9x9=81 November 1999


第12期竜王戦第三局

初手から第1図・第2図までの指し手

▲7六歩▽3四歩▲1六歩▽6二銀▲6八飛(第1図)▽4二玉▲4八玉▽3二玉▲3八玉▽5四歩▲2八玉▽5二金右▲3八銀▽8四歩▲7五歩▽8五歩▲7八飛(第2図)

後手:藤井猛竜王          後手:藤井猛竜王
後手の持駒:なし          後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金v銀v桂v香|一  |v香v桂 ・ ・ ・v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・ ・ ・v角 ・|二  | ・v飛 ・v銀v金 ・v玉v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三  |v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四  | ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五  | ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・|七  | 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ 角 ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・|八  | ・ 角 飛 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九  | 香 桂 銀 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:鈴木大介六段         先手:鈴木大介六段
先手の持駒:なし          先手の持駒:なし

  第1図(▲6八飛まで)       第2図(▲7八飛まで)

 ▽6二銀は先手に居飛車で来られると損なところがあり、藤井竜王の棋譜の中には相手にこれをやられて相居飛車を指したものも見られる。しかし全局振り飛車宣言をしている鈴木六段は構わず▲6八飛(第1図)。鈴木六段の作戦は立石流四間飛車であった。

 立石流四間飛車は升田式石田流三間飛車の四間飛車版といった感じの作戦で有力な居飛車穴熊対策のひとつである。アマチュアの立石勝巳さんが考案したものが平成に入ってプロ間に広まり、小林健二八段が深い研究を行なって平成六年度の第28回早指し選手権をこの戦法で制した。小林八段の著書「力戦! スーパー振り飛車」(毎日コミュニケーションズ)にその詳しい解説があるが本局では立石流特有の変化は出てこなかったので省略。

 藤井竜王の▽8五歩に鈴木六段は▲7八飛と升田式石田流に切り換えた(第2図)。立石流から変化したため後手が▽6四歩・▽6三銀型でなく▽5四歩・▽5二金型になっているところが通常の升田式石田流対居飛車の形と異なっている。第2図からは大きく分けて三つの展開が考えられる。

  1. ▽8六歩と仕掛ける
  2. ▽8八角成と後手から角交換して先手の駒組みを牽制
  3. 後手からは動かず先手が▲7六飛と浮く

第2図から第3図までの指し手

▽8六歩▲同歩▽同飛▲2二角成▽同銀▲8八飛▽8七歩▲9八飛(第3図)

(初手から参考1図までの指し手)▲7六歩▽3四歩▲2六歩▽3五歩▲2五歩▽3二飛▲4八銀▽6二玉▲4六歩▽7二玉▲6八玉▽8二玉▲7八玉▽7二銀▲4七銀▽1四歩▲2四歩▽同歩▲同飛▽8八角成▲同銀▽2二飛▲2三歩▽1二飛(参考1図)

後手:藤井猛竜王          後手:升田幸三九段
後手の持駒:角           後手の持駒:角 歩
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一  |v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v銀v金 ・v玉v銀 ・|二  | ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・ ・v飛|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三  |v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・ 歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛v歩|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五  | ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|五
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六  | ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩v歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・|七  | 歩 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 ・ 歩|七
| 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八  | ・ 銀 玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ 金 ・ 桂 香|九  | 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:鈴木大介六段         先手:大山康晴名人
先手の持駒:角 歩         先手の持駒:角

  第3図(▲9八飛まで)       参考1図(▽1二飛まで)

                    第30期名人戦第三局
                   (昭和46年4月30日,5月1日)

 藤井竜王は▽8六歩と仕掛けた。▽6三銀と7筋を守れる形になっていないこと、右金を7・8筋方面に使って迎撃する態勢を取れないことが仕掛けを選んだ理由と思われる。第3図までのやりとりは既に三十年前、升田名人がこの戦法を創案したときに考えており、升田名人の著書「升田式石田流」(日本将棋連盟)には「プロなら▲8八飛までは一瞬の間に想定できる。ところがこの手法は過去に考えられた形跡すら全くない私の独創である」とある。タイトル戦では昭和四十六年(1971年)の第30期名人戦第三局▲大山名人−▽升田九段戦でこの筋が現れている(参考1図)。ちなみにこの名人戦は「升田の▽3五銀」(参考2図)で有名な一局である。

 参考1図で▲2二角は▽3二金▲3一角成(▲7七角成は▽3三角▲2八飛▽7七角成▲同銀▽2二歩▲同歩成▽同飛)▽同金▲2二銀に▽5五角と打ち、▲3一銀不成に▽3三角打で石田流側が良くなる。しかし本局は▽5四歩型のため▲5五角とは打てない。第3図で▽8八角とすると▲7八金▽7九角成▲同金▽8八銀に▲6六角と打つことになり、▽7九銀不成▲7七角打(参考3図)には▽6六飛と切る手があって難しいことになる。以下▲6六同角▽8八歩成▲同角▽同銀成▲同飛となれば先手が良いような気もするが、▲8八同角に▽8七金と筋悪く打つ手があったりして、相当先まで読まないと結論は出そうにない。また第3図から▽8八角に▲同銀▽同歩成▲7七角▽9八と▲8六角の変化も、後手が▽5二金型のため▲8二飛から▲8一飛成がある点が通常の升田式石田流と異なり、難しいことになりそうだ。

後手:升田幸三九段
後手の持駒:なし          後手の持駒:金
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一  |v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・v飛 ・ ・|二  | ・ ・ ・v銀v金 ・v玉v銀 ・|二
|v歩v歩v歩 ・ ・v金 ・ 歩v角|三  |v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 歩v歩 歩 金v歩|四  | ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|五  | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・v桂 銀 銀 ・ ・ 飛 歩|六  | ・v飛 ・ 角 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 玉 歩 ・ ・ ・ ・ ・|七  | 歩v歩 角 歩 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八  | 飛 ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 角 ・ ・vと ・ ・ 香|九  | 香 桂v銀 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:大山康晴名人         先手の持駒:歩
先手の持駒:歩四

  参考2図(▽3五銀まで)      参考3図(▲7七角打まで)

 角で取られそうな4六の銀を
 さらに3五に引いた!

第3図から第4図・第5図までの指し手

▽8四飛▲7八金▽5五歩▲8八歩▽2四角▲6六角▽5四飛▲8七歩(第4図)▽5三銀▲6八銀▽6四銀▲9六歩▽6五銀▲8八角▽9四歩▲7九角▽5六歩▲同歩▽同銀▲7七金▽6四歩▲5七歩(第5図)

後手:藤井猛竜王          後手:藤井猛竜王
後手の持駒:なし          後手の持駒:歩
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一  |v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v銀v金 ・v玉v銀 ・|二  | ・ ・ ・ ・v金 ・v玉v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三  | ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v飛 ・v歩v角 ・|四  |v歩 ・ ・v歩v飛 ・v歩v角 ・|四
| ・ ・ 歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・|五  | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 角 ・ ・ ・ ・ 歩|六  | 歩 ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・|七  | ・ 歩 金 歩 歩 歩 歩 歩 ・|七
| 飛 ・ 金 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八  | 飛 ・ ・ 銀 ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 銀 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九  | 香 桂 角 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:鈴木大介六段         先手:鈴木大介六段
先手の持駒:歩           先手の持駒:歩

  第4図(▲8七歩まで)       第5図(▲5七歩まで)

 藤井竜王は長考の末▽8八角を見送り▽8四飛と引いた。参考1図の名人戦でも大山名人は▲2六飛と引いている。大山名人はその後▽3二金に▲3六歩▽同歩▲同銀としたが藤井竜王は8筋の歩を捨てて中央で戦う方針に出た。▽2四角に▲6八銀は▽5六歩▲同歩▽8八歩成で先手悪いので▲6六角はやむをえない。藤井竜王のこの指し方は新手法かもしれない。が……銀を繰り出して中央突破を図ったのは急ぎ過ぎだったようで第5図では先手が良いのだそうである。では後手はどうすれば良かったのか? 考えてみたが私にはわからない。この後鈴木六段が後手龍の押さえ込みに失敗して逆転、最後は大差で藤井竜王の勝ちとなった。


第12期竜王戦第四局

初手から第1図・第2図までの指し手

▲7六歩▽3四歩▲2六歩▽4四歩▲4八銀▽4二飛▲6八玉▽6二玉▲7八玉▽7二銀▲5六歩▽7一玉▲5八金右▽5二金左(第1図)▲5七銀▽9四歩▲7七角▽3二銀▲8八玉▽3三角▲6六歩▽8二玉▲6七金▽6四歩▲9八香▽9五歩▲9九玉▽7四歩▲8八銀(第2図)

後手:鈴木大介六段         後手:鈴木大介六段
後手の持駒:なし          後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・v銀v桂v香|一  |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛 ・v角 ・|二  | ・v玉v銀 ・v金v飛v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三  | ・v歩 ・ ・v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四  | ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五  |v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|六  | ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ 歩 ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七  | 歩 歩 角 金 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八  | 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九  | 玉 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:藤井猛竜王          先手:藤井猛竜王
先手の持駒:なし          先手の持駒:なし

  第1図(▽5二金左まで)      第2図(▲8八銀まで)

 第1図▽5二金左で立石流はなくなり後手四間飛車対先手居飛車穴熊の図式が見えてきた。近年の藤井システムに代表される穴熊阻止型戦術の観点から見ると、後手番の四間飛車では居玉で戦闘態勢を整えても穴熊阻止には難解な変化が伴い、▽6二玉型は居玉に比べて損、▽7一玉型では穴熊阻止は不可能である。本局も第2図▲8八銀と先手は玉を穴熊に収めることに成功した。それにしても鈴木六段はなぜ得意の四間飛車穴熊を指さないのだろう?

 振り飛車が居飛車の穴熊を阻止することなく進める指し方は、藤井システムの出現により減りはしたが、消滅したわけではない。当ページで扱った中では第46期王座戦第三局(平成十年九月三十日,参考1図),第11期竜王戦第三局(平成十年十一月五日・六日,参考2図),第47期王座戦第二局(平成十一年九月二十日,参考3図),第57期名人戦第六局(平成十一年六月七日・八日,参考4図)がこの形である。最近の定跡書でも「康光流四間飛車破り」(佐藤康光著,日本将棋連盟)や「振り飛車新世紀 3 久保流四間飛車(下)」(久保利明著,毎日コミュニケーションズ)がこの形を扱っている。藤井システム出現前では五段時代の藤井竜王の解説がある「振り飛車党宣言! (3) 居飛車穴熊対策編」(小倉久史・杉本昌隆・藤井猛著,毎日コミュニケーションズ)をはじめ多くの解説書が出ている。

 この戦型における振り飛車の指し方には大きく分けて

  1. 第11期竜王戦第三局や第57期名人戦第六局のように居飛車が穴熊に囲う間に3筋方面から反撃を企てる手法
  2. 第46期王座戦第三局や第47期王座戦第二局のように高美濃や銀冠を視点に入れた長期戦を目指す手法

の二手法がある。本局の鈴木六段は長期戦を選択した。

後手:谷川浩司竜王         後手:藤井猛七段
後手の持駒:なし          後手の持駒:歩
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香 ・v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一  |v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二  | ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・v歩 ・|二
| ・v歩v桂 ・ ・ ・v角v歩v歩|三  | ・v歩v歩v歩v歩v銀 ・ ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩v銀v歩 ・ ・|四  | ・ ・ ・ ・ ・v角 ・ 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五  |v歩 ・ ・ ・ ・v歩v飛 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六  | ・ ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 角 金 銀 歩 ・ ・ 歩|七  | 歩 歩 角 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八  | 香 銀 ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九  | 玉 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:羽生善治王座         先手:谷川浩司竜王
先手の持駒:なし          先手の持駒:歩

   参考1図(▲8八銀まで)      参考2図(▲8八銀まで)

  第46期王座戦第三局         第11期竜王戦第三局
  (平成10年9月30日)        (平成10年11月5,6日)
後手:羽生善治王座         後手:谷川浩司九段
後手の持駒:なし          後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一  |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二  | ・v玉v銀 ・v金v角v飛 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金v歩v銀v角v歩v歩|三  | ・v歩v歩v歩 ・v銀 ・v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四  | ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五  |v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六  | ・ ・ 歩 銀 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 角 金 銀 歩 歩 ・ 歩|七  | 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八  | 香 銀 ・ 角 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九  | 玉 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:丸山忠久八段         先手:佐藤康光名人
先手の持駒:なし          先手の持駒:なし

  参考3図(▲8八銀まで)      参考4図(▲8八銀まで)

  第47期王座戦第二局         第57期名人戦第六局
  (平成11年9月20日)        (平成11年6月7,8日)

第2図から第3図・第4図までの指し手

▽6三金▲3六歩▽7三桂▲7九金▽4三銀▲5九角▽8四歩▲2五歩▽5四歩▲3七角▽8三銀▲1六歩▽1四歩▲6八銀▽7二金(第3図)▲4八角▽2二飛▲5七角▽5一角▲3七桂▽5二銀▲7八金▽5三銀▲7九銀右▽6二銀▲2六飛▽7一銀▲6八角▽5二飛(第4図)

後手:鈴木大介六段         後手:鈴木大介六段
後手の持駒:なし          後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一  |v香 ・v銀 ・v角 ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二  | ・v玉v金 ・v飛 ・ ・ ・ ・|二
| ・v銀v桂v金 ・v銀v角v歩 ・|三  | ・v銀v桂v金 ・ ・ ・v歩 ・|三
| ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四  | ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五  |v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|六  | ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 飛 歩|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 角 ・ ・|七  | 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 桂 ・ ・|七
| 香 銀 ・ 銀 ・ ・ ・ 飛 ・|八  | 香 銀 金 角 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九  | 玉 桂 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:藤井猛竜王          先手:藤井猛竜王
先手の持駒:なし          先手の持駒:なし

  第3図(▽7二金まで)       第4図(▽5二飛まで)

 振り飛車が高美濃から銀冠を目指す指し方には▽5四銀型と▽5四歩型がある。▽5四銀型からの穴熊攻略を追求したのが小林健二八段のスーパー四間飛車であり、その攻め筋をさらに厳しく追及したのが藤井システムである。一方後手番振り飛車のひとつの考え方として千日手でも構わないというのがあって、▽5四歩型ではそれが顕著に現れる(後手からは仕掛けにくい)。本局は▽4五歩と突かず争点を作らないのがおそらく鈴木六段の作戦で、先手は通常4筋や6筋の歩を切って一歩入手し手を作っていくのだが本局ではそれができない。第3図は局面が硬直しはじめており後手の作戦が成功した形ではないかと思う。

 本局はこの後鈴木六段が四枚銀冠に移行し、▽5二飛(第4図)と動いたため▲1五歩▽同歩▲2四歩▽同歩▲6五歩▽同歩▲2四角の攻めが入って先手優勢となった(のか? ▲2四角に▽2二飛と回ったらどうなるかとか、桂損でも飛車成り込めば先手優勢なのかとか、よくわからん)。が、最終盤で藤井竜王が寄せを誤って鈴木六段の逆転勝ち。次局は四間穴熊かな?


第12期竜王戦第五局

初手から第1図・第2図までの指し手

▲7六歩▽3四歩▲1六歩▽8四歩▲5六歩▽8五歩▲5八飛▽5二金右▲5五歩▽8六歩▲同歩▽同飛(第1図)▲5四歩▽同歩▲2二角成▽同銀▲7七角▽8九飛成▲2二角成▽5五桂(第2図)

後手:藤井猛竜王          後手:藤井猛竜王
後手の持駒:歩           後手の持駒:角 歩二
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂v銀 ・v玉v金v銀v桂v香|一  |v香v桂v銀 ・v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・v金 ・ ・v角 ・|二  | ・ ・ ・ ・v金 ・ ・ 馬 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三  |v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四  | ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五  | ・ ・ ・ ・v桂 ・ ・ ・ ・|五
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六  | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・|七  | 歩 ・ ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・|七
| ・ 角 ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・|八  | ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九  | 香v龍 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:鈴木大介六段         先手:鈴木大介六段
先手の持駒:歩           先手の持駒:銀 歩

  第1図(▽8六同飛まで)      第2図(▽5五桂まで)

 第五局は第二局同様鈴木六段の近藤式力戦中飛車となった。第1図までは先後が入れ替わって▲1六歩が入っている以外は第二局と同じ展開である。本局はここで鈴木六段が決戦策に出た。第二局では藤井竜王の▲5八金右(本局では▽5二金右)が新手だったため自重したのを、その後の研究で踏み込めると見たものと思われる。第2図の前▲2二角成までは一本道。ここでいくつか疑問が生じる。

  1. ▽5五桂で▽3三角はダメ?
  2. ▽3三角より▽5五桂のほうがいいってこと?
  3. ▲1六歩が効いてくるのだろうか。

 どれも考え出すと泥沼に填まりそうなのでやめとこ。単純な形ながら変化が煩雑で難しいっす。

第2図から第3図・第4図までの指し手

▲4八玉▽9九龍▲2一馬(第3図)▽6七桂成▲5四飛▽5三歩▲5六飛▽8八角▲5九飛▽6六角成(第4図)

後手:藤井猛竜王          後手:藤井猛竜王
後手の持駒:角 香 歩二      後手の持駒:香 歩二
 9 8 7 6 5 4 3 2 1     9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   +---------------------------+
|v香v桂v銀 ・v玉v金 ・ 馬v香|一  |v香v桂v銀 ・v玉v金 ・ 馬v香|一
| ・ ・ ・ ・v金 ・ ・ ・ ・|二  | ・ ・ ・ ・v金 ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三  |v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四  | ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v桂 ・ ・ ・ ・|五  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六  | ・ ・ 歩v馬 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・|七  | 歩 ・ ・v圭 ・ 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ 飛 玉 ・ ・ ・|八  | ・ ・ ・ ・ ・ 玉 ・ ・ ・|八
|v龍 ・ 銀 金 ・ 金 銀 桂 香|九  |v龍 ・ 銀 金 飛 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+   +---------------------------+
先手:鈴木大介六段         先手:鈴木大介六段
先手の持駒:銀 桂 歩       先手の持駒:銀 桂 歩二

  第3図(▲2一馬まで)       第4図(▽6六角成まで)

 第2図で▲5六銀などとすると▽7七角から馬を抜かれてしまう。▽7七角の筋と桂成りを受けて▲4八玉はこの一手である。が、この後がまたわからない。

  1. 第3図で▽4四香はどうかの〜。無理か。
  2. 第3図から▽6七桂成に▲1一馬だとどうなる?
  3. ▲5四飛に▽5三香はやっぱりヤバいんでしょうか?

 一日目終了時点(▽6七桂成まで)では対局者・控え室とも先手優勢との判断だったらしい。藤井竜王の読みのどこに誤算があったのだろうか? 第二局でもこの変化になる可能性はあったのだが。しかし第4図の局面は明らかに後手が良い。おそらく▲5六飛が悪手で▽8八角がそれを咎める好手ということだと思う。この後藤井竜王は堅実な指し手で差を広げ、七十二手の短手数で竜王防衛を決めた。


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