"モデルガン"への誘い The World of Modelgun


*The World of Modelguns

  What is 'Modelgun'? If you are not Japanese and you are young, it might be the first question that occurs to you.
  Modelguns are kind of toyguns which have been popular among boys in Japan, where having a real gun is not allowed. They have almost the same mechanism as their real ones while other toy guns, such as gas guns or air guns, don't. But modelguns have only one thing different from real guns or other toyguns, that is, you cannot shoot any bullets with them. According to the pamphlet of a MGC modelgun, "A modelgun is a toy gun with which you enjoy its firing sound, blowbacking, assembling or disassembling, collection, and so on." It means that modelguns are toy guns with which you enjoy imagining to shoot a gun, not shooting bullets at a target.
  It is said that the first made-in-Japan modelgun appeared in the mid 1960s though some modelgun-like toy guns had been already brought from the United States since the 1950s. MGC and CMC were two well-known modelgun makers that produced good modelguns in those days. There were also some other modelgun makers who started making modelguns. They are located mostly in the suburbs of Tokyo.
  In spite of its popularity, however, the modelgun makers had to face hard time. It was the notorious revisions of the Guns and Swords Restriction Law in 1971 and 1977. They couldn't make metal-made handguns with similar mechanism as real ones or most iron-made rifles and machine guns. Then they faced the second trial, that is, 'air guns', with which you can enjoy shooting bullets called "BB" and you don't have to care about cleaning after shooting. Because of these, some good modelgun makers, such as MGC, CMC, and Kokusai, have disappeared.  
  What is going to happen to the world of modelguns? Nobody knows. But as long as some goodwill makers keep making modelguns and there are modelgun fans, it will exist in the future, too.

  Tanaka's Glock 17 is great! It has the same mechanism as its real gun.
  Look at the inner side. The top is the slide and the bottom is the frame. If you have the real gun or its photos, compare them with this. Probably you can not tell which is real.


1 モデルガンとは?

 私の年代(40代)以上の男性であれば、少年時代に誰でも経験したであろう"鉄砲遊び"。それは駄菓子屋で買った「銀玉鉄砲」(なつかしいなあ)であったり、図工の時間に作った「ゴム鉄砲」(割り箸と輪ゴムで作ったあれ)であったり、お金持ちの子だけが持っていた「空気銃」(てるてる坊主型の玉を飛ばすヤツ)であったり・・・。今でも近所の幼なじみや学校の友達と空き地で銃を片手に遊び回っていた自分の姿が目に浮かびます。現在の男の子なら、それはきっとBB弾を使ったエアーガン(ガスガン、電動ガン)でしょうか。
 しかし、これらのどの銃もかなわない日本ならではの銃が私が子供の頃から存在します。それが「モデルガン」です。モデルガンは、一般市民が銃を所有できない日本において、本物の銃そっくりのメカニズムを楽しむ物として1960年代に登場しました。もちろん、実際に弾を撃つことはできません。しかし、火薬を使って激発音を楽しんだり、分解や組み立てをして銃のメカニズムを知ることができるという楽しみがあります。
 モデルガンは、最初は輸入玩具(ほとんどはマテル製?)でしたが、ほどなくして国内の小さなメーカー(多くが埼玉県浦和市や川口市の鋳物工場)が職人気質の腕でリアルな構造とスタイルをもったモデルを作り出し、瞬く間に男の子(大人も)の心をとらえてしまいました。70年代(71年と77年)の銃刀法の改正により、主力は金属製のモデルからプラスチック製のモデルにと移行したことや、その後にエアーガン・ブームが起こったことなどによって、すっかりその存在が薄くなってしまいましたが、どっこい私のように昔のことが忘れられない"男の子"は今も大勢いるようです。
 
2 モデルガンの楽しみ

 あるモデルガン・メーカーの取り扱い説明書に次のような記載があります。
 
 「モデルガンは、撃発、ブローバック、分解、組み立て、鑑賞、コレクションなどを楽しむためのもので、・・・」

 そうです。一言で言ってしまえばまさにそのとおりでしょう。トーイ・ガンには他にエア・ガン、ガス・ガン、電動ガンがありますが、これらとの決定的なちがいを上記の記載の中から探すと、「撃発」でしょうか。火薬を使って発火音を楽しむのはモデルガン固有の遊びです。ただ、以前は撃発そのものを目的として遊んでいたモデルガン遊びも、その所有者の大半が30〜40歳代以上になってしまった現在では、撃発を楽しむには周囲の目を気にしなければならないことや、撃発後の清掃に時間や手間が取られることなどから、あまり撃発をモデルガン遊びの主目的にしている人は多くないのではないでしょうか。
 次に、エア・ガン、ガス・ガン、電動ガンでも楽しめる「ブローバック」「分解」「組み立て」ですが、厳密に言えばこれらについてもモデルガンのそれとは大きくちがうといえるのではないでしょうか。例えば、ブローバックについて言うと、ガス・ガンや電動ガンでは単にスライドがガス圧で動くだけですが、モデルガンでは火薬の力に押されたカートリッジがスライドを下げ、さらにカートリッジが飛び出すという実銃と同じ動作が味わえます。また、分解・組み立てについても、他のトーイ・ガンでは内部構造が実物とかなりちがって興ざめであることに対して、モデルガンではかなり実銃に近い構造を味わえることができます。
 そして、「鑑賞」と「コレクション」ですが、もしかしたらモデルガン・ファン(マニア?)にとってはこれが一番重要かもしれません。他のトーイ・ガンは狙った標的に当ててこそ意味があるものですが、モデルガンは撃っている自分の姿を想像するだけで楽しいものなのです。つまり、他のトーイ・ガンは銃本体の目的である、「当てる」という実際のアクションを楽しみたい人向けであり、モデルガンは銃本来の目的ではなく、そこから派生した「想像する」というフィーリングを楽しむ物なのです。モデルガンにこだわり、他のトーイ・ガンに手を出さない人たちは、まさにこの部分に魅力を感じているのではないかと思います。

3 モデルガンの過去・現在・未来

 モデルガンは1960〜70年代が全盛だったと言えます。この頃には多くの優秀なモデルガン・メーカーがたくさんのモデルガンを生産していました。現在もモデルガンを根強く愛好している人や私のようにごく最近になって熱が再発してしまった人の多くは、この頃にモデルガンに触れたことのある人でしょう。
 そのモデルガンも80年代に大きな転換期を迎えます。それは「エア・ガン」と「ガス・ガン」の登場です。これらはモデルガンとちがって実際に弾を撃つことができ、その上モデルガンのように撃発後の面倒くさい清掃を必要としませんでした。またたく間にトーイ・ガン産業の勢力図は変わり、新興トーイ・ガン・メーカーが続々と登場し、それまでモデルガンを作り続けていたメーカーはエア・ガンやガス・ガンを生産しなければ廃業するしかないという状況になりました。そして、モデルガン産業に決定的な打撃を与えたのが90年代に登場した「ガス・ブローバック」でした。これによって、唯一残されていたモデルガン固有のアクションもガス・ガンに取って代わられてしまったのです。
 これらによって、長年モデルガン・ファンを魅了してきた専門メーカーであるMGC、CMCは姿を消してしまいました。リボルバーを中心に作り続けていたコクサイもついに2003年に廃業しました。以前からのモデルガン・メーカーで今でも生き残っているのは、あくまでモデルガンが生産品の一部であったマルシン、高額な長物を中心に少しずつ生産してきたハドソンだけです。ただ、MGCの金型を受け継いだタイトー(AMI、新日本模型)がMGCの名前でかつての名作のリメイクや高価なカスタム・ハンドガンを生産していたり(2006年春に「新日本模型・MGC」として再出発したものの、同年12月に休業)、CMCの金型を受け継いだタナカ(ミリタリー長物)、ハートフォード(リボルバー)、CAW(ウエスタン長物)がCMC製品をリバイバル生産したり、コクサイの金型を受け継いだサン・プロがリボルバーを再販してくれたりしているのはありがたいことです。また、これらのメーカーに加えて、いくつかの新興メーカー(タナカ、KSC、CAWなど)が独自の高い技術で新しいモデルガンを今でも作ってくれていることは、ファンにとっては夢をつないでくれる嬉しい事実です。
 モデルガンは今後どうなるのでしょうか?若い世代のトーイ・ガン・ファンのほとんどがガス・ガンや電動ガンでサバイバル・ゲームを楽しむことに喜びを見いだしている現状の中、果たして以前からモデルガンを愛してきたオジサンたちの需要だけで生き続けることができるのでしょうか・・・。これまで頑張ってきたモデルガン・メーカーには、ぜひとも今後もモデルガンを作り続けてほしいと願うばかりです。

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