大学の夜間通学について


 昼間は企業などに勤務し、夜間に大学へ通学して勉強したいと考えている方も多くいると思われますので、作者の体験などを少しお話しします。
 その前に、夜間の大学(第二部)を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しつつあるようです。当然ながら社会・経済情勢の変化が背景にあるのですが、少子化で大学全入時代の現在、各大学も社会人教育または生涯学習をターゲットに狙うなかで、従来の第二部という枠組みを超えてカリキュラムをつくろうとする動きが表れています。

 純粋に第二部という名称で学生募集する大学は少なくなってきました。大阪地区の文系大学第二部として長い歴史を誇っていた関西大学も平成15年入学生から第二部をなくし「フレックスコース」を新設しました。同コースでは従来より昼間(第一部)の履修制限を大幅に緩和するとともに、授業料の値上げを実施しました。カリキュラムを見ていないので不明ですが、従来の第二部のように6限(午後6時から)と7限(午後7時40分から)だけで卒業必要単位が履修できるかがポイントとなります。大阪市立大学や大阪経済大学は第二部ですが、京都の立命館大学や同志社大学、東大阪の近畿大学ではフレックスコースのようです(未確認ですのでお確かめください)。


 昼間に定職を持つ社会人の場合、夜間と土曜日だけで卒業所要単位が取得できるかがポイントとなります。5限(午後4時20分)に語学や体育などが入ると、通常の勤務時間では取得が困難になります。一方、学力や学費の都合で第一部通学が困難な方はフレックスコースで第一部履修が拡大された恩恵を多く受けることとなります。こうした一連の第二部改革の背景には、第二部に在籍する学生のうち、正社員としてフルタイムで働く方の割合が少なく、アルバイトの方が多いという事実があります。基本的には垣根を低くし、さまざまなライフスタイルに合わせた履修プログラムがつくれるとのうたい文句ですが、学校側の増収目的と合致していることも見逃せません。

 ともあれ、第二部とフレックスいずれにしても実際の通学には大学の立地条件が大きな問題になります。梅田や本町から仮に午後5時すぎに就業終了して午後6時すぎに大学につけるのは、関西大学か大阪経済大学ぐらいでしょうか。もちろん出発地により異なりますが、大阪市立大学のある杉本町には、梅田、本町からだと地下鉄から天王寺でJRに乗り換えて各駅停車に乗る必要があります。京都の立命館の経済学部は滋賀県・草津市のキャンパスですが、仕事をもってここまで通うのは困難でしょう。また、一般企業で午後5時終業のところは少ない上、現在の景気情勢では残業時間が増えているため、授業開始時間に間に合う人は少ないのではないでしょうか。作者の大学は午後6時からですが実際に授業が始まるのは午後6時10分か15分で、その後もパラパラと生徒が授業中に入ってくるという感じです。また出席率が良い学生の仕事はアルバイトか公務員というのが実状です。語学や体育などの基礎的な出席重視の科目は出席をとりますが、配点はテストのみの科目も多く、一発勝負でいける科目もあります。もちろん、出席者からノートを見せてもらったり、自分で勉強する必要はありますが…


 一方、社会人をターゲットとした大学院は拡充が進んでいます。特に大阪・梅田など交通の便利な場所にサテライト教室を設ける動きが盛んで、大阪産業大学の梅田に続き、大阪市立大学も梅田にサテライト大学院を設け、社会人が通学しやすいような環境を整えています。関西学院大学もホームページによると梅田と西宮北口に教室があるようです。つまり、学校側としては社会人教育としては高卒をターゲットとした夜間大学ではなく、大卒をターゲットとした大学院で対応する、という姿勢が感じられます。