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第20期竜王戦第五局
- 2007年11月28日・29日
- 佐藤二冠−渡辺竜王
- 矢倉▲3七銀
矢倉▲3七銀戦法で後手の▽2四銀を疑問手にできるかもしれない、という一局である。
盤面図をとばす 後手:渡辺明竜王 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二 |v歩 ・v角v歩v銀v金 ・v歩 ・|三 | ・v歩v歩 ・v歩v歩v歩v銀v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 歩 歩 銀 歩 ・ 歩|六 | 歩 歩 銀 金 ・ 歩 桂 ・ ・|七 | ・ 玉 金 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手:佐藤康光棋聖棋王 先手の持駒:なし 第1図(▲2五歩まで)
条件反射の▽2四銀
第1図手前▽2四銀について渡辺竜王は「条件反射」という言葉を残している。将棋年鑑でも13局中12局が▲2六歩には▽2四銀である。
▽9四歩や▽8五歩といった形を決める手をあとにして▽2四銀というのは現代将棋の感覚に沿った手ではある。
昔▲5八飛、今▲3八飛
第1図▲2五歩では▲3八飛が普通である。
十年ほど前までは▲5八飛が盛んに指され、これは▽6四銀なら▲3八飛▽5三銀となって一手得という狙いだったが、▲5八飛に▽9四歩▲5五歩▽同歩▲同銀▽5二飛▲4六銀▽5一飛▲5五歩▽5四歩で後手良しということになり、廃れた(「現代矢倉の闘い」第4章)。
▲2五歩の狙い
竜王戦中継によると第1図の前例は11月16日のB級2組順位戦浦野七段−橋本七段の一局のみということである。
▲2五歩はプロの盲点に入っていて誰も指したことがなかったのか?というとそんなわけはなく、第1図と同一局面でないだけで▲4六銀▲3七桂型が現れた二十年前から何局も指されている。▲2五歩に▽3三銀なら雀刺しか▲2六飛から▲3五歩、▽1三銀なら▲3八飛から角や銀の位置を変えて薄くなった3・4筋を攻めるのが狙いである。
盤面図をとばす 後手:渡辺明竜王 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ | ・v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二 | ・ ・v角v歩v銀v金 ・v歩v銀|三 |v香v歩v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩|四 |v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 歩 歩 銀 歩 ・ 歩|六 | 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 桂 ・ ・|七 | 香 銀 金 角 ・ ・ ・ ・ 飛|八 | 玉 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手:佐藤康光棋聖棋王 先手の持駒:なし 第2図(▲1八飛まで)
▲2五歩から穴熊が新しい
前例の浦野−橋本戦は本局と同じ手順で先手穴熊となった。▲2五歩と穴熊の組み合わせが新しく、本局は第2図まで進んだところで渡辺竜王が「作戦負け」と感想を述べている。
▽1三銀の形は代償として▽4五歩の反撃が効かなければならないのだがこの形ではそれがない。また、本譜の順で穴熊に組まれると普通に▽9三桂は▲9五角と歩を取られてしまう。
これを機に▽2四銀は疑問で▽9四歩が先、ということになるかもしれない。
なお、▲2五歩を決めずに▲9八香とすると▽3五歩を喰らって先手まずいことになる。
初手から第1図・第2図までの指し手
▲7六歩▽8四歩▲6八銀▽3四歩▲6六歩▽6二銀▲5六歩▽5四歩▲4八銀▽4二銀▲7八金▽3二金▲6九玉▽4一玉▲5八金▽5二金▲7七銀▽3三銀▲7九角▽3一角▲3六歩▽4四歩▲3七銀▽6四角▲6七金右▽7四歩▲6八角▽4三金右▲7九玉▽3一玉▲8八玉▽2二玉▲4六銀▽5三銀▲3七桂▽7三角▲1六歩▽1四歩▲2六歩▽2四銀▲2五歩(第1図)▽1三銀▲9八香▽9四歩▲9九玉▽9五歩▲8八銀▽9四香▲1八飛(第2図)