こと座β星の変光周期

神奈川県 永井和男(2000/8/31)

はじめに

VSOLJでは、1900年代の観測データの入力が終了し、データーベースとして公開されています。このVSOLJデーターベースを用いて「こと座β」の周期変化を見てみようと思い光度曲線を作成してみました。その結果、(大きな)周期変化は無かった事がわかりました。また、GCVSの要素では、既に2周期分の位相ずれとなっている事もわかりました。

データーベースにある「こと座β」のデータは、1944年から1999年までの56年間に103名の観測報告が有り、3092目測となっていました。この内、1000目測が加藤太一さんの観測でした。2番目に観測数が多い方は240目測でした。観測結果を5年毎に集計しライトカーブにしました。縦軸は等級。横軸を位相にしています。位相は、GCVSの要素を使用しました(元期=2408247.95、周期=12.913834)。この集計方法の性質上、細かい周期変動は考察出来ません。この集計方法を用いたのは、観測方法に依存しています。

「こと座β」は、こと座β型食変光星の代表星です。明るく、観測しやすい星です。すでに100名以上の方が観測されていますので、あまり説明はいらないと思います。

観測者一覧

光度曲線

光度曲線は5年毎に集計して作成しました(1944年だけは1945年のスパンに含みました)。また、スキャッターが多く、5点移動平均をとりました。それ以外に、なぜか、1950年代前半のデータが有りません。光度曲線の形状ですが、全般にEB型(こと座β型)の光度曲線である事がわかります。振幅の変化が見られますが、リアルかどうかはわかりません。副極小も顕著な時期と、不鮮明な時期が有りますが、こちらも同様です。ここでは、形状の考察は省略しますが、リアルであるならが面白い現象だと思います。

O−C

このO−Cカーブは集計の都合から、縦軸が位相になっています。横軸は年代で5年単位になっています。ご注意下さい。近似曲線は2次関数にフィットさせてみましたが、1次関数でも奇麗にフィットします。どちらも良く一致します。

変光周期

O−Cカーブから、50年間で2サイクルの位相ずれとなっている事がわかりました。また、O−Cが(ほぼ)直線となっている事から、概算で変光周期を計算してみました。O−Cの算出に用いた周期が12.913834日。50年は1414サイクル( 50 x 365.25 / 12.913834 )。1414サイクルで+12.913834×2日の「ずれ」。

よって、新周期は、新周期 = 12.913834 + ( 12.913834 x 2 ) / 1414 = 12.93210日

これは、「こと座β」が、もとから、この周期だった事になります。「こと座β」は、周期変化の激しい(極めて)ダイナミックな連星系です。結論にするには、ちょっと妙な話です。ですから、この値は観測計画を立てる際に使ってみてはいかがでしょうか?。


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