2007年11月6日(火)  瀬田一
タイトル:今日の昼休み(前編) 学食戦争 / クラスの花瓶
4時間目の化学の後片付けがうちの班はちょっと長引いたので、
昼休み始まって5分経過という時間に学食へと急いでいるおれとなるちゃん。
目当ては今週から試作でメニューに加わった新作デザートだ。
売り切れてないといいけどな……。



購買のパンやおにぎりと違って学食はこの列に並ぶまでが勝負だ。
学食はすでに長い列が出来ていた。
券売機形式のコーナーとカフェテリア形式のコーナーがある。
新作デザートが売っているのはカフェテリア形式の方なので、お盆を持って列に並ぶ。
と、列に並ぶと最近見慣れた仏頂面が前にいた。

「あ、木村も学食なんだ?」

声をかけると「まぁね」とそっけないお返事。
木村の持っているお盆の上には200mlの牛乳パックが3つも並んでいた。

「春ちゃん、牛乳3本も飲むんだ?」
「あぁ…これ…?」

木村はますます眉間に皺。

「川山の奴に持たされたんだ。
 『これ飲んだら身長伸びるぞ!ついでにグラマラスボディになっちゃうかもな!
  そしたら、正真正銘ブロンド美女ダイナマイツキャサリンになれるぞ!』って
 馬っ鹿じゃないの。おかげで学食に来るの遅れるしさー…。
 売り切れたらどう責任とってくれるっていうんだろうね」

そういや妹のサツキも「目指せCカップ!!」とか言ってよく牛乳飲んでるな。

「木村は何食べんの?」
「王様ハンバーグセット」
「……お子様ハンバーグ…?」
「頭湧いてんじゃないの?お・う・さ・ま・ハンバーグ!」

……聞き間違いでした。ごめんなさい。

「王様ハンバーグかー。春ちゃんハンバーグ好きなんだね」
「まあね」
「そっか。春ちゃんはハンバーグ魔人なのね」
「まあね」

……ハンバーグ魔人?

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2007年11月6日(火)  瀬田一
タイトル:今日の昼休み(後編) 学食戦争 / クラスの花瓶
なんとか無事に新作デザートを買い終わって教室に帰ろうと思ったら、
すでに人もまばらな券売機のところに秋成がいた。
なるちゃんに先に教室に戻ってもらって、秋成に声をかける。

「秋成」「ああ」

秋成はこないだ北山さんが言ってた裏メニュー知ってんのかな?

「秋成はさ、裏メニューがあんの知ってる?」
「知っている。今日はそれにしようと思ってたところだ」
「そっか」

秋成は100円玉を一枚投入。
これでたしか、たぬきときつねを特定の順番で押すんだったよな。
よし、北山さんのときは覚えきらなかったけど今回はしっかり覚えるぞ。

そして、秋成はボタンを押した。

「ぽんたぽんぽんたぽんたっと」

……あれ?

「いいい今の何?」
「何って裏メニューだろ?ポン酢たぬき冷やしうどん」
「たぬききつね蕎麦じゃないんだ!?」
「そういうメニューもあるな」
「もしかして他にもある?」

つーか、こないだは「たぬき」で今回は「ぽんた」か。
そんなにたぬきが好きか?

「他はそうだなー…。特に注文したいメニューじゃないが、素うどんポン酢がけとかがあるな。
 おろしポン酢うどんのボタンと100円入れるのを交互にやるんだ」
「交互…」
「100円入れてボタン押して100円入れてボタン押す。200円でまあ安いな。
 一部ではポンポーンって呼ばれてるメニューらしい。この伸ばすところで100円入れるからだろう」
「………ポンポーン?」

その時、おれのなかで妙な予感がした。

「おれ……もう教室いくな…」
「ああ」



教室に行く前に公衆電話による。
家に電話をかけて5コール。

「はい、瀬田です」
「もしもし、おれだけど」
「まぁ、一ですかっ?」

ご機嫌そうな母さんの声。おれは……なんだか……胃が痛いぞ。

「ねぇ…おれに、なんか言うこと…ない?」

きっと杞憂だ……と、思いたい…けど…

「あらー…ふふふ…っ。大・正・解!!」

え?マジで正解なの!!??つか、何が正解だかわかってんの!?

「なんで?どーしてわかったのかしらぁ?
 今日病院行ってみたら、双子だって。
 性別はきかなかったわ。弟だといいわねぇ」



学食の新作デザート「双子プリン」が妙に恨めしい昼休みだった。

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2007年11月9日(金)  高科佐希
タイトル:少し教室が明るくなった日 クラスの花瓶/校長先生と一緒
昨日のお昼休み。お昼の放送が終わって少しした位。
殆どの人が教室に戻って来ていた時。五反田君がある物を発見。一同はそれに釘付けに。

「……壷?」
「いや、花瓶でしょ」

シンプルで何処にもある花瓶。でも何処か壷に見えてしまいます。
今まで誰も花瓶の存在に気付かなかったようです。
そういえば最後に花が生けられていたの、何時だっけ?うーん……
「花があれば…ね?キャサリン」
「〜〜〜っ!何で僕に言うのさ」

田辺さんが木村君にそう言うと、彼は不思議そうに反応。
……あ、ちゃんと堪えている。何時もは怒鳴るのに。
(ちなみに木村君に言ったのは美化委員だからみたい。転校早々就任なんて凄いなあ)

「あーら、花なら此処にあるわよ」
「え?山さん何処にあるの?」
ノリノリの山手君にタイチ君が驚いた様子。後藤君が持って来たのかな?

「ほーら、こ ・ こ ・ に v」

自身を指さす山手君。一瞬の沈黙。
“山手…”と、彼の肩に手を置いて意味深な表情で見つめる川山君。どうしたんだろう。

「やーねー、冗談よ冗談…皆ひどすぎるわ…アタシ泣いちゃうわよ?

その後何を生けようかと相談した結果。木村君と古谷君が選んでくる事に。
理由は木村君が美化委員だからと言う事、古谷君は

「頼む。キャサリンはか弱いから…」
「き、きゃ…?あいつは男なんじゃ?それに部活…」
「何時何処で誘拐されるか分からないし、な?部活と命どっちが大事なんだよ」
「………」

木村君をキャサリンと呼ぶ方全員から、
彼のボディーガードを依頼された為でした。


そして今日。綺麗な花が生けられていました。木村君曰く、花屋さんに選んでもらったとの事。
花瓶がどんな物かを知らない筈なのに、花瓶も映えている感じが。」
ただ数人マーガレットやチューリップを期待していたらしく、落胆していました。

「春ちゃん、春ちゃん。お花の代金はどうするの?」
なるみちゃんが聞き、木村君は
「古谷にボディーガードを依頼した奴全員で割り勘。良い迷惑だよ」

と。その手には人数分の請求書が。
金額はわざと高めにしたそうで…一部の皆さんご愁傷様です

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