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トピックス
 浦安は「こそ泥」議員の天国 千葉地裁の呆れた判決

      
 2008年度浦安市議会議員政務調査費についての不当利得請求裁判のまとめ


 
■監査の請求と結果
 私たちクリーン勝手連は、昨年(2010年)3月19日、2008年度の浦安市議会議員の政務調査費の決算について不当な支払いがあるとして、浦安市監査委員(杉山元三・黒田レイ子。敬称略、以下同じ。注)に対して監査請求(浦安市職員措置請求)を行った。しかし、2ヵ月後(同年5月18日)に出された「監査の結果」は、「意見」として現行の浦安市の政務調査費の使途基準には各項目とも「抽象的」で「疑義が発生する要素」があるから、それを「払拭するための運用指針等」の作成を議会に要望するとしたものの、いずれの点についても、市長による支払いが妥当である、とした。
(注)監査委員は通常3名で、市議会を代表して秋葉要議員も委員の1人だったが、監査請求の対象となっていたので、杉山・黒田の2名となった。

 
■告訴と、呆れた判決の一例
 そこで、私たちは、やむなく岡野功・西田勝を選定当事者として、「監査の結果」を受け入れることができないとして、同年6月15日、千葉地方裁判所民事3部に訴状を出した。訴状の内容は、松崎秀樹市長(被告)に対して、市議会議員が不当に利得した政務調査費を返還するよう、当該議員たちに請求せよ、というもので(2010年〈行ウ〉不当利得返還請求事件)、以後、7回、双方で応酬があり、このたび(9月30日)、判決(裁判長は多見谷寿郎、陪審判事)を見たのだが、結論を先にいえば、同判決は被告側の主張をなぞっているだけでは足りず、被告でさえ、それを言うのをためらっていることすら、堂々(?)と展開している、呆れた判決だということだ。

 
■「夏は北海道、冬は鹿児島」は「むしろ合理的」
 たとえば、「きらり青山会」(与党会派)所属の議員が「夏は北海道、冬は鹿児島」に視察旅行に出ているのは、実質的には会派の慰安観光旅行であることを示す1要因ではないか、とする私たちの主張に対して、被告側は単に当該時期が議会の非開催期に当たるものだからと釈明するのにとどめているのに、判決はさらに踏み込んで、「酷暑・酷寒を避けることはむしろ合理的」だと断じているのである。

 ■夕食にアルコールがつくのは当たり前
 さらに、私たちが、これらの旅行で毎夜、北海道では「食い放題」の上に「飲み放題」、あるいは酒盛り、鹿児島では「会席料理」の上にアルコール類を費消しているのを取り上げて、同会派の視察旅行が実質的には慰安旅行であることを示す、もう一つの要因ではないかとしたのに対しては、被告側は単に飲食代金について「決して多額であるといえず」とするにとどめているのに、判決は、ここでもさらに踏み込んで「当日の視察が終了した後の私的な夕食時に相当程度の飲食をしたとしても」問題ではなく、また「飲酒についてもその金額からして、夕食に付随するものとして行われたと考えられるものであり、飲酒を主たる目的とするような宴会が行われたとまではいえないから」、それらの支出は妥当だと言い切っているのである。

 
■公私混同する判決
 語るに落ちるというのは、このことだろう。もし多見谷裁判長の言うように、もし視察後の夕食が「私的」なものであれば、飲食費が「相当程度」どころか、それ以上であっても、それは、ある意味で議員本人の自由で、問題はないといえるだろう。しかし、これらの飲食費は、すべて政務調査費から、つまり公金(市民の税金)から支払われているものなのだ。
 多見谷裁判長は、いったい、同会派6人が2008年7月23日に飲食した「小樽食堂すすきの支店」の伝票に目を通しているのだろうか(別表を見よ)。これを一見すれば、論より証拠、アルコール類が「夕食に付随」したというようなものではなく、文字通りの酒盛りで、「飲酒を主たる目的とするような宴会」というほかはないものだ。
こんどの判決がもし正しいとすれば、市会議員は、政務調査で視察旅行に出た場合、毎夜、1人当たり、4千円前後以内なら、「夕食に付随」してアルコール類を飲んでも、また酒盛りをしてもよいことになる。判事たちも、出張先で同様のことをしているのだろうか。

 
■夕食代4千円前後は妥当か
 それにしても、夕食4千円前後という金額は、現在の国民生活の現状からいって、決して低額のものであるとは言うことができまい。
本来をいえば、議員は、食生活をふくめて、その生活を維持するのに必要な報酬を受け取っている「公僕」として、3度3度の食事は自弁すべきものだろう。実際、それらの視察旅行において、議員たちは昼食については請求を行っていない。当然のことといえよう。

 以上、今回の判決が、どのように呆れた判決であるか、その一端を披露したが、以下に主要な5つの争点について、やや詳しく、その経過を辿ってみたい。


 
争 点1「きらり青山会」の北海道旅行(2008年7月22~24日)・鹿児島旅行(2009年2月24~26日)の経費について

 対象議員 辻田明・深作勇・山崎次雄・末益隆志・宝新・宮坂奈緖

 
(私たちの主張)
 夏には気候爽やかな北海道に、冬には温暖な九州は鹿児島に視察旅行に出かけていること。
 北海道は会派全員(6人)、九州には古手議員全員(3人。辻田・深作・山崎)が参加していること。
 視察対象がいずれも一般的である上に散漫で、特に北海道や鹿児島である必要はないこと。
 その視察対象の質と量からいって、両者とも2人程度の議員が出張すれば充分であること。
 以上の4点を総体として過不足なく説明できる解は、これらの旅行が「会派の観光慰安旅行として企てられ、実行されたもので、それを潤色するために、各地の視察をはめ込んだものである」という以外にはない。
 ②については、第3者の所見を公益財団法人・地方自治総合研究所に求めるとともに、直接にも資料を集め、いずれも特に北海道や鹿児島まで行く必要がないこと、むしろ首都圏に学ぶべき施設や事業があることを明らかにした。
 たとえば、北海道立子ども医療・療育センター訪問では、6議員は立派な施設を見ただけで、同センターについて、もっとも地元で問題になっている小児科医の不足に関しては、事前の調査もしていない。
 なお、傍証として、それぞれの旅行先の夕食のレシートや伝票を入手し、それが宴会モードであることも明らかにした。
たとえば、北海道旅行第1日目の夕食(札幌キリンビール園)では各 人「食べ放題」(2,650円)「飲み放題」(1,450円)を注文し、第2日目の夕食(小樽食堂すすきの店)は、前記のように、純然たる酒盛り風で、主食たるものは見当たらず、酒の肴(総額13,898円)のほかに酒類を総額7,861円、費消している(ともに別表参照)。
 また、鹿児島旅行でも、毎夜、会席料理(1人3,000円)のほか、3人で計3,400円~4,100円(指宿こころの宿 味彩)の酒類を飲んでいる。
 さらに、鹿児島旅行の代金(一人当たり111,720円。東日観光船橋支店)は異常に高額で、他社の商品(スカイツアーズの45,400円。近畿ツーリストの51,800円)に比べて倍以上です。どうして倍以上の高額になるのか、その明細書の提出を求めた。
 さらに鹿児島旅行については事業報告書の提出がなされていないのに、旅行代金が支払われたのは、違法でなければ、懈怠だ。というのは、被告側から提出された「きらり・青山会 行政視察報告書」なるものは、今回の裁判が始まってから被告弁護人のヒアリングによって作成されたものだからだ。
以上の根拠から6議員が政務調査費として受け取った北海道・鹿児島旅行の代金は不当利得であり、被告は、これら6人の議員に全額の返還を要求すべきであるとした。
 
(被告側答弁)
 北海道・鹿児島旅行とも、議会の非開催期に、正規の手続を経て行われたもので、いずれの視察対象も浦安「市政との関連性」が大きいか、きわめて大きいからといえるから、それらを「会派の観光慰安旅行」と決めつける原告側の主張は「短絡的」である。
 北海道立子ども医療・療育センターの件では、もっとも地元で問題になっている小児科医の不足については、「不知」であったとしている。
 夕食代については、北海道の場合、被告に提出された領収書では、第1日目は各人それぞれ2,650円(気がとがめたのか「飲み放題」はカット、「食い放題」のみを請求した。筆者注)、3,798円(酒類を含む。同)で、「決して多額であるといえず」、被告の懈怠とは言えない(鹿児島旅行の場合については言及がない。こちらは、それぞれ4,133円、4,366円となっている。同)。
 鹿児島旅行の代金については、明細書を提出せず、日航の東京・鹿児島間の正規料金表(往復割引で7万円)を提示した。

 
(判 決)
 前記のように被告側の答弁をなぞっただけではなく、さらに踏み込んで被告側が言うのをためらっていることさえ敢えて言い切り、擁護している。
 つまり、①の論点については、夏は北海道へ、冬は鹿児島に行くのは、むしろ「合理的」と判断し、④の論点については、多くの議員が参加した方が「多角的な視点から」問題を見ることができるから、むしろ「意味がある」としている。
 ③の論点については、私たちが提出した事例(小田原市にある神奈川県立生命の星・地球博物館、和光市や浦安市における介護事業など)については全く触れず、やはり私たちが提出した第3者の所見(公益財団法人・地方自治総合研究所作成。そこでは、両視察旅行で訪問した事例がほとんど一般的で、特に九州や北海道や九州までにまで足を伸ばす必要がないことを明らかにしている)を深く受け止める気配はなく、ただ言葉尻だけをとらえて、「一部について、首都圏により先駆的な施設があるはず、同様のことが行われているはず、事業の継続が困難な状況にある(指宿市の市内循環バス)というにすぎず、調査研究の必要性に疑問を抱かせるような事情があるとはいえず、ましてや北海道視察及び鹿児島視察が観光旅行であることをうかがわせる事情とはいえない」と、こじつけている。
 飲食費については、前記の通りである。
次に鹿児島旅行の旅行代金だが、被告側は東日観光船橋支店の明細書を提出せず、ただ日航の東京・鹿児島間の正規の料金を(往復割引で7万円)を提示したに過ぎないのに、判決は何と被告を弁護して、想像力もたくましく、「航空券代及び宿泊代以外にもフェリー代、リムジンバス及びレンタカー代」などが必要だから、決して1人当たりの旅行代金が111,720円になっても「豪奢」でないとしている。しかし、私たちが提示している代金(スカイツアーズでは各人45,400円。近畿ツーリストでは51,800円)はいずれもレンタカー付きのものだ。

 判決を見ると、「証拠(甲14)によると、九州周遊の観光旅行においては、2泊3日の日程で航空券代及び宿泊代込みで1人約3万円程度のプランがあることが認められる」とある。どうやら判事たちは、私たちの提出したスカイツアーズのホームページの写しを読み間違いしたようだ。たしかに、そこには「2泊3日の日程で航空券代及び宿泊代込みで1人約3万円程度のプラン」もあるが、同時にレンタカー付きのプランもある。つまり、私たちが提示した各人45,400円のプランだ。贔屓の引き倒し的な、お粗末な論理展開というほかはない。
さらにいえば、リムジンバス代は自宅から羽田空港までの往復を考えてのことなのか、現地に行ってのものなのか。後者だったら、レンタカーを使用するなら、もちろん、不要だろう。
 それから鹿児島旅行について事業報告書の提出がないのに旅行代金を支払っている問題についても、裁判が始まってから作成した事情に一切触れることなく、被告側の主張を繰り返している、お粗末さである。
 最後に、判決は、③の論点(視察の対象がいずれも一般的である上に散漫で、特に北海道や鹿児島である必要はない)には、被告側同様、何も答えていない。

 
争 点2 インターネットへの接続料(プロバイダーへの支払い)について
 対象議員 辻田明・山崎次雄・折本ひとみ・堤昌也・西川嘉純・宮坂奈緖

 
(私たちの主張)
 もともとパソコンは資料作成のための「事務機器」として購入を認められているもので、情報収集のためのものではない。かりに資料の作成上、インターネットへの接続料が認められるとしても、仙台高裁判決の自宅電話料の按分(個人使用2分の1,議員活動4分の1、政務調査4分の1)に準じて4分の3を返還すべきだ。事務所での接続の場合は、以上の按分に従うべきだ。

 
(被告側答弁)
パソコンは単なる資料作成のための「事務機器」としてではなく、政務調査活動のための情報収集の手段としても購入が広く認められているものだ。仙台高裁の判決は、自宅電話料の按分にだけ触れたもので、インターネットへの接続料についての判示ではない。原告側の主張はすべて失当している。

 
(判 決)
この問題についても被告側の答弁をなぞったもので、仙台高裁の進んだ判決には全く触れず、私たちの主張は採用されないとしている。
「インターネットの利用契約の目的が政務調査以外である場合は格別、そうではなく、議員らの調査活動の用に供されているのであれば上記(調査研究活動にとっての)必要性を欠くものといえない」から「採用できない」というのだが、その論理のお粗末さに唖然とせざるをえない。
 私たちが問題にしているのは「インターネットの利用契約の目的」如何ではない。前記のように、私たちが主張しているのは、第一には、「使途基準」によれば、パソコンは資料作成のための「事務機器」であって、一般的な情報収集のための道具ではないのではないか、第二には、かりに資料の作成上、インターネットへの接続料が認められたとしても、一般的に議員の資料作成にのみ使用されるとは考えられないから、費用の按分が必要ではないか、ということだ。これらの問いに全く答えず、大ざっぱに「議員の調査活動の用に供されているのであれば」よいというのは、どういう神経なのだろうか。

 争 点3 新聞購読料について
 
 対象議員 辻田明・深作勇・山崎次雄・末益隆志・岡本善徳・小泉芳雄・鈴木家康・折本ひとみ・堤昌也・公明党・共産党 

 
(私たちの主張)
 一般的な商業新聞については、政務調査のためにだけ読まれているとは思われない。かりに、そこから政務調査のための必要な資料を採取することがあったとしても、議員個人や家族の用に供されているのが一般であろう。ここでも、さきの仙台高裁の判示に準じて、購読料の4分の3を返還すべきだ。
 公明党・共産党が自党の機関紙類を購入するのは論外で、政務調査費の「私物化」というほかはなく、全額返還すべきだ。

 
(被告側答弁)
 新聞の購入は、「使途基準」の会派あるいは議員の「行う調査研究活動のために必要な図書、資料等の購入」に該当し、何の問題もない。
 政党が自党の機関紙類を購入するのも同様で、すでにそれを認めた判決がある(京都地裁判決2005年8月25日)。

 
(判 決)
 ここでも判事たちは、インターネットへの接続料の場合と同様の論法を用いて、被告側の答弁をなぞっている。「新聞が専ら家族の購読のように供するために購入したなど、政務調査の必要性を欠いているのであれば格別、そうではなく、議員らの調査研究活動のように供されているのであれば上記(調査研究活動にとっての)必要性を欠くものといえない」から「採用できない」というのだが、インターネットへの接続料の場合と同様、購入された新聞やインターネットへの接続が果たして実際に専ら調査研究のためにのみ供されているのかどうか、何を根拠にして判断が可能なのか。当該期間内で、何%が調査研究活動、何%が政治活動、何%が家庭用なのか、客観的で具体的な説明が困難であるからこそ、仙台高裁は「按分」という考え方を取り入れたのではなかったのか。
 判決は、公明党や共産党が自党の機関紙類を購入することについても、同様の論法のほかに「自身が属する組織がいかなる問題につき、どのような見解を持つかを知ることは有益」という、眼を疑うような点も挙げて、私たちの主張を斥けている。
 両党の議員は、それぞれ党員である以上、個人として自党の機関紙類を受け取っているだけではなく、「自身が属する組織がいかなる問題につき、どのような見解を持つか」については、それぞれの組織の内部において討議を重ねているはずだ。それらを改めて調査研究活動のために購入することは、常識では到底、納得できないことだ。

 
争 点4 書籍代(書名のない領収書)について

 対象議員 深作勇・山崎次雄・折本ひとみ・堤昌也・西川嘉純・公明党・共産党 

 
(私たちの主張)
 領収書に書名がないものについては、それらが果たして政務調査にとって必要なものかどうか明確ではない。書名を明らかにできないのであれば、全額を返還すべきだ。

 
(被告側答弁)
 「使途基準」についての申し合わせでは、書名の記入は義務づけられていない。書名の
記入がなくても、領収書の提出があれば、適法だ。

 
(判 決)
 書籍代についても、被告側の答弁をなぞったものだ。
 「書籍のように一般的・外形的に調査研究の必要性を肯定できるものについては、原告らにおいて、その書籍代の支出が本件使途基準等に反することを推認させる一般的・外形的な事実を主張立証する必要があるのに、これらをしないものであり、書籍名が明らかにされていない書籍代について本件使途基準等に反するとは認められず、原告らの主張は採用できない」というのが、この書籍代についての棄却の理由だが、普通の市民には、何を言っているのか、恐らく理解に苦しむに違いない。
 これを普通の言葉に翻訳すれば、一般的にいって政務調査研究に役立つと思われる書籍や雑誌で、領収書が提出されていれば適法で、原告たちが、それらに反するという事実「立証」してない以上、その主張は採用できない、ということだが、それなら、どうして書名のない書籍に対して、一般的にいっても政務調査研究に役立つかどうかが判断できるのであろうか。
 もし被告側や判事たちの主張が正しいとすれば、議員たちは政務調査費によって、領収書さえ提出すれば、どんな書籍や雑誌も購入できることになる。そういうことが、今後もまかり通っていいのだろうか。

 
■告訴の効果?
 私たちの告訴によって興味深いことが起きた。深作・山崎両議員が誤って請求を行ったとして、それぞれ一部の書籍代金を被告に返還し、決算額を修正したことだ。両議員が、その代金を返還した書籍類には、興味深いことに、以下のようなものが入っていた。
 『親子でつくろう遊べるおりがみ』・『頭がよくなるおりがみあそび』・『英訳つき かわいいおりがみようちえん』・DVD『シャレード(ヘップバーン)』(以上、深作議員)、
 『ジュージューおりょうりフライパン』・『ノンタンおたのしみブック』(以上、山崎議員)
 これらの書籍類の領収書は、書籍名の記入はないものの、すべて書籍のコード番号が入ったレシートであったため、これは具合が悪いというので、急遽、被告側弁護士の指摘を受けて撤回したものと考えられる。
 しかし、これは被告側弁護士の杞憂にすぎなかったといえよう。千葉地裁のこれらの判事なら、以上の本やDVDも児童教育や給食事業や社会教育に関連があり、したがって市政と関係がないとはいえないと、それらの支出を適法とするに違いないだろうからだ。

 
争 点5 訪問先の手土産代について
 
 対象議員 辻田明・深作勇・山崎次雄・平野芳子・小泉・岡本・西山・西川・鈴木、公明党 

 
(私たちの主張)
 官官接待であり、税金の二重取りだ。

 
(被告側答弁)
 協力への謝礼であり、額からいっても「社会通念上適正な範囲内」にあり、問題はない。 適法との判決もある(京都地裁判決・2004年9月15日)。

 
(判 決)
 これも被告側弁論に寄り添ったもので、訪問先への手土産代は「社交的儀礼として交付するもの」であり、いずれも「金額も高額とはいえず、社会通念上相当の範囲といえる」から、合法的だとした。「政務調査」は「社交」なのだろうか。

 
■まとめ
 私たちクリーン勝手連が市会議員の政務調査費について取り上げたのは、今回が初めてではない。前回は、2006年度の政務調査費について取り上げ、もっぱら前記の辻田・深作・山崎の3議員が連年あるいは隔年、パソコンやデジタルカメラを購入していたことを問題とし、最高裁まで上告して争ったが(2008年5月に監査請求、同年6月に地裁へ告訴、翌年8月に高裁へ控訴、同年11月に最高裁へ上訴)、危惧していた通り敗訴となった。そして今回の敗訴だが、全国のさまざなま地域で行われてきた、あるいは行われている事例を見ても、こと行政訴訟に関する限り、裁判所に正義を求めるのは、樹によって魚を求めるのに等しいようだ。
 しかし、監査請求を行い、裁判を起こしたことは、全く効果がないということではなかった。まず第一に、監査委員が市議会に対して、前記もしたように、「疑義が発生する」ことがないよう、「使途基準」についての明確な「運用指針」を作成することを市議会に要望し、市議会が宿題として受け止めたことだ。残念ながら、まだ「宿題」にとどまっているのだが。
 第二は、前回の裁判以後、パソコンやデジタルカメラを連年あるいは隔年に購入するものがいなくなったり、政務調査費を返上する議員(水野実議員)が現れたり、監査請求や、その結果を受けての裁判所への告訴が議員に対して一定の緊張感をあたえていることだ。
第三は、今回の裁判によって、前記のように無関係な書籍の購入や、政党活動のための費用の混入(共産党)が明らかとなり、それらの「不当利得」が返還されるとともに、また被告や監査委員による審査や監査の杜撰さも白日の下にさらされることになったことだ。監査委員自身も監査されなければなるまい。
 以上のことから、私たちは、二回にわたって敗訴し、今回は控訴を断念したが、今後とも政務調査費に対する監視を怠ることなく、問題があれば、監査の請求を行い、必要があれば、それを最高裁まで争いたいと思う。

 最後に私たちは、第一の争点に関して、被告市長と「きらり青山会」の「癒着」ぶりを示すものとして、被告の後援団体の2006年度の収支報告書(「うらやす躍動する市民の会2006年度収支報告書」)も提出した。何と同会の代表者は深作議員であり、桜樹会(代表・松崎秀樹)から2006年8月31日、1,395万円の寄付を受けているのである。しかし、裁判所は、この点についても一言も言及がなかった。
 2011年11月3日

  クリーンな市政を!市民勝手連
               共同代表 富山 洋子・西田  勝  


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西田勝 平和研究室

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書籍紹介
 『グローカル的思考』
西田勝著 法政大学出版局
2011年6月1日発行


 社会から文学まで、現代の諸問題は国家や民族を超えた思考や、国家や民族を超えた民の連帯をもってしか解決できない。グローバル・ローカリズム、略してグローカリズムの旗を掲げて、草の根市民運動とともに歩んできた著者の四半世紀におよぶ行動と発言の軌跡。この間の政治や社会のトピックスをはじめ、歴史認識や核兵器・原発をめぐる主張、現代文学への批評、さらには井伏鱒二・小田切秀雄・武谷三男ら、故人への追悼や回想を収める。
 本書は、二十数年前に中国人による芥川賞受賞を予測し、十七年前に六ヵ国協議の必要性を指摘し、また福島原発の危険性を見抜いた予言の書でもある。