| ■次世代基準は減農薬。R2000基準で初めて有機栽培 |
| 他業界で頑張っている元気印の中小企業。 スターになった岡野雅行さんやIE関係のベンチャー起業家。 そういった人々の話は大変面白く、参考になります。しかし、住む世界が違うので、なかなかピンときません。 「元気な商店街 7つの秘訣」(鶴野礼子著、ダイヤモンド)は、シャッターが閉まったままの商店街が多い中にあって、知恵を出し合って頑張っている全国の元気な商店街を取り上げていて、読んでいて大変楽しくなってきます。元気な小売業やレストラン業を紹介した本は多く見かけますが、商店街として元気を取戻しているという本は初めてで、非常に勇気づけられました。 しかし、「健康」という看板を掲げている関係上、どうしても気になるのが農漁村の動きであり、医療関係の動きです。もちろんプロでないので専門書を読むわけではありません。だが農漁村、医療に関係の本には、つい手が伸びてしまいます。 最近、面白い本を2冊読みました。 1冊は「時代を掴む男達」(小石原昭、財界研究所)です。 地方行政のトップをはじめ元気な男達が紹介されています。 農漁村関係では「森は海の恋人」や「日本汽水紀行」で有名人になった畠山重篤氏(気仙沼で牡蠣養殖を営む)と石川県の河北潟干拓地で、有機で100haの大豆と小麦を栽培している井村辰二郎氏が紹介されています。(http://www.k-daichi.com/) 医療関係では気功によるガン治療で知られる帯津良一氏。 (http://www.obitsusankei.or.jp/index2.html) ホテルのようなサービスのある病院で知られる鴨川の亀田総合病院の亀田信介氏(http://www.kameda.or.jp/) それとヒトゲノム解析センター長の中村祐輔先生。 (http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/nakamura/) 個々の内容は紹介するスペースがないので省きますが、いずれも読むと元気が貰えます。とくに中村先生の日本の研究が遅れていて、高い特許料を払わされるという指摘には考えさせられました。 もう1冊は「トップが語る アグリビジネス最前線」(金子弘道著、家の光協会)。 この本は、安全なエサで養豚、養鶏、養牛を行い、堆肥を自家生産して野菜の有機栽培を行っている有畜複合経営の農家をはじめとして、先進的な10のアグリビジネスを紹介しています。 今から30年前に、農協に変わるものとして生協、大地を守る会、らでっしゅぼーや、などが始めた産直運動。 その生産者側の受け皿としてスタートして、消費者の食へのこだわりを知って、自己改造して大きく成長してきている軌道がよく分かります。 10例のうち、とくに以下の4グループが注目されました。 (1) 米沢郷牧場(http://www.farmersnet.net/user/yonezawa/) 29年前に生協、大地を守る会と知合い、無農薬の野菜栽培を始める一方、安全なエサによる養鶏を始め、有畜複合経営を目指している。現在は22haだが、将来は50から100haの規模にする計画。 (2) 秋川牧園(http://www.akikawabokuen.co.jp/) 資本金7億円の株式会社。社員持ち株制。 先代の「口に入るものは、絶対に間違いがあってはいけない」という信念を受け継ぎ、健康な牛肉、牛乳、豚肉、鶏肉、鶏卵、ヨーグルトなどの加工食品、有機野菜などを生産している。社員は190人程度で、昨年の売上高は約40億円。 (3) はざま(http://www.f-hazama.co.jp/) 養豚からスタートしたのが35年前。 ともかく微生物を利用した床で、冬期は30℃近い温かさ。夏は花一杯で涼しい。このため、普通は子豚を15, 16頭程度しか生まないのだが、ここでは26, 27頭を生んで恩返しをしてくれるという。肉豚の出荷が87000頭というから日本一。しかもきな粉豚といって美味しく大好評。他に肉牛2000頭を出荷している。 特筆すべきはふん尿の処理が完全で、なんと完熟有機堆肥を造る工場を5つも持っている。それを使って110haの有機野菜造りも行っており、野菜、果物、茶などによって原料比率を変えていて、堆肥の需要も全国に拡大しているとか。 社員120人で売上げが約50億円。将来は肉豚15万頭、肉牛1万頭、有機野菜の栽培は300haから500haへもってゆきたいという。 (4) 黄金崎農場(http://www.koganezaki-farm.jp/) ともかく530haという日本一規模の大きい畑作・観光果樹園。 畑では有機のじゃがいも、大豆、大根、小麦が生産されている。とくにじゃがいもは30種にも及び、それだけで珍しい贈答品となっているとか。 サクランボウ、洋ナシ、プラム、ブドウなど20種類の果物を植えた森の果樹園もオープンし、畜産も始め、肥料工場を造って有機野菜の栽培も計画している。 畑や果樹園が「屋根のないスーパー」として機能させてゆきたいというのが夢。 私は今まで不勉強で、こうした元気な農家、ファーマーが存在しているということすら知りませんでした。 高気密・高断熱の住宅業者以上に元気で、新しい難問にトライしつづけている人がいるのです。こうした人々の30年のチャレンジに比べれば、住宅業界のチャレンジなどは、底が浅いと思い知らされます。 農林省は、遅まきながら減農薬農業の推進を始めました。 今までは、農協を中心に「農薬漬け農業」を推進してきたのですから、一歩前進であることは間違いありません。 しかし、この減農薬というのは、住宅にたとえるなら次世代省エネ基準のようなものです。 相当隙間面積が5平方センチというのは、20回散布していた農薬を15回の散布に減らしたという程度の値打しかありません。 無農薬で有機野菜だから、たとえ価格が20%とか30%高くても、買おうという消費者がいるのです。1回とか2回の、初期の最低の散布だったら許せます。しかし、NHKが放映していた同一作物を連作しているキャベツ畑のように、減農薬といいながら十数回散布しているのは羊頭狗肉と言うべきではないでしょうか。 同じことで、相当隙間面積が0.9平方cm以下で隙間風の心配がなく、値打があると思うから顧客は坪単価が5万円上がっても、R2000仕様の住宅を買っていただけるのです。 先進のアグリビジネスの方が、住宅業者よりはるかに消費者の方を向いて仕事をしています。見習うべきだと思います。 |