将棋の本 2000
久し振りに出た木本書店「正体」シリーズ第六弾。ひたすらプロの実戦譜を集めた本である。余計な事は一切書かず、解説は指し手の記号がびっちり、これが最初から最後まで百八十一局分続く。以前、日本将棋連盟の「力戦 相振り飛車の戦い」という本がやはりプロの実戦譜を大量に扱っていたがあれの最新版に相当する。型別に章分けしたうえ似た形は続けて載せてあるので自分なりに目次を追加すれば良い資料になると思う。対局者や対局日・棋戦名等の情報が全て省略されているのは残念。
第一章 相金無双
第二章 美濃
第三章 矢倉
第四章 穴熊
第五章 力戦
「最強将棋塾」シリーズ第七弾。第一弾「読みの技法」の佐藤名人独演版といった感じでかつて谷川名人が著した「光速の終盤術」を思わせるものがある。技術書として読むのが正統的な読み方であろうが、内容を理解できなくとも名人が何を考えどんな手順を読んでいるかを眺めてその奥深さを実感するというのも面白いかもしれない。題材となった三十二局の棋譜は巻末に完全収録。
まえがき
第1章 序盤の絶対感覚
テーマ1 ポイントを稼ぐ攻め
テーマ2 完成までの我慢
テーマ3 誘いの隙を見破る
テーマ4 攻めを残す受け
テーマ5 迎え撃つ戦い
テーマ6 激しい主導権争い
テーマ7 飛車を攻める構想
テーマ8 攻めの目標を考える
テーマ9 手詰まりを避ける構想
テーマ10 作戦勝ち確定の構想
テーマ11 手損の裏表
第2章 中盤の絶対感覚
テーマ12 堅さを生かすさばき
テーマ13 中盤は駒の損得より速度
テーマ14 穴熊流の攻め
テーマ15 駒の効率
テーマ16 厚みで勝つ
テーマ17 押さえ込みの構想
テーマ18 勝てない形を見極める
テーマ19 攻め駒の効率
テーマ20 手筋一発
テーマ21 大駒を切るタイミング
テーマ22 二者択一
テーマ23 遊び駒を使う
テーマ24 位の奪還
テーマ25 手を稼ぐ受け
テーマ26 切り返し
テーマ27 攻め合いを望む
テーマ28 攻め駒を攻める
テーマ29 歩切れを衝く
コラム 穴熊の強手
第3章 終盤の絶対感覚
テーマ30 攻防の香
テーマ31 詰めろ逃れのテクニック
テーマ32 玉対玉の戦い
テーマ33 玉頭の勢力争い
テーマ34 厚みの重要性
テーマ35 必至
テーマ36 速度計算
テーマ37 一手勝ち
テーマ38 手を伸ばす受け
テーマ39 安全にする攻め
テーマ40 詰めろの連続で押し切る
テーマ41 変化の余地を少なくする
テーマ42 即詰み
テーマ43 必至への手順
テーマ44 入玉を防ぐ
テーマ45 強く寄せ合う
テーマ46 攻防
テーマ47 絶対条件を生かす
テーマ48 駒を集中する攻め
テーマ49 寄せの構図を描く
テーマ50 即詰み
テーマ51 強い受け
テーマ52 あます
コラム 強い受け/一手必至/八手の得あり/先逃げの手筋
参考棋譜
「最強将棋塾」シリーズ第八弾で第一弾「読みの技法」・第七弾「佐藤康光の 戦いの絶対感覚」に続く、プロ棋士の読みを解説した本。佐藤名人の本と並行して見ると違いがわかって面白いかもしれない。この本で力をつけるには相応の棋力(二段以上?)が必要であろうが、次の一手集(全四十二テーマ)や実戦集(全三十六局、棋譜は巻末に収録)としても使えるので買って損はないと思う。なんだか文章の感じが佐藤名人の本と似てるんだけど……同じライターさんが仕上げたのかな?
まえがき
第1章 序盤の絶対感覚
テーマ1 読み以前の感覚
テーマ2 とがめる意識
テーマ3 隙あらば急戦
テーマ4 好形を目指す構想
テーマ5 矢倉の可能性
テーマ6 桝目の支配
テーマ7 千日手の思想
テーマ8 仕掛けの逆用
テーマ9 序盤の勝負手
テーマ10 読みの試行錯誤
第2章 中盤の絶対感覚
テーマ11 定跡の裏表
テーマ12 新型と既成手順
テーマ13 圧殺の戦略
テーマ14 手渡しの高等戦術
テーマ15 攻め駒を責める
テーマ16 加速の連続手筋
テーマ17 中盤の勝負手
テーマ18 大駒封鎖
テーマ19 研究にはまる
テーマ20 手得の構造
テーマ21 常識の罠
テーマ22 後の先
テーマ23 温故知新
テーマ24 主導権争い
テーマ25 見落とし
テーマ26 駒損の代償
テーマ27 攻めをつくる受け
テーマ28 攻め合いのダイナミズム
テーマ29 決め手一発
テーマ30 プロの勝負手
テーマ31 駒得の本質
第3章 終盤の絶対感覚
テーマ32 逆算方式
テーマ33 一手争いの基本
テーマ34 組み合わせの妙
テーマ35 逆転可能性
テーマ36 穴熊特有の猛攻
テーマ37 受けつぶし
テーマ38 決定的瞬間とその逸機
テーマ39 手勝ちの感覚
テーマ40 詰めろ逃れの詰めろ
テーマ41 攻守の選択
テーマ42 攻め駒消去法
コラム 駒を取りながら詰ます
参考棋譜
「最強将棋塾」シリーズ第九弾。四間飛車対居飛車急戦定跡に関し一問一答形式で全227問、初級から有段者級まで用意されている。定跡書の変化を追うのが苦痛な人には特に有効な本と思う。初級者が定跡を一から学んだり上級者が知識を確認したりするのに使えそう。
「最強将棋塾」シリーズ第十弾で「四間飛車を指しこなす本 (1)」の続編。今度は対居飛車穴熊編である。居飛車穴熊に対し四間飛車側から強襲する順を中心に一問一答形式で全207問が用意されている。藤井システム以外の速攻順や居飛車側の工夫手順も解説されていて興味深い。居飛車側が急戦に切り替えてくる順には言及していない。要するに、ひたすら居飛車穴熊を叩きのめす法と、その際の諸注意の本。
まえがき
プロローグ――居飛車穴熊対策以前
第1章 角交換挑戦型
第2章 5六銀速攻作戦
第3章 6六銀型四間飛車
第4章 4八飛戦法
第5章 藤井システム基礎編
「最強将棋塾」シリーズ第十一弾で「四間飛車を指しこなす本 (1)」・「四間飛車を指しこなす本 (2)」の続編・完結編。三巻あわせると(1)が対居飛車急戦(2)が対居飛車穴熊基礎で(3)は対居飛車穴熊応用と対左美濃他という構成になっている。「第1巻、第2巻、第3巻とすべてを完璧にマスターしたあなたは、確実にアマチュア四段の力はついているはずです」と本書のまえがきにもあるように、全巻制覇すればこれ以外の局面にも対応できる力がつくものと思う。これの矢倉版や角換わり版ってのも出ないかな〜。
まえがき
第1章 藤井システム
第2章 左美濃完全撃破
第3章 5筋位取り
第4章 玉頭位取り
谷川版「羽生の頭脳」である。各章頭に「光速の見解」という結論を抽出した欄があるなど、つくりはまったく同じ。様々な読者を想定してか実戦編が全体の四割を占め、定跡書としては解説量が少ない。最新形に絞って重要なところは押さえているので「羽生の頭脳」の後を補う書として合わせ読むとよいと思う。ちなみに「羽生の頭脳」角換わり編は「羽生の頭脳 7」である。
角換わり将棋の歴史を振り返る <前書きに代えて>
第1章 すたれた先後同型
第2章 角換わりの原理
第3章 最新の▽6五歩型
第4章 後手棒銀の戦い
第5章 実戦編
対 佐藤康光八段戦 (1)
対 羽生善治王座戦 (1)
対 佐藤康光名人戦 (2)
対 郷田真隆八段戦
対 羽生善治四冠戦 (2)
対 堀口一史座五段戦
対 南芳一九段戦
対 羽生善治名人戦 (3)
対 佐藤康光八段戦 (3)
対 羽生善治王位戦 (4)
高田尚平五段が愛用する対四間飛車位取り戦法の解説書。「週刊将棋」の連載に加筆して本にまとめたものである。本編は自身の実戦二十局を題材に序中盤までを扱った定跡解説で終局までの棋譜は要所解説とともに巻末にまとめて収録されている。
第1部「対四間飛車変幻位取り戦法」は居玉のまま位を取っての殴り合い。第2部「左玉戦法」は位を取ってから飛車を左翼に展開し玉も左に囲う作戦である。位取り乱戦の詳説は類書がなく、四間飛車が苦境に陥る変化も多々あるので四間飛車党の人は読んで備えておくのがよいと思う。対藤井システムや対四間飛車穴熊の項もあって悩める居飛車党の人はすがりついてみるといいことがあるかもしれない。とはいえ玉が薄いので勝ちやすい作戦とは言い難い。
高田五段の控え目な語り口と強気な指し手、見事な作戦勝ちとその後のコケ具合がいい味だしてます。
はじめに
第1部 対四間飛車変幻位取り戦法
対四間飛車変幻位取り戦法のきっかけと概要
第1章 ▲2六歩型
・▽5四銀型 対▽櫛田陽一四段
・6筋争点型 (1) 対▽安西勝一四段 (2)
対▽久保利明五段 (3) 対▽久保利明五段
・6筋位取り型 (1) 対▽杉本昌隆五段 (2)
対▽小阪昇六段 (3) 対▽田辺一郎六段
第2章 飛車先不突型
・後手番 (1) 対▲櫛田陽一五段 (2)
対▲西村一義八段 (3) 対▲矢倉規広五段
・先手番 (1) 対▽菊地常夫六段 (2)
対▽小阪昇六段 (3) 対▽窪田義行五段
対四間飛車変幻位取り戦法のポイント
第2部 左玉戦法
左玉戦法のきっかけと概要
第1章 変幻位取り戦法からの左玉
・対穴熊 対▽大内延介九段
・▽三間飛車への変化 対▽鈴木大介四段
・▽中飛車への変化 対▽窪田義行五段
第2章 相振り飛車からの左玉
・対穴熊 (1) 対▲小林健二八段 (2)
対▲伊藤博文五段
・対金無双 対▲山田敦幹朝日アマ名人
第3章 対中飛車力戦左玉 対▲山口英夫七段
左玉戦法のポイント
棋譜解説
あとがき
「将棋世界」平成9年11月号〜平成10年8月号に連載された「コンちゃんのゴキゲン中飛車」の増強版。かなり書き増しされているので連載を読んでいた人も買って損はない。連載後の第12期竜王戦五局(平成11年11月)で藤井竜王が指した対抗策▽5二金右についても若干の記述がある。この戦法は升田式石田流や立石流四間飛車と同様、知らないとハマる変化が多いので一読はしておきたいところである。
はじめに
第1章 超急戦編
基本型までの手順
(1) ▲7七角型
(2) ▲8八銀型
復習次の一手問題 (1) (2)
第2章 対急戦編
(1) 歩越し銀型 I
(2) 歩越し銀型 II
(3) 中央決戦型
(4) 袖飛車型
復習次の一手問題 (3) (4)
第3章 対持久戦編
(1) ▽5四歩型
(2) 対美濃囲い
(3) 対天守閣美濃
復習次の一手問題 (5) (6)
第4章 力将棋編
(1) ▽3二金型急戦編
(2) ▽3二金型・棒金編
(3) 角交換型 I
(4) 角交換型 II
復習次の一手問題 (7) (8)
第5章 何が何でも中飛車編
(1) 奇襲編 I
(2) 奇襲編 II
(3) 持久戦編
復習次の一手問題 (9) (10)
第6章 実戦次の一手・参考棋譜
実戦次の一手14問 問題と解答
参考棋譜10局
復習次の一手解答 (1)〜(10)
前著「相振り革命」以降の研究をまとめた本。「まえがき」にもあるとおり美濃囲いに重点を置いているのが特徴である。矢倉に対し手早く美濃に囲って先攻する手法(第1章)や▲7六歩▽3四歩▲6六歩に▽3三角から向かい飛車にする作戦(第2章)など参考になる記述は多い。実戦編が三分の一を占め定跡書としての内容が少ない点は前著に引き続き残念。二冊を一冊に濃縮した程度が適当と思うのだが多くの読者を想定するとこのくらいがちょうどよいのかもしれない。
前著・本書とも相振り応用編といった感じで中・上級者向けである。基礎を固めたい人は小林健二八段の「[定跡] 相振り飛車」・「新・[定跡] 相振り飛車」(毎日コミュニケーションズ)を先に読むとよい。
まえがき
相振り飛車の基本
第1部 研究編
第1章 相三間飛車
第2章 後手▽3三角戦法
第3章 先手向かい飛車+美濃
第4章 向かい飛車 VS 三間飛車
第2部 実戦編
新構想に大苦戦 対▽桐山清澄九段
兄弟子との一戦 対▲小林健二八段
歩切れに助けられた一局 対▽野月浩貴四段
矢倉崩しが決まる 対▽有森浩三六段
「将棋大観」以来四半世紀振りに出た駒落ち定跡の大著。「本書は以前『将棋世界』誌に連載した”駒落ち研究室”をもとに、新たに研究を加え、駒落ち定跡の決定版ともいえる内容に書き換えたつもりです」という所司六段の自信作で題名通り駒落ち定跡書の決定版である。今後十年かあるいは二十年くらいは決定版であり続けるのではなかろうか。
「将棋大観」と比べると図が豊富で寄せまで詳しく書かれており、文章も平易で読み易い。一手一手の意味とその精神に関する講義は「将棋大観」が圧倒的ながら、今後はやはり新たな研究の盛り込まれた本書が駒落ち定跡書の標準となるものと思われる。「将棋精選」(天野宗歩著),「将棋大観」の手順は各々「精選定跡」,「大観定跡」と呼び称されていたが本書の手順は何と呼ばれることになるのだろう。「所司定跡」? 装丁が赤いから赤本とか呼ばれるようになるかもしれんな。
第1章 八枚落ち
下手棒銀戦法 I
下手棒銀戦法 II
第2章 六枚落ち
下手9筋攻め I
下手9筋攻め II
下手9筋攻め III
下手9筋攻め IV
下手1筋攻め I
下手1筋攻め II
第3章 四枚落ち
下手棒銀戦法 I
下手棒銀戦法 II
下手棒銀戦法 III
下手9筋攻め
棒銀対▽3二玉型
第4章 二枚落ち
二歩突き切り定跡 I
○変化 ▲4四歩に▽5五歩
○変化 ▲4六飛に▽5四銀
○変化 上手▽2四歩
二歩突き切り定跡 II
○変化 ▽3一銀に▲3四歩
○変化 上手▽5五歩型
○変化 ▲5六歩に▽7五歩
○変化 ▲4六銀に▽7五歩
二歩突き切り定跡 III
銀多伝定跡
○変化 ▲5五同飛に▽7五金
○変化 ▲4四歩に▽同銀
○変化 ▲9八香に▽8六歩
○変化 ▲1六歩に▽7五金
○変化 ▲4八金に▽8四歩
上手▽5五歩止め
○変化 ▽5二玉で▽5二金
第5章 飛車香落ち
下手腰掛け銀定跡
○変化 ▲1二歩に▽8四歩
○変化 ▽3三角で▽7四歩
○変化 上手▽3四歩型
上手▽2三銀型
第6章
下手右四間飛車定跡
○変化 ▽6五歩で▽6二玉
○変化 ▽6五歩で▽2四歩
○変化 ▲7八玉で▲7八銀
○変化 ▽8四歩で▽2四歩
○変化 ▽3三桂で▽5二金
○変化 ▲4八飛に▽3三角
○変化 ▽3三桂に▲6六歩
居飛車引き角定跡
○変化 ▽3三桂で▽7三桂
○変化 ▽6三金で▽3三桂
○変化 ▽7二玉で▽2二角
第7章 角落ち
下手矢倉定跡
○変化 ▽5四歩で▽6四歩
○変化 上手片矢倉▽6一飛型
○変化 ▽6三飛で▽6五歩
○変化 ▽7四金−▽6一飛型
下手三間飛車定跡
○変化 ▽7二飛で▽7三桂
下手中飛車定跡
○変化 上手5筋不突き型
第8章 香落ち
上手三間飛車定跡
○変化 ▽7二銀型
○変化 ▽7二玉で▽7二銀
○変化 ▽4三銀型
○変化 ▽4三銀−▽8二玉型
○変化 ▽3四銀型
○変化 ▽1六歩で▽3三桂
▽1四歩型四間飛車
下手棒銀戦法
上手角交換型中飛車
上手▽1二飛型 I
上手▽1二飛型 II
上手▽1二飛型 III