Colt Pocket Automatic Pistols


◇History and Comments◇
  Since the beginning of the gun history, there have been some special demands to handgun production. For example, some people want power, some others want accuracy, and some others want portability. Colt .25 and .32 are some of the guns to meet the demand of portability.
  Pocket-size modelguns have not been very popular in Japan because modelgun fans usually like big, powerful guns. But some Colt small automatic pistols were modeled up by MGC, Kousai, and Marushin. MGC made .32 Auto(ABS & HW), Kokusai made Pocket .25 Auto(black & silver ABS), and Marushin has been making .25 Automatic Pistol, whose original real gun was made and exported for Colt by Astla, in Spain, as Colt Junior. After MGC stopped making their .32 Auto Pistoles, CAW bought its metallic mould and started to make MGC's remake models and some variations in 2009.

Colt Pocket .25 Auto All Silver (Kokusai, ABS, P.E. Piston System blowback, 230g)  実銃は携帯に便利なコンシールド・モデルとして開発されたものである。まさに名前のとおりにポケットに忍ばせておける小ささである。
 ここで紹介するモデルガンはコクサイのコルト・ポケット25である。マルシンがモデル化したものを「コルト・ポケット」と呼ぶこともあるが、正確に言うと実銃においてはこちらのモデルを指すようである。
 下のマルシン製「コルト・ジュニア」とのメカニズム上の最大のちがいは、こちらのモデルではハンマー式ではなくトライカー式であること、グリップ・セイフティーがあることである。これらは、いずれもポケットにしまうことが多いという使い道からすると、安全面ではダントツに有利な機構と言えるであろう。
 このモデルには他にオール・ブラックもあるが、やはりこのシルバー・メッキ・モデルの方が格好いい。メッキの質も大変よく、刻印もはっきりと深く入れられているなど、全体の作りもマルシンのものよりもよくできているように感じる。
 ブローバックのメカニズムはコクサイ独自のP.E.ピストン・システムと呼ばれるもので、2ピースのカートリッジの下側に5oキャップを上向きにはめ込み、プラスチック製のP.E.ピストンと呼ばれる中穴の部品を入れるものとなっている。
 なお、サイレンサー(最近では「サウンド・サプレッサー」と呼ぶことが多いらしい)が標準装備された仕様もあったため、箱にもサイレンサーを入れるスペースが取られていた。(3段目のみ拡大写真有り)

【サイレンサー装着例】(拡大写真有り)
 上記で説明しているオプションのサイレンサーを別途手に入れたので、その装着例を紹介する。サイレンサーは、ネジ部分とアタッチメント部分は亜鉛合金製、先端のキャップはプラスチック製であるが、本体外側はスチール製で大変重く、全長70o(アタッチメント&ネジ部20oを含む)という小型ながら、重量は85gもある。発売当時は1,500円という低価格で発売されていた。銃の本体側は、スタンダード・モデルでもバレルの先端内側にねじ切りがされており、インサートも先端が細くなっていて、サイレンサーをねじ込めるように当初から設計されている。
 なお、この他のオプションとしては木製グリップやパール・グリップも発売されていた。
*with the Kokusai genuine sound suppressor (=silencer, 85g)
Colt Pocket .25 Auto Blue Metal Model (Kokusai, ABS, P.E. Piston System blowback, 230g) with the genuine silencer (315g)
 80年代に発売されたコクサイのモデルには、マルシンのモデルと同様にシルバー・モデルとメタル・モデルが設定されることが多かった。そして、このコルト・ポケットもそうした製品ラインナップの1つであった。
 ここで紹介するモデルは、そのメタル・モデルである。メタル・カラーはメッキで表現されており、実銃のスチール色がよく表現されている。ただし、コクサイのメタル・メッキはマルシンのそれに比べてはがれやすく、扱いが悪いとすぐに下地の色が出てきてしまうという難点があった。コクサイのメタル・メッキ・モデルはシルバー・モデルにメッキをかけることが多かったようで、メタル色が落ちてしまうと(あるいは意図的に落としてしまうと)、シルバー・モデルになってしまった。本モデルはまだメッキがよく残っている方であるが、それでも部分的に下地のシルバーが見えてしまっている。なお、写真でもわかるが、コクサイではシルバー・モデルに緑色の箱を、メタル・モデルには赤色の箱を用意していた。
 コクサイのコルト・ポケットはシルバー・モデルの方はよく見かけるが、メタル・モデルはあまり見ない。さらに、サイレンサー付きとなると希少である。現在、コクサイはサンプロの一部門として金属モデルとプラスチック製のリボルバーを再販しているが、オートマチックの再販は一切無く、本モデルとM1910の再販が望まれるところである。
Colt .25 Automatic Pistol (Marushin, early production, ABS, PFC blowback, kit model, 180g)  あまり知られていないことであるが、ここで紹介するモデルの実銃はもともとコルト製ではなく、スペインのアストラ社が「コルト・ジュニア」の名前でコルト向けに輸出していたものである。1968年の銃規制によって一端は輸入禁止になったが、70年に再び「コルト・25オート」の名前で輸入されるようになった。ここで紹介するモデルは、その再輸入品をモデル化したものである。
 モデルガンは、マルシンが82年に発売を開始した。発売直前までは、最初の実銃のニックネームともなっている「コルト・ジュニア」という名前で宣伝されていたが、発売時には「.25オート」という名前に変更された。マルシンは、これをスタンダード(ブラック)、ニッケル・フィニッシュ(シルバー)、メタル・フィニッシュ(メタリック)の3種類の仕上げで発売し、同時にキット・モデル(ブラック)も発売した。バレルはシルバー塗装とされたが、キット版はブラックであった。なお、木製グリップ(2,500円)も別売りで用意された。また、90年代にはHW版も登場し、木製グリップが標準装備されたデラックス版もあった。
 上のモデルは、最初期に発売されたキット・モデルを購入して完成させたものである。本体の色は元々ブラックであるが、メタリック・スプレーをかけてあるために、表面はやや銀黒に輝いて見える。購入時にけっこう発火して遊んだが、短い銃身のせいもあって、発火音はけっこう大きかった。ただし、上にも書いたが、フル・マガジン分を一発で全弾発火させられるほどの快調さはなかった。
 下のモデルは、完成品のメタル・フィニッシュ・モデルをごく最近になって手に入れたものである。絶版になってかなり経つが、メッキはまだきれいに残っている。ただし、バレルが初期のモデルではシルバー・メッキであったのに対して、このモデルでは普通のABSブラックとなっている。メッキ・バレルは発火すると割れやすいということがあるので、おそらく再販時に通常のブラックに変更したのであろう。
Colt .25 Automatic Pistol Metal Finish Model (Marushin, early production, metal-plated ABS, PFC blowback, 180g)
Colt .25 Automatic Pistol EXHW Model (Marushin, late limited production, EXHW, dummy cartridge, 250g)

 マルシンのコルト25オートは、2003年にHWとシルバーABSのキット・モデルが再販されたのを最後に絶版となっていて、中古市場でもプレミアム価格で取り引きされていた。そのような人気にマルシンが気を良くしたのか、2007年末にEXHW(エクセレント・ヘビー・ウエイト)製の完成品モデルが再販された。
 今回再販されたモデルは旧HWモデルの単なる焼き直しではなく、時代にマッチしたものに改良されている。すなわち、もはや発火を楽しむオーナーは少ないであろうということからダミー・カートリッジ仕様とされ、さらにバレル内にスプリング付きのカートリッジ・ストッパーが新設された(写真下左)。これによってカートリッジを装填した状態でハンマーを落としてもカートリッジの変形は極力抑えられ、さらにスプリングの反発力によって排莢がスムーズにいくようになった。
 たった1つ残念なのは下箱(スチロール)の設計ミスで、くり抜かれた部分の上下の長さが足りなかったことから、マガジンを抜いた状態でないと本体を収められないことである(写真下右)。また、その状態でハンマーを起こすと、マガジン・セイフティーが効いてトリガーが引けなくなる(つまりハンマーを落とせない)ので注意が必要である。
 なお、2008年にはブラックHWの完成品とキット・モデルが相次いで再販された(ただし、いずれもダミー・カートリッジ仕様)。

Colt .25 Automatic Pistol All Silver Model (Marushin, late limited production, silver-plated ABS, dummy cartridge, 180g)

 マルシンのコルト25オートは、2007年末にEXHW(エクセレント・ヘビー・ウエイト)製の完成品モデルが再販されたことで復活を果たしたが、2008年に入ってからブローニングM1910と共にシルバーABSモデルも追加された。
 今回再販されたモデルはシルバーABSモデルの単なる焼き直しではなく、直上の再販EXHWモデルと同様に時代にマッチしたものに改良されている。すなわち、ダミー・カートリッジ仕様とされ、さらにバレル内にスプリング付きのカートリッジ・ストッパーが新設された。また、旧モデルでは発火の際の破損防止のためにブラック色であったバレルが、スライドやフレームと同じステンレス・シルバー・メッキが施されたものとなった。一方、ハンマー、トリガー、スライド・ストップ、マガジン・キャッチ・ボタン等の亜鉛合金部品やマガジンやピン類のスチール部品は外観上のアクセントも考慮してブラック色のままとなっている。

Colt .32 Automatic Pistol (M1903) Blowback Model (MGC, early production, ABS, paper powder blowback, 435g)  コルト32オートマチックは、FNブローニングM1910にスタイルがよく似ている。ホルスターやポケットに小さく忍ばせておくために、ハンマー内蔵式にしていることで、ハンマーが見えるモデルとは一線を画したスタイルとなっている。もっとも、それは設計者が両方ともブローニング自身であるためでもあるだろう。
 MGCは70年代の半ばにこれをABS版としてモデル化した。内部メカが実銃とかなりちがっていたことから、一部のマニアからはぼろくそに言われたこともあったが、紙火薬を使うものとしては快調なブローバックが味わえるモデルとして人気があった。また、後にスタンダード・モデルも登場したが、こちらはブローバック版とはスライドの刻印が異なっていた。さらに、80年代になると、CPブローバック版へと仕様変更された。90年代初頭には一時期絶版になったが、90年代にヘビーウェイト版として復活した。このHW版には発売時期によってサテン(ナチュラル)HWとブラックHWの2つの仕様があった。
 上段のモデルは初期の紙火薬式ブローバック・モデルである。当時それを発売直後に購入してけっこう遊んだが、確かにメンテナンスさえ怠らなければ快調に作動した。ここで紹介するモデルは最近手に入れたものであるが(当時購入したものは高校生の時に処分してしまった)、改めてそのできの良さを認識させられた。また、もしかしたら、本体以上に貴重なのは元箱かもしれない。MGCのモデルガンの中では異彩を放つ(?)派手なイラスト入り箱であるが、当時からMGCモデルガンの取説を描いていて、後にGun誌の「カレイド・スコープ」コーナーのイラストレーターとしても知られることになった”イラコバ”こと明日蘭氏の手によるもので、過去に32オートが登場したいろいろな映画の場面の主人公(脇役も)があしらわれたものであった。
 中段のモデルは90年代初期に起こったHW化ブームに乗って発売されたHW版である。小さなモデルだけに、ABS製品との重量差がどのくらい出るのか期待感がそれほどなかったが、手のひらに収まるサイズだけにかえってその差が大きく感じられる重量感が味わえるモデルとなった。ただし、他のMGC製HW化モデルと同様に、内部のメカニズムには一切の改良点はなく、実銃とはかけはなれたメカであると揶揄されたそれは旧ABS製品とまったく同じものであった。また、他のHW化モデルは初期のものを除くと基本的に「スーパー・ブラック」という塗装が施されていたが、本モデルはプレーンのHW色に近い「サテン・ブラック」であった(発売時期によってスーパー・ブラック色のものもあったかもしれない)。
 下段のモデルは90年代半ばに発売されたHW版である。ただし、ここで紹介するモデルは刻印を金色にあしらった限定版であり、本体色がブラックであることの他に、スライド右側の刻印が初期型のもの(パテント・デートが異なり、ランパント・マークが丸囲み)になっている点が標準のHW版と異なっている。また、表面が銀色に光っているので、SRHモデルと同様に鉄粉混入モデルかとも思ったが、残念ながら磁石はつかない。
 なお、上記のABS版、HW版、HW限定品ともに今では希少なモデルということになっており、程度のよい中古なら新品定価以上の値段で取引されている。
Colt .32 Automatic Pistol (M1903) Satin HW Model (MGC, HW, CP-HW blowback, 565g)
Colt .32 Automatic Pistol (M1903) Black HW Limited Marking Version (MGC, limited production, HW, CP-HW blowback, 550g)
Colt .32 Automatic Pistol (M1903) Black HW Model, Model of 1908 (CAW, reproduction of the MGC model, HW, CP-HW blowback, 500g)

 MGCのコルト32オートは、90年代にHWモデルが出されたのを最後に絶版となり、中古市場では新品定価を超えるプレミアム価格で取り引きされるほどの人気モデルであった。そこで、2006年の新日本模型・MGCの廃業に伴って処分された金型を引き取ったCAWが2009年末にこれを再販した。
 CAWは、再販するにあたって、ほぼMGC製品をそのままコピーする形でこれを生産した。すなわち、メカニズム等にもリアルさを求める同社の製品としては珍しく、発火性能を重視するためにデフォルメされた内部構造にはいっさい手を付けずに再生産した。また、カートリッジもMGC製のCP−HWタイプと全く同じ物である。ただし、スライドの刻印はレーザーでくっきりしたものを入れたり、マガジンは実銃どおりに8発装填できるようにしたり(MGC製は7発だった)、箱はわざとMGC製HWモデルのものと同デザインのもの(サイズはCAW製ガバメントのものと同じ)を新たに作成したりと、同社ならではのこだわりを追加することも忘れてはいない。また、同時にチェッカード木製グリップも製作して、高級感を加えることにも気を配っている。
 本モデルを発売した当初、刻印ちがいや仕様ちがいのバリエーションを展開する計画があることを示唆していたが、実際にその後、初期型モデルが限定生産され、2010年7月現在でブローニング刻印バージョンも同社のVIP会員向けに販売予約が行われている。

Colt .32 Automatic Pistol (M1903) 1st-type Model Custom, Model of 1907 (CAW, limited production, HW, CP-HW blowback, 460g)

 CAWは、MGCの32オートをリバイバル生産した際に、バリエーションを展開することをほのめかしていたが、その最初のモデルが2010年5月に100挺限定で発売された。その名も「初期型モデル」。ただし、実際の初期型はスライドの長さがMGCのものと異なっていたため(実銃は0.25インチ長い)、金型をそれに合わせて修正するということまではできず、まして実銃とはまったく異なる内部メカニズムまで手を出すこともできなかったので、CAW社長曰く、「”初期型風”モデル」だそうである。
 CAWによると、MGCの32オートは2ndモデルと3rdモデルの特徴が混在したものであるとのことで、それを利用しながら、外観をできるだけ1stモデルに近づけたものを製作した。CAWがまずこだわったのはスライドの刻印であり、初期型のものを忠実に再現した。後方にあるランパント・マークもMGC製やそのリバイバル品のものとは異なるサークル・ランパントになっているほか、フレーム左側にあるシリアル・ナンバーも1907年製のものになっている。また、MGC製ではまったくフィクスであったグリップ・セーフティーを可動式とした(ただし、セーフティーの機能はない)。しかし、これだけはリアルさを売り物にするCAW製として許せなかったらしく、初期型に特徴的なデザインの木製グリップを正確に再現して標準装備とした。
 ところが、量産品が生産され始めた発売間近に同社のVIP会員に販促チラシを送付したところ、マニアの一人から刻印が1字まちがっていることを指摘され("1903"が"1803"になっていた。写真右下参照)、急遽発売を遅らせて新たなスライドを生産することになった。実際に発売された製品はもちろん正しい刻印のものであるが、直販分には「刻印をまちがっちゃいましたスライド」という正直な名前ですでに生産してしまっていたボツ・スライドがおまけで付いている。


ボツ・スライドの刻印ミス
Colt .32 Automatic Pistol (M1903) 1st-type Model Browning Marking Custom, Model of 1905 (CAW, limited production, HW, CP-HW blowback, 460g)

 32オートのMGCリバイバル・モデルが販売好調であったことから、フジカンパニーよりOEM生産(相手先企業の商標をつけて販売される完成品や半成品の受注生産)の依頼があり、当初100挺限定であった上の「初期型モデル」は50挺多く生産されることになった。しかし、CAWは単に同じモデルを増産するというのではなく、その分は刻印違いモデルとして生産することにした。ここで紹介するモデルはその分で、スライド刻印のパテントの部分が「コルト」ではなく「ブローニング」になっているバージョンである(ただし、スライド右側の刻印にはちがいはない。
 スライドの刻印違いは写真を参照してもらいたいが、異なっている部分はそこだけだと思っていたら、フレーム左側にあるシリアル・ナンバーも異なったものが入れられていることがわかった。すなわち、そこからわかることは、MGCリバイバル・モデル(77302)が1908年製、初期型コルト刻印モデル(57932)が1907年製、初期型ブローニング刻印モデル(20822)が1905年製をイメージしていることである。
 なお、ブローニング刻印となったことで、生産もブローニングで行われたものかと思ったらそうではなかったらしく、あくまでもコルト社の製品であったようである。したがって、初期型グリップのデザインも上のものと同じである。

Colt .32 Automatic Pistol (M1903) 2nd Model U.S. Military Marking Custom, Model of 1917 (CAW, limited production, HW, CP-HW blowback, 455g)

 CAWはMGCの32オートのリバイバル・モデルを発売した後に、初期型コルト刻印モデル、初期型ブローニング刻印モデルとバリエーションを展開してきたが、2010年9月に中期型モデルを追加発売した。
 今回のモデルの特徴は、それまでのモデルがすべてMGCモデルの刻印ちがいレベルであったのに対して(実際には初期型モデルはグリップ・セーフティーが可動式に変えられている)、初めてフロント周りの形状変更を行ったことである。すなわち、バレルはブッシングを兼ねた太い先端が付いたものになり、それに伴ってブッシングが廃止された(これらのちがいは同社のHPの写真でわかる)。当然リコイル・プラグの形状も変更され、リコイル・スプリングもMGC版がバレルの周りに巻いてあったものであったのに対して、実銃どおりにバレル下に移された。また、刻印も実銃のミリタリー版が忠実に再現され、スライド左側のパテント表示はガバメントの戦前型ナショナル・マッチに似たようなものになり、右側も同モデルに似たものが刻まれている。フレーム右側にはミリタリー版であることを示す "U.S. PROPERTY"が入れられ、左側のシリアル・ナンバーは約200挺しか生産されなかったという実銃のそれと同じ番号帯で(どうやらすべてが連番ではないようである)、しかも1挺ずつ異なったものが入れられている。ランパント・コルトは初期型とは異なってサークルレスになっている。あと、これは初期型にもありながら今回気がついたものであるが、スライド先端右側に小さな矢印(何のためのものかは不明)が入れられている。グリップは中期型デザインの木製のもの(金色のランパント・コルト・メダリオン付)が標準でついているという豪華版である。
 これだけの装備のモデルであるので、初期型モデルよりさらに1,000円高い価格設定となっているが、そのちがいを考えればお買い得モデルと言えるであろう。なお、この後すぐに中期型コマーシャル・モデルも追加発売された。

Colt .32 Automatic Pistol (M1903) 2nd Model Commercial Marking Custom (Standard Model), Model of 1925 (CAW, HW, CP-HW blowback, 460g)

 本モデルは、CAWの32オート第5弾として、中期型モデルとしては2番目のものとして2010年末に発売されたものである。基本的な作りは直上の中期型ミリタリー・モデルと同様のものであるが、ミリタリー・モデルが200挺限定生産であるのに対して、本モデルは「スタンダード」の名前のとおり、中期型モデルの標準タイプとして量産されているものである。
 本モデルの特徴は、実銃のコマーシャル・モデルの雰囲気が忠実に再現されている点である。スライド両側の刻印はミリタリー・モデルと同じであるが、ミリタリー・モデルのフレーム右側にある"U.S. PROPERTY"はない。その代わりにトリガー・ガード左側上部に「P」、右側上部に「48」という刻印が入られている。また、グリップは中期型コマーシャル・モデルのそれが忠実に再現されており、チェッカード木製グリップに上部ににはCOLTの社名が、下部にはサークルレス・ランパント・コルトが彫られている(ただし、実銃のこのデザインのグリップの多くはベークライト製である)。もちろん、この木製グリップは内側が中抜きされていて重りが入れられており、重量増に大きく貢献している。その他の作りはミリタリー・モデルと基本的には同じである。すなわち、実銃どおりにブッシングレスになったスライド全部と特徴的なバレル先端の形、その変更に伴って、MGC製ではバレル外周にあったリコイル・スプリングがバレル下に移されたこと、可動式ではあるが機能はしていないグリップ・セーフティー等である。なお、フレーム左側のシリアル・ナンバーは固定番号であるが、モデルとなった実銃が1925年製であることを表している。

Colt .32 Automatic Pistol (M1903) 2nd Model "C-Colt" Presentation Marking Custom, Model of 1920 (CAW, limited production, HW, CP-HW blowback, 460g)

 本モデルは、CAWの32オート第6弾として、中期型モデルとしては3番目のものとして200挺限定で2011年3月に発売されたものである。ただし、それまでのモデルがすべて一般店販売もされたのに対して、本モデルは同社直販だけとされた(東京上野のマルゴーを除く)。また、一般販売される約1ヶ月前に同社VIP会員及び過去に32オートを直販で購入した人に対して先行販売された。
 本モデルの最大の特徴は、何と言ってもそのにぎやかなスライドの刻印である。実銃のコルト社製品には個人名が入れられたプレゼンテーション(贈答品)モデルが数多く存在するが、本モデルもそのようなものの1つで、実際に存在する実銃の刻印が再現されたものである。スライド左側の刻印は、一段目が贈答相手名である "1ST LT. A.W. NORRIE"(the Windsor Guard の Alexander W. Norrie中尉)、3段目は贈り主である "Co.A. 1ST. SEP. BAT. INF. 1ST. M.D.C.S.G."(おそらく団体名であろうが不明。現在 "M.D.C.S.G."は"Miami Dade County Student Government"の略号として使われているが、その団体との関係は不明)、そして4段目は贈答記念日である "JAN. 15, 1920"(1920年1月15日。シリアル・ナンバーが示す製造年と一致)が入れられている。なお、コルト社の出荷記録によると、実際の注文主は George E. Crosby, Jr. という人だったそうである。また、その派手な刻印を左側に入れるにあたって、本来左側に入っているはずのコルト社のパテント・デート刻印が右側に移された。そのため、右側の刻印は本来あったものと合わせてかなり小さく窮屈な感じで入れられている。
 なお、元になった実銃の写真がここに載っている(シリアル・ナンバーも一致している)。ただし、それを見ると、グリップは木製ではなくプラスチック(ベークライト)製で、下部の本モデル独特のランパント・コルトのマークもモデルガンのものとは異なっている(実銃のものは通常のランパント・コルト)。そこで、後者のちがいをCAWに尋ねてみたが、明確な答えは返ってきていない。ただ、Gun誌の記事によると、どうやら社長の遊び心からデザインされたものらしい。

Colt .32 Automatic Pistol (M1903) 2nd Model "Small Pony" Commercial Marking Custom, Model of 1914 (CAW, special limited production, HW, CP-HW blowback, 460g)

 本モデルは、CAWの32オート第7弾として、中期型モデルとしては4番目のものとして20挺完全限定で2011年3月に発売されたものである。ただし、それまでのモデルがすべて一般店販売もされたのに対して、本モデルは同社直販だけとされた。また、一般販売される約1ヶ月前に同社VIP会員及び過去に32オートを直販で購入した人に対して先行販売され、もちろんすぐに売り切れてしまった。
 本モデルの特徴は、その名前のとおり、グリップのランパント・コルトのマークがやや小さいことである。なぜそのような仕様になっているのかは同社の説明でも実銃の資料でも明らかではない。また、スライド左側のパテント・デート刻印のフォントが過去のものと異なり、ブロック体のようなものになっている点はただのグリップちがいのモデルではないことを表している。ただし、元になった実銃の写真がここに載っている(シリアル・ナンバーも一致している)が、それを見るとその刻印のフォントはモデルガンとは異なっている。また、グリップは木製ではなくプラスチック(ベークライト)製である。コルト社の出荷記録によると、元になった実銃は1914年1月24日に出荷されたものである。
 なお、本モデルはたった20挺の限定販売であったが、販売価格は過去の同社の32オートを直販で何丁購入したかによってことなり、3挺以下のVIP会員で2割引き、4挺以上で「特価」15,000円、6挺全部購入していれば「超特価」5,000円という特殊な価格設定がされていた。
 同社VIP会員を中心としてたった20挺が限定販売されただけのものであるので、手にしたマニアが手放すとは思えず、今後は中古でもおそらく手に入れられない超希少なモデルと言える。


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