2007年10月22日(月)  渡辺なるみ
タイトル:砂が吐ける生物になりたい。アサリとか。 隣りの席のあなた /
がんばれスリッパ
先週の席替えは…あんなに一生懸命お祈りしたのに…!
関原先生はまたしても腹痛。はあああぁぁ。

そんなこんなで、今日もあの席へ登校。
「おはよう、後藤くん早いね」
「…………おはよ」
右は、後藤くん。
今日も懐からさっと文庫本を取り出して読んでる。
彼の制服は年中冬服のブレザーで、いろんなものが制服の中から出てくるフォースディメンション(=四次元)ポケットと名高いの。
今はみんな冬服だから普通に見えるけど、夏はやっぱりブレザーが気になって仕方なかったなぁ。
「おはよう〜なるちゃん」
「おはよ、ゆめちゃん。一時間目の古典、訳やってきた?」
「もちろんだよぉ」
左は、新谷夢子ちゃん。
にこにこしたおっとりさんで、割としっかり者なんだけど…なんだけど…っ
「昨日、修ちゃんに教えてもらったのぉ。わたし、古典って苦手なんだけど修ちゃんはすごいのよぉ!」
「こら夢子、そんなこと人に話すのではありません。恥ずかしいじゃないですか」
「だってぇ、ホントのホントだもん〜」
「夢子はその分英語が得意でしょう?」
「えへへ〜褒められちゃった」
「ふふ、夢子は今日もかわいいですね」
「やだぁ、修ちゃんもかっこいいよぉ。ね、なるちゃん」

あーはいはい。


いきなり会話に参戦した挙句に論点を横取りしていったのは、後藤くんを挟んでもう一つ隣の席の、萩岡修吾くん。
言わずと知れた、名物カポー。
何が名物って、この二人は織姫・彦星なの。
噂では、幼稚園からずっと同じクラスにも関わらず、一度も隣の席になれたことがないとか。

「後藤くん、この二人の間でよく平気だね…わたし、もうダメ。もうピンク。勝てないよ…」
こそこそと話しかけると、後藤くんは文庫本から目を上げてちらりとこちらを見たの。

「夢子、古典が分からなかったらいつでも教えますよ」
「やぁん修ちゃん頼りになる〜!」

HRが始まるまでは途絶える気配のない会話。
後藤くんはにやりと笑ってブレザーのポケットから何かを取り出した。
「…………お守り…。…………八千円で、いる?」
「いらんわい!!」
クラスメイトから金巻き上げないで!

「修ちゃん、もし当たったらこっそり教えてね〜?」
「お安い御用ですよ。夢子が当たるなんて不幸は起きっこないですけどね」

…………やっぱり買おうかなぁ。

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2007年10月22日(月)  瀬田一
タイトル:キラリ星になる がんばれスリッパ / お昼休みといえばコレ!!
「秋だしさー、なんかスポーツやろーよ。秋だしぃ」

と田辺さんが言うのだが、

「じゃ、ドッジボールとかやる?」
「えー、ヤダ。汗かくじゃん」

汗をかく競技は嫌らしい。

「お前、じゃあスポーツやりたいとか言うなよ」
「馬鹿ね。汗かくだけがスポーツだと思ってんじゃないわよ。
 ヤダヤダ、これだから筋肉馬鹿は」

宮瀬の抗議も撥ね返し、

「あ、あれいいかもね」

廊下を早足で歩く相川のスリッパがすっぽ抜けたのを見て、

「靴とばししよーよ。秋だしぃ」



つーわけで、始まりました「第一回大靴とばし大会」。

靴の重さなどの条件を大凡揃える為と、
砂がついたあとの手入れが簡単なため、
使用する靴は上履き(スリッパ)に統一して、飛距離を競う。
着地した靴が側面で立っていると、プラス5mがボーナスとして加算されるというルールだ。

現在の大会記録はサッカー部の井口が出した38m。
その井口はというと、大会が始まってすぐに
「あれ?なんだ、女子スパッツはいてんだ」
とストレートに発言し、女子から総すかんを食らっていた。

「はいはーい。んじゃ次はあたしの番デスネ」

片手を軽く挙げて実夏ちゃん選手の登場デスネ。

「実夏、いきまーす!!」
『いけーー!アムローーー!!!』

実夏ちゃんの蹴り上げたスリッパは、声援と追い風に乗って

のびる……のびる………

「いやー。ダイブ特訓の成果がでましたネ☆」

ようやく弧を描いて落下をはじめて…………


遠くを歩いていた教頭先生の脳天に当たった。


「教頭先生の頭皮が剥け…っ!?」



否。



「教頭先生の頭皮が飛んだーーーーーー!!!」



頭皮はバウンドしたスリッパとともにハルカカナタへと飛んでいった。






撤収!!!!

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2007年10月25日(木)  高科佐希
タイトル:それは、嵐のように(前編) お昼休みといえばコレ!!/
授業中の怪事(?)
お昼休みです。楽しい食事に委員会……そして。
この高校じゃないと聞けない放送。校内の何処にいても聞こえます。
それは何の前触れもなくやってきます。本当に心臓飛び出るんじゃないかと毎回思う。

『ピンポンパンポーン』

……あれ?珍しい。何時もは機関銃やら暴走族さんがやってきそうな音で始まるのに。

『お昼の放送です……って、
 真面目にやってられっか、この野郎ー!!!

あ、やっぱり通常通りだ。やっぱり吃驚しちゃうなあ…それにしても珍しいパターン。

気を取り直そう。お昼の放送だ

文化祭以降、更に人気が加速している方。放送部員であって男の方と言う事以外不明の人。
放送部員だと言う冬子(ふゆこ)さんが教室にいる日は、この方の素性を聞く人がちらほら。
だけど冬子さんは知らないそうです。知っていたからって何の得にもならないみたいです。

『今日は機嫌が良いんだ。勘の良い君達はすぐに分かる筈だが言わないでおこう』

……?あ、もしかして関原先生がマイクを買ってあげたのかな?
最優秀を持っていった相手だというのに、先生もちゃんとしっかりしている所はあるんだなあ…

『さてまずはお悩み相談のコーナーから。
2年、スポーツしたいさんからのお便りだ。キャサリン達の為に奮発したら金欠です』

あれ?これって…

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2007年10月25日(木)  高科佐希
タイトル:それは、嵐のように(後編) お昼休みといえばコレ!!
/授業中の怪事(?)
『そうか、好きな女の子達に貢いで捨てられたって事か。気にするな。
しかし外国人を落とすなんて大した男だなスポーツしたいさんも。
ただ複数はいただけないな…良いか、男はただ1人の女を愛するんだ!
愛して愛して愛しまくるんだ!!それが真の男だ。
金欠になったのは複数の人を愛した代償だ。これに懲りたら一途になるんだ!いいな?』

……木村君、何でそんなに宮瀬君を睨むの?
それからお昼の放送は続きました。中にはこんな禁断の質問をする人も。

『1年、知りたがりやだけど恥ずかしがりやさんから。
私のお兄ちゃんが此処の卒業生です。この放送も聞いた事があるそうです。
一体貴方は何年生なんですか?

おおっと、それは聞かない約束だぜ。次行こう』

自分に不都合な内容でも生徒のお便りはちゃんと読む所辺り、
やっぱり凄いな。不都合な内容は読まない人が多いから。

『今日は1つビッグイベントを用意した。良いか?10月31日はハロウィンだ。そこでだ。
この日1日中校内でコスプレを成し遂げた猛者全員に、最強の称号を与えようじゃないか!
更にその日にコスプレした猛者から俺が選んだ1人には俺から愛のプレゼントだ

尚、これは生徒会公認だ。当日生徒会の諸君が写真を撮影しに回る。
コスプレしている者は是非協力してやってくれ。愛のプレゼント当選者の発表は……』

この人から与えられる称号はきっと誇れるものだろうな。
それに生徒会公認って……なんて学校なんだろう。先生達もよく許可したなあ。
あ、もしかして“そんな事する生徒はいない”と思っているのかも。どうなる事かな…

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2007年10月25日(木)  渡辺なるみ
タイトル:真犯人は誰だ!? 授業中の怪事(?)/内職タイムの危機
ぐうううううぅぅぅぅぅ。



まぶたの重い四時間目の数学、盛大に誰かのお腹の音が響いたの。
そうよね…うちらの年頃は、欲求に忠実だよね…。原始的な欲求ほど抗いがたいよね…。
カッカッと黒板を書いていた首相(数学教師。ながーい眉毛がトレードマーク)の手がぴたりと止まる。
教室に走る緊張。
みんなキョロキョロ周りを見回してる。

「あー…。今腹を鳴らしたヤツー」
ざわつく教室内。ぶんぶん横に振られる首。
「この問題解きなさい」
なんたる羞恥プレイなの!首相!

音の方向から察するに、左ななめ後ろ辺りから聞こえた気がするの。
まぁ、わたしの席は廊下側の前の方だから、ほとんどの人が左ななめ後ろにいるんだけどね。
振り返ってみると、音がしたと思われる席のあたりはみんなから注目を浴びてる。

「キャサリン…ダメだろ、授業中に腹鳴らしちゃ…」
ため息混じりにコータくんがぽんっと春ちゃんの肩に手を置く。
「違う!!僕じゃないよ!!てゆーかキャサリンじゃないから!!
…春ちゃん、一周しちゃうよ、首。
「じゃあ安藤?」
井口くんが聞いたけど、安藤くんにジロリと睨まれて終了。
「てことは…も、もしかしてみかちゃん…?」
「ちちちちがうよ!濡れ衣だー!」
わっと泣き伏すのかと思いきや、そのまま白目をむいて意識を手放した様子。
ガクリと机に突っ伏すみかちゃん。

「あー…。オホン。ハイ早く解きなさい。じゃあ、瀬田」
「オオオオレなの!?」
あせあせと慌てて教科書を持って前に出るタイチくん。

「あーそうか…瀬田だったのかぁ…」
「タイチか…」
「そういうときもあるよな、な、タイチ」
「そうそう。人間誰でもよくあることだって」
「生理現象だもんね。しょうがないよ瀬田くん」

「冤罪だーー!!!」

右下がりに板書しながら叫ぶタイチくんを尻目に、教室の中はすっかり慰めムード。


わたしもお腹空いたなー。

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2007年10月25日(木)  山手真海
タイトル:腹割って話さない?そこの3人。 内職タイムの危機/教室のロマン
ほんわか晴れた木曜日。
5時間目の今、アタシは
ゴジラの左足のつま先を編みつつ、
新ハナコTシャツ案を煮詰めつつ、
総武とノートの端っこを千切って投げ合いつつ、
手紙を書いてるの。

あて先は、実夏ちゃん。
『ねぇ、お昼の放送聞いた?』

返信。
『聞いた聞いた!…けど、なんで?』

むふふ。
すっとぼけちゃって☆
『ハロウィンコスプレ企画…いっとく?(アスパラドリンク風・古っ)』

返信。
『…考えとく』

え!?
ちょっと待って、なんでそんなツレナイのよ、実夏ちゃん!
アタシがコスプレ衣装制作担当、実夏ちゃんが着用モデル担当になったら最強間違いナシなのに!

『ねぇ、アタシとタッグ組まない?』
予想外の保留発言にドギマギしながら、ルーズリーフの切れ端を折って前の席に託すアタシ。
けど、何をどう間違えたか、手紙は木村の机に回された!!

いぶかしげに手紙を開いて…きょとんな木村。
振り返ってアタシと目が合うと、さっと前を向いて返事を書き始めたの。

返信。
『僕には心に決めたひとがいるから…ごめん』

なにマジレスしてんのよ、木村!
ていうか、どういう勘違いよ。
しかも、だから誰なのーっ好きな人って!!

『教えなさいよ、好きな人!!』
って書いたアタシの手紙は…
今度はなぜか瀬田の机へ。

アタシと目が合った瀬田は…

返信。
『も、もちろん女の子だよ?』

いや、そりゃそーでしょうよ。
なんで手書き文字でどもってんの。

『コスプレしない?』
気を取り直して、再度実夏ちゃんへ手紙送り。
が、またしてもそれは木村のもとへ。

返信。
『そういう趣味ないから!』

アタシだってないわよ!!(絶叫)

『好きな人バラすわよ!』
て、木村へ。
けどなぜか、受取人はまたしても瀬田。

返信。
『それだけは許してクダサイ』

…そんな禁断の恋なの?
『クダサイ』あたりの文字、震えてるわよ。

とその時。

「や〜ま〜の〜て〜」

背後から轟く低い声。
…ああ、バレちゃった…☆

「今度こそこそしてたら、編み棒没収な」
…鬼!
アクマ!!

ていうか、ちゃんと回して、みんな

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2007年10月26日(金)  瀬田一
タイトル:お祝い 教室のロマン / 学食のあのメニュー
「なー、美尋。俺今日誕生日なんだわ」

昼休みの教室。
調理実習室の冷蔵庫から例の物を取り出して戻ってくると、宮瀬は沢渡さんと向かい合って座っていた。

「知ってるわよ?さっきオメデトウ言ってあげたじゃん」

どうやら二人でマッチョな雑誌を見ながら筋肉について語り合っていた模様。



「だからさー、結婚しようぜ」



・・・・・・・・・・・・教室一斉に沈黙。



「アンタ馬鹿ねー!18歳になんないと結婚できないのよ!?」
「だから誕生日きたから言ってんだろ!!」
「アンタまだ18歳じゃないでしょ!」
「だってこないだ山手のやつ『18歳になったわよん〜』って言ってたじゃねーか!!」
「あの人はダブってんの!!一個上なの!!

 
おっさんなの!!老けてんの!!」
「ヒ……ヒドイわ、みっひー……」


「…………馬鹿!!
もう!ほんっとーーーーーーに馬鹿なんだから!!」



沢渡さんはプリプリしながら教室を出ていった。



「ちぇー…、何だよアイツ。馬鹿馬鹿って可愛くねーのっ」

宮瀬は少し気恥ずかしそうに腕で頭を覆いながら机に突っ伏している。

「そう?かわいーと思うけど」
机に近づきながらそう言うと、宮瀬にギロリと睨まれた。

「まぁまぁ。婚約おめでとうはまた来年ってことで」

慰めるようにクラスの男衆が宮瀬の周りを取り囲む。
「ほらタイチっ」とコータに促されて、宮瀬の前にさっき持ってきたケーキを置く。
ケーキの上に書かれた言葉は「婚約おめでとう」ではないけれど、来年はそう書けたらいいよな。

だけどまだ、今日のところは……






『誕生日おめでとう』




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