| ■なぜR2000住宅の気密性能が再認識されているのか |
| 今、R2000住宅の気密性能が見直されている。 何故か。 水谷達郎氏は、住宅金融公庫の建設部長時代に、素晴らしい明言をはいた。 「今までの住宅は平面にすぎなかった。これからの住宅は立体空間の時代になる」と。 平方メートルから立方メートルへ 誰もが、なんとなくそのことに気がついていた。 しかし、水谷氏に言われて、私はハッと目が覚めた。 以来、建ててきた住宅の90%が、吹き抜け空間か勾配天井を持っている。 昔から「大物は天井の高い空間のある家で育っている」と言われている。寸詰まりの天井高の公団住宅などで育ったから、今の若者はこせこせしている。政治家にも大物が見当たらない、ということになる。 この真偽は分からない。 たしかに、勾配天井などは、心が豊かになってくる。いつまで見ていても飽きることがない。大物になれるかどうか分からないが、心が癒されることは、まぎれもない事実。 建築的に、いわゆる構造力学的に吹き抜け空間を造ることは、いたって簡単。 誰にでもできる。 昔、在来工法で吹抜けのある家を二軒ばかり訪ね、そのひどさにあきれたことがある。冬、どんなに暖房しても一階の部分が暖かくならない。電気カーペットを敷いてもスースーする。 結局、二軒の家とも吹抜けのある居間は、冬期には使われることがなかった。 温度差のある空間は、居住空間ではない。傘が不要なだけの、商店街のアーケィド空間にすぎない。そんなアーケィド空間を造られた施主こそ、迷惑。 もう足かけ13年間、R2000をやってきているので、吹き抜け空間は当たり前のことだと考えていた。 ところが、次世代省エネ基準で吹き抜け空間を造ると、一階の床と二階の天井の間に5℃以上の温度差が生じるということが分ってきた。吹き抜け空間にある階段を登ってゆくと、途中で顔に当る温度が変わってくる。 不快。 アーケィドじゃないかと叫びたくなる。 つまり、天井高が2400ミリだと、次世代省エネ基準の瑕疵が見えなかった。ところが吹き抜けや勾配天井が当たり前になってくると、温度差という形で問題点が明確に浮かび上がって来たという次第。 アーケィドではなく、居住空間と呼べるには、一階の床と二階の天井との温度差が、2℃以内でなければならない。 この2℃の温度差を維持しようとすると、R2000住宅の断熱性能は当然のこととして、相当隙間面積は5平方cmなどとは言ってはおれない。どうしても1平方cm以下の気密性能でなければならない。 いや、最近の実感では、0.5平方cm以下でなければならないと考えるようになってきている。 吹き抜け空間の温度差2℃を担保してゆこうとすると、R2000住宅の基準ですら甘いということ。 とくに開口部のコールドドラフト現象を防ごうと考えると、国産のアルミの断熱サッシでは駄目。 また、夏場は遮熱ガラスを使わないと、温度差のない快適空間を維持出来ない。 別に次世代省エネ基準にケチをつけようというのではない。 次世代住宅は、間違いなく立体空間の時代。その立体空間の快適度という点から眺めてみると、この程度の基準をフウフウ言いながら守っている業者では、これからの顧客の要望に応えることが出来ない。顧客満足度を高める能力が無いとみなされる。 空間を謳う以上は、R2000の基準をコンスタントにこなせなければならない。 つまり、ツーバィフォー協会は、立体空間時代の最大の武器としてR2000住宅を再認識し、他工法との最大の差別化のツールとして地域ビルダーが利用できるようにしてゆくべきだ。 でないと、協会の存在そのものが、風前の灯火になってきていると思うのだが、間違っているでしょうか? もっとも、顧客に責任を持とうという業者は、協会任せにせず、自分からリスクを背負うべきであるが……。 |