以下の文書は、教団理事会から各教会集会所に宛てて送られた臨時総会召集の理由書です。嵯峨野教会ではこれを教会の歴史に残る残念な文書として広く信仰を共にする教会員と教会外の第三者に公開し批判を仰ぐものです。下の下線部分は原文にあるままです。赤い文字は不肖嵯峨野教会牧師である私によるコメントか解説、矢印は注意を要する語句や文であるしるしです。

注意深く読まれて何があったのかを洞察していただきたいと思います。

簡単な背景の説明として、次のような事実があります。SDAの理事長の金城けんゆう氏は正規の手続きを経て教団理事長に3年前に選出されました。金城けんゆう氏は個性が強いので嫌う人が多いと言われていても、正式な選挙で選ばれた以上、教団の最高責任者です。金城氏の前任者の理事長はこの教団の銀行預金額を50億から10億に一気に減らしてしまいましたが、その責任は誰にも問われませんでした。新たに選ばれた金城氏はその減らされた予算と言うハンディキャップの中で教団責任者の働きを始めました。それが今回、突然、教団の「行政諮問委員会」という私設組織の名前で辞任を求められました。その一連の出来事の説明が下の教団から配布された文書に現れています。
対立が今になって先鋭化した理由は、SDAの神学校の移転問題であるとされています。SDAの神学校は本来千葉県の袖ヶ浦にありましたが、30年前の土地バブルの時代に、当時の教団総理の性急軽率な決断から、移転先を探しはじめる前から袖ヶ浦のキャンパスを石油会社に売却し、この教会は引越しの為に大変な苦労をしました。幸い神の憐れみで、高校は広島県に、専修学校とカレッジは千葉県夷隅郡の大多喜町に土地(これは成田空港の建設に伴って移転する農民の為に政府が山を削って急造成されましたが、土壌の質が悪いので三里塚の農民が受け入れを拒否したため宙に浮いていた土地でした)が与えられました。以来、三育学院としてSDAの教育機関は衝動の結果分散してそれなりに働きをしてきました。それが昨年になって、袖ヶ浦市が三育学院を再びもと在った所に再誘致を始めると言う挙に出ました。彼らは学院に対して移転に伴う土地の再確保の費用と税金の優遇を持ち出しました。そこで三育学院の学長をはじめとする旧幹部と袖ヶ浦で何らかの利害を共有することを期待する信徒が誘惑されて動き出し、分散した三育学院を再び袖ヶ浦に戻すことを主張し始めました。金城氏は、それは現実には経済的に弱い教団の能力以上の事であるということと、教育機関の集中化をさけよとする証の文の勧告を尊重してそれに反対しました。それが下にある、「三育の移転問題」という言及の趣旨です。

 
登場人物
金城理事長
教団行政諮問委員の4名(岡藤米蔵、田渕昭三、横溝幸雄、金澤守恭)
白石尚元理事長(→金城を倒して理事長に復活)
高橋義文三育神学校学長


キーワード

意見の不一致 = 最初の罷免の口実
チームワーク   = 罷免に根拠を与える錦の御旗
リーダーシップ = 理事長はこうあらねばならないとして持ち出された定義
理解の差        = リーダーシップのコンセプトの違いとして二次的に誘導された罷免の理由
 
 

以下原文

教団臨時総会開催経緯
―なぜ臨時総会を開くことになったのか?―



 
 


 このたび、先の第34回セブンスデー・アドベンチスト教団定時総会(2001年1月21日-23日、SDA立川教会・パレスホテル立川)から3年を経ずして、教団臨時総会を開催せざるを得なくなったことは誠に遺憾である。まず初めに教団理事一同は、神と全教会員に対して深く陳謝するものである。長引く不況、伝道の低迷、その他の理由で厳しい財政運営を強いられている教団が、なぜこの時期に多額の費用をかけて総会を開くのかという批判が牧師及び信徒から出ているのは不思議ではない。
これらの疑問に対して、教団執行部である教団理事会は答えを提供するものである。本報告の目的は、限られた紙面内で教団臨時総会開催経緯をできるだけ簡潔に説明することにある。

先の教団総会後、徐々にではあるが教団指導層内部で伝道方針及び教団プロジェクト、また行政手法において意見の相違が生じるようになった。これは今回の臨時総会開催への伏線になっていたと考えられる。その意見の相違については、理事長自身が次のように述べている。
 

現在、主の体である教会の中で、しばしば十字架の前の弟子たちの精神と意見の不一致が見られ、神のみ業が阻害されていることは悲しむべきことです。(別紙1参照)
責任役員は仲が悪いとか、いつも意見が割れているということではありません。しかしホットなディスカッションがあったりします。責任役員会の中で、大きく割れるテーマが二つあって、それは教団事務所の改築と三育学院の袖ヶ浦市にある旧キャンパスへの移転の問題です。(別紙2参照)
一方、理事会を代表する意見ではないけれども、プロジェクトの是非だけではなく、別な観点から指導者間の不一致を示唆する意見もあった。ある理事は次のように指摘している。
 
私は同僚の牧師、また共労者としての総理の人格を責めるつもりもなく、もっておられるご意見への反発もありません。ただし、チームプレーがみられない行政への苛立ちに悩まされています。「このままではいけない」という日本SDAの将来を深く憂慮しての心情吐露です。今の状態は異常に思います。もっと豊かなテーマである日本宣教を語りあう教団理事会に早く戻してください。(別紙3参照)
 さて、前総会の決議に基づき教団本部事務所改築を推進していた理事長に対して、2002年教団年次理事会(2002年12月1日―3日)は次のように決議し、この懸案が指導者の間で議論になっていたことを窺わせる。この年次理事会には北アジア太平洋支部の総理、総務、会計及び2名の部局長も出席していた。
 
  02-115  建築 - 本部事務所改築と亀甲山教会改築の件
 DO  表記議案を責任役員会で教団全体の長期構想の一環として再検討し、理事会に答申することとする。その際、責任役員会は、行政諮問委員会に表記案件に関する諮問を求める。また本部事務所及び亀甲山教会改築に関するマスタープラン委員会は責任役員会からの答申が理事会で承認されるまで凍結する。尚、答申が提出される理事会には支部代表を招待する。


 この年次理事会後、ほぼ4ヶ月ぶりに開催された2003年3月25日の理事会に先立ち、一文書が準備されていた。教団行政諮問委員4名の連名(岡藤米蔵、田渕昭三、横溝幸雄、金澤守恭)で、教団責任役員及び教団理事宛に「3月の教団理事会に於て、理事長に関する討議」を要請する文書が3月24日付けで配布された。それには、教団の機構改革の理念とシステムを理解していない、教団組織構成員の相違を引き出す環境整備が出来ていない、貴重な人材を活かしていない、各種委員会の決議の道程を尊重していない、部下・スタッフとの強固な信頼関係が築かれていない、などの要請理由がある。その一部を次に引用するが、理事長の交代を要請する内容になっている。

 
総会人事の三役の転出、各局長の辞意表明、更に機関長退職の現実は、総会人事の崩壊であることを現理事長は理解し、教団運営の力不足を自覚され、第34回総会での理事長への反対票が多数あった事実を再認識して3月の教団理事会で新理事長を選出する道を開いて頂きたいと切望致します。将来のSDAを担う多くの有為の人材が、閉塞感の中で来る定時総会までの3年間を過ごすことによる「失われた月日」は許されません。
3月の教団理事会に於て、理事長に関する討議を上記の行政諮問委員は要請致します。(別紙4参照)
この行政諮問委員からの文書を、理事長は突然の退陣要求と理解した。上記文書(別紙4参照)を一理事が自らの要望書(別紙3参照)と共に理事会に提出した。その結果、特別委員会を開催することが次のように決議された。
 
  03-011.  特別委員会開催の件
 KH  現教団行政に関する検討を行う特別委員会を下記の通り開催することを承認する。
  委 員:総務局長(議長)、理事長を除く教団理事全員
  日 時:2003年4月13日(日)正午?
   招待者:行政諮問委員
なお、この3月25日の教団理事会で臨時総会の動議が提出されたが否決されている。つまり、この時点では、大多数が理事会において問題の解決を願っていたことを示している。この理事会には、北アジア太平洋支部からS. Ng総務が出席していた。
 
  03-012.  臨時総会開催緊急動議の件
KH  教団理事、役員と責任役員の刷新、また教団の問題等の解決のために臨時総会開催を要請する動議が森 和夫理事より提出されたが、記名投票の結果反対22票、賛成7票で否決となった。
理事会で特別委員会が設置された後、理事長から理事に宛てた3月28日付の手紙が送付された。(別紙56参照

さらに理事長は4月21日付の手紙を理事会へ出している。(別紙2参照) これは、翌日の特別委員会への理事長の説明であるといえる。つまり、理事長は先の一理事及び4名の行政諮問委員に対して、この件について質問を出したのであるが誰からも返事を得られなかった。そこで、理事長は退陣要請の文書についての詳しい背景を把握できない中で、自らが答弁したという形になった。そして最後に、次のように締めくくっている。「今は、互いに争っている時ではないと思います。心を一つにして、課題に取り組んでいかなければ、教団の将来は暗いと思います。今が正念場の時です。私の強い思いは、別紙の「心を一つにして」(別紙1参照)の通りです。皆様の私心のないご討議をよろしくお願いいたします。」この思いは理事一同も同じであった。しかしながら、理事会としては理事長の答弁全体については同意できなかった。

先の3月25日の理事会決議では、特別委員会は4月13日に開催されることになっていたが、実際には4月22日に持たれ、同日に臨時理事会も開催された。これらの会合には北アジア太平洋支部から総理P.D. Chun, 次期総理J.R. Lee, 総務 Stanley Ng の3名が出席し、その後の事態展開に重要な役割を果たすことになった。さて、この臨時理事会の決議録には次のように記されている。

 
   特別委員会からの報告
 KH  この特別委員会は決定権を有さない委員会であり、理事会に委員の意見をまとめ答申することにある。尚、支部役員から、この委員会では教団理事会に対して決議ないし、動議を提出するのではなく、あくまでも理事会に対する答申が目的であることが確認された。委員会の構成は、教団理事(理事長を除く)、支部役員三名、行政諮問委員5名である。以下は、委員会の大きな流れとその結果である。

   最初に行政諮問委員から今回の理事長解任要請書について説明があり、その後理事長からそれについてのコメントがあった。委員会としての答申をまとめるために、投票を行った。現理事長の職務続行に賛成であるかどうかを投票した。 職務続行賛成16票、反対18票、棄権1となったこの投票を受けて、辞職勧告か不信任かを投票した。結果は、辞職勧告16、不信任12 白票6 棄権1となった。尚、これらの投票後動議が提出され、この二つの投票結果を理事会への答申とすることに特別委員会として決定した。

   尚、上記二つの採決には行政諮問委員5名も参加した。
 
この特別委員会の報告を受けて、理事会は次のような決議を行った。
 
 03-021.  理事長の進退の件
 PC  議長をP.D.Chun支部総理に交代し、特別委員会の答申を受けて討議が行われた。その結果辞職勧告が過半数で決議された。尚、この決議が勧告であり、強制力を持たないものであることから、理事長には理事会に対しその返答を求めることとする。
さて、こうした理事会決議を受けて、教団総務局長名で4月25日付「緊急のお知らせ」を全国の教会牧師へ送付した。この手紙の中では、理事長に対する「辞職勧告」という言葉は使用されていない。「理事長の件」の項目には次のように書かれている。
 
3月25日の教団定例理事会で、理事長のリーダーシップを問う文書が一理事によって配布され、討議が行われました。その結果、特別委員会の設置が決議され、4月22日に支部役員同席の上で同委員会が開催されました。同日P.D.チャンNSD総理が議長となって臨時理事会が行われ、特別委員会の答申を受けて、教団行政の停滞及び混乱の責任を理事長に問う決議がなされました。5月20日に予定されている教団定例理事会で理事長からの決断が報告されることになっております。(別紙7参照)
そして最後には次のような締めくくりの言葉がある。
 
したがって現時点では理事長の進退、総務局長の選任、財務局長の病気という三役の人事に関する特別な事態が生じております。理事長と総務局長の件については5月の教団定例理事会での案件になっておりますので、皆さまの御加梼をお願いいたします。
お、教会員の皆さまには最終結論を待ってご報告したいと考えておりますので、現時点では教会での公の発表などは控えていただき、信徒からの問い合わせに対しては、個人的レベルでの賢明な対応をお願いいたします。これらの件に関するご質問は総務局長までお願いいたします。(別紙7参照)


 それから一ヵ月後の5月20日の理事会で、理事長からの回答が表明された。この理事会には、再び北アジア太平洋支部からP.D. Chun前総理、J.R. Lee現総理、Stanley Ng総務らが出席しており、事の重大性を物語っている。

 
 03-022.  辞職勧告(理事会決議03-021)に対する理事長からの回答(議長:J.R.Lee NSD総理)
前回の臨時理事会で辞職勧告を行った件に関し、理事長から文書での回答を得た。この文書を記録として以下に留めることとした。

〈理事長からの回答〉 辞職勧告に対する私の報告
「この度は、理事の皆様に私ごとで大変ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした。
今回の辞任勧告を重く受け止め、私なりに祈りのうちに様々な角度から検討して参りましたが、教団が置かれている厳しい現状下で、しかも任期半ばで辞任することは混乱を更に招く可能性が大きく、しかも教団に対する信徒の信頼を大きく損ねるのではないかと判断し、総会から付託された任務を粛々と全うすることが理事長としての責務ではないかと認識しております。したがって、辞任することは控えさせて頂きたいと思います。

しかしながら、辞任勧告の理由として挙げられた事柄については、心して積極的に改善に努め、理事の皆様と信徒の皆様の期待に応えられるよう尚一層努力し、教団の発展のために誠心誠意尽くしていきたいと思います。

今回混乱を引き起こしたことは、私の不徳のいたすところで、これまでの行政においていたらなかった点やご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします。今後は、皆様の英知をこれまで以上に結集して力を合わせて難局を乗り切っていきたいと思いますので、皆様のお祈りとご協力をよろしくお願い申し上げます」。


 これに対する理事会の対応が5月31日付けの「総務局便り」の中で短く次のように述べられている。「上記の回答を受け、質疑応答が行われました。その後議長は理事長に退席を求め、討議を行いその結果以下の決議となりました。なお、理事会はJ.R.Lee先生の要請により、前回からの継続性を考慮しP.D.Chun先生が議長となることを了承しました。」

その討議の結果、理事会が辞職勧告を行った意図についての理事長の理解に対する疑問が表明され、理事会は理事長からの回答を受理できないとして、再度の辞職勧告をする手続きを決議した。
 

03-023. 理事長へ辞職を再度勧める委員選出の件(議長:P.D.Chun NSD前総理)
理事長からの回答をそのまま受理することはできないという結論に達し、以下の8名の代表を選出して、理事会として再度、理事長に辞職を強く勧めることとした。
  委員氏名:P.D.Chun、J.R.Lee、S.Ng、白石 尚、高橋義文、佐川勇二郎、二宮文男、仲本政一郎
しかし理事長は、再度の辞職勧告の理由を納得できないとし、辞職には応じることはできないとしたので、理事会は次のような決議を行った。
 
03-024.  職務継続を希望する理事長の職務継続の条件承認の件(議長:P.D.Chun NSD前総理)
理事長が5月21日までに2003年10月28日付の辞表を北アジア太平洋支部に預けることを条件に、職務の継続を了解することとする。なお10月28日に臨時理事会を開催して理事長のリーダーシップのあり方について再度検討評価を行い、改善が見られた場合にはその辞表を返却し、改善が認められない場合は辞表を受理することとする。その際、評価の判断は理事会出席者の過半数をもって行う。
理事長及び理事会はお互いに歩み寄り上記提案を受け入れた。この事実は、先の5月31日付け「総務局便り」にも垣間見ることができる。「上記の結果は理事会による理事長に対する問題指摘において理事長との間になお理解の差があることを示しています。10月までの猶予期間に理事長はそのリーダーシップのあり方、行政の進め方について改善を求められています。理事会と理事長との理解の差がある以上、また理事の皆様もひとつの結論を導き出したことにおいては合意していますが、様々なご意見を持っておられますので、具体的な批判、および改善すべき事柄のいちいちをここに書き記すことは得策とは思われません。しかし、今回の件を理解するためにはその概要を記すことも必要と思われますので、あえて以下のように7項目にまとめてみました。繰り返しとなりますが、このリストが理事会におけるすべての見解を反映しているわけではありません。また理事長が以下の件について同じ認識を持っているわけではありません。」
1. 総会決議の現機構についての理解、特に伝道局、責任役員会などの位置付け理解に関して問題がある。
2. 指導部の協力体制を築くことについて、特に権限の委譲、綿密な合議による総意形成が不十分である。
3. 委員会や会議のダイナミックスに対する理解、特に意志決定のプロセス、合意形成について問題がある。
4. 他者の意見を聞く姿勢に欠ける。
5. 人材の活用に関して問題がある。
6. トップリーダーとしての意識とその発言に問題がある。
7. 今回の危機的状況の認識と理解が不十分である。
(別紙8)
そのような時に、教団機関紙「アドベンチストライフ」7月号の「教団理事会リポート」にて、他の報告と共に理事長の進退に関する記事が次のように掲載された。
 
 教団理事会リポート
---------------------
二〇〇三年四月二二日(火)特別委員会終了後?(教団本部事務所会議室にて)
支部からP・D・チャン、S・ウン、J・R・リーの各先生をお招きし臨時理事会が行われました。
●理事長の進退の件
 三月二五日の教団定例理事会で、理事長のリーダーシップを問う文書が一理事によって配布され、討議が行われました。その結果、特別委員会の設置が決議され、四月二二日に支部役員、行政諮問委員同席の上で同委員会が開催されました。
 議長をP・D・チャン支部総理に交代し、特別委員会の答申を受けた理事会は、リーダーシップのあり方および行政の混乱の責任を理事長に問う決議をいたしました。
 尚、この決議が勧告であり、強制力を持たないものであることから、理事長には理事会に対しその返答を求めることといたしました。
---------------------------------
二〇〇三年五月二〇日(火)午前九時?(教団本部事務所会議室にて)
●理事長の進退の件
 四月二二日の決議に対して理事長からの回答が提出されました。行政について、またリーダーシップのあり方について改善への決意が述べられましたが、理事会はその回答を受理できないとの結論に達し、一〇月二八日に臨時理事会を開催し改善が見られるかどうかを再評価することになりました。
これに対して、読者からの意見や質問が教団また理事長宛に届き始めた。そこで、理事長は次号の8月号において「“理事長の進退”について」という記事を「理事長通信」の中に書いた。次の引用は理事長の主張の要である。
 
詳しいことはいずれ何らかの形で説明がなされると思いますので、ここでは詳細に説明することは控えさせていただきたいと思います。しかしながら、私はこれまで情報公開を行政のあり方の一つとして心がけてきましたので、説明する必要が来た時には、私からも理事会の審議のプロセスや内容等の問題点についてできる限り、明らかにしたいと思います。
 要点は次の通りです。三月二五日の教団理事会で、会議中、ある理事からある四人の方々の意向を受けて理事長の「解任」の動議が突然に出されました。そしてその場で特別委員会が設置され、その後理事会で二回にわたって審議されました。規則によると理事長と責任役員が次の教団規則第一五条のいずれかの項に抵触した場合、解任することができることになっています。
 1、心身の故障のため、職務遂行に支障があり、これに耐えない場合
 2、職務上の義務に明らかに違反した場合
 3、代表役員たるにふさわしくない行為があった場合
 今回の場合は上記の理由によって責任が問われているのでなく、規則にない別の理由、すなわち、「リーダーシップのあり方」と「行政の混乱」の責任を問うという形で辞職勧告が出されているのです。決して「懲戒」的な理由と「疑惑」的な理由で責任が問われているのではないということをご承知いただきたいと思います。(別紙9参照)
このようにして、「アドベンチストライフ」7月号に続いて、理事長の進退に関する記事が8月号に掲載され、教団理事会宛への質問状が寄せられるようになった。あるものは連名によるものであり、また公開質問状でもあった。その一つ一つを紹介できないが、これまでに6通の書状があり、便箋またはA4サイズの用紙で合計26ページになった。なお、差出人はいずれも信徒からであった。
これらの質問状の内容は大きく分けて次の4項目に要約できると思う。
1. 「アドベンチストライフ」誌への記事掲載の問題。教団の醜聞ともいうべき記事をなぜあえて教団の公的機関紙に掲載して信徒を失望させたのか。さらに、この機関紙が未信者ひいては他教派の人々にも読まれていることを考える時に、その掲載の是非がますます問われるのではないか。
2. 理事長辞職勧告の正当性の問題。今回の一連の特別委員会、理事会及び臨時理事会を経て理事長辞職勧告が出されたのであるが、その理由と手法において公正かつ公平であったといえるのか。理事長更迭は総会ですべきではないか。
3. 理事の立場の問題。本来、理事は理事長の基本方針を補佐するのが組織の常識であり、それができなければ理事がまず辞職すべきであり、理事長に辞職を迫るのは筋違いではないか。
4. 教団運営の問題。理事長はまず謙虚であり、各理事はもっと悔い改め、聖書に学び、祈りの姿勢で教団運営に臨むべきではないか。また、このたび教会の名誉を内外に傷つけた関係者の厳正な処分を含め、今後は信徒を信頼した開かれた教団運営のために理事の人数を教役者と信徒を同率にすること等を検討すべきではないか。


ここにも、「理事長更迭は総会ですべきではないか」という意見が見られた。これらの質問及び意見は理事一同に配布され理事会で討議された。

「アドベンチストライフ」誌に掲載された教団理事会リポート及び理事長通信の記事を読んだ牧師と信徒の間にさまざまの質問や意見が起こり、教区理事会でも問題として取り上げられるようになった。特に、東日本教区と沖縄教区は教区理事会の決議として、それぞれ条件は異なっているが教団臨時総会開催を要請した。これを受けて、7月22日の教団理事会で討議が行われ次のような決議をした。

 
   03-045  教団臨時総会の開催の件
 TS   東日本教区と沖縄教区は、教団理事会の教団理事長の進退に関わる決議(03-021、03-022、03-023、03-024)を受けて、各理事会で下記のように決議して教団に要請してきた。

(東日本教区)
? 理事長及び教団理事会への不信任案(決議#2003-036)
不信任案は否決される。しかし、教団に強い要望をすることを決議した。
〈要望文〉
東日本教区理事会は、教団本部指導層(理事長、責任役員会、教団理事会)の混乱に深い憂慮を表明し、総会決議に基づいた健全な運営を強く要望する。
? 教団臨時総会の開催の提案(決議#2003-037)
昨今の混乱の中で理事長が辞任した場合は、教団臨時総会を開催する事を要望することを決議した。

(沖縄教区)
昨今の教団における混乱を解決するため、ただちに教団理事は総辞職をし、臨時総会を開催し、教団が直面している重要な諸問題を広く論議し、改善策を検討し、総会人事の選出を改めて行い、再出発されることを要望する。(決議#03-49)

教団理事会は上記の標記両教区の決議に基づいて討議した結果、教団臨時総会を下記のように開催することを決議する。尚、開催の日程や会場等については責任役員会に一任し、最終的には次回の定例理事会で決定することとする。

1.昨今の理事長進退問題による信徒の動揺および教団行政の混乱に鑑み、早急に事態を収拾すべく、異例ではあるものの人事刷新を目的とした教団臨時総会を開催することとする。
2.上記臨時総会開催に際しては、教団理事、役員、局長、部長など総会選出者、および理事会選出役職者については、全員辞表を提出するものとする。

この理事会決議を受けて、8月7日の責任役員会は、教団臨時総会の日程を10月26日午後1時から27日午後3時まで、会場をセブンスデー・アドベンチスト天沼教会と決定した。そして9月3日の臨時理事会はこの日程と会場を承認し、さらに総会テーマとして「キリストによる一致と出発」を選んだ。また同日の臨時理事会で、来る臨時総会での主要議案は人事であることが再確認され、次のような決議をした。
 
03-052  今臨時総会に関わる教団指導部の人事(役員・局長・部長・副部長)・教団理事の人事の件
 TS   (1)事業局長は財務局長が兼任することをせず、専任または他の役職者が兼任する。
 (2)標記役職者は総会に全員辞表を提出し、総会の閉会をもって受理することとする。
 (3)教区長と機関長の選出は、教区総会、及び直近の機関理事会で選出することとし、総会後から教区総会または機関理事会が開かれるまではその職務を遂行することとする。ただし、社会福祉法人の施設長は法人が特殊な状況にあるので上記方法を採用しないこととする。
 (4)標記人事の選出に当たっては再任を妨げないこととする。
(5)教団総務局長が辞表の書類を各人に送付し、各人が責任を持って総会に辞表を提出することとする。


 以上が教団臨時総会を開催するようになった経緯である。当初は誰も臨時総会を予期せず、むしろ理事長をはじめ責任役員も理事もみな理事会において問題の解決を図ろうとして最善の努力をした。しかしながら、結果としては今後の判断をゆだねるべく臨時総会開催となった。理事会はその責任を痛感して総辞職を決議したのである。
日本全国はもとより、世界総会及び北アジア太平洋支部の役員等を代議員として迎えて行われるこの総会において、私たちは文字通り「キリストにある一致と出発」を求められている。たいへん厳しい状況ではあるが、神は「恐れるな、わたしはあなたと共におる」(イザヤ書43:5)と私たちに語りかけておられる。また、エレン・G・ホワイトは、「しかし、人間の窮地は神の好機である」(『患難から栄光へ』上巻157頁)と述べておられる。すべての審議を神に委ねて、み旨が行われるように祈りつつ総会開催経緯の報告とする。

 


原文の終了

これを見ると、金城氏が突然の辞職勧告に当惑しているうちに、諮問委員会の勝手な意見に押し切られて罷免に追い込まれてゆく過程がよくわかります。結局「行政諮問委員会」とかも、教会理事も、具体的に金城氏をやめさせる何の正当な理由も無いまま、「リーダーシップがない」「調和が無い」という精神論のお題目のような主張が通るまま、理事長不適格の烙印を一方的に押されて退陣させられた格好になっています。そもそも、教団の規定では、教団理事長をやめる事の出来る理由は、(1)病気などで体力が続かない場合、(2)職務における重大な不正、(3)道徳的に問題のある素行の3つですが、金城氏にはそのどれも当てはまりませんでした。人から好かれていないからリーダーシップをとる資格が無いというような言いがかりに近い理由付けを受け入れるような規定はどこにもありません。

今回の罷免劇が起こるかなり前から、三育学院の学長の家には、金城氏をよく思わない教団元幹部とか学校関係者が出入りして物々しい雰囲気であったと学生と職員から目撃されています。高橋義文氏が今回の出来事の裏方コーディネイターとして普段にないほど積極的に立ち回っていたのです。これについては更に状況証拠として、教団機関の非公式な場で、金城のひき下ろし工作の陰謀の計画を打ち明けられた近藤光顕牧師が「信徒からの信頼を失う危険が大きいので思いとどまるように」と忠告致しましたが、高橋は聞かず、かえって「やるからには必ず勝つ方法でやる」と豪語したという証言を得ています。他からも、今回の謀議も実は高橋義文の一党が周到にはかったものであるという報告を得ています。

いずれにしても、学院の移転の利害をめぐって、なりふりかまわぬルール違反の造反劇を行った責任は明らかにこのあたりにあるとみられています。混乱を発生せしめた確信犯である高橋義文の責任は看過できません。
 

 
 
 
この下のリンクをクリックすると、以上の不当な理事長罷免劇のシナリオを立てて教会に損害を与えた本人の書いた手紙を読むことが出来ます。
 

http://homepage3.nifty.com/newSDA/bessi10special.html