| 間もなく熱帯夜の季節。 25℃以上の夜が東京や大阪では50日以上もあるというのですから、どうしても寝不足に。 R2000住宅の入居者に温湿度計を2個ずつ配りました。 湿度の測定は意外と難しい。 4000円前後の温湿度計だと、必ずしも湿度が正確に計測されません。1〜2%の狂いはざら。 しかし、この温湿度計の一つを雨の当たらない窓の外に、そして一つを室内に置いて毎日睨んでいると、そのうちに温湿度計を見なくても今日の温度が何℃で湿度が何%かが身体で分かってきます。 そして、相対湿度が如何に快適さに深くかかわっているかが身にしみて実感出来ます。 相対湿度が40%を切るとノドがいがらっぽくなります。 しかし、室温が25℃以下だと、相対湿度がかなり高くてもそれほど気になりません。50%でも70%でも不思議なことに快適性にはそれほど差がありません。 ところが室温が26℃を越すと相対湿度が気になります。 一般的に快適と感じる室温は27℃で相対湿度が60%。 27℃で相対湿度が65%を越えると、不快になってきます。したがってクーラーを入れて室温を26℃に下げるということになります。 ところが室温が1℃下がると、相対湿度は3%程度上がります。このため、クーラーで除湿がなされるまで、不快感が続きます。そして相対湿度が63%ぐらいに落ちた時点で室温を27℃に戻します。そうすると快適そのもの。 政府は「省エネのために室温を28℃にしましょう」と呼びかけています。28℃でも相対湿度が60%を切って55%以下であればすこぶる快適。 しかし、28℃で相対湿度が60%を越えていると「クーラーを入れてくれ。暑くて仕事にならない」という苦情が必ず出てきます。我慢できないからです。 つまり、省エネのために28℃という室温をキープしようと考えるなら、如何にして相対湿度を60%以下にするかということを考えるべき。いたずらに「室温28℃」だけにこだわると、作業性が落ちます。 「やっちゃおれない」と。 そして、相対湿度が50%以下であれば、室温が29℃であっても苦になりません。 さらに相対湿度が40%であれば室温が30℃であっても快適と感じるのです。 よく、インドとかアフリカの乾燥地帯で外気温が40℃を突破しているのに、日陰に入ると涼しいと言います。おそらく相対湿度が20%以下だからでしょう。 インドとかアフリカへゆく機会はそうはありません。しかし、ロスやラスベガスなどのアメリカ西海岸へ行かれた方は多いと思います。外の温度35℃でも日陰に入ると汗があっという間にひいてゆきます。暑くてもさわやかです。 このように、夏を涼しく過ごすためには相対湿度に取り組まねばなりません。 やたらと温度をいじっても意味がありません。相対湿度を高いままにしておくと、今までの電車やデパート、スーパーのように25℃にまで温度を下げねばならず、女性を冷房病に追いやり、多くの男性を夏風邪で苦しめるということになります。必要なことは湿度コントロール。 除湿には大きく分けて2つの方法があります。 1つはもっとも標準的な蒸気圧縮式。簡易除湿器にしてもクーラーにしても原理は一緒。冷却コイル群の外表面を湿った空気を流し、空気の中から水蒸気を絞り出す方法。 温度を下げるという作業自体が除湿そのもの。「除湿運転」とあっても基本的には冷房運転と変わりません。したがって「除湿運転は寒い」という苦情になります。 この寒さを解決するために考え出されたのが、冷房時の排熱を利用して、一旦は冷えた空気を暖めて室内に還流しようといういわゆる再熱ドライ。これは、現時点の除湿方法としては最適のもの。 もう1つはシリカゲンとかゼオライトで化学的に湿度を吸収し、吐き出すという吸着式。これは主として低温域での除湿に効果的ですが残念ながら性能的にもコスト的にもいまいち。 除湿運転というのは蒸気圧縮式にしても吸着式にしても、フル運転させるとやたら電気代がかかります。 よく「夜になって外気温度が冷えてきたらクーラーを切り、窓を開けて風通しをよくすればいい」ということを言う人がいます。本当にそうでしょうか。 たしかに、朝方外気温度が20℃程度にまで下がる場合だったら問題ありません。先に書いたように25℃以下だと相対湿度の差がそれほど感じないからです。多少湿度が多くても、窓をあけることによって室温が25℃以下になれば、快適だからです。 ところが25℃を越す熱帯夜。明け方は26℃かもしれませんが寝る時は28℃以上。この時に窓を開けると湿気が一度になだれ込み、とても我慢が出来状態ではありません。 したがいまして、R2000住宅のお客様には「夏は多少外が涼しくても窓をあけないように」と伝えました。 見てきたように、外気が26℃で相対湿度が70%の時よりも、室内の温度が29℃で、相対湿度が50%の方がはるかに快適なのです。26℃という温度と29℃という温度だけを比べてはいけないということ。 そして、相対湿度を出来るだけ低くするには、換気回数を出来るだけ少ない……出来れば0.3回程度で済むという家造りから始めねばなりません。 相当隙間面積が0.2cm2以下の超気密性能を持っていると0.3回でも換気はほぼ完全に行われます。 さらに、化学物質の少ない建材での家造りと化学物質の少ない生活慣習を採用すること。防虫剤や殺虫剤を家庭から追放することです。 換気回数が少ないと、それだけ外部からの湿度の浸入が少なくて済みます。そして、相対湿度を常に低く維持するためには24時間の除湿運転が欠かせません。 低速運転でも24時間除湿運転をすると、電気代が嵩むのではと心配する人がいます。一旦高くなった室温や湿度を下げるために空調を高速運転するよりも、低速運転を続ける方が省エネなのです。 高速道路を100キロで飛ばしたりブレーキを踏んだりするより、40キロでトコトコ走った方がはるかにガソリンの消費が少ないのと同じ原理。 いろいろ工夫をこらして相対湿度を50%以下にする。 そしたら29℃でも熱帯夜を感じません。睡眠中は30℃でも十分に快適なのです。 熟睡出来るとリポビタンもオロナミンも不要。 さらばドラッグストアの生活こそ!! |