■2005年下半期に読んで面白かった本のベスト10 番外編
 
  恒例の番外編「面白本のベスト10」
  今年後半は比較的面白い本に多く巡り会えました。いつもの通り主観と偏見の塊。それを承知の上で参考になれば幸甚。
  まず、面白かったものを列記。

【技術・科学】
・植物は気づいている クリーブ・バクスター 日本教文社
・かたつむりが教えてくれる 赤池学・金谷  ダイヤモンド
・日本人は150g大きな脳で考える 小松成美・阿部聡 PHP研
・考える力        大前研一        講談社
・質問する力       大前研一       文芸春秋
・超アメリカ整理日誌   野口悠紀雄    ダイヤモンド
・小さな塵の大きな不思議 ハナ・ホームズ    紀伊国屋
・トイレが大変      山下 亨      近代消防社
・技術立国日本の逆襲   坂口至徳       産経新聞
・バイオテクノロジーを追う 辻野貴志     日経BP社

【環境・医療・自然・食品・農業】
・「農」が変える食ビジネス 青山浩子      日経新聞
・発酵は錬金術である    小泉武夫      新潮新書
・沈まぬトマト       小泉武夫他    ジュリアン
・微生物が未来を救う    小泉武夫    KTC中央出版
・農業と食料がわかる事典 藤岡幹恭・小泉  日本実業出版
・カスピ海ヨーグルトの真実 家森幸男        法研
・地球の治し方    ドラネ・メドウス他  ダイヤモンド
・アマパルの自然誌    池沢夏樹        光文社
・白血病からの生還    大谷貴子       リヨン社
・高血圧を薬で下げるな! 浜 六郎      角川one21
・検証C型肝炎      フジテレビ       小学館
・ガンというミステリー  宮田親平       文春新書
・脳梗塞をぶっ飛ばせ   坂上二郎      主婦と生活

【経済・経営】
・リストラ起業家物語   風間 茂      角川one21
・新たなる「挑戦」    渡邉美樹 ソフトバンクビジネス
・サムライ、米国大企業を立ち直す! 鶴田国昭   集英社
・銀行に騙されるな    須田慎一郎       新潮社
・ドラフトワン革命    竹間忠夫      実業の日本
・人口減少で日本は繁栄する 日下公人       祥伝社
・ザ「ハウス・オブ・トヨタ」佐藤正明      文芸春秋
・ホンダ「らしさ」の革新            日経新聞
・YAPPA十七歳       伊藤正裕       講談社
・経営者、15歳に仕事を与える 北城挌太郎      丸善
・未来から選ばれる企業   立石義雄       PHP研

【小説】
・イソップ株式会社     井上ひさし     中央公論
・ハゲタカ         真山 仁    ダイヤモンド
・ロズウェルなんか知らない 篠田節子       講談社
・虎を鎖でつなげ      落合信彦       集英社
・県庁の星         桂 望実       小学館
・エキスペリエンツ 7   堺屋太一      日経新聞
・くうねるところ すむところ 平安寿子     文芸春秋

【ノンフェクション・旅行】
・パンツの面目、フンドシの沽券 米原万里    筑摩書店
・世にもマニアな世界旅行  山口由美       新潮社
・ボクって邪魔なの?    吉永みち子      小学館
・ペンギンと泳ぐ旅     西森有里      NTT出版
・星の国からの孫ふたり   門野晴子      岩波書店
・青葉台駅チャリンコ2分  鈴木かおり      小学館
・野中広務 差別と権力   魚住 昭       講談社
・奇跡の6日間     アーロン・ラルストン   小学館
・ラッキーウーマン     竹中なみ      飛鳥新社
・ローマの平日       岩田砂和子    自由国民社
・はい、泳げません     高橋秀美       新潮社            
・警察通訳が証す中国人犯罪驚愕の手口 李文彦   双葉社
・ネグロス・マイラブ    大橋成子       めこん
・郵政大乱! 小泉魔術   大下英治      徳間文庫

【建築・住宅】
・だれが日本の森を殺すのか 田中淳夫       洋泉社
・木のびっくり話 100    日本木材学会編    講談社
・ドイツ人の家屋      坂井洲二   法政大学出版局
・免震住宅のすすめ     深堀美英      講談社BB
・ドイツ快適住宅物語  グレーフェあや子    中央公論
・まちづくりの新潮流    松永安光       彰国社
・スクラップエコノミー   石渡正佳     日経BP社
・凶器になる家 ならない家 金谷年展他      上同
・前田建設ファンタージ営業部          幻冬舎
・安藤忠雄 建築手法           ADA EDITA

  以上65点。
  この中から10点だけを選び出すのは大変に困難。
  そこで今回は26点を選び、変則的なベスト10としました。

◆10位 「はい、泳げません」
  これはなんとも洒脱な文章。下手な文学作品よりよほど面白い。シャッポを脱がされました。

◆9位 ノンフェクションから「警察通訳が証す中国人犯罪驚愕の手口」「郵政大乱 小泉魔術」の2冊。
  警察通訳を読むと、住宅メーカーの防犯対策は気休めに過ぎないのではと考えさせられます。郵政大乱はなぜ今年の選挙で雪崩現象が起こったのかの本当の理由が分かります。

◆8位 地震関係で「トイレが大変」と「免震住宅のすすめ」の2冊。トイレが大変は改めて問題の重要さを教えられます。免震のすすめは一条工務店での記録。そして直下型と長周波に課題が残っていることがよく分かりました。

◆7位 経済関係から「ザ・ハウス・オブ・トヨタ」「未来から選ばれる企業」「ホンダらしさの革新」「ドラフトワン革命」の4冊。トヨタ本の中でもっとも丁寧な取材をしているトヨタ家の本。ベンチャー企業オムロンの面白さ。ホンダの限りないイノベーション。サッポロビールの快挙。日本の企業の活力に触れることが出来、楽しくなってきます。

◆6位 医療関係から「高血圧を薬で下げるな」「検証C型肝炎」「白血病からの生還」の3冊。高血圧の本は紹介したばかり。C型肝炎はテレビ取材の活き活きとした状況が伝わってきます。白血病からの生還は大変に元気を与えてくれます。

◆5位 小説から「虎を鎖でつなげ」「ロズウェルなんか知らない」「エキスペリエンツ」「くうねるところ すむところ」の4冊。私は活劇調の小説は大嫌いですが中国を舞台とした虎を…には感動。ロズウェルは田舎を舞台にこんなに新しく楽しい小説が生まれたことに大感心。堺屋氏の小説は久しぶりに楽しく面白い。くうねるところは、零細工務店を舞台にした現場監督物語。いずれも銀行が舞台でないのがいいですね。

◆4位 農林関係から「農が変える食ビジネス」「新たなる挑戦」「誰が日本の森を殺すのか」「農業と食料がわかる事典」の4冊。この中で事典以外は紹介済み。事典は基本的な問題点が整理されていてうれしくなってきます。

◆3位 「ドイツ人の家屋」
  ヨーロッパ住宅の中で、英や独などの主流である木+土壁造に焦点を当て、知らなかったことを教えてくれています。

◆2位 科学から「小さな塵の大きな不思議」と「植物は気づいている」の2冊。高気密住宅に取り組んだ者は、花粉や排気ガス、ダニ、カビなどに取り組み塵の問題は卒業?! ところが小さな塵の…はそういった常識に一撃。問題点を列記して解答をわざと用意していない点がすごい。植物…は紹介済み。

◆1位 「発酵は錬金術である」
  小泉武夫氏はすでに80冊以上の著書を…。私が読んだのはせいぜい20冊。後半も5冊ほど読みましたが、いずれも期待を外さないのがすごい。その中で「発酵は錬金術である」は、いろんな発酵技術で各地の村おこしを手伝っている姿を活写。
  住宅も単に地元の木材を古い手法で使うということでは駄目。新しい価値を創造し消費者に大歓迎されて村おこしという形にならねば…ということを教えてくれています。

  それでは良いお年を。