| P.08 4" Model "Parabellum" (MGC, 2nd model, late production,
zinc alloy, paper powder firing, 810g) |
MGCの金属製P.08は、60年代に発売されて以来ずっと人気モデルであった。もちろん、71年規制で銃口が塞がれて金色に塗られて発火を楽しむモデルではなくなったが、77年規制では生産中止を免れた。ただし、時はすでにプラスチック製モデルに移行しつつあり、同社からもABS製のブローバック・モデルが出されたことから、自然と姿を消していってしまった。
ここで紹介するモデルは80年に生産されたsmGモデルであり、現在でも堂々と所有及び売買ができるものである。リアルさという点では90年代に登場したマルシン製モデルに及ばないが、60年代に生まれたモデルとしては外観がともとてもよくできている。メカニズムの点では、発売当時は中田製モデル(後のマルシン製初期モデル)がスライド・アクション式を採用したためにかなりデフォルメされたものになっていたのに対して、スタンダードとすることでショート・リコイルを再現する等、実銃に近いものを組み込むことができた。
なお、MGCのP.08には他に6インチ、8インチの拳銃タイプの他、12インチ・バレルに木製ストックが付いたカービンがあった。また、人気モデルであっただけに、専用の木製ストック、金属製ストック、サイレンサー、スネイル・マガジン、ホルスター等のオプションも充実していた。 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
| P.08 8" Model "Lange Lauf" (MGC, 2nd model, late production,
zinc alloy, paper powder firing, 970g) |
旧MGCの金属製P.08は、60年代に発売された当時から同社のモデルガンの中でも1,2位を争う人気モデルであった。しかも初生産当時の業者間の紳士協定により、六人部氏(ナカタ系モデルガンの設計者、後の「六研」社長)が製作したナカタ製はスライド・アクションであったのに対し、小林氏(MGC開発部責任者、現タニオ・コバ社長)が製作したMGC製は疑似ショート・リコイルを再現したよりリアルな構造を持つスタンダード・モデルであった。MGCは初期生産品からバレルが4インチ、6インチ、8インチの3種類を出していたが(12インチのカービンを除く)、これらは77年規制後までsmGモデルとして生き残っていた。また、小林氏はP.08をブローバック・モデルにすることも計画していたが、結局はそれを製品化することができず、後に発売されたABS製モデルでそれを実現したという。
ここで紹介するモデルは、そのsmG期の8インチ・モデルである。外観やメカニズムの正確さでは90年代に発売されたマルシン製のものにはかなわないが、初版発売が60年代であったものとしては十分な外観とメカニズムをもっていた。そして、MGC亡き現在から見れば、それは垂涎のモデルとなってしまっている。しかも、本品は表面のメッキが新品時のようにきれいに残っており、往時を忍ばせる貴重な資料的存在でもある。
4インチ・モデルの箱は黒を基調にした専用タイプであるが(上の4インチ参照)、6インチ及び8インチ・モデルのそれは輸出用のシンプルなものが使われており、アメリカにおける商標権問題の関係から"Luger"という表記はどこにも見られない("RMI"はMGCの海外ブランド名。おそらく
‘Replica Model Inport/Incorporated’ではないか?)。なお、箱の表示によると、#201が8インチ、#202が6インチのようである(本箱では横にある#202の上にsmGシールが貼られて隠されているので)。 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
| P.08 4" Model "Parabellum" (MGC, ABS, 5th model, early production,
CP blowback, complete model, 590g) |
MGCはすでに60年代からP.08を金属製モデルとして作っていたが、70年代の2度の規制により製造を中止せざるをえなかった。そこで、70年代末にそれまでの金属モデルに代わるものとしてABS製のP.08を発売した。
リアル派からはこっぴどい批評を受けた独特のメカ(特に、実銃ではストライカー式であるのがハンマー式になっていること)は、しかしとてもよく作動し、紙火薬仕様(金属モデルから数えて「3代目」)にもかかわらず、快調なブローバックが楽しめた。キャップ火薬が出てすぐにキャップ火薬版(4代目)が出たが、しばらくしてからCPカートリッジ版(5代目)も作られた。また、シルバー・メッキ版もごく少量販売されたようである。
さて、上のモデルは最近手に入れたCP版の完成品である。当時の広告を見ると、レシーバー右側の刻印は1908年DWM製造モデルのものを再現しているそうであるが、確かに最新のマルシン製のものには及ばないものの、発火性能重視であった当時のMGC製ABSモデルとしては珍しく外観まで気が遣われている。特に、シリアル・ナンバー(76823と下2桁の23)が随所に入れられているのは、最初に紙火薬仕様を購入した中学生の時には気づかなかった(というか気づいていたかもしれないが、気にしていなかった)、細かい外観演出である。また、箱の上蓋のデザインも凝っており、MP40のマガジン・ポーチを持った兵士が連射する姿のイラストがとても格好いい。
一方、下のモデルは80年代中頃に発売されたCP版のキット・モデルであり、発売当時に購入して遊んだものである。銃身の強度を保つという理由でチェンバーの内径が小さくされたため、カートリッジはおよそ9ミリ・ルガーとは思えないほど細身のものになっている。しかし、そのおかげで、オープン・カートリッジ比べるとどうしても重くなりがちなCPカートリッジでも、発火さえすればビュン、ビュンとカートが跳ね上がったものである。ただし、サイド・ファイヤー式であったために、発火する確率はセンター・ファイヤー式のGM5系モデルに比べると低かったように記憶している。
なお、本モデル用のオプションとしては、スムース・タイプとチェッカー・タイプの木製グリップ、はめ込み式のサイレンサーが用意されていた。
ルガーP.08はいつの時代も人気モデルであるので、90年代のHW化ブーム時代に再販が期待されたが、構造上の問題(HW製ではブローバックの衝撃に耐えられない)または金型の問題で再販されなかった。以降もまったく再販されず、すでに20年以上絶版となっているモデルである。 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
| P.08 4" Model "Parabellum" (MGC, ABS, 5th model, early production,
CP blowback, kit model, 580g) |
 |
 |
 |
| P.08 4" Model "Parabellum" (Marushin, late production, 22gold-plated
zinc alloy, dummy cartridge, 850g) |
マルシンは比較的早い時期からP.08の金属モデルを出していたが、90年に大幅なリファインを施し、素晴らしい外観と実銃に近いメカをもったモデルを発表した。トグルを引くと、実銃のようにショート・リコイルするようにできているが、ブローバック・モデルではなくダミーカートリッジ仕様である。その後も安価なキットモデルを出したりしながら数年おきに再販されている息の長いモデルである。
本品は2003年冬に再販された完成品モデルである。手にした感触としてまず感じることは、痛いくらいにチェッカーのたった木製グリップの感触である。手を離すとチェッカーの跡が手のひらいっぱいにつくほどのフィット感は好みの分かれるところであろう。外観の仕上げの美しさは特筆もので、もともともっているこのモデルのスタイルのよさをさらに引き立たせるものとなっている。さらに、各パーツに彫られた刻印も見事である。
なお、本モデルは「パラベラム」という銃身が4インチのものである。 |
 |
 |
 |
| P.08 6" Model "Marine" (Marushin, late production, 22gold-plated
zinc alloy, dummy cartridge, 892g) |
ドイツ本国では「マリーネ」、英語では「ネービー」と呼ばれる銃身長6インチのモデルである。
モデルガンとしては、マルシンP.08「3兄弟」の真ん中のモデルである。一見中途半端なモデルに思われるが、意外に人気が高く、再販の度に3機種の中では最初に売り切れになるモデルである(もっとも、生産数が少ないのかもしれないが…)。
本モデルの最大の特徴は、4インチ・モデルにも8インチ・モデルにもない可動式のリア・サイトである。これは実銃どおりに再現されたもので、サイトの両脇にあるボタンを押すことによってスライドするようになっており、100mと200mを切り替えられるようになっている。この部品は旧MGCの6インチ・モデルにもあったが、形状はかなり異なっている。
刻印は4インチ、8インチとは異なったものが入れられており、バレルの長さのちがいだけではないというマルシンのこだわりが感じられるものとなっている。 |
 |
 |
 |
| P.08 8" Model "Lange Lauf" (Marushin, late production, 22gold-plated
zinc alloy, dummy cartridge, 979g) |
マルシンP.08三兄弟の中の最長銃身モデルである。本国ドイツでは「ランゲ・ラウ」と呼ばれるが、英語では「アーティラリー・モデル」と呼ばれている。
マルシンの金属P.08の素晴らしさは上の4インチ・モデルで解説済みであるが、この8インチ・モデルを見るとその認識がさらに高まるであろう。本モデルの最大の特徴は、やはり何と言っても長く伸びた銃身である。しかも、その上に載せられた可動式リア・サイトもライブで再現されている。このあたりはメカニズム上のリアルさを追求したマルシンの姿勢がよく理解できる点と言えるだろう。しかし、それ以上に素晴らしいのは、本体に刻まれた刻印である。実銃では銃身のちがいによって刻印もかなりちがったものになっているが、マルシンのモデルガンはそれを忠実に再現しており、単に銃身のちがうモデルを所有しているという以上の満足感を与えるものとなっている。その詳細についてはここでは省略するが、いずれ特集で解説するつもりである。
ところで、本モデルにはやはり木製ストックがよく似合う。残念ながらマルシンからは発売されていないが、以前にショップでタナカのストックをつけた本モデルのディスプレイを見たことがあるので、いずれそのストックを手に入れたいと考えている。 |
 |
 |
 |
 |
| P.08 4" Model "Parabellum" Coded 42 (Marushin, limited pruduction,
22gold-plated zinc alloy, dummy cartridge, 850g) |
マルシンは人気金属モデルの1つであるP.08の4インチを2008年春に再販した。ただし、今回は単なる過去のモデルの焼き直しではなく、刻印バリエーション・モデルとしての登場であった。
今回発売されたモデルは「Coded 42」という名前で呼ばれており、モーゼル社の刻印が施されたものである。「ルガーなのにモーゼル?」と思った人には、以下のことを理解してもらいたい。P.08は元々ドイツ武器弾薬製造社(DWM)というところが作っていたが(「ルガー」は会社名ではなく、開発者であるゲオルグ・ルガーのことである)、1930年にDWMがモーゼル社の傘下に入り、以降のモデルにはモーゼル社のマークが入ることになった。つまり、1930年から製造が終わる43年まで生産され、第2次世界大戦中に活躍した多くのルガーはモーゼル社製であったということである。今回マルシンから発売されたモデルは、その中で1940年に製造されたモーゼル社製のものを忠実に再現したものというわけである。なお、「ルガー」という呼び名は米国でのもので、本国ドイツでは「パラベラム」(4インチ・モデルのみ)と呼ばれている。
さて、その刻印類であるが、スタンダードの4インチとちがうのは、左面に見える3カ所のシリアル・ナンバー(3280と80)、レシーバー右面のアムト・マーク、レシーバー上面の製造年(1940)、フォアード・トグル・リンク上面のコード・ナンバー(42 ※モーゼル製には他に"byf"と"S/42"がある)、リア・トグル・リンク上面のマーク(なし)である。
スタンダードとのもう1つ大きなちがいとしては、スタンダードの木製グリップがウォールナット製のチェッカリング・タイプであるのに対して、本品はローズウッド製のスムース・タイプとなっていることである。
なお、モデルガン製作時に取材対象になったと思われる実銃(シリアル・ナンバー等が一致している)の写真が載っているサイトを見つけたが、時々アクセスできないことがあるので、あらかじめ保存しておいた写真を本ページ中に載せておくことにする(下段の黒モデル)。
|
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 
実銃紹介サイト(www.gunsworld.com/p08/p08_1940_us.html)より |
 |
 |
| P.08 No.16999 Hermann Goring Presentation Model (ACG, limited production,
22gold-plated zinc alloy, dummy cartridge, 850g) |
マルシン系の会社である(いや、実はマルシン?)アメリカン・コレクターズ・グループ(ACG)が発売した限定モデルである。外見以外のメカはマルシンのものと同じである。発売当初はガンラックとともに30,000円もした高級モデルであったが、後に安価なキット・モデルも発売された。現在はマルシン・ブランドでキットが再販されている。
ここで紹介しているのは、ACG時代にラックと共に売られていたものである。取説はないが、A4版見開きのパンフレットがついており、本モデルの由来が詳しく書かれているほか、内側には本モデルの実物大の写真が載っている。左側の写真は、その実物大写真の上にモデルガンを乗せて撮ったものである。また、右上の写真はラックに乗せた状態、右下の写真はラック左下の金属プレートのものである。ただ、残念ながらそのラックは資金調達のためにオークションで売ってしまって今はない。 |
 |
 |
 |
| P.08 12" Custom Cabine (MGC, 2nd model, late production, zinc alloy,
paper powder firing, 1,415g) |
MGCの金属製P.08は、1960年代後半にデビューしてすぐに人気モデルになり、4インチ、6インチ、8インチの3種類がラインナップされた。しかし、71年の銃刀法改正によって本体が金色になり銃口が塞がれると、その人気にも陰りが見え始めた。
そこで、MGCは長物であれば銃口を開けられ、色も黒いままにできることから、バレルを12インチにして木製ストックをつけたカービンを発売して人気回復を図った。値段がハンドガンの倍以上もしたために、すでに黒いモデルを持っていた世代の人たちがそのモデルに食指を動かしたとはあまり思えないが、新たなファン層を中心に一定の支持はあったようである。ただ、初期のものはストックが実銃用と同じ着脱式であったため、「それでは長物とは認められない」という当局の指摘があり(?)、70年代半ばには取付部がピンで固定されたものに変更された。また、77年の第2次銃刀法改正直後は、規制への過剰なまでの対応のために本体が金色にメッキされたモデルも一時期登場したが、後に再び黒いボディーに戻って80年頃までsmGモデルとして発売が続けられた。
さて、ここで紹介するモデルは、第2次銃刀法改正後の「smG」モデルの黒いボディーのもの、つまり最後期のものである。したがって、一見すると銃口からガスが抜けるタイプに見えるが、バレル内は完全に塞がれている。ただし、ストックは着脱式時代のものである。内部メカニズムはハンドガンとまったく同じである。したがって、トグルを引くとレシーバー部が若干後ろに下がる疑似ショート・リコイルが再現されている。基本設計が60年代のものであることを考えると、当時のMGC製モデルガンとしては最高レベルの再現性が達成されていたモデルであると言えるであろう。MGCが完全廃業した今となっては再販品を手に入れる望みもないが、モーゼルM712カービンを作ったマルシンに同社のP.08を使ったカービンを製作してもらいたいものである。
ところで、MGCのP.08にはハンドガン用の木製板状ストック2種と金属製ストック、サイレンサー、スネイル・マガジンがオプションとして発売されていた。そのスネイル・マガジンを本体を手に入れる以前に別途購入して所有していたので、本体を手に入れたところで初めてそれを装着した姿を紹介することにした。このスネイル・マガジンは通常のマガジンの下部に形だけのスネイル部を付けたものなので(したがって、中身は空である。写真参照)、装弾数は本来の32発ではなく、通常の7発となっている。しかし、60年代後半のMGCカタログにはオプション部品としてのスネイル・マガジンの説明に「7連発
2,000円、32連発 3,000円」という記載があり、当時は実銃用と同じ構造のものも存在したらしい。また、スネイル部底面には初製造年、アムト・マーク、MGCの王冠マークの刻印がある。
なお、スネイル・マガジンをカービン本体に装着しようとしたところ、製造年がかなり異なっているためか、マガジンがフレームにきつくてどうしても入らず、代わりに8インチ・モデルに装着した(これもかなり無理して挿入した)写真を載せることにした。 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
| with the snail magazine (MGC, early production, steel, 400g) |
 |
 |
 |
 |
 |
 |