てんびん座δ(δLib)の極小予報

(日変研「変光星」No195より)

1.はじめに

てんびん座δは5等の明るいアルゴル型の食変光星です。主極小は6時間で1等も変光します。南天の低い方向ですが、光度が十分にあり、観測には困りません。ベランダ観測に丁度良い星です。夏の寝苦しい夜に双眼鏡で観測してみませんか?てんびん座δは、1859年にシュミットが変光を発見しました。1956年にRoman、1963年にShadeとHernandezによって主星がA0Vに分類されました。伴星は主星よりも、かなり暗い為にスペクトルは検出されていない様です。その後、1962年にKochの測光によって、測光的に伴星はG型とされました。この時の光電測光によって、食外は4.92等、主極小の深さは0.98等、副極小の深さは0.09等を見出しました。周期も2.3273529日とされました。主星の視線速度曲線は、1910年にSchlesinger、1934年にMcLaughlin、1963年にSahadeとHernandezによって詳しく研究されています。光度曲線には歪みも無く、主星の視線速度曲線も奇麗に得られているのですが、伴星の研究は進んでいない様です。これは、伴星が暗い事と、早い自転によって困難にしています。伴星はロッシュローブに達していて、大規模な質量移動に変わりつつ有るアルゴル型の事例なのだそうですが、解明は、まだまだ先の事となるのでしょう。

2.VSOLJの観測

前回のUV Leoと違って、δ Libの国内の観測は多く有ります。(VSOLJデータベースより)グラフが描ける観測を以下に紹介します。

グラフの縦横は同じ尺度にしてあります。どうやら、10年に1〜2回しか観測されていません。1970年前後には共同観測されたのでしょうか。ともかく、僅かな観測しか有りません。皆様も、この星の観測記録を残してしてみませんか。

3.光度曲線

まず始めにヒッパルコス衛星の、とても奇麗な光度曲線を見てみます。

変光はアルゴル型で部分食です。主極小は、ほぼ1等の減光をします。反面、副極小は0.1等しか減光しません。ですから、副極小の眼視での観測は難しいでしょう。連星の形状を見てみましょう。

この様な部分食となっています。伴星がロッシュローブを満たしている半分離型の形状が良くわかります。phase=0.5では、伴星のかなりの部分が食となっていますが、0.1等しか減光しません。この事からも、伴星が暗い事がわかります。

4.O−C

過去の主極小観測から、O−Cのグラフを作成しました。エレメントにはGCVS(第4版)とKrakow(98年版)を使用しました。それぞれで示されている要素を先に紹介します。

GCVS4

赤経 14h58m18s 、 赤緯 −08゜19.3' (1950)

変光範囲 4.91等−5.90等(V等級) EA/SD型

元期=2442960.6994 、 周期=2.3273543

Krakow(98)

赤経 15h01m00s 、 赤緯 −08゜31' (2000)

変光範囲 4.9等−6.0等 EA型

元期=2448788.426 、 周期=2.327362

次に、O−Cのグラフを以下に示します。

O−CはY軸に水平で、周期変化は感じられません。また、この感じからすると、GCVSで予報する方が正確に予報できそうです。ですが、最後の観測では+0.02(約30分)もありますので、注意が必要です。(筆者の観測ではE=3123の時O−C=−0.01でした)

5.予報

それでは、GCVSを使ってδLibの主極小の予報を以下に表にします。

6.星図

7.Reference

星百科大辞典 P952 てんびん座δ

The Astrophysical Journal,221−:608−615,1978 April 15

SECONDARIES OF ECLIPSING BINARIES.I.DETECTION OF THE SECONDARY OF DALETA LIBRAE

J.Tomkin


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