皆さん、こんにちは、食変光星の観測は出来ましたか?極小が観測出来たら極小時刻を求めるのですが、その前に、観測時刻を日心補正する必要があります。日心補正された時刻を使って極小時刻を求めます。でも、極小時刻を求めてから、その極小時刻だけを日心補正をしても構わないのですが、それは好きずきです。ともかく、日心補正の話をお聞きください。

図のように地球は太陽の周りを公転しています。そのために、変光星までの距離が1年周期で変化しています。変光星に近いシーズンと遠いシーズンでは変光星から地球に到達するまでの光に時間差が出来てしまいます。黄道上の天体だと最大で16分も差が出来ます。この連載記事では食変光星の測光観測から極小時刻を求め、極小予報と実際の極小時刻との差を求めよう!が趣旨ですから、地球の公転運動の為に(最大で)16分も(食変光星の変光と)無関係な変動があっては上手くないです。そのために、太陽において観測された時刻に補正します。この補正を日心補正といっています。地球での時刻を地心時、太陽での時刻を日心時(Heliocentric Time)といいます。
太陽の黄経を◎、変光星の黄経をλ、変光星の黄緯をβとすると下記の関係があります。
日心時 = 地心時 − 0.00577 cosβ cos( ◎ − λ )

まず、太陽の黄経◎ですが、太陽黄経は春分点からの太陽の位置の事なので計算で求められますが上図でラフに求められます。一日に大体1度づつ増加して行きますので、たとえば、8月10日の値を求めたい場合は表から8月8日の値135度を参照し、それに2度を加えたものになります。表を使って、ちゃんと求めるには理科年表や天体観測年表を見て下さい。
次は、変光星の黄経λ、黄緯βです。これは変光星の赤経α、赤緯δと黄道傾斜角ε(約23.5度)から求めます。これらには以下の関係があります。
なんだか大変ですが、頑張って解いてみて下さい。最初にβを求めるために、式3を使ってsinβを求めるとよいでしょう。
ここまでで、太陽の黄経◎、変光星の黄経λ・黄緯βが求まりましたね。と言うことは、日心補正値の0.00577×cosβ×cos(◎−λ)が求められますね。この値をユリウス日にした地心時から引いて上げれば日心時が求められます。(ユリウス日:紀元前4713年1月1日世界標準時正午からの日数)
現在、多くの観測者はこの計算をコンピュータで行っています。表から太陽黄経を拾ったり、上記の連立方程式を(毎回、いちいち)解く事はありませんが、一度は実際に手計算を経験すると良いと思っています。該当するアプリケーションソフトの解説は次回以降に説明します。
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