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地盤が比較的良いところは最初に地鳴りが聞こえた。 しかし、地盤の悪いところはいきなり音もなくドスンときた。 同じ川口町でも人により、地域によって地震の感じ方が違っています。しかし、いきなり突き上げるようなタテ揺れが襲ってきたのは事実。 「台所に立って料理していたら、宙に身体が浮いた!!」 直下型の烈震地域での地震は、最初に弱いP波があって、そのあとでS波がやってくるという公式に、必ずしも従わないひねくれ者のようです。 実態はよく分かりません。ともかく突き上げたのか突き落ちたのかはわかりませんが、最低10センチ程度、建物が上下にジャンプしたようです。 このタテ揺れが直下型地震の特徴。烈震地域の建物に信じられない被害が…。先週紹介したホールダン金物の千切れ、柱脚金物の折れ、給湯機の転倒などは正にタテ揺れのすごさを現わしています。 このほかにも、いくつか特記すべき点があります。 まず指摘したいのは蓄暖の倒れ。 ご存知のように蓄暖というのは深夜電力を利用してレンガを暖めて昼に放熱する輻射暖房。国産もありますが、当初はヨーロッパからの輸入物が主流を占めていました。 ヨーロッパには地震がありません。 したがいまして、放熱器の固定はそれほどしっかりしていないようです。横揺れに対して考慮されていても、直下型のタテ揺れに対しては対策が不十分だったようです。 実際に震度6の地域からも蓄暖の倒れが私の聞いている範囲でも2、3件あります。ビルダーの方で壁の下地処理はしっかりやっていたけど、留め金具が破損して横転したという例が多いようです。 たまたま、今度の地震は夕方起きました。 このため、レンガはまだ熱しられておらず、低温だったので、横転してタイルが飛び出しても大事に至りませんでした。しかし、これがもし朝方で、800度に熱せられたタイルが飛び出したとしたら、完全に火事になっていたでしょう。 蓄暖は重いので、小さな壁ごと倒れたという報告もあります。 既存の蓄暖に関しては、大至急その固定状態をメーカー、ビルダーの双方で点検する必要があるようです。 次にクーラーの落下を震度7の地域で目撃しました。 震度6までの地域ではクーラーの落下の報告は聞いていませんが、震度7となると話が違います。 メーカーとか機種によって違いがあるようですが、目撃したのは壁に留めてある金具が剥離したのではなく本体が金具から剥落していました。 これも、直下型のいたずらだと思います。 このほか、パネルヒーターのパイプの倒れ、傷付き、液漏れ、バブルの破損なども目立ちます。また灯油タンク漏れや配管関係の損傷も震度5強以上の地域で広く見られます。 さて、そうした中でも目立つのが震度7の烈震地域での建具とサッシ。 ともかく、内部の引き違い建具は、タテ揺れで一つ残らず外れてしまいました。 押入の襖はもちろんのこと、戸襖、一本引き戸などは一つ残らず外れ、倒れました。 おそらく最初の突き上げで、鴨居が大きく浮き上がり、建具が自然に外れたのだと思います。バリアフリーに配慮した家ほど建具は必ず外れるものだと考えてかからねばならないということです。 襖が外れるということは、押入の中のものが崩れ落ちるということです。そして、家の中が散乱。 枠付きのドアとかクロゼットドアは外れていません。しかし、押入の中の荷物が倒れてクロゼットドアが開けられない状態になっていたのは珍しくありません。 また、観音開きの戸から仏壇がはみ出したり、倒れたりという被害がほとんどの家で見られました。 家具の壁への固定とともに、押入の中の仏壇の固定ということも、忘れてはならないポイントだということを厭というほど教えてくれています。 そして、信じられないことですが、ペアーガラスの断熱サッシがタテ揺れで枠から外れ、部屋の内側へ倒れたり、外へ落下したりしていました。 襖が、タテ揺れで倒れるということは分かります。 しかし、上下で20ミリ以上枠にしっかり収まっているサッシが、枠から外れるということは常識では考えられません。 今までの羽子板ボルトで緊結された住宅だと、壁が大きく暴れてよく窓ガラスが割れました。そして、ガラスが割れた細いサッシが曲がって落下するということは、十分にありうることです。 しかし、高断熱のペアーガラスは、震度7の烈震地にあっても一つもといっていいほど割れていません。それどころか、二階や三階から落下しても、ガラスはほとんど破損していません。ペアーガラスというのは、想像以上に丈夫なものだということを教えてくれています。 つまり、今までの「地震でガラスが割れる」という心配は、高気密高断熱住宅では考えなくてもいいということです。 しかし、ガラスは割れないけど窓が落下する。 ペアーガラスは大変に重い。このため、窓手すりが付いていたが、窓手すりごと落下している現場もありました。 直下型の地震の場合、ペアーガラスの断熱サッシは震度6からクレセントが被害を出しています。つまり重いガラスのために今までのクレセントでは千切れるような力が加わってくるのだと推測します。 そして、震度7になると、クレセントの被害も多くなり、同時に窓の落下ということになります。 つまり、直下型のタテ揺れというのは、瞬時にまぐさを跳ね上げて、窓開口部が上下に拡がり、はずみで1/10から1/20程度の窓が枠から飛び出したということではないでしょうか。 もちろん、専門家が今解明を急いでいるので、正確な情報が近く発表されるでしょう。 例えば、瓦が当たった程度では怪我はしても死ぬことはないでしょう。しかし、重いペアーガラスの窓に直撃されたら、即死ということも十分に考えられます。 欧米の上げ下げ窓やタテすべり窓では、窓の落下という心配はそれほどないと思います。しかし、日本のサッシは圧倒的に引き違いが主流です。そして、中気密中断熱のサッシではガラスの割れは心配だけど窓の墜落と人身事故はそれほど心配する必要がありませんでした。 しかし、高気密高断熱住宅では「引き違い窓の落下」という大きな問題があるということを、震度7の川口町が初めて教えてくれました。これは、とても重要な教訓です。 そして、震度7の直下型の場合、通気層を持って外断熱方式の外壁はどうであったのか。非常に気になります。川口町には外断熱の家が最低3軒あります。その被害実態を、メーカーは率先して発表していただきたいとお願い致します。 |