木軸剛構造の想像以上の普及。プレハブは怖くない!?

 先週は、たまたま木軸剛構造をメインにしている住宅会社3社を訪ねました。
  業界では木軸剛構造のことを「金物工法」と呼称しています。
  この金物工法という呼称は、大変安っぽく、その構造性能を正しく伝えておらず、最低のネーミング。

 従来のホゾ、ミゾをプレカットした在来木軸。これにも羽子板ボルトやカスガイなどの金物が使われています。最近はカスガイに変わって細いV字型の亜鉛メッキ金物が使われていますが、こうした安っぽい金物と同一視されるおそれがあります。
「木軸剛構造」か「木軸剛金物構造」に呼び名を変えるべき。

 木軸剛構造の優れた点は4つあります。

 1つは、集成材を前提にしているので強度が1.5倍あり、乾燥していて狂いがなく、高い建築精度が得られること。

 2つは、金物が剛で、今までの羽子板ボルトやカスガイなどと異なり、仕口部の捻れ現象が抑えられ、地震によって壁や小屋がねじれて建具やタイルが破損したり、棟瓦が墜落する被害が少ないこと。

 3つは、通し柱がホゾ穴で大きくえぐられておらず、地震で胴差し部分で通し柱折れる心配が少なく、耐震性が増したこと。

 4つは、金物が木材の内部に埋まるように施工されているため、火事で梁や桁が欠落し倒壊する心配がないこと。

 こうした特徴があるため、未乾燥材の軸組みに比べて2割、KD乾燥材に比べて1割程度高いのですが、どしどし使われるようになってきています。これは、非常に素晴らしい傾向。

 そして、この剛金物構造の外壁には合板やOSBの構造用面材のパネルが張られ、内壁には石膏ボードが施工され、耐震性、防火性とも一段と良くなってきています。
  床は1、2階とも2.9mmの根太レス構造用合板が使われ、プラットフォーム(盤)になってきています。

 在来木造の致命的な欠陥であった通し柱のホゾ穴部分での折れや羽子板ボルトの捻れを解消し、キズリに変えて外壁へ構造用面材の採用、床を一体化したプラットフォームによる耐震性の強化、さらには12.5mmの石膏ボードを全面的に採用することにより防火性の著しい向上。こうして、かっての弱くて脆い在来木造から見事に変身。

 つまり、木軸剛金物構造は、ツーバィフォーの優れた点を、軸組みの中に取り入れた「ニュー・ハーフ」なのです。

 このニュー・ハーフの登場により、従来のミサワやSXLのパネル工法はすっかり影が薄くなってきました。耐震性や防火性は木質系のパネル工法よりニュー・ハーフの方が優れています。工期的にも全く遜色が見られません。断熱気密性能は、ミサワやSXLよりもはるかに優れたものが多く、魅力は数段上。

 最初に訪れたのは、あの魚沼産のお米で有名な六日町。
  南魚沼郡の昨年の住宅着工戸数は100戸。
  そのうちの20戸をこなしているという地場ビルダー。シェアが20%というから驚き。SWの扱い店での中で最も累計実績の多い元気な工務店。
  引渡して9年たった顧客の家を訪ねましたが、性能および外観、インテリアの美観は劣化しておらず、顧客の満足度は非常に高く、話を聞いていて自分のことのように嬉しくなりました。

 次に訪ねたのが木更津。
  昔からの仲間が、奥さんの実家が木軸剛金物での高気密高断熱のフランチャイズに加入、新展示場のオープンと共に手伝うことになりました。そのオープンセレモニーに参加してきました。
  R2000住宅にくらべると、たしかに性能面では若干劣りますが、基本的な性能はプレハブやパッシブ・ソーラー系よりははるかによく、安心して眺めることが出来ます。
  R2000住宅の設計と営業で鍛えた腕を、十二分に発揮してくれるものと期待しています。

 木更津まで行ったついでに、隣の君津に本社を構えている新昭和に寄ってきました。

 新昭和は、ツーバィフォーで千葉を地盤に頑張ってきました。エリアが異なっていたので本音の情報交換をし、励ましあってきた仲間です。それが、最近では弾みがつき、横浜や立川にもモデルハウスを展示。アクアラインがエリアの拡大を可能にしたのです。
  南関東に22の直営営業所を持ち、2X4, 2X6で年間1000戸をこなしています。ツーバィフォー建築協会でもトップグループに成長していたのにはびっくりしました。

 このように南関東では直設計、直施工のツーバィフォーで攻める一方、それ以外の地域は「グレバリーホーム」という木軸剛金物構造のフランチャイズネットワークを展開しています。
  全国にフランチャイジーが100社余あり、なんと年間供給戸数は2000戸に及ぶとのこと。

 そして、グレバリーホームの木軸は、よりツーバィフォーに類似しています。
  というのは、屋根はツーバィフォーのたるき構造をそのまま援用しているから。寄せ棟などは、ツーバィフォーのたるき構造の方が簡単にプレカット出来、強度も保証出来ます。束を建てる必要がないので、小屋裏も完全に利用出来ます。

 「ツーバィフォー業界に比べて木軸剛金物構造の方が、はるかに元気がいいですね。フランチャイジーには地場の建設会社が意外と多くいます。軸の間にパネルを嵌めてゆくのだから、小さなパネルでよく、施工や運搬が容易だというので喜ばれています。しかし、それよりも、ツーバィフォーで永年積み重ねてきた活きたソフトのノウハウを提供出来たのが、急成長出来た秘密です」と松田社長。

 構造躯体以外は、外観とか使用資材はフランチャイズのグレバリーホームと直営のツーバィフォーとほとんど同じ。木構造として相互乗り入れが行われ、完全に融合化しています。

 住宅ジャーナル誌は、今年の木軸剛金物構造の需要は4万戸に及ぶと予想しています。元気な仲間の姿を見ていると納得出来る数値。

 一部の外断熱業者のように、他の木造仲間の悪口を声高に言わなければ、「新木造は鉄骨プレハブには絶対に負けない」という確信が得られた1週間でした。