そうめん流し
| そうめんを3Dエンターテイメントとして楽しむレジャーのことを、皆さんは何と表現するだろうか。私は以前にこの件を巡って嫁と激しい口論になり、危うく夫婦の破局を迎えかけたことがある。 秋田に生まれ育ち東京で青春時代を過ごした私にとっては、それは「流しそうめん」以外の何物でもないものと思っていた。縦割りにして節を抜いた竹を滑り台のように据えて、上から清水と一緒にそうめんを流す。何故かときどきスイカなど流れてきたりして子供たちが大喜びする、あの滑降型が3Dそうめんの正しくそして唯一の姿だと信じていた。 ところが、嫁はそれを「そうめん流し」だと主張して譲らない。しかも「そうめん流し」は重力に頼らず、電動式で回転しているのだと言う。どうやら夏の九州では精霊ばかりかそうめんまで「〜流し」にして片付けてしまうらしい。 |
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調べてみると、「流しそうめん」と「そうめん流し」はかつては単なる言い方の違いに過ぎず、3Dそうめんと言えば滑降型が当たり前だったらしい。それが、鹿児島県は薩摩半島の南端・開聞町の助役(当時)井上廣則氏が昭和37年に中華料理店の回転テーブルのような「回転式そうめん流し器」を開発、普及させたことによって、徐々に「流しそうめん」と「そうめん流し」の様式の分化が形成されていったようだ。 同じところをぐるぐる回っているなら「回転そうめん」とか「そうめん回し」などの名称でも良さそうなものだが、類似する構造体を有するものに「流れるプール」があるから、やはりこれも「流れている」と解釈すべきなのだろうか。 |
| そうめんを流す水はきれいで美味しくなければならないので、そうめん流しの店は凡そ人里離れた山奥の清流近辺に設けられている。マシーンを導入していても、やはり水の旨さは天然自然が一番なのだ。 主役の麺は至って普通のそうめんだが、旨い水と澄んだ空気、それに川のせせらぎと一緒に味わうそうめんは、家庭で食べるよりも格段に甘くて美味い。メニューには川魚の塩焼きなどもあって、野趣溢れる夏の味も共に楽しみながら心地良い涼を満喫できる。 (ロケ地:東郷町・藤川天神峡) |
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