ニキビとターンオーバー・ホメオスタシス(恒常性)
ニキビ、ニキビ跡とピーリング
ニキビ、ニキビ跡、脂漏性皮膚炎など、肌トラブルが発生すると、肌に警告を発して元の正常な肌状態に戻そうとする働きがあります。
生命をとりかこんでいる体内の環境を外からの影響から守ろうとする働き、つまり体に変化がおこった時には、もとに戻ろうとする働きをホメオスタシス(恒常性)といいます。皮膚も、このメカニズムが働きます。
ニキビを解消する上で、皮膚の構造を知ることが必要です。
皮膚は大きく分けると表皮と真皮と皮下組織に分けられます。このうち表皮は、一生をかけて私たちの健康な皮膚の維持に貢献しています。表皮は基底層、有棘層・顆粒層・角質層の4層に区別できますが、これらはまったく別物ではなく、同じ細胞の一生のうちの4つの姿なのです。
表皮の一番下にある基底細胞が基底膜上で作られ有棘細胞・顆粒細胞と上行しながら、最後に角層を構成する角質細胞へと28日間かけて変化して行きます(ターンオーバー)。角質細胞は他の細胞と違い、角質層になるころには核(DNA)がなくなります。角質層は、平べったくてひろがった角質細胞が何層も積み重なり、その間を、セラミドという高分子の脂が主体の細胞間脂質(セラミド)が埋めるという構造をした膜です。この構造が物質の通り抜けを妨ぎ、皮膚のバリアとしての働きをします。人間が生きていくためには体内に水分を保持している必要がありますが、角質層があることで体内の水分保持ができるのです。

細菌類、かび類、有害な化学物質、花粉の侵入や水分の蒸発を防ぐ角質層は、人間の存在にとって必要不可欠な存在です。この角質層が第一線のバリヤーとして機能できるのは、表皮そのものが健康であってこそのことです。
例えば表皮に傷がつくと、普段はゆっくりとしたスピードで角質細胞がつくられて行くのに、炎症を抑えるために不自然に速く、わずか数日で角質細胞まで変化していきます。結果的に、いいかげんな、きめの粗い角質細胞が作られてしまいます。俄かづくりの角質細胞だと、細菌類、カビ類、化学物質、花粉等は皮膚内部に容易に侵入してきます。また水分保持することができず、乾燥しカサカサになり角質層表面にヒビわれができ、剥げ落ちてキメが粗くなり水分が蒸発します。このような荒れた角質状態が続くことで、治り難いニキビが発生し、更に症状が重症化し治らなくなります。
物理的なピーリング、角質溶解剤によるケミカルピーリング、レーザー照射、スクラブ洗顔剤、ピーリング化粧品類により皮膚のメカニズムや皮膚のホメオスタシスを破壊する行為は、角質を剥ぎ取る行為です。

ニキビ・ニキビ跡を解消するうえで角質を剥ぎ取る行為は論外の施術及びスキンケアなのです。
ラップ1枚の角質層を正常に形成させることが『ニキビに悩まない健康な美しい素肌』づくりの第一歩なのです。