さつまおはら
 (さつまおはら)
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製造元: 本坊酒造株式会社 津貫工場
  (鹿児島県加世田市津貫6594)
原材料: 芋、米麹(白)
入手日: H15.11.16
税込価格: 1.8L \1,700- / 900ml \910-

 薩摩芋焼酎の大蔵元・本坊酒造が、20年前に当時の新商品「桜島」に主力を移すまで、同社の代表銘柄は「さつまおはら」であった。現在は同社のホームページにも商品紹介されておらず、楽天市場内に開設されている「銘醸酒舗楽天市場店」にてこっそりPRされている程度だが、ちゃんと地道に流通しており、根強いファンも少なくない。
 「さつまおはら」は、「桜島」と同様に知覧工場で醸造され、原料も南薩産黄金千貫だけを用いている。仕込みの過程も同じで、割水の際、本坊酒造の発祥地・津貫の天然水が用いられるのが「桜島」との差異である。正に、「さつまおはら」は「桜島」の兄貴分と言えるだろう。
 ブランド名は、鹿児島の民謡「おはら節」に由来する。「花は霧島 たばこは国分 燃えてあがるは オハラハーさくらじま」と唄われる、まさに鹿児島を讃える代表唄であるこの「おはら節」だが、そのルーツは今ひとつ判然としていないという。上記の名醸酒舗では、薩摩藩が1800年代に藩の威信を賭けて甲突川に5つの石橋を完成させたときの祝い唱が発祥、としているが、異なる説には、1600年代に島津家が琉球を攻略した際、日向国安久(宮崎県都城市)の武士が陣中で唄っていたものを、鹿児島の原良の武士が帰国後に替え歌として唄い始めたのが最初、とするものがある。ちなみに、鹿児島から遠く離れた北東北の地には「秋田おはら節」「津軽おはら節」なる民謡があるが、これらと薩摩の「おはら節」との間には直接の関連性がないようだ。
 ラベルの製造元には津貫工場の名前が記されているが、これは、製品表記には最終瓶詰めをした工場を記載することになっているためである。

 グラスから漂う香りは、薄いながらもはっきりと甘く、そしてライトに芋臭さを感じさせます。同社の「桜島」と比べると、こちらの方が香りは幾分軽いように思われます。
 唇に当て、そのままするりと飲み下した味わいは、とてもスマートな辛口です。口腔には淡い旨味がほんわりと残る一方で、アルコールの辛みがキッと喉の奥へと抜けていきます。鼻息までホットになりそうな、「アルコール25度の酒をロックで呑んだぜ!」という強いパンチを感じます。
 しかし、ただ辛くて終わるだけではなく、この僅かに舌に残った甘い風味が何ともいえず心地良い。身体がカッカッと熱くなるのを覚えつつ、ちびちび杯を重ねたくなるような、そういう不思議な魅力を感じさせるのが、このお酒のロックで呑んだときの味わいです。
 お湯割りを試してみると、芋の香ばしく焦げっぽい香りがふわっと染み出るようになります。呑み応えからはアルコールの全面に出たような感が薄れ、体中が温まるようなほっこりした風味が喉から鼻へ上っていくのがとても美味しいです。妙にアンティークな印象さえあるこのラベルを眺めながら呑むお湯割りは、風情があって良いですねぇ。

(H16.7.16)