■中小ビルダーの売り物は“社長” である! (3)

  中小ビルダーは社長以外の者は売ってはならないのでしょうか ?
  そんなことはありません。
  行列の出来る工務店の場合も、担当営業をチラシに載せたり、監督を掲載したり、職人グループを大きく紹介したりしています。

 最大の売りが社長だということであって、社長以外は売ってはいけないということではありません。

 ただ、入社年月が浅く、会社に対するロィヤリティ、つまり忠誠心の薄い人間を売るのは考えものです。いつ辞めるか分からないものは、会社としては売れません。

 それ以外の、この人間はわが社の宝だと自慢出来る人間は、どしどしチラシにでも何にでも掲載し、親しみを持ってもらえるようなしてゆくべきです。

 住宅産業というのは、機械でもなければ工場でもありません。宝は人間です。誠意と意欲を持った人間が中心になっている世界です。したがって、わが社の自慢出来る人間は積極的に売ってゆくべきです。社長以外に売れる社員が多い会社は、大変楽しみな会社です。

  いや、社員ばかりとは限りません。
  ネギシホームの山口社長は、口をあければ「私は良い職人を持っているのが一番の自慢だ。職人は私にとってかけがえのない宝だ」と言いつづけています。本心からそう思っており、施主の前で自慢。

 別にチラシに載せなくても、社長が常に自慢して話しているだけで、その効果はかり知れないぐらい大きなものがあります。

 世の中で、聞いていて嫌になるのが自分の会社の悪口、上役の悪口を施主に話す社員です。こんな社員は、絶対に顧客の信頼を勝ちとることは出来ません。

 それと同じことで、自社の社員の悪口や、下職、大工さんの悪口を顧客にもらすトップとは、絶対につき合いたいと思いません。まして、大切な我が家を任せることは出来ません。
  つまり、トップと社員とのコミュニケーションがとれていない会社は信頼出来ません。

 私は、会社に勤めていた時、自分のホームページを開いていました。何事も隠しだてなく、オープンにしておいて、等身大の自分を知っていただくことが、一番大切だと考えたからです。この考えは、いまでもかわりません。本音で生きてゆくことが、一番大切です。楽しいことは楽しいといい、おかしげなことはおかしいと堂々と言えない社会が間違っています。それこそストレスが溜まります。

 おかげで個人のホームページですが、日に30以上のアクセスをいただきました。もちろんメールの交換もいたしました。

 そこで、効果があるということが分かったので、私の部署の設計士にそれぞれホームページを立ち上げさせました。
  わたしは、この試みは今でも正しかったと確信しています。

  といいますのは、施主の立場で考えればすぐ分かることです。
  例えば、A社の住宅が気に入ったとします。
  そしてA社の展示場を訪れますと、応対してくれる営業マンとか設計は順番制です。
  うまく気の入った営業とか設計に当たればいいです。
 
  その会社のレベルが良くても、すべての営業マンとか設計が優れているとは限りません。中には、必ず首を傾げたくなる人もいます。また、自分とはセンスが合わない人間もいます。

 そういう人を避けて、自分の気に入る営業とか設計を選べるシステムがあれば、理想てきです。

 そのためには、その人間の考え方、趣味、過去の実績、お客の反応などの情報が掲載されていれば大変に便利です。
  会社だけではなく、営業や設計、コーデネィターなどの個人情報がしっかりと揃えられていたら、顧客はあてがいぶちや順番制の担当者で我慢するのではなく、こきゃくが選択し、指名出来ます。

 顧客志向というのは、そこまで徹底すべきものだと思います。

  しかし、この試みは途中で中止となってしまいました。
  格式とか規律を重んじる大企業には不向きなシステムです。

 大企業は、別に社員を売らなくてもいいと考えています。物が売れるのは会社というバックがあるからで、売り物はどこまでも会社だと考えているからです。

  これは、必ずしも間違っていません。
  名刺の肩書きが仕事をしているのが大企業です。
  したがって、肩書きがとれたら、とたんに何も出来ない人間になってしまうのです。注文住宅は肩書きでする仕事ではありません。

 だからこそ、きちんとした地場ビルダーの方が面白い仕事ができるのです。社長の名前を売り、営業や設計の顔と過去の実績を売って商売してゆけるのです。

 私は、これからはチラシに顔を載せる時代ではないと考えています。

  ホームページに堂々と顔と考えと実績を載せてゆく時代です。
  顧客のことを考えるとこれこそがベターです。

 そして、大変に有難いことには、大手の系統の住宅会社は個人の設計士や営業マンのホームページの作成を禁止ないしは制限しています。大手の出来ないことが、地場ビルダーに許されているのです。
  カネをかけずに、トップの自分と優れた社員を売ることができるのです。住宅産業というのは人間を売る産業です。

 その人間の誠実さと誠意と経験とポリシーと実績と成功例と失敗例を売ってゆくのです。

 気負うことなく、等身大の自分を公開してゆきましょう。

 そういうすなおな立場に立つことさえ出来れば、週に一回は必ず発信出来る情報があります。

 社長だけでなく、六人の社員が全員週に一回発信すれば、毎日のように発信出来ることになります。
  全国に多くのビルダーが居ますが、そのような楽しいホームページは
今のところ見あたりません。
誰か、協力しますから、一つやってみませんか。反応がありますよ。