スリングシートの使い方

この吊り具は主に入浴時などによく使われています。重度の障害を持つ方でも吊り上げることができる適応範囲の広い吊り具です。
その分、用途も多岐にわたり、使用方法が難しい吊り具です。スリングシートの特性や障害に応じた使用方法を学びましょう。
スリングシートの種類・名称

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吊リ具の種類
吊り具の名称 特徴 利点 欠点
ローバックタイプ 車椅子からベッド等への移乗や、入浴、トイレなどで幅広く使えます。腰を持ち上げることなく楽に装着、着脱ができる構造です。 保持性・個別性に優れ、適応範囲が広い。 取り扱いにコツが必要。
ハイバックタイプ ローバックと同一の機能を持ち、さらに身体全体を包み込み、頭部を支えることができるため、より安定します。 頭部も支えられるため、保持性が高い。 取り扱いがさらに難しい。個人に合った、かけ方を検討しておく必要がある。
シートタイプ 臀部も含め身体全体を包み込む。吊られたときの安定感があり、腰部の不安定な方、臀部の特に小さい方にも使用できる。 臀部から包み込むので安定感がある。 臀部にしき込む必要があるので、座位のままでは装着できない。
2点ベルト しわがよらず簡単に装着できる。 使いやすく、使用場所の適応範囲が広い。 関節にかかる負担が大きい。脱力の強い人などは使用できない。落下の危険も高い。
シートのかけ方・吊り方

 スリングシートハイバックタイプ     今回はこのタイプの使用方法を取り上げます
 

6点(ハイバック)スリングシート

上記の写真が6点式(ハイバック)スリングシートです。素材がメッシュで乾かしやすく、入浴で使用されることが多いかと思います。これは2本ベルト(ベルト型)、脚分離型、4点式スリングシート(ロウバック)等の吊り具では、身体状況的に使用が難しい重度の障害を持つ方でも、ほとんどの人を吊り上げることが出来るという、適応範囲が広い吊り具です。実際の介助の場面では、介助される方1人1人の身体状況に合わせて、ストラップを調整するといったことが行われていると思います。今回は6点式スリングシートの特性や基本的な正しい使用方法について、また障害による身体状況に合わせた使用方法について皆さんと一緒に考え、実際に使用して貰い、正しい使用方法を学んで行きたいと思います。




1、スリングシートのどの位置に身体のどの部分を合わせるか?
その1、
     吊り具を使用する時、危険なのは落下。臀部からの落下を予測して写真ようにスリングシートのお尻のあたる部分が上     過ぎず、下過ぎない場所を決める。(ただし身長によってはこの限りではない。)
その2、
     吊り上げ時に臀部がずり下がりやすいことを想定して、やや上部にセットする必要がある。
その3、
     緊張などで顔が一方向を向きやすい場合にはシートに顔が押し付けられないような位置を探すなど、その方の特性に合      わせて良い位置を探しておく必要がある。
    
2、フックのかけ方
・全体の姿勢をイメージして座位に近い形にするのか、臥位に近い形にするのかを決める。
・座位に近い形にするならば、上肢側のストラップを短くする。または下肢側を長くする。
・臥位に近い形にするならば、上肢側のストラップを長くする。または下肢側を短くする。
・左右の傾きを調整したい場合、傾きやすい側を短くする。または反対側を長くする。

☆吊り上げ時に一部分に圧がかからないように、痛みがないような位置どりを検討検討する痛みを訴えることができない人についてはストラップの張り具合が均等であるかどうかを触ってみると良い。
かけ方見本→
        
座位に近いストラップのかけ方          臥位に近いストラップのかけ方
3、足のストラップのかけ方 @ストラップを大腿の下からまわし、交差させて引っ掛ける
A吊り上げ時は片手はコントローラを持ち、片手は相手の頭の後ろのシートをしっかりと持ちな  がら上昇させる。
B頭から上昇していくので、下側をとりあえずそのままにしておいて、お尻が上がる前に一旦停  止させる。
C一旦停止させた時に、ストラップのしわを伸ばす。
5、上昇、移動時 コントローラを持ち替えて、その手で相手を抱きかがえ、反対側の手でお尻の下のスリングシートを股の間からしっかりとつかんでおく。
6、浴槽の中での注意 ・自分の足場に注意する
・浴槽内では相手の顔や足先、スリングシートからはみ出した上肢の位置を注意する。
・浴槽内では身体がスリングから浮き上がり下へずれていきやすいので、そのままにしておくと.浴槽から上がる時に姿勢が崩れやすい。そのために相手が少し浮き上がったところでスリングシートを下に引いて、身体がなるべくスリングの上の方に位置するように修正しておくとよい
7、ベッドへの移動 まず足が着地する。そのまま下ろすと膝を折りたたむことになってしまうので、お尻を足から遠くに置くようにして上体を誘導する。お尻が着地したら、頭が反り過ぎないように注意しながら徐々に状態を倒していく