| ■ダクト内にレジオネラ菌が発生するという囁きその1 |
誰かが「加湿するとダクト内が結露する」と囁いている 誰と特定出来ないが、加湿機能を持っていない換気メーカーが「加湿するとダクト内が結露し、レジオネラ菌の発生の怖れがある」と消費者に囁いているらしい。 今まで誰も問題にしていなかったのに、このところ続けてお客様から質問を受けた。「何でも広場」に回答を掲載したが、問題が問題だけに、改めて取り上げてみたい。 自然界よりも20℃以上の人工滞留水、循環水に多く生息 レジオネラ菌は、肺炎を起し、死にいたらしめる怖い細菌。 レジオネラ菌については、数年前に24時間風呂で発生して、誰もがその存在を、おぼろげながら知った。 レジオネラ菌は暖かい淀んだ水に棲む。自然界では土壌、河川、池、水田などに生息。しかし、菌の数は少ない。日本で多いのは、人工的につくられた20℃以上で滞留、または循環している温水。 レジオネラ菌が生息する温度帯は20℃〜50℃といわれ、36℃が最も好む温度。そして、どちらかというと高温に強く、63℃の温泉から検出された例もあるとのこと。しかし70℃では死滅。 冷却塔水、24時間温泉風呂水、超音波加湿器が主犯 レジオネラ菌の発生で大問題になったのは、ビルの冷却塔。なにしろ35℃〜42℃にもなるので、処理が行われていなかった時は、冷却塔水の70%からレジオネラ菌が検出されたとのこと。 次は十数年前から爆発的に普及した家庭用24時間温泉風呂。お湯を常に濾過してきれいだといっていたが、レジオネラ菌対策がなされていないものが問題を起した。そして、家庭用24時間風呂だけでなく、公衆浴場のジェットバスやバブルバス、温泉なども、完全に安全とはいえない。腰湯にして、エアロゾル(微細な水滴)を吸込まない注意が必要という。 ついで問題になるのは加湿器。 家庭で使われている加熱式の簡易加湿器は、高温で水を蒸気にするシステムで、殺菌機能があるので問題はない。タンクの水はすぐ無くなり、常に補充する必要がある。しかし、タンクから洩れた水は、時折捨ててきれいにしておくことと、家をあける時水を満タンのままにしてなければ、心配ない。 加湿器で一番問題になるのは、超音波式と回転霧化・遠心噴霧式。 これは水を低温で霧状にするので、殺菌がされない。かって、大学病院で新生児のレジオネラ肺炎の院内感染があった。その原因が、超音波加湿器だった。 全館暖房にしたとたんに、喉がカラカラに乾く 東京の冬の乾燥は異常。世界に例がないひどさ。 このため静電気が起り、インフルエンザが猛威を振い、冬期は木枠やクロスが収縮して口を開く。 個別冷暖房の時は、暖房しているのがLDKだけだった。 LDKは炊事から湿気が出たし、暖房はガスか灯油のため、これまた湿気が出た。このため、LDKの相対湿度はなんとか40%近くを維持出来た。そして、廊下へ出るととたんに温度が10℃程度になるので、喉のいがらっぽさがなかった。炬燵で暖をとっている和室の造作材の口が開くことも少なかった。 ところが、高気密住宅で全館暖房ということになり、今まで寒くて問題を起さなかった和室、廊下、階段室、便所、洗面室が暖かくなってきて相対湿度が低くなり、枠やクロスの剥がれがクレームとして浮上してきた。また、クリーンエネルギーということで二酸化炭素を出す石油、ガスストーブが排除され、室内の相対湿度の低下に拍車をかけた。 これは実話。 INAXトステムの潮田会長は、数年前自宅をトステムが開発した高気密高断熱住宅のスーパーウォールで建替えた。ところが、換気は一番安い第三種換気で、加湿機能がなかった。 このため、大きな家なので「簡易加湿器を5台入れたがそれでも喉が乾き、寝る時はマスクを付けて寝ている」と苦笑されていた。このため、今年新居を全面的に替え、加湿を付け加えたと聞いている。 ことほど左様に、東京の高気密住宅には加湿が不可欠。 加湿に関しては、悪戦苦闘の連続だった そこで、最初に採用したのが超音波方式。ところが、これはダクトの中で結露し、ダクトから水洩れが生じる始末。とてもじゃないが住宅では使えない。そこで試験的に採用した家も、加熱式に変更した。 もしダクトに結露しなかったら、超音波方式をその後も採用していたであろう。そして、ダクト内部にレジオネラ菌を発生させていたかも知れない。そういった意味で、超音波方式が初期の段階でダクトに結露が生じたことは、不幸中の幸いであった。 超音波式が駄目だということで、次に採用したのが加熱蒸発式。セントラル空調の加湿は、簡易加湿器数台分が必要。 このため、ものすごく電気代を食う。加湿費だけで月に6000円以上もかかり、とうてい一般には薦められない。また、一冬で水道水のカルキが山のように溜まり、メンテナンスも欠かせない。 したがって、装置は付けたが、ほとんどの家庭では稼動させず、簡易加湿器を買ってきて、なんとか冬場を凌いできたというのが数年前までの実態。 ランニングコストが少ない画期的な透湿膜方式 そして、数年前にダイキンが透湿膜という画期的な加湿システムを開発してくれた。0.4μmという多孔質の膜の筒に直径8mm程度の空気の通る穴を無数にあける。そして膜に水を浸すと、穴を通る空気に自動的に湿度が加えられるというシステム。 何しろ、月わずかな水道代だけで、電気代が一切不要。 当然カルキが膜に溜まるので、7〜10年で透湿膜は交換しなければならない。その費用が4〜5万円かかるが、年に換算すると4〜7000円程度。 簡易加湿器1台でもそれくらいの電気代がかかり、しかも一日に2回も3回も水を供給してやらなければならない面倒な手間を考えると、非常にお得。 当然、いの一番に飛びついた。 |