の瀬で、思わぬところに隠れ岩があってびっくりしたけれど、ここでもテカポのおかげで切り抜けられました。
釣りをしている人も何人かいて、釣り師が糸を垂らしている所=水路があるのでカヌーが突っ込む所なので、そのたびに「通りまーす!」「すみませーん!」と大声をあげながら通っていきました。瀬の中では本人達は必死なので、早めに知らせて退いてもらわないと本当にぶつかる可能性があるのです。避けるなんてことは2人艇のテカポには難しい芸当です。
途中、道路が見えるところでは、乗ってきたバスが折り返してくる頃だと思って、わざわざ数10メートル戻って待ち構え、手まで振ったのに運転手さんには気づいてもらえずちょっと淋しい私達でした。
大きな橋を作っていて、工事は休みだったものの仮設の橋(水面から50〜60cmの高さ)があり、【む】は船を下りて中州をてくてく歩きましたが、【と】はどうしてもくぐりたいらしく、船に乗ったまま「リンボーダンス」をしてくぐっていきました。
最後の瀬は上から見るよりも波が高く、水の壁に突っ込むような感じでした。隠れ岩の上も水量があったおかげでこすらず抜けられ、2つの大岩の間も「迷ったら真っ直ぐ突っ込む!」の鉄則どおりにしたら、ここも水が集まっていたのではまらずに抜けられました。【む】はずぶぬれ。ズボンは絞れました。
9:00〜2:00の川下りでした。

あまりに面白かったので下流も下ることにし、とりあえず馬のいる越知の公園に戻って寝支度。
越知温泉で入浴。600円は高いなーなんて思いつつ入り、シャンプーをすると女性は800円になると後から知ってひっくり返りそうになりました。高すぎ。わかっていれば入らなかったものを・・・。


3月6日(月)
昨日の続きの川下り。
最後の大波の瀬をもう一度。昨日とはコースを変えて抜けようとしたら横波をかぶり、珍しく【と】がずぶぬれ。
昨日のコースとは打って変わってトロ場が多い。
工事のため水路が作られていて、私達が「ディズニーランドの瀬」と呼ぶチャプチャプした瀬(といえるのか?)ばかり。
しかも、川底が人工的に削られている為、浅いところで突然落ち込んでいてずいぶんテカポを傷めてしまいました。
終わってみれば天然の瀬と言えるところは2箇所くらいしかなく、なんだかがっかり。
水はきれいでしたが、1年経ったらすごい川になりそうな気配でした。

次の川下りは奈半利川。下見に向かいましたが、水なんてどこ?という感じ。いつ下れる川なのかつくづく疑問です。
上流の方にあるキャンプ場で泊。
焚き火をして焼きいもを作りましたが、火から出す頃合いがわからず、生じゃ困ると思ってひたすら燃やし続けた為、ほとんどが炭となってしまった悲しい焼いもでした。


3月7日(火)
朝から元気に外を走り回っていた純と蛍は、何を思ったか車の屋根に登り、ジェットバッグやテカポの上もぺたぺたと歩いていました。その下では【む】が惰眠をむさぼっていました。

吉野川に向かい走り出す。
水は少なめだけれどなんとか下れそうなので、川下りの参考本に「初級者でも大丈夫」と書いてあった早明浦(さめうら)ダム下から下ることに。それより下流の有名な「鮎戸の瀬」の辺りも、【と】は下ると言い出したのですが、交通手段がないのであきらめてもらいました。命知らずの事をするなら1人でやってくれと思った【む】は薄情者でしょうか。
川沿いを走っていると、「スポーツと酒」という訳のわからない組み合わせの看板を掲げたお店があったので覗いてみると、車の屋根にくくりつけたカヌーを見て、即座にダムに電話をして明日の放水の時間帯を問い合わせてくれました。すばやい。
夕方、早明浦ダムの放水のサイレンが聞こえたので川の水を見ていると、どんどん水位が上昇していました。なるほど、この水に乗るわけですね。

車でくつろいでいるとき、釣りをしているカップルがいました。なかなか釣れないようでした。ところが、その二人を尻目にとんびがさっとやってきて急降下、上昇するときにはしっかり魚を咥えていました。さすがです。


3月8日(水)
起きてバス時間に合わせて上陸地点に行きながら川を見ると・・・水がない!本当にない!
7時前に放水のサイレンを聞いたのでいずれ増えるのだろうと思いながらも、不安なのでバスを1本遅らせました。

11時出発。水はたっぷり。
水量があるので隠れ岩で船をこすることもなく、右だ左だと大騒ぎしながら大波の瀬を抜け、返し波でシーソーのように揺れながらたくさんの瀬を楽しんで抜けました。やっと、隠れ岩のせいで出来ている波と、水路が狭くなった為に起きている波との区別がつくようになってきました。
3級の瀬もあったらしいのですが(普通は初心者の2人艇ではそういう所には行かない)、水量があったおかげで、波は高いものの真っ直ぐ運んでもらえて、「沈する!」という恐怖もなく本当に楽しんで下れました。
ダムの放水のおかげでいい川下りができました。
下り終わって川を見ると、もう、干からびていました。

下っている途中、スギ花粉が飛び散るのを目撃。花粉症の【む】はそれを見ただけで鼻水が出てきました。


3月9日(木)
朝の放水を【と】が見ていると、犬の散歩をしている人が通りました。純と蛍を窓から覗かせると、犬さんを確認した途端に「ウー!」だの「フー!」だのと威嚇の体勢。いきなり猫が現れたので犬さんも驚いていました。

吉野川の急流部分を見ながら東へ。
5級の瀬を見たけれど、落差とか進路の変更を考えると、やっぱり全長4.5mもあるテカポでは無理のようでした。ホワイトウォーターは見て楽しむだけにしましょう。まだ死にたくないし。

三加茂でクスの巨木を見物。樹齢1000年くらいの立派な木でした。広がった枝の下にいると何かが聞こえてきそう。

那賀川方面へ山越えを試みましたが、なんと雪のためUターン。四国って雪が降るんだ・・・。
仕方なく小松島方面へ。海の近くなら雪はないでしょう。
那賀川の下見をするも、ここも水がない・・・。
ダムが放水するかと見張りも兼ねてダム公園で泊。


3月10日(金)
土砂降り。
放水は無いようだし、雨だし、本州に戻ることに。
フェリーに乗るため小松島へ。
フェリー会社に問い合わせると欠航しているとのこと。すごい雨だもんね。予約も受け付けていないようなので(なんで?)とりあえず港へ。
12時前にキャンセル待ち1番で並んだけれど、14時の便まで欠航と言うアナウンスが流れたので、時間つぶしの為街へ。
しばらくショッピングセンターの駐車場にいたけれど、ずっといられるわけでもないので、落ち着き場所を求めて那賀川沿いへ。
それでもいい所は無く、結局港を見下ろせる大神子(おおみこ)公園に戻る。なんだかガソリンの無駄遣いしてる感じですね。
フェリーは動き出したらしいけれどいつ乗れるかわからないので(既に1番のキャンセル待ちは無効)、とりあえずご飯を食べ、くつろぐ。

あまりに暇なのでそれぞれ新しい遊びを発見しました。【む】→蛍のマッサージ、【と】→蛍でシフトチェンジごっこ。いずれにしても蛍は迷惑そうでした。



3月11日(土)
3時に起きてフェリーのキャンセル待ち。148番。どうやら昨日の私達の1番から続いている番号のようです。
すぐの便に乗れました。よしよし。

タバコの煙にむせながらも、眠気の方が勝ち、グーグー寝ました。
そしてあっというまに和歌山。

祝!本州帰還。

本州に戻っても川を目指す私達。
近くの吉野川(紀ノ川)へ。
水は何とか下れそうというレベルだけれど、大雨の後なので信じてはいけません。
とはいいつつ、明日川を下る方向で話を進め、吉野山の公園で1日を過ごしました。とても寒かったです。
そんな寒い中、アウトドアをしている若人数人。呆れてしまいました。



つづく

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