本音のアドリブ −その1−

今回は少しわき道にそれて、
コード進行を深く解読しないで、機械的にアドリブする方法を紹介します。

まず、コードには注意書きが色々ありますが、着目するのは以下のものです。
(1) ○ 7 (セブンスコード)
(2) ○ m7 (マイナーセブンスコード)
 または、○ m♭7 (マイナーセブンス♭5コード)  短調の時
(3) 注意書きが無いコード(メジャーコード)
 または、○m (マイナーコード) 短調の時

それ以外の数字の注意書き(例えば 6,M7,9,♭9など)は無視します。
 (これらの注意書きは「無いもの」とみなします)
数字以外の注意書き(例えば,dim,aug,sus4,分数コードなど)が出てきたら、
現段階では諦めて何も吹かないことにします。

次に、下のようなジャズっぽいメロディを準備します。

これを「フレーズ(またはクリシェ)」と呼びます。
そして、これを長短合わせて24の調(key)で練習しておきます。

次に、部分的にコード進行を解読して、上のフレーズを移調して入れます。
(1) 「○ 7」が出てきたら、問答無用で「ロ」を吹きます。
(2) 「○ 7」の前に、4度下の「○ m7」があるなら、「イ」→「ロ」と続けます。
 もしくは、「○ 7」の前に、4度下の「○ m7♭5」があるなら、「イm」→「ロ」と続けます。
(3) 「○ 7」の次に4度上の「注意書きが無いコード」があるなら、「ロ」→「ハ」と続けます。
 もしくは、「○ 7」の次に4度上の「○m」があるなら、「ロ」→「ハm」と続けます。
(4) 「○ m7」の次に2度下の「注意書きが無いコード」があるなら、「イ」→「ハ」と続けます。
 もしくは、「○ m7♭5」の次に2度下の「○m」があるなら、「イ」→「ハm」と続けます。

以上のように、まず、セブンスコードに着目して、フレーズの調を決めて、
それを中心に、その前後関係を見て、入りそうなら他のコードにもフレーズを入れます。
また、コードが1小節に2つあるなら、それぞれのコードに対応するフレーズを 半分ずつ使えば良いでしょう。
逆に、同じコードが連続しているとき、それが前後関係から解読できるなら、
前の小節のフレーズを繰り返すことにします。

では、具体的にやってみます。
下のコード進行に上に書いたフレーズを入れてみます。(ちなみに曲は「枯葉」です)

(1)の「○7」は2小節目(F7)と6小節目(D7)にあるので上の楽譜の「ロ」を移調して入れます。
(2)その前、1小節目には4度下の「Cm7」があるので「イ」を移調して、
 5小節目には4度下の「Am7♭5」があるので「イm」を移調して入れます。
(3)「○7」の次、3小節目には4度上の「B♭M7」があります。
 「M7」の注意書きは無視して「ハ」を移調して入れます。
 また、7小節目には4度上の「Gm」があるので「ハm」を移調して入れます。
 8小節目も同じコードで、7小節目を解読できたので「ハm」を繰り返します。
(4)は該当無し。
その他、4小節目は解読できませんが、今回は諦めて、
 (深い構想を練っているふりをして?)休みます。

すると、以下の楽譜のようなアドリブができました。


如何でしょうか?何とかなりましたね。
特に、殆どのスタンダードジャズは、そのコード進行の大部分が、
4度下の「○ m7(♭5)」→4度上の「○7」で出来ているので、
ここに着目すれば、殆どのスタンダードジャズに音を入れられると思います。
そして、
4度下の「○ m7(♭5)」→4度上の「○7」のことを、
「Two-Five」と呼びます。ここで得意なフレーズを出せば良いわけです。
慣れれば「Two-Five」は楽譜を見た瞬間に発見できるようになります。

今回はフレーズが1種類でしたが、自分で考えて増やしても良いですが、
プロの演奏を耳コピするとか、先輩や仲間に教えてもらうとか、
或いは「ジャズフレーズ集」と名のつく本を買えばフレーズを増やすことができるでしょう。

今回はこれにて終了!

ところで、
「一体これのどこが即興演奏なんだ?」という苦情が聞こえてきました。
・・・いや確かにごもっとも!おっしゃる通りであります・・・
だから本講では、あえてフレーズの紹介はしません。

とはいえ・・・ここからが本音なんですが・・・
速い曲や複雑なコード進行の曲の場合、正直言って対応しきれません。
ある程度機械的になるのは止むを得ないのかもしれません。
ある日の(かなり有名な)プロとの会話にて。
私「それにしても・・・上手いっスね。すごい!」
プロ「いや実は、フレーズを吹き飛ばしているだけなんです」
・・・・
というわけだそうです。


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