9x9=81 July 1999
▲7六歩▽8四歩▲2六歩▽3二金▲7八金▽8五歩▲7七角▽3四歩▲8八銀▽7七角成▲同銀▽2二銀▲3八銀▽7二銀▲9六歩▽4二玉▲4六歩▽8三銀(第1図)
後手:郷田真隆棋聖 後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・v玉v金v銀 ・|二 |v歩v銀v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:谷川浩司九段 先手の持駒:角 第1図(▽8三銀まで)
谷川九段はこのところ角換わりで本当によく勝っている。当ページの戦型別索引から谷川九段絡みのタイトル戦を抜き出すと下のようになっており、本局を含むここ三年弱の戦績は先手で九勝二敗・後手で一勝一敗の計十勝三敗である。三敗はいずれも対羽生四冠戦。佐藤名人や郷田棋聖が谷川九段の角換わりを避けようとしないのにはこういった背景もあるのかもしれない。しかしこうして書き出してみると谷川九段の肩書に激動の跡が見られるなあ。
| 対局 | 対局日 | 対局者 | 勝敗 | 対局者 | 戦型 |
| 第9期竜王戦第二局 | 平成8年(1996年)10月29, 30日 | ▽谷川九段 | ○−× | ▲羽生竜王 | 角換わり後手棒銀 |
| 第55期名人戦第二局 | 平成9年(1997年)4月26, 27日 | ▽谷川竜王 | ×−○ | ▲羽生名人 | 角換わり腰掛け銀▽4四銀急戦 |
| 第55期名人戦第三局 | 平成9年(1997年)5月7, 8日 | ▲谷川竜王 | ○−× | ▽羽生名人 | 角換わり後手棒銀 |
| 第55期名人戦第五局 | 平成9年(1997年)5月29, 30日 | ▲谷川竜王 | ×−○ | ▽羽生名人 | 角換わり腰掛け銀▽6五歩 |
| 第10期竜王戦第二局 | 平成9年(1997年)10月28, 29日 | ▲谷川竜王 | ○−× | ▽真田六段 | 角換わり腰掛け銀 |
| 第56期名人戦第一局 | 平成10年(1998年)4月9, 10日 | ▲谷川名人 | ○−× | ▽佐藤八段 | 角換わり後手棒銀 |
| 第56期名人戦第三局 | 平成10年(1998年)5月7, 8日 | ▲谷川名人 | ○−× | ▽佐藤八段 | 角換わり腰掛け銀▽6五歩 |
| 第56期名人戦第五局 | 平成10年(1998年)5月28, 29日 | ▲谷川名人 | ○−× | ▽佐藤八段 | 角換わり腰掛け銀 |
| 第46期王座戦第四局 | 平成10年(1998年)10月7日 | ▲谷川竜王 | ×−○ | ▽羽生王座 | 角換わり腰掛け銀模様 |
| 第57期名人戦第三局 | 平成11年(1999年)5月6, 7日 | ▲谷川九段 | ○−× | ▽佐藤名人 | 角換わり腰掛け銀▽6五歩 |
| 第57期名人戦第五局 | 平成11年(1999年)5月27, 28日 | ▲谷川九段 | ○−× | ▽佐藤名人 | 角換わり腰掛け銀▽6五歩 |
| 第70期棋聖戦第一局 | 平成11年(1999年)6月12日 | ▲谷川九段 | ○−× | ▽郷田棋聖 | 角換わり腰掛け銀升田定跡 |
| 第70期棋聖戦第三局 | 平成11年(1999年)7月7日 | ▲谷川九段 | ○−× | ▽郷田棋聖 | 角換わり後手棒銀 |
プロの対局では角換わり将棋の約半分が後手棒銀である。「ザ・プロ将棋 '98 振り飛車と相居飛車編」によると角換わり後手棒銀は毎年三十数局〜五十局ほど(平成九年度(1997年度)から急激に増えている)指されていて後手の勝率は四割弱といまひとつ。それでも毎年角換わり将棋の半数を占めるのは、腰掛け銀では後手が勝ちにくいこと、棒銀なら後手が主導権を握れることがその理由になっていると思われる。ただし毎年二千局以上行なわれるプロの対局において五十局程度しか指されないとなると(矢倉や振り飛車の十分の一程度である)指す棋士が偏っている可能性があり、こういった数字だけでは戦法としての優秀さを議論することはできない。
角換わり後手棒銀に対する先手の指し方には大きく分けて▲3七銀型と▲4七銀型の二つがある。玉の構えは棒銀から遠ざかる右玉と普通に左に囲う指し方があり、飛車も2筋に据える指し方と6筋に回る指し方がある。当ページの戦型別索引に収録したタイトル戦についてまとめると下表の通り。後手の仕掛けにも端からの速攻と▽7五歩の二通りがある。
「近代将棋」八月号の「実戦青野塾」によるとこのところ後手棒銀に対し▲6八玉とする指し方が有力視されているらしい。この指し方の一号局は平成三年九月の▲郷田真隆四段−▽中原誠名人戦(NHK杯)だそうで、最近では第17回全日本プロトーナメント第三局(四月二十九日)の▲丸山忠久八段−▽森内俊之八段戦がこの形だった(丸山八段の勝ち)。下表では第55期名人戦第三局がこの形で、先手の谷川竜王が羽生名人に完勝している。
| 対局 | 対局日 | 先手 | 勝敗 | 後手 | 先手右銀 | 先手玉 | 先手飛車 | 仕掛け |
| 第67期棋聖戦第二局 | 平成8年(1996年)6月29日 | 三浦五段 | ×−○ | 羽生棋聖 | ▲3七銀 | 居玉 | 居飛車 | ▽9五歩 |
| 第37期王位戦第二局 | 平成8年(1996年)7月23, 24日 | 羽生王位 | ○−× | 深浦五段 | ▲3七銀 | 居玉 | 居飛車 | ▽9五歩 |
| 第44期王座戦第三局 | 平成8年(1996年)9月25日 | 羽生王座 | ○−× | 島八段 | ▲4七銀 | ▲4八玉 | ▲2九飛 | ▽7五歩 |
| 第9期竜王戦第二局 | 平成8年(1996年)10月29, 30日 | 羽生竜王 | ×−○ | 谷川九段 | ▲4七銀 | ▲8八玉 | ▲6八飛 | ▲4五歩 |
| 第55期名人戦第三局 | 平成9年(1997年)5月7, 8日 | 谷川竜王 | ○−× | 羽生名人 | ▲5六銀 | ▲6八玉 | 居飛車 | ▽7五歩 |
| 第47期王将戦第三局 | 平成10年(1998年)1月28, 29日 | 羽生王将 | ×−○ | 佐藤八段 | ▲4六銀 | ▲6八玉 | 居飛車 | ▽7五歩 |
| 第56期名人戦第一局 | 平成10年(1998年)4月9, 10日 | 谷川名人 | ○−× | 佐藤八段 | ▲4七銀 | ▲4八玉 | 居飛車 | ▽9五歩 |
| 第70期棋聖戦第三局 | 平成11年(1999年)7月7日 | 谷川九段 | ○−× | 郷田棋聖 | ▲4七銀 | ▲6八玉 | ▲4八飛 | ▲4五歩 |
▲4七銀▽8四銀▲6六歩▽9四歩▲5八金▽3三銀▲3六歩▽5二金▲3七桂▽4四歩▲6八玉▽7四歩▲4八飛▽3一玉▲4五歩(第2図)
後手:郷田真隆棋聖 後手の持駒:角 後手の持駒:角 香 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一 | ・v桂 ・ 角 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二 | ・v飛 ・ ・v金v玉v金 ・ ・|二 | ・ ・ ・v歩v歩 ・v銀v歩v歩|三 | ・ ・v歩v歩v歩 ・v銀v歩v歩|三 |v歩v銀v歩 ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 |v香v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|六 | ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 ・|六 | ・ 歩 銀 ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 歩 銀 ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 玉 金 飛 ・ ・ ・|八 | ・ ・ 金 玉 金 ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 | ・ 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手:谷川浩司九段 先手の持駒:銀 歩 先手の持駒:角 第2図(▲4五歩まで) 参考1図(▲6一角まで)
谷川九段は▲4七銀・▲6八玉型で▲4八飛と回る作戦に出た。この形での▲4八飛は谷川九段の新手かもしれない。第2図までの手順中▲6八玉に▽9五歩と仕掛けるのは▲同歩▽同銀▲同香▽同香に▲6一角(参考1図)があって後手うまくいかない。
▽4五同歩▲同桂▽4四銀▲4六銀▽7五歩▲3五歩▽2七角▲3四歩▽4七歩(第3図)▲同金▽7六歩▲同銀▽4五銀▲5五角▽6四桂▲6七銀▽4六銀▲1一角成(第4図)
後手:郷田真隆棋聖 後手:郷田真隆棋聖 後手の持駒:なし 後手の持駒:銀 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一 |v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂 馬|一 | ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二 | ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二 | ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三 |v歩v銀 ・ ・ ・v銀 歩 ・ ・|四 |v歩v銀 ・v桂 ・ ・ 歩 ・ ・|四 | ・v歩v歩 ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 銀 ・ 歩 ・|六 | 歩 ・ ・ 歩 ・v銀 ・ 歩 ・|六 | ・ 歩 銀 ・ 歩v歩 ・v角 歩|七 | ・ 歩 ・ 銀 歩 金 ・v角 歩|七 | ・ ・ 金 玉 金 飛 ・ ・ ・|八 | ・ ・ 金 玉 ・ 飛 ・ ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手:谷川浩司九段 先手:谷川浩司九段 先手の持駒:角 歩二 先手の持駒:香 歩四 第3図(▽4七歩まで) 第4図(▲1一角成まで)
この▲4八飛とする作戦はうまくいっているように思う。ただ第3図の▽4七歩を▲同金と取ったのは誤りだそうで、第4図で▽3九銀と打たれると先手苦しかったらしい。このあたりは「将棋世界」九月号に詳しい解説があって第3図では▲同飛▽3六角成▲3三歩成▽同桂▲同桂成とするのが正解だったそうなのだが、谷川九段が「先手がいいかどうかは微妙」と言っているくらいで、私にはよくわからない。郷田棋聖は第4図での▽3九銀を逃し、さらに終盤で見落としが出て、三連敗で棋聖位を失うことになった。棒銀の敗局によくあるように投了図では銀が盤上に残ったままである。
後手:郷田真隆棋聖 後手の持駒:銀 香 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・v歩 銀 ・|一 | ・ 龍 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・ ・v歩v歩 ・ 桂v歩v玉|三 |v歩v銀 ・v桂 ・ ・ 歩 ・v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・v馬 金|六 | ・ 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・v馬 香|九 +---------------------------+ 先手:谷川浩司九段 先手の持駒:飛 金 歩四 投了図(▲1六金まで)
▲7六歩▽3四歩▲2六歩▽8四歩▲2五歩▽8五歩▲7八金▽3二金▲2四歩▽同歩▲同飛▽8六歩▲同歩▽同飛▲3四飛▽3三角▲3六飛▽2二銀▲8七歩▽8五飛▲2六飛▽5一玉▲6八玉▽6二銀▲3八銀▽5一金▲3六歩▽7四歩▲3七桂▽7三桂(第1図)
後手:羽生善治王位 後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ 金 ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手:谷川浩司棋聖 先手の持駒:歩二 第1図(▽7三桂まで)
プロのタイトル戦における横歩取り▽8五飛戦法は本局が五局目となる。このうち▲2六飛・▽8五飛の形で駒組みが進んだのは第57期名人戦第二局と第70期棋聖戦第二局と本局の三局で、三局とも後手の構えは同じで先手の構えだけが少しずつ違ってきている。名人戦第二局は▲5八玉型(参考1図),棋聖戦第二局は▲6八玉・▲3八銀〜▲3七銀型(参考2図),本局は▲6八玉・▲3八銀〜▲3七桂型である。
後手:谷川浩司九段 後手:谷川浩司九段 後手の持駒:歩 後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 |v香v桂 ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 |v歩 ・ ・v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・v飛v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・v歩 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 ・|六 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 銀 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ 玉 銀 金 ・ ・|八 | ・ 角 金 玉 ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 | 香 桂 銀 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手:佐藤康光名人 先手:郷田真隆棋聖 先手の持駒:歩二 先手の持駒:歩二 参考1図(▽8六歩まで) 参考2図(▽7五歩まで) 第57期名人戦第二局 第70期棋聖戦第二局 (平成11年4月21,22日) (平成11年6月23日)
▲4六歩▽5四歩(第2図)
後手:羽生善治王位 後手の持駒:歩二 後手の持駒:角 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・ ・v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩 ・v歩v角 ・v歩|三 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v桂 ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 飛 ・|六 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八 | ・ 銀 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ 金 ・ ・ 香|九 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手:谷川浩司棋聖 先手の持駒:角 歩二 先手の持駒:歩二 第2図(▽5四歩まで) 参考3図(▲8八銀まで)
この▲6八玉・▲3八銀型は後手の▽8五飛戦法に対抗する形として最近見直されている形で、「将棋世界」平成11年8月号の森下卓八段の自戦記(▲森下卓八段 ×−○ 谷川浩司九段,第12期竜王戦1組・本戦出場者決定戦(平成11年5月24日))に詳しい解説がある。谷川棋聖はその前に行なわれた棋聖戦挑戦者決定戦の対森内俊之八段戦では先手を持ってこの形を指していた等、六局の実戦例が紹介されている。この解説によれば
ということで参考3図の展開がこのところプロの研究対象になっていたようである。本譜の▲4六歩は上記変化の▽3五歩に▲4七銀を用意した手で、おそらく新手である。第2図の▽5四歩で▽8六歩と攻めるのは▲同歩▽同飛▲3五歩▽2五歩▲2九飛▽7六飛▲3三角成▽同銀▲6六角(参考4図)で後手うまくいかない。後手の飛車が7六に来たときに▽8八角成や▽8八歩の筋に強いのが▲6八玉型の特長である。……というのはほとんど「将棋世界」の受け売りだぁ。
後手の持駒:角 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金 ・ ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v銀 ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩v歩 ・|五 | ・ ・v飛 角 ・ 歩 ・ ・ ・|六 | 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ 金 ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩三 参考4図(▲6六角まで)
▲3三角成▽同桂▲8八銀▽5五歩▲6六歩▽5六歩▲同歩▽7五歩(第3図)
後手:羽生善治王位 後手の持駒:角 歩二 後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・ ・v香|一 |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・ ・v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩 ・v歩v桂 ・v歩|三 |v歩 ・v桂 ・ ・v歩v桂 ・v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・v歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・v飛v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩 飛 ・|六 | ・ ・ 歩 歩v歩 歩 歩 飛 ・|六 | 歩 歩 ・ ・ ・ ・ 桂 ・ 歩|七 | 歩 歩 ・ 金 ・ ・ 桂 ・ 歩|七 | ・ 銀 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八 | ・ 銀 ・ 玉 歩 ・ 銀 ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手:谷川浩司棋聖 先手の持駒:角 歩三 先手の持駒:角 歩三 第3図(▽7五歩まで) 参考5図(▽6四歩まで)
第3図の▽7五歩は疑問だったらしい。▽7五歩では▽5五歩が優り、以下▲同歩▽5六歩▲6七金▽5五飛▲5八歩(▲4七銀には▽1五角▲2七飛▽2六歩▲2九飛▽2五桂▲同桂▽同飛▲3七桂▽2三飛で▽5五桂を狙って後手面白い)▽6四歩(参考5図)で形勢不明だったという。
▲2三歩▽同銀▲2四歩▽1二銀▲3五歩▽3六歩▲同飛▽1四角▲2六飛▽8四飛▲1六歩▽3六歩▲4五桂▽同桂(第4図)
後手:羽生善治王位 後手の持駒:桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・ ・v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金 ・v銀|二 |v歩 ・v桂v歩 ・v歩 ・ ・v歩|三 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ 歩v角|四 | ・ ・v歩 ・ ・v桂 歩 ・ ・|五 | ・ ・ 歩 歩 歩 歩v歩 飛 歩|六 | 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七 | ・ 銀 金 玉 ・ ・ 銀 ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手:谷川浩司棋聖 先手の持駒:角 歩二 第4図(▽4五同桂まで)
▲2三歩から▲3五歩の桂頭狙いが厳しく、第4図で▲1五歩とすれば先手が優勢だったらしい。
谷川棋聖は第4図で▲1五歩の順を寄せまで読んでいながらなぜか▲4五同歩と誤り、▽3七歩成に▲1五歩と更に疑問手を重ね▽4七角成を食らってついに逆転、結局第一局は羽生王位の制するところとなった。横歩取り▽8五飛戦法対▲6八玉型の戦いにはまだ未解決の部分が多く、本局の谷川新手(だと思うんだけど……)▲4六歩もまたプロの実戦に現れるかもしれない。
▲7六歩▽3四歩▲2六歩▽8四歩▲2五歩▽8五歩▲7八金▽3二金▲2四歩▽同歩▲同飛▽8六歩▲同歩▽同飛▲3四飛▽3三角▲3六飛▽2二銀▲8七歩▽8五飛▲2六飛▽4一玉▲5八玉▽6二銀▲3八銀▽5一金▲3六歩▽7四歩▲3七桂▽7三桂▲4八金▽8六歩(第1図)
後手:谷川浩司棋聖 後手:谷川浩司九段 後手の持駒:歩 後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・v歩 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 ・|六 | ・v歩 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | ・ 角 金 ・ 玉 銀 金 ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手:羽生善治王位 先手:佐藤康光名人 先手の持駒:歩二 先手の持駒:歩二 第1図(▽8六歩まで) 参考1図(▽8六歩まで) 第57期名人戦第二局 (平成11年4月21,22日)
第二局も横歩取り▽8五飛戦法になった。第1図までは先手右側の金銀が逆形な以外は第57期名人戦第二局(参考1図)と全く同じである。名人戦でもここまでは後手から仕掛ける機会はなかったようなので、第1図までは金銀逆形の効果は出ていないと思う(出ていないとヘンな気がするのだが)。
▲8六同歩▽同飛▲3五歩▽2五歩▲2九飛(第2図)
後手:谷川浩司棋聖 後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩v歩 ・|五 | ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手:羽生善治王位 先手の持駒:歩三 第2図(▲2九飛まで)
第2図で▲3八金▲4八銀型と▲3八銀▲4八金型の違いが出た。名人戦第二局では▽2五歩に▲5六飛だったが本局の形で▲5六飛とすると▽8八角成から▽2八角がある(▲1八香▽1九角成▲2七角は▽2六歩▲同飛▽2八歩)。で▲2九飛だがこれだと▽3六歩や▽7六飛が気になる。順に考えてみる。
後手の持駒:角 歩 後手の持駒:角 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・ 歩v歩|三 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・v飛 ・ ・ 桂 歩v歩 ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 桂 ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|六 | ・ ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 ・ 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | ・ ・ 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩二 先手の持駒:角 歩四 参考2図(▲2三歩まで) 参考3図(▽2二銀まで)
▽8八角成▲同銀▽4四角(第3図)
後手:谷川浩司棋聖 後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・v角 ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩v歩 ・|五 | ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ 銀 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手:羽生善治王位 先手の持駒:角 歩三 第3図(▽4四角まで)
▽4四角では▽7六飛もあったらしい。▽7六飛▲7七銀に▽2六飛と飛車をぶつけ、▲2七銀なら▽同飛成と切って▲同飛▽2六銀▲2九飛▽3六歩▲4五桂▽3七歩成▲4九金▽3六角(参考4図)で後手が良くなる。しかし▽2六飛のぶつけに▲2七歩とされると▽3六飛▲4五角▽3五飛▲3六歩▽4五飛▲同桂(参考5図)で難しい分かれとなる。谷川棋聖はこの変化に自信を持てなかったようだ。
後手の持駒:歩 後手の持駒:角二 歩三 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ 桂 歩v歩 ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・v歩 ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v角v銀 ・|六 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六 | 歩 ・ 銀 歩 歩 歩vと ・ 歩|七 | 歩 ・ 銀 歩 歩 歩 ・ 歩 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 玉 ・ ・ ・ ・|八 | ・ ・ 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 飛 香|九 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手の持駒:飛 角 歩三 先手の持駒:飛 歩 参考4図(▽3六角まで) 参考5図(▲4五同桂まで)
▲7七銀▽8五飛▲6六銀▽8八歩▲7七桂▽8六飛▲7五歩▽8九歩成▲9五角(第4図)
後手:谷川浩司棋聖 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・v角 ・ ・ ・|四 | 角 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩v歩 ・|五 | ・v飛 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 ・ 桂 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香vと ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手:羽生善治王位 先手の持駒:歩三 第4図(▲9五角まで)
ここまでは互角だったが▽8八歩が後の▲9五角を見落とした疑問手で先手は形勢を損なった。▽8八歩では▽2六歩が有力だったそうで、▲7七桂なら▽8六飛▲7五歩▽8五桂▲8七歩▽7七桂成▲同銀▽8五飛(参考6図)で互角の勝負が続いたらしい。▲9五角以下は下記手順で先手が良い。
後手の持駒:桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・v角 ・ ・ ・|四 | ・v飛 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|六 | 歩 歩 銀 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 桂 歩二 参考6図(▽8五飛まで)
後手の持駒:金 桂 後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 |v飛 ・v銀v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三 | ・ ・ 歩 ・ ・v角 ・ ・ ・|四 |v歩 ・ ・ ・ ・v角 ・ ・ ・|四 | 角v桂 ・ ・ ・ ・ 歩v歩 ・|五 | 角 桂 桂 ・ ・ ・ 歩v歩 ・|五 | ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・|六 | ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ ・ ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | ・ ・ 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 | 香vと ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手の持駒:飛 歩五 先手の持駒:歩四 参考7図(▲9五角まで) 参考8図(▲8五桂まで)
第4図以降は谷川棋聖はあきらめていたようで、勝負手は放つものの素人目にも一方的な展開で敗れ去った。結局先手の金銀逆形が作戦的にどうなのかはよくわからない。
[July 27, 1999]
第1図のように先手の横歩取りに対し▽3三角とする後手の作戦を空中戦法といいます。 飛角桂が飛び交う将棋になりやすいことからこう呼ばれるようになりました。 第1図以降後手は主導権を握りつつ幅広い作戦をとることができるためプロに好まれ、 プロの横歩取り将棋の七割近くはこの形です(残りは▽3三桂戦法)。 平成になって現れた横歩取り中原流・ 中座流横歩取り▽8五飛戦法も空中戦法の一種といえます。
先手の横歩取りに▽3三角とする指し方は江戸時代の定跡書に既に現れており[1, 2]、 寛政二年(1790年)の実戦譜も残っています[3, 4]。 しかしこの作戦は先手の横歩取りを直接咎めるものではなく、 明治以降昭和二十年代までは先手の横歩取り模様には▲2四歩▽同歩▲同飛に▽2三歩として ▲3四飛に▽8八角成▲同銀▽2五角(第2図)以下後手有利とされていたため第1図の形はほとんど現れませんでした (現在は第2図から▲3二飛成でも▲3六飛でも後手あまり面白くないとされています[5])。 それが昭和三十一年のB級順位戦で梶一郎八段が加藤博二七段に▽3三角戦法で勝ったことから注目されるようになり[2]、 昭和四十年代に入って内藤國雄八段(現九段)が多用して華麗な指し回しを見せたことで「内藤流空中戦法」と呼ばれるようになりました。 内藤九段はこの功績を評価されて平成6年度に創設された升田幸三賞の第1回受賞者となっています。
戦法の詳細は羽生四冠や中原永世十段の定跡書、中座四段の講座をご覧ください[6-8]。
▲7六歩▽3四歩▲2六歩▽8四歩▲2五歩▽8五歩▲7八金▽3二金▲2四歩▽同歩▲同飛▽8六歩▲同歩▽同飛▲3四飛▽3三角(第1図)
▲7六歩▽3四歩▲2六歩▽8四歩▲2五歩▽8五歩▲7八金▽3二金▲2四歩▽同歩▲同飛▽2三歩▲3四飛▽8八角成▲同銀▽2五角(第2図)
後手の持駒:歩二 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v玉 ・v銀v桂v香|一 |v香v桂v銀v金v玉 ・v銀v桂v香|一 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|五 | ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 | ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九 | 香 桂 ・ ・ 玉 金 銀 桂 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手の持駒:歩三 先手の持駒:角 歩二 第1図(▽3三角まで) 第2図(▽2五角まで)
[July 26, 1999]
中座真(ちゅうざ まこと)四段創案による横歩取り後手番の戦法です。 第1図のように飛車を8五に据え、玉は中原囲いにします。 従来の▽8四飛を▽8五飛に変えることにより▲6六角(▽8四飛型なら飛車当たり)や ▲3五歩(角頭狙い)の筋を防ぐとともに新たに▽7五歩の攻め筋が生じています。 一方、▲7七桂が飛車当たりになる、▲9六角の筋を狙われる等の欠点も合わせ持ってはいます。
横歩取り後手番で玉を中原囲いに構える指し方は中原誠永世十段創案の横歩取り中原流で、 これに▽8五飛型を組み合わせたのが中座流です。 五段目の飛車を将棋用語で「高飛車(たかびしゃ)」と呼びますがこの戦型に限っては創案者の名を捩って「中座飛車」と呼ぶこともあります。 この戦法はその独創性を評価され平成10年度の第5回升田幸三賞を受賞しました。
この戦法のプロ公式戦一号局は平成9年8月に行なわれたC級2組順位戦の▲松本佳介四段−▽中座真四段戦(第2図)です[1]。 これを隣で見ていた野月浩貴四段がその後この戦法で好成績をあげ、 同年度3月のA級順位戦最終局[2]で井上慶太八段が島朗八段相手に採用して一気に知れ渡ることになりました。 タイトル戦初登場は平成11年2月の第48期王将戦第五局(▲羽生善治王将○−×▽森下卓八段)で その後名人戦にも登場しました(第1図)。
この戦法の詳しい解説は「将棋世界」誌の中座四段の講座にあります[1]。 他に「ザ・プロ将棋 '98 振り飛車と相居飛車編」にも簡単な解説があります[3]。
後手:谷川浩司九段 後手:中座真四段 後手の持駒:歩二 後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v金v玉 ・v桂v香|一 |v香v桂v銀v金 ・v玉 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v角 ・v歩|三 | ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 ・|六 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 飛 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ 玉 ・ 金 ・ ・|八 | ・ 角 金 ・ ・ ・ 金 ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ 銀 ・ 香|九 | 香 桂 銀 ・ 玉 ・ 銀 桂 香|九 +---------------------------+ +---------------------------+ 先手:佐藤康光名人 先手:松本佳介四段 先手の持駒:歩二 先手の持駒:歩二 第1図(▽7三桂まで) 第2図(▽4一玉まで) 名人戦に登場した 中座流横歩取り▽8五飛一号局。 中座流横歩取り▽8五飛。 (第56期C級2組順位戦(平成9年8月26日)) (第57期名人戦第二局 (平成11年))
[July 27, 1999]
第1図の先手の構え(▲7八金・▲6九玉・▲5九金・▲4八銀)、 また後手なら▽3二金・▽4一玉・▽5一金・▽6二銀の構えを中原(なかはら)囲いといいます。 昭和二十年代にある程度指された記録があるらしいのですが[1]特に名称がなく、 平成に入り中原流相掛かり・横歩取り中原流・中座流横歩取り▽8五飛戦法といった応用戦法が盛んに指されるようになって中原誠永世十段が「中原囲い」と自称したことからこう呼ばれるようになりました。相掛かりや横歩取りの将棋の中では比較的堅い構えで、従来の▲6八玉もしくは▲5八玉(後手なら▽4二玉もしくは▽5二玉)の形に比べて玉を下段に据えているぶん5筋を突きやすいのが特長です。
後手:青野照市八段 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金v玉 ・v銀v桂v香|一 | ・v飛v銀 ・ ・ ・v金v角 ・|二 | ・ ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|四 |v歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 歩|六 | 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 ・ ・|七 | ・ 角 金 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八 | 香 桂 銀 玉 金 ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手:中原誠名人 先手の持駒:歩 第1図(▲5九金まで) 中原流▲5九金型相掛かり一号局。 (平成4年度棋聖戦)