奇妙なお仕事 2004.2.7


寒い冬のある日、茶熊商会のゴンロクさんから「お仕事斡旋」の連絡がありました。

GONROKU:こんどの営業日、お客さんにちょっと仕事持ってきてもかまいませんか?
choco:もっちろん!みんなうずうずしてるよ、きっと

茶熊商会の仕事が入った日はお客さんの財布のひももゆるくなるから、白熊的にも大歓迎なのです。
あたしは営業告知の下の方に、ちゃっかり「茶熊商会のお仕事」のお知らせを書き込んでおきました。

その結果は見事、開店直後からごらんの通りの盛況ぶり。
これなら多少難しい仕事が来ても、ちゃんとこなせそうです。


お客さんが集まるのを待って、仕事の説明が始まります。
今回のお仕事は、クロトニさんという人からの「物集め」の依頼でした。
それがどれもこれも、ちょっと変わったものばかり。

古代竜の鱗。
黒い悪魔バルロンの生肉。
冥界の金髑髏。
墓場の土。
悪魔の血。

このうち、お店にも売ってある「墓場の土」と「悪魔の血」は既に茶熊商会が集めたので、(一番手こずりそうな)鱗と悪魔肉と金髑髏を集めるという仕事内容です。

ほとんどのお客さんがこの仕事を引き受けて、クロトニさんの依頼を達成するため
(そして報酬をゲットするため)目的地に出かけていきました。

クロトニさんも途中までは仕事に同行してたみたいだけど、さすがに「金髑髏」取りは無理だったらしくて。
その後はお店に残って、仕事に行かなかったお客さん達とおしゃべりしてました。


そうしてみんなの帰りを待っていると、ちょっと気になるお客さんが。

この間白熊亭で修道院のるるさんに無謀な力比べを挑んで、負けちゃってたLewisさんです。
(わかんない人は“Albam”の1/7付「事件のにおいです、奥さんっ」参照)
あれからお店で見る事なくって久々のご来店だったんだよね。

Lewisさんは今日の仕事の依頼主、クロトニさんとここで待ち合わせをしてたんだって。
どうやら今日集めた品々って、クロトニさんがLewisさんのために用意しているものみたいなんだけど…

Lewisさんが前に来たときの話を他のお客さんに話してあげたりしているうちに、茶熊商会のお仕事にいったお客さん達が帰ってきました。
お仕事自体は腕の良い冒険者でもあるみんなのおかげで、かなりさくさくっと終わったみたい。
(まぁ、バルロン肉を死骸からカットしてくるのを忘れてて、もう一回取りに出かけた…てのはご愛敬)

Krotoni: おお、GONROKU殿 如何でしたか? 随分と御迷惑をおかけしましたが・・・
GONROKU: どうも^^ これで すべてで ございます
Krotoni: おお・・・!!! 全ての品は 揃いました
Lewis: では 参りますか・・・
Krotoni: そう、ですね・・・・・


ゴンロクさんから集めた品々を受け取ると、いそいそとどこかへ行ってしまうLewisさんと依頼主。

でもそれにしても変なものばっかりだったなぁ…何に使うんだろ。
竜の鱗だの、悪魔肉だの、金ドクロだの、ネクロ秘薬だの…って、ん?…ネクロ秘薬?

choco: あ あれ? そういやLewisさんて
choco: 騎士になる修行してたんじゃ・・・なんでネクロ秘薬?
wonder-A: 不思議だ
Orson: なぜですかね・・・
choco: おっかしいなぁ
Orson: クロトニさんの素性って どんな人なんです?
Orson: どうも職業柄 気になりまして・・・
GONROKU: それがねえ よくわからないのですよ
GONROKU: 誰かのお使いの人みたいで 主人がとか
GONROKU: そういう台詞を 聞きまして
Orson: ふむ・・・ それで例の Lewisさんてことですか・・・
GONROKU: いや そうでもなさそうなんですよ
GONROKU: ただ言えるのは 何かの儀式で 使う それだけですね
Orson: 儀式・・・
Notti F: 儀式か・・・
mogu: 儀式かぁ
wonder-A: あやしげな サバトですか
choco: なんでまた Lewisさんが 儀式??


何か話が急展開…儀式って一体なんなんだろ。


すると、聖騎士団VoTのkiwiさんが「ネクロの儀式といえば」…と話し出しました。

聖騎士団は一度、「アンブラ元老会」っていうネクロな人達がやってた何かの儀式を阻止しようとした事があって、それ以来その組織と交戦しているらしいのです。


kiwiさんがその話をすると、ラーディスさんはその儀式の場所が前から気になってたらしくて、取りあえずその場所を教えてくれって。で、さっそくkiwiさんの案内で、そこの偵察に向かいました。

ほとんどのお客さん達は、茶熊商会のお仕事で疲れちゃって帰っていったけど、マラス情勢に詳しいらしいヒルダさんと、居合わせたNottiさん、しおりさんが偵察についていきました。


あたしと、白熊に居候している編集長のOrsonさんはその話を聞き逃して、ラーディスさん達がどこに行ったのかわかんなかったから、取りあえず帰ってくるのを待つことに。

そこへ、聖騎士団のFahn団長がやってきました。

さっそく事の次第をかいつまんで、
団長に話をするあたし達。

すると…あたし達の話を聞いた団長が、


「Lewisってアンブラ元老会とつながりが
 あるんじゃないか」


…って。

聞けば、「アンブラ元老会」っていうのは以前は白熊の常連でもあったクラオンさんとネメシスさんが所属してる
ネクロの組織らしい…そういえば、Lewisさんが前来たときもお店に来てたなぁ。
クラオンさん達もあれ以来、お店で見かける事はなかったんだけど。

ちょうどそんな話をしていたとき、さっき出かけていったラーディスさん達が戻ってきました。
みんな真っ青な顔をして…

Lardis: 今日の依頼だが 依頼人 名を何といったか
choco: クロトニさん?
Lardis: いや
choco: あぁ Lewisさんね
Lardis: ああ 今日の依頼は アンブラ元老会と繋がっていた

choco: え??
Fahn: む クラオンか
Lardis: 今さっきキウィ殿に 私が頼んで
Lardis: 以前彼らが 儀式を行っていた場所を 教えてもらったのだが
Lardis: そこで あの二人に 遭った
Hildebrand: ネメシス そして ギル・ギダの弟子
Orson: !? いたんですか

うわあ、これって…やっぱりあのクラオンさん達が関係してる事だったんだ!


ラーディスさんがkiwiさんの案内で、クラオンさん達と以前衝突した場所に着いたとき、ちょうどその「儀式」の真っ最中だったらしいのです。

その時の様子を、ラーディスさんは


「魔法陣の真ん中には、
 あのLewisが立っていて、
 あたりには死体が散乱していた」

 …と、説明してくれました…


聞いただけで、凄い不気味な儀式…
(行かないで良かった…)

その儀式って、あたしには難しい話で細かい事は良くわかんなかったけど、
何でも「デスナイト」っていうのを作る(?)儀式らしいのです。


今日の依頼がその「儀式」につかう材料を集めるためだったとしたら(ていうか、その可能性が高いんだけど)
白熊のお客さんがそんなブキミな儀式に「荷担した」ってことになる…。

白熊の常連(特に聖騎士団)にその儀式を嗅ぎつけられないように、わざとクロトニとかいう人を仲介役に持ってきたのかも知れない。

ゴンロクさんは、そして参加してくれたお客さん達は、このことを知ったら何て思うんだろう…
ラーディスさんやFahn団長は、「我々がやらずとも 他に誰かが 依頼を達成しただろう」って言ってくれたけど。


それにしても…

Hildebrand: 騎士はなぜ進んで 儀式についていったのでしょう・・
choco: う〜ん・・力が欲しいって・・いってた・・・
Hildebrand: 力?
choco: 前ね Lewisさんここに来て: るるさんにこてんぱんにやられちゃったの
Lardis: ああ 彼はその時の
choco: あ そのときクラオンさんが なんか吹き込んでた 確か・・・
Orson: *ぽん* ありましたねぇそんなこと。
Hildebrand: ・・・・・ そんな事が・・・
choco: うん るるさん必死でとめてたんだけど ついていっちゃった…



そう、あたし、その時確かに聞いた。
Lewisさんがるるさんに負けた直後、クラオンさんがLewisさんに

「 キミの 願い事を 叶えよう 」

と、言ってたのを…


やがてみんなは、Lewisさんをどうするかについて、話を始めました。

彼を救う事はできるのか。…というより、救うべきなのだろうか。
彼は操られているだけなのかも知れない。いや、騙されているのかも。
ひょっとしたら、自ら進んでアンブラの手先になっているのかも知れないし。

そもそも、アンブラの手先になるのは悪い事なのか。
ネクロマンシーそのものは、広くブリタニアで使われているし…
第一ラーディスさんも立派なネクロマンサーなんだよね。

でもラーディスさんが言うには、普通にネクロマンシーを使うだけなら、大丈夫なんだって。
だけど…「アンブラ元老会」みたいな、自分の手に余るような大きな力を求めると、
自分を見失って、人格まで破壊されてしまうから危険すぎるらしい。

choco: 力ねえ・・・ 力、何のために もつんだろ・・・
Fahn: ん〜 何をするにしても 力は必要だ 腕力や魔力ではなくとも 力をどう使うか
Fahn: まぁラーディスに似た考えか
Lardis: 力に溺れなければいい ただそれだけだろう…


力を手に入れて、強くなりたいと願ったLewisさん。
だけど、今のLewisさんは力を手に入れて強くなったとして、何がしたいんだろう。
強くなった後には、何が残されているんだろう。

みんなが帰った後、そんな事を思いながら、
あたしは白熊亭のベランダからDeep Forestの樹々をながめていました。
いつもは森の上に光るフェルッカの月も、その夜は厚い雲に覆われていて、ひとときもその優しい光を投げかけることはありませんでした。


Written by ちょこ@白熊亭

Return to ノイエアーデ自治領