将棋の本 1999


「読みの技法」

 定跡書ではないが「最強将棋塾」シリーズの一冊として収録しておく。

 序盤から終盤に渡る二十五の局面について、佐藤康光名人・羽生善治四冠・森内俊之八段の考え方と読みを島朗八段が取材してまとめたもの。三人の読みの共通点・相違点を追って読んでいくと非常に面白い。初級者から上級者まで楽しめる本だと思う。谷川九段の「光速の寄せ」シリーズ(日本将棋連盟)みたいにシリーズ化してほしいな〜。

目次

第1番 紛れを生み出す
第2番 堅さと進展性
第3番 寄せの事前工作
第4番 見えている狙いとその迎撃
第5番 決め手を与えない指し方
第6番 形の違いから展開を読む
第7番 速度計算と状況
第8番 戦機と駒組み
第9番 勝負形につなぐ
第10番 単純ながらうるさい攻め
第11番 細い攻め――つなぐ技術と切らす技術
第12番 手詰まりとその打開
第13番 仕掛けの構図
第14番 王様までの距離
第15番 仕掛けと変化球
第16番 狙いを見切った陣立て
第17番 戦いをにらんだ駒組み
第18番 仕掛けの最善形
第19番 短期決戦と延長戦
第20番 微差から大差へ
第21番 陣形と戦い方
第22番 反撃を予測した仕掛け
第23番 動きと押さえ込み
第24番 手を作るための駒組み
第25番 勝利までの道のり

座談会 「5×10」の宇宙


「これが最前線だ! 【最新定跡完全ガイド】」

「本書は、今現在、私たちプロ棋士が最も注目しているテーマ図ばかりを集め、その局面の焦点、過去の実戦例、筆者独自の研究と今後の見どころなどをまとめたものである」(まえがき冒頭)ということで、当ページをプロが書くとこうなるって感じの本。九ヶ月ほどかけて書いたというだけあって充実した内容に仕上がっている。「本書を辞書として手元に置いてタイトル戦やテレビ将棋、観戦記などを見ていただければ、これまで以上にプロの将棋を楽しめるはずである」だそうです。私もそう思います。

目次

第一部 これが振り飛車最前線だ!

テーマ1 新旧山田定跡
テーマ2 斜め棒銀
テーマ3 4五歩早仕掛け
テーマ4 棒銀の基本
テーマ5 棒銀対策6五歩型
テーマ6 先手四間飛車 対 斜め棒銀
テーマ7 5七銀右戦法
テーマ8 左美濃 対 藤井システム
テーマ9 居飛車穴熊 対 藤井システム 1
テーマ10 居飛車穴熊 対 藤井システム 2
テーマ11 先手藤井システム 1
テーマ12 先手藤井システム 2
テーマ13 居飛車穴熊 対 浮き飛車
テーマ14 銀冠 対 振り飛車穴熊
テーマ15 銀冠穴熊 対 振り飛車穴熊
テーマ16 相穴熊急戦篇
テーマ17 相穴熊持久戦篇
テーマ18 向かい飛車の挑戦
テーマ19 最新の三間飛車
テーマ20 近藤流ゴキゲン中飛車
テーマ21 立石流最前線

第二部 これが矢倉最前線だ!

テーマ22 3五歩早仕掛け
テーマ23 飛車先不突き雀刺し
テーマ24 郷田流3八飛戦法
テーマ25 森下システム物語 1
テーマ26 森下システム物語 2
テーマ27 後手7三銀型の攻防
テーマ28 3七銀戦法
テーマ29 後手8五歩型
テーマ30 8四歩・9四歩型
テーマ31 ▽4五歩の反発
テーマ32 8四歩・9五歩型
テーマ33 9五歩・7三桂型
テーマ34 脇システム
テーマ35 矢倉中飛車最新版

第三部 これが居飛車最前線だ!

テーマ36 角換わり腰掛け銀同型
テーマ37 角換わり腰掛け銀6五歩型
テーマ38 角換わり腰掛け銀6三金型
テーマ39 角換わり後手棒銀
テーマ40 角換わり先手棒銀
テーマ41 相横歩取り
テーマ42 横歩取り3三桂戦法
テーマ43 空中戦5二玉・8四飛型
テーマ44 空中戦8五飛型
テーマ45 中原流3七銀戦法
テーマ46 塚田流中住まい
テーマ47 1筋省略型3七銀戦法
テーマ48 ひねり飛車拒否の▽3四歩
テーマ49 相掛かり腰掛け銀最新形
テーマ50 最新のひねり飛車対策


「未来の定跡 現代矢倉の思想」

「最強将棋塾」シリーズ第三弾で「未来の定跡」シリーズ第一弾。「シリーズ名の『未来の定跡』とは、『未来の定跡』を先取りしているという意味ではなく、『未来の定跡』はここから生まれる(少なくとも本書で述べた手順を下敷きとして生まれる)という意味に捉えてもらえばありがたい」だそうです。

 五手目▲7七銀/▲6六歩の違いから▲3七銀戦法まで、なぜそう指されるのかを丁寧に解説した本(▲3七銀戦法の主変化は次著)。枝葉末節を省略し重要な変化に絞って詳しく解説してあり、矢倉を一通り勉強したい人には最適な書と言える。矢倉を指さない人でもこれを読んでおけばテレビ観戦等が面白くなると思う。既に矢倉の本を何冊も持っているような人には必要ないかもしれない。

目次

まえがき
第1章 基本の32手と後手急戦
第2章 矢倉の原点・加藤流
第3章 加藤流の攻防
第4章 21世紀の主役・森内流
第5章 郷田流3八飛戦法
第6章 佐藤流3五歩早仕掛け


「将棋新理論」

「最強将棋塾」シリーズ第四弾。駒ごとにその特性と使い方を初歩から解説したもので初級者〜初段くらいの人むけ。

目次

まえがき
第1章 歩 その多様性
第2章 香 その直進性
第3章 桂 その意外性
第4章 銀 その機動力
第5章 金 その信頼感
第6章 角 その総合力
第7章 飛 その攻撃力
第8章 玉 その存在感


「未来の定跡 現代矢倉の闘い」

「最強将棋塾」シリーズ第五弾で、「未来の定跡」シリーズ第二弾「現代矢倉の思想」の続編。▲4六銀▲3七桂型出現以降の矢倉の変遷が丁寧に解説されている。前著と合わせて読めば現代矢倉の全貌を概観することができる。矢倉を一通り勉強したい人・矢倉観戦を楽しみたい人に最適。ただし読みこなすには有段の棋力が必要だと思う。

目次

まえがき
第1章 ▲4六銀の発見
第2章 現代矢倉の攻防
第3章 最強の森内流
第4章 5八飛戦法
第5章 進化する森内流
エピローグ 矢倉はどこへ行くのか


「未来の定跡 8五飛戦法」

「最強将棋塾」シリーズ第六弾で「未来の定跡」シリーズ第三弾。平成九年に出現した中座流横歩取り▽8五飛戦法初の解説書。実戦を題材とし歴史を追うようにして様々な型を詳しく解説している。考え方を中心としたわかりやすい解説で類似局面の比較もきちんと書き込まれており、前著「現代矢倉の思想」「現代矢倉の闘い」に通ずるところのある良書と思う。目次はもう少し細目まで書き出してもらいたかった。取り上げられた実戦は章末に棋譜が掲載されている(全三十四局)。横歩取りを指す人には必読の書です。

目次

まえがき
プロローグ 節目となった3局
第1章 オーソドックスな中住まい
第2章 一手の違い――スピード重視の銀立ち
第3章 一路の違い――連係抜群の玉上がり
第4章 ひねり飛車の力戦へ


「矢倉3七銀分析 【上】」

 矢倉▲3七銀戦法に絞って詳細に解説した定跡書。チェスのオープニングシステムを見習って体系的な構築を試みている。参考棋譜が百十局余、巻末の分析チャートも充実している。これはスゴイ本です。

目次

第1章 ▽7五歩早仕掛け編
第2章 ▽4三金右編
第3章 ▽8五歩編
第4章 脇システム編
第5章 急戦▲6五歩編
付録 分析チャート集


「振り飛車新世紀 7 窪田流四間飛車 II ――撃退! 右四間」

「振り飛車新世紀 1 窪田流四間飛車」の第二弾で副題の通り四間飛車対右四間飛車の解説書。右四間急戦・右四間左美濃・右四間穴熊の最新型について一通りの解説がある。全て▲四間飛車−▽右四間飛車8三歩型の解説で従来定跡に関する記述はない。右四間飛車定跡をある程度知った人が最新情報を補うのに最適な書と思う。

目次

第1部 定跡編

 第1章 撃退! 右四間
 第2章 対飛車先保留▽7二飛急戦

第2部 実戦編

 ▲4五銀の功罪 対 ▽加瀬純一五段
 急戦の可否は 対 ▽加瀬純一五段
 大混戦を制す 対 ▽鈴木輝彦七段
 大山流にしてやられる 対 ▽中座真四段
 さばき切れずに敗れる 対 ▽野月浩貴四段


「最強藤井システム」

 前著「居飛車穴熊撃破 必殺藤井システム」の続編。前著では対左美濃藤井システムにも触れていたが本書は完全に対居飛車穴熊に絞って書かれている。前著の修正手順や居飛車の急戦に対する指し方も載っており藤井システム絡みの将棋を指す人には必読の一冊。

目次

第1章 定跡編

(1) 先手藤井システム

 ▲4六歩型藤井システム
  (1) ▽3三角型
  (2) ▽5三銀型
  (3) ▽5二金右型
 ▲1五歩型藤井システム
  (1) ▽3三角型
  (2) ▽5三銀型
  (3) ▽5二金右型

(2) 後手藤井システム

 ▽5二金左型藤井システム
  (1) 対▲5八金右型
  (2) 対▲7七角型
 急戦編 後手藤井システム

第2章 実戦編

(1) ▲藤井猛六段−▽羽生善治四冠戦
(2) ▲藤井猛六段−▽羽生善治四冠戦
(3) ▲藤井猛六段−▽富岡英作七段戦
(4) ▲藤井猛六段−▽深浦康市六段戦
(5) ▲藤井猛六段−▽深浦康市六段戦
(6) ▲屋敷伸之七段−▽藤井猛六段戦
(7) ▲藤井猛六段−▽屋敷伸之七段戦
(8) ▲藤井猛六段−▽米長邦雄九段戦
(9) ▲藤井猛六段−▽南芳一九段戦
(10) ▲谷川浩司竜王−▽藤井猛七段戦
(11) ▲谷川浩司竜王−▽藤井猛七段戦
(12) ▲藤井猛七段−▽谷川浩司竜王戦

☆参考棋譜8局


「康光流四間飛車破り」

 佐藤名人の実戦十五局を題材に居飛車穴熊の指し方を解説した本。本家・藤井竜王の「居飛車穴熊撃破 必殺藤井システム」の後に出てきた新しい形が解説されている。題材が十分に揃わなかったのか「康光流現代矢倉」シリーズに比べ実戦が五局少なく、副題が「居飛車穴熊 VS 藤井システム」にもかかわらず相穴熊の解説があったりする。しかし急激な進歩を続ける居飛車穴熊対藤井システム定跡の最新の変化を解説した本書の意義は大きいと思う。

目次

第1章 先手居飛車穴熊VS後手藤井システム

第2章 先手居飛車穴熊VS後手四間飛車穴熊

第3章 先手藤井システムVS後手居飛車穴熊

☆参考棋譜15局


「これにて良し?――四間飛車VS急戦定跡再点検」

 四間飛車対居飛車急戦定跡について「定跡後」を解説した書。形勢判断の考え方や優勢を拡大する指し方が易しく解説されている。四間飛車VS急戦といわずシリーズ化して他の戦型のも出してほしい。

目次

第1章 真一文字の 棒銀戦法
第2章 桂の活用 ▲4五歩早仕掛け
第3章 けさ切り一瞬 斜め棒銀
第4章 金銀のまとまり良い 鷺宮定跡
第5章 歴史の積み重ね 山田定跡
第6章 攻め筋はっきり 右四間飛車


「新版 奇襲大全」

 平成元年発行の「奇襲大全」の新版。第2部と第3部は旧版から抜粋・加筆したもので第1部が追加分。おもろい本です。

目次

第1部 平成の奇襲

 第1章 居飛穴音無しの構え
 第2章 擬装居飛穴急戦
 第3章 ゴーゴー左美濃

第2部 昭和の奇襲

 第1章 対振り飛車金開き戦法
 第2章 角交換四間飛車
 第3章 桂跳怖迫四間飛車
 第4章 急戦端角中飛車
 第5章 角換わり四間穴熊
 第6章 一間飛車振り穴
 第7章 一間飛車イビ穴
 第8章 右米長玉戦法
 第9章 筋違い角四間飛車
 第10章 攻める居飛車風車

第3部

永遠の奇襲

 第1章 鬼殺し
 第2章 ヒラメ
 第3章 アヒル
 第4章 ハメ手3連発


「超阪田流角命戦法」

「森内優駿流 棋本ブックス」シリーズ第七弾で「筋違い角と相振り飛車」に続く木屋太二氏の変則将棋モノ。阪田流向かい飛車を基に考えた作戦でアマ名人クラスにも通用するらしい。前著の戦法に比べ変則度が高く完成度が低いような気がするが、それだけに本書を参考に自分で研究すると面白いことになるような気もする。個人的にはこういう独自性の高い本がもっと出るとよいと思っている。

目次

プロローグ 角命戦法の成り立ち

 超阪田流角命戦法の概略
 従来の阪田流向かい飛車

第1章 角命戦法「即角交換型」

 基本展開――急戦編
  角命戦法は阪田流からスタート
  急戦編・実戦取材−1 新構想▲2八角の勝利
  急戦編・実戦取材−2 ▲5五角の奇襲作戦

 基本展開――持久戦編
  駒組みをしっかり整えて戦う
  持久戦編・実戦取材−3 アマ名人を吹き飛ばす

第2章 角命戦法「角不交換型」

 基本展開――矢倉編A
  新たなる戦略

 基本展開――矢倉編B
  銀冠 VS 矢倉の戦い
  矢倉編・実戦取材−4 銀冠の快勝譜
  矢倉編・実戦取材−5 赤旗名人との右四間飛車の一戦

 基本展開――中住居編
  中住居もおもしろいぞ!
  中住居編・実戦取材−6 アマ王将をKO

 基本展開――ワンクッション角換わり編
  角換わりはこう指せ!


「雁木でガンガン!!」

「森内優駿流 棋本ブックス」シリーズ第八弾で「秘法 巻之壱 雁木伝説」(週刊将棋編,毎日コミュニケーションズ)以来久々の雁木本。雁木の指し方が体系的にまとめられており良書と思う。ただしどれもこれも最終的には雁木良し、のノリで書かれているので自分でもよく考えながら気をつけて読む必要がある。

目次

第1章 雁木「基本編」

 雁木「基本編」・全体構造樹形図
 雁木の基本的な駒組み

 ▲6五歩 VS ▽3一角
 角筋を生かしてガンガン攻めろ!

  後手▽8六歩への対策
   →分岐(1)▽3一角 分岐(2)▽4二角 分岐(3)▽5三角
  後手▽6四歩への対策
   →分岐(1)▽7三角 分岐(2)▽8六歩
  後手▽7五歩への対策
  後手▽7三銀への対策
   →分岐(1)▽3一角 分岐(2)▽4二角
  後手▽7三桂への対策

 ▲6五歩 VS ▽2二角
 攻めに守りに臨機応変

  後手▽7四歩への対策
  後手▽5三銀への対策

 ▽6四歩 VS ▲5九角
 角を転回じっくり攻めろ!

  先手「飛先不突き」作戦
   →分岐(1)▽7二飛 分岐(2)▽3一角 分岐(3)▽5二金
  先手「飛先歩突き」作戦
   →分岐(1)▽5三角 分岐(2)▽5三銀

第2章 雁木「応用編」

 後手4筋不突き型攻略法
 後手居角速攻押さえ込み
 後手居角棒銀撃退法
 後手矢倉一段玉撃破法
 後手カニ囲い型急戦封じ
 角交換型雁木対処法
 後手腰掛け銀居飛穴対策
 相雁木主導権掌握法

第3章 雁木「技術」編

 1 ▲6五歩 VS ▽4三銀型――チャンスを逃さず一気に仕掛けろ!
 2 ▲5五歩 VS ▽片矢倉――敵の金銀をしゃにむに引っぱがせ!
 3 ▲飛先不突き型 VS ▽金矢倉――万全の攻撃態勢からたたみかけろ!
 4 ▲右玉 VS ▽片矢倉――攻められる前にこちらから全面攻撃開始!
 5 ▲飛先歩突き型 VS ▽総矢倉――右から左から、じっくり攻め倒せ!
 6 ▲4五歩 VS ▽4一玉型――左辺の厚みで押しつぶせ!
 7 ▲飛先歩突き型 VS ▽4三金型――離れ駒をねらって猛然と襲いかかれ!
 8 ▲6五歩 VS ▽4三金型――端攻めからめて強攻突破をはかれ!
 9 ▲位取り VS ▽金矢倉――玉頭の厚みでしのぎ切れ!
 10 ▲6五歩 VS ▽7三桂型――大駒で殺到、電光石火の寄せ!
 11 ▲6五歩 VS ▽4一玉型――ギリギリの攻めをつないで敵玉に迫れ!
 12 ▲6五歩 VS ▽4一玉型――小駒を使った足の速い攻めをねらえ!
 13 ▲6五歩 VS ▽4一玉型――間合いをはかって急所を射貫け!
 14 ▲6五歩 VS ▽4三歩型――スクラム組んで敵玉に重くのしかかれ!
 15 ▲6五歩 VS ▽4一玉型――敵の手に乗り、流れるように攻めろ!


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