| 先週のNHKの「試してガッテン」で、ダニと喘息の関係を取り上げていました。 他の用事をしながら横目で見ていたので、残念ながら内容を正しく把握することが出来ませんでした。しかし、おおよそ以下のような内容だったと思います。(もし間違っていたら、どなたか訂正をお願い致します) 喘息のアレルゲンとしてダニ、カビ、家屋塵、フケ、犬や猫の毛などが挙げられています。 しかし、この中でもっとも影響が大きいのがダニ。 ダニというのは30日ほど生きています。 人を咬むダニは別として、普通のダニは生きている時はそれほど人体に悪影響を与えない。喘息の原因になるのは主としてダニの死骸と卵とのこと。 とくに死骸は細かく割れて浮遊し、人体に入りアレルゲンとなる。 カビやフケ、毛が問題になるのは、それがダニのエサになるから。ダニはそうした動物性のカビ、フケ、毛を食べて猛繁殖する。 したがって、カビ、フケ、毛そのものは喘息のアレルゲンとはならないが、ダニのエサになることで間接的にその存在が問題になってくるというわけ。 さて、このダニはどこに一番多く存在しているのか。 それは、ダニが潜り込める布団や枕などの寝具、ぬいぐるみ、タタミ、カーペットなどなど。 15年前から、ダニと喘息の発作の因果関係が分かり、タタミやカーペットが排除され、フローリング全盛時代を迎えています。 フローリングになったので、ダニは激減したはずだと多くの人は考えています。しかし、寝室で増殖を続けるダニは、死骸となって空気中を浮遊し、フローリングの廊下や居間にも溢れています。 フローリングにあるダニの死骸なら、掃除機で簡単に吸い取れるではないか。 そこで、主婦にいろいろ掃除してもらったところ、あまり死骸が吸収されていない。ほとんどの人がいきなり掃除機をかけるので、軽いダニの死骸は空気中に舞い上がり、1時間も浮遊したまま。 したがって、掃除機の後でクイックルワイパーなどをかけても、ほとんど意味がない。むしろ、掃除機をかけず、ワイパーだけで済ませている若い男世帯の方がよりダニの死骸を捕獲しているという実験例が報告。 NHKの実験例はここまで。 つまり、換気装置のない家での話。 高気密住宅に住んだら、3ヶ月もたたないうちに子供の喘息が治ったという話は枚挙にいとまがありません。 それは、換気装置のない家では、掃除のあとダニが1時間も浮遊していて時間がくれば再度落下してくる。毎日がその繰り返し。 これに対して、機械換気がきちんとなされている家では、浮遊したダニの死骸はアンダーカットされたドアの下部から流されて、室外に吐き出されます。 大水の時、石にしがみついているサンショウウオは流されないが、石から離れると流されてゆくように……。 換気というのは、本当にそれほどの威力というか、効果があるのだろうか? 空気というのは目にみえません。せせらぎの水の流れのように、家の中を静かに流れている空気を見ることは出来ません。したがってほとんどの人が機械換気のせせらぎを実感していないと思います。 今から15年も前、東京で最初に高気密住宅に取り組んだ時、私が最初に手がけたのは空気の流れを目で確かめることでした。ダイキン工業の技術屋さんに頼んで、微細なプラスチックの白い粉を噴霧する機械を用意してもらいました。 その機械で最初に測定したのはロスナイの同時給排型換気システムの換気性能。便所の換気装置を回すと外から見るとわずかですが白い粉が吐き出されています。しかし、室内に入ってみると機械の回りの空気がショートサーキットされているだけで、ほとんどの白い粉は微動だにしていません。 これを目撃して、換気メーカーのいい加減さに呆れると同時に、実測の必要性を再確認しました。 その次に、天井吹き出しのクーラーの風の流れを見ました。メーカーは吹き出し口の構造で流れが拡散されると言っていましたが、滝のように早くて太い流れが直落下しているのです。拡散らしい拡散はありません。これでは直下では不快そのものであり冷房病は避けられません。このため、以後天井吹き出し方式は一切排除。 そして採用したのは室内の廊下側の壁上部から窓に向かって吹き出すという方式です。しかし、暖冷房している時は風量が大きいから問題がないが、換気だけの場合に吹き出す壁の直下にアンダーカットのドアがあった場合は、弱い換気は部屋中に行き渡らず、ショートサーキットされるのではないか? 誰もが考える当然の疑問です。 そこで第1種換気の場合の空気の流れを見てみたのです。 心配されたショートサーキットはありませんでした。廊下の壁上かに吹き出された空気はゆるやかな「つ」の字の流れとなってアンダーカットから出てゆきました。 つまり、第1種換気システムだと、浮遊しているダニの死骸や卵は、24時間換気でほぼ完全に除去されているということです。ただ、残念なことには、この時の白い粉の動きを写真に撮っていないということ。それがあれば、高気密住宅は何故喘息に即効性があるのかが、一目で分かります。 換気だけの時でこの状態です。これが暖冷房時は、リターン空気を含めて3から4倍の空気が流れるわけですから、目には見えないけど流れが実感出来ます。部屋の入り口のドアを5センチほど開けておくと、風圧で自然に閉まるという経験は、多くの人がしています。高気密住宅というのは、想像以上に空気の流れがあるということが分かります。 したがいまして、第1種換気の場合は、気密性能が相当隙間面積1cm2以下であれば、ほぼ完全に換気が担保され、ダニがもたらす喘息から解放されると断言できます。 さて、問題は広く普及している第3種換気。 残念ながら、私は第3種換気の場合の空気の流れの実測を行っていません。したがって、発言権がありません。 ただ、言えることは、気密性能が相当隙間面積1cm2の場合は給気口からの給気比率は40%。0.5cm2の場合で60%。そして0.1cm2の場合ではじめて90%以上だということが、一般常識として定着してきています。 つまり、1階の洗面室にセントラル排気装置があった場合、気密性能の悪い住宅だと洗面、浴室、トイレ、玄関などその近くの隙間からの給気でショートサーキットされ、肝心の2階の寝室の給気口からは10%とか20%しか給気していないという給気不足の可能性が高いのです。 こうした低気密住宅だと、浮遊したダニの死骸はほとんど排除されません。建築基準法の換気を守っているだけでは、可愛い子供の喘息を完治することは出来ません。 |