| ■MKタクシーの青木社長の社員持ち家政策に感動 |
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住宅とは全然関係のない業界の話ですが、読んでいて大変ためになる本があります。くろねこヤマト、セブンイレブン、ユニクロ、H.I.S.などの創業物語がそれです。 いずれも、顧客に対する姿勢とポリシーが参考になります。 顧客の視線で素晴らしい発見を行い、それを果敢に仕事の中に取り入れています。 経営の基本は顧客の立場で発見すること。これは業種に関係なく、共通の課題です。 京都のタクシーで数々の話題を呼んできた「ハイ、MKタクシーの青木定雄です」(中村元一・野口幸一著、ダイヤモンド社)が目に付いたので買ってきました。 ところが、2/3ぐらいまではコンサルタントの二人の著者が、自分の理論を無理矢理当てはめ、高尚な学問を論じようとひねくりまわしているので、さっぱり面白くありません。 最後の1/3が青木社長の講演内容がそのまま掲載されています。 それが、馬鹿に面白い。 つくづく感じました。 経営コンサルタントなどというのは、への役にも立たない。 現場の発見者の話の方が100倍も面白く、説得力があり、ためになる。現場から離れた理論は、空理空論にすぎない、と。 今から35年前、10台のタクシーの認可をもらって商売を始めた。10台のタクシーをフル操業させるためには運転手が24人ほど必要。そこで募集したら200人ほど集まった。 中から優秀な運転手を選んで商売をはじめたら、無断欠勤、遅刻、早退が続出。ともかく遅刻も早退も認めるから連絡だけはしなさいと言ったが効き目がない。 そこで、24人の運転手の家を全部訪問した。 そしたら6畳とか8畳一間。昼働いて夜寝るときは雑魚寝でもなんとか睡眠がとれるが、夜勤の時は子供が騒いだり、近所の音がうるさくて寝られたものではない。 このため、寝不足から遅刻をしたり、無断欠勤になったり、事故を起こす心配があるので早退となる。 そこで44年に売り出した一戸建て住宅350万円を10%値引きして315万円で46戸をまとめ買いした。そして銀行で18年のローンを組んで社員に売ることにした。月々3万4000円だから申し込みが殺到し、遅刻早退問題は一気に解決すると考えた。 ところが、申し込みが一件もない。タクシー運転手の給料が当時7万円だったので、半分をローンに持っていかれたのでは生活できない。しょうがないので運転手の給料を上げることにした。 当時銀行の支店長の給料を調べたら12万円だった。タクシーの運転手と5万円の差があった。そこで5万円賃上げして運転手の給料を12万円にした。それでも3万4000円のローンには飛びつかない。そこで315万円の住宅を思い切って50万円値下げして月々2万3000円のローンにしたらあっという間に売れた。 売れたのはいいが、このままでは会社が立ちゆかなくなる。そこでどうしたらガソリンとかタイヤの経費を節減できるかを運転手と真剣に話しあった。そしたら、一人当たり経費が月2万円下げることができた。 次は売上げを伸ばすためには、近くても乗車拒否をやめることを徹底させた。そしたら、他社の運転手から近場だったらMKにかぎると逆紹介があり、この口コミで月4万円の売上げ増になった。 都合6万円の差が出てきて、5万円の賃上げを吸収することが出来た。しかし、これだけでは面白くない。もっと楽に働いて安定した生活が出来る方法はないかと考えた。 浮かんできたのが、家の前にガレージを建てさせ、家から出勤し、家へ直接帰るようにすれば往復1時間の時間が浮く。1時間の水揚げが1000円だからこれで月2万6000円の増収になる。 ところが、この自宅車庫に運輸省から待ったがかかった。運行管理者、整備管理者がいない車庫は認められないということと、設備面で屋根をつけるなどの細かい注文が出てきた。 そこで、車庫は会社で整備して借り上げることにし、全部の運転手に運行管理者の資格をとらせた。そして、整備監理者は本社から出張させて運輸省のイチャモンをクリアーした。 こうして、無断欠勤、遅刻、早退という業界としては避けられない問題と考えられていた点が見事に克服された。 こうした実績の上に立って、MKタクシーは次々と新しい企画を打ち出してきている。 タクシーを市民の足として市民に返す運動として、身体障害者優先を実行している。 また、京都は年に70万人の外国の観光客が訪ねてくる。 このため1600人のドライバーのうち300人に資格をとらせ、英語で観光案内ができるようにしている。 タクシー料金のほかに、英語の観光案内料として1時間1000円払ってもらうようにしている。一日5時間として20日間のガイド料が加わるので、それだけでも月10万円の収入となる。 このうち、毎年5人ずつロンドンに留学させ、2000円のガイド料をとれるようにしている。 そのほか、いろんなことを行っているが、一番の基本は四つの挨拶だという。 (1) ご乗車有難うございます。 (2) MKの○○でございます。 (3) 行き先は○○○までですね。 (4) 有難うございました。お忘れものはございませんか。 以上の挨拶を実行しない時は、料金は払わなくて結構だという。 東京にもMKタクシーが走るようになってきた。 実際にこの挨拶がなされているかどうか、みなさんも試してみてください。 |