| ■くたばれ「外断熱・2重通気工法」 (13) |
| 3寸、3.5寸柱と筋違い、キズリ軸組の問題点 江戸から明治時代までは、住宅は大工任せであった。この大工は耐震性と防火性に関して、全く無関心。特殊な仕口、継ぎ手などの技能にのみこだわる変狂者。 しかも請負った住宅が倒壊しても全焼しても、一切責任を負わない無責任集団。 そして、関東大震災の翌年、「建物には適当に筋違いと方杖を設けよ」と市街地建築物法に付け加えられ、日本の軸組木構造に初めて斜材の筋違いが登場してきた。たかだか80年前のこと。 関東大震災では、江戸時代に建てられた住宅が比較的強かった。強度のある欅が使われていたから。明治に入ってからは杉が中心になって、強度が落ちた。 そして、地震の被害は、2階建ての通し柱が梁や胴差との仕口の部分で折れるという形で表面化。 戦前、田辺平学氏は「耐震建築問答」の中で「古来、地震や台風で多くの人を殺してきたのは、極言すればホゾ差しのためである。大工は殺人的なホゾ差しに憂き身をやつすことをやめ、筋違いの入れ方を覚え、金物などの安全な仕口を用いるべし」と書いているそうだ。だが、ほとんどの大工は反省しなかった。 1950年に建築基準法が施行され、施行令の中に(1)2階建ての隅柱またはこれに準ずる柱は通し柱とすべし (2)通し柱の断面積の1/3以上を欠き取ってはならず、欠き取る場合は補強をすべし、という条項が加わった。 しかし、3寸とか3.5寸の杉の細い柱で、2方向からくる梁や胴差しのホゾ穴をとると、とても1/3の欠き取りというわけにはゆかない。欠き取りが2/3で、残った部分が1/3という通し柱が圧倒的に多かった。従って、運搬途中とか、建て方の最中に折れるという状態が多く見られた。通し柱を2本抱き合わせにして、欠き取りを1/3以下にしようという殊勝な大工はいなかった。 この欠陥が、阪神大震災で露呈された。 在来軸組は、つい10年前までは、下小屋で大工がホゾをとり、ミゾを掘った。ノミとカンナの世界。しかし、プレカット化が進んできて、今では下小屋で大工がホソ、ミゾをとっている姿を見かけなくなった。 そして、隅留ホゾとか尻挟み継ぎなどはとっくに姿を消し、簡単でネジレの避けられない仕口、継ぎ手になってきている。 私はプレカット化に反対しているのではない。必然的な方向だと思う。しかし、これからの長寿住宅を考えると、無垢の製材品による構造及び断熱気密性能については、以下のように大幅な改善を加えてゆくべきだと考えます。 まず柱。最低3.5寸。 そして、公庫の高耐久住宅の指針にあるように、隅柱ないしはこれに準ずる柱は4寸以上にしよう。目的は、胴差しや梁のホゾ穴で通し柱が地震で折れないようにするため。 そして、構造材は全て人口乾燥材を用いること。化粧の床柱を除いて、背割り材も追放してゆこう。 次は筋違い。 関東大震災以来、筋違いはそれなりの効果を発揮してくれてきた。 しかし、筋違いの性能とか機能について、工務店や大工さんが正しく理解しているとは、お世辞にも言えない。 なぜなら、多くの建築現場で、筋違いの入れ方が、まるきり逆の場合が多い。 鉄骨造の場合、径15mmぐらいの棒鋼の筋違いがタスキがけに入っている。 棒鋼の筋違いは、引張り側にしか効かない。押せば、グニャリと曲がって、耐震上何の役にも立たない。このように引張りにしか効かないものだから、タスキにかける。これだと、左から力にも、右から力にも対応してくれる。 これに対して、木材の筋違いは、引張りにはほとんど効かず、もっぱら圧縮側にしか効かない。つまり、つっかい棒。 当然、柱と同寸の筋違いの方がつっかい棒としての役目を多く果たしてくれ、2つ割、3つ割と薄くなるほど効き目が少なくなる。 そして、水平荷重をより多く受けるのが1階の壁。 従って、1階の壁に入れる筋違いは、上が外開きになるように入れるべき。この方が、圧縮効果が大。 ところが、多くの現場で、2階を圧縮側に入れ、1階を引張り側に入れている。こんないろはのいの字も判っていない工務店には、仕事を頼まない方がよい。 次はキズリ。漢字では木摺と書く。 このキズリというのは、そもそも内外とも、漆喰壁の下地として考え出されたもの。幅が1寸(30mm)からせいぜい1寸3分(40mm)で、キズリとキズリの間隔は3分(9mm)というのが相場。これを壁の両面に貼り、漆喰を塗れば、壁倍率で3倍近いかなりの耐震性があったらしい。 ところが、戦後の外装の不燃化で、モルタル壁が採用されるようになってきた。物がなかった時代だったので、安い板材をモルタル壁の下地として使った。幅は次第に大きくなり2寸(60mm)から 3.3寸(100mm)となり、キズリ間隔は15mmという具合に。 杉山英男先生が力説されるとおり、漆喰壁下地のキズリと、モルタル壁下地のキズリは、同じネーミングだが、似て否なるもの。モルタル下地のキズリはほとんど耐震効果が期待出来ない。 現に、阪神大震災では、この幅広で、短いキズリが破損して、被害を大きくしていた例を厭になるほど目撃。 杉山先生の言われるように、これからはキズリなどという端材の使用は止めて、耐震性能の高い構造用面材に全面的に変えてゆくべきであろう。構造用合板の使用をいやがる大工さんは、かつて筋違いを毛嫌いして多くの人々を殺した大工と同列。 西方里見氏は「外断熱が危ない」(エクスナレッジ刊)の中で「当初は先張りシートをやってキズリでやっていたが、現在では構造用合板を貼って気密をとる工法が確立した」と書いている。 キズリだと、構造材の暴れを吸収出来ない。構造用合板だと不陸などの暴れを抑えてくれるので、仕上げ材に亀裂が入ることも少ない。また、地震の時は構造材のネジレ現象を抑えてもくれる。 そればかりではない。筋違いではなく構造用合板で耐震性を確保出来れば、壁の中での充填断熱がいとも容易に出来る。東京以北では、逆転結露の心配も少ない。 筋違いを前提にすると、充填断熱の施工が大変に難しい。勢い、外断熱に走らざるを得なかった。したがって、私は外断熱そのものを否定はしない。筋違いを前提にすれば、これしかない。 しかし、3X10の構造用合板で、土台から胴差まで一枚物の合板で処理すれば、構造強度は飛躍的に高まる。そして、外断熱に拘束されなくて済む。 いずれにしろ「外断熱だけが正しくて、それ以外は邪教だ」とするアラブの気狂いテロ集団ごときは、日本から一掃した方が、世界平和のためになる。 |