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失業時の社会保障(私立大学任期つき教員の場合)

○この文章は、筆者(三浦)が2007年9月末日に任期が終了して失業した際に受けた社会保障についてまとめたものである。失業したときのことを書く研究者は少ないと思われるので、敢えて書くことにした。働いていた期間や年齢などで受けられる保障の金額や期間が違うのだが、大筋において「私立大学任期つき教員」では大差がないと思われる。(しかし言うまでもないが、詳細については関係する役所の窓口などに各自問い合わせる必要がある。)
○離職する場合の手続きについては、所属機関の事務の方が丁寧に教えてくれる。しかし、研究室を引き払ったり、引継ぎをしたりという差し迫った仕事が同時期に重なってしまい、社会保障に関しては後回しになりがちである。せめて事前に概要だけでも知っておけば、間違いや勘違いを避けることができる。不幸にして離職、失業という場合に参考にしていただければ幸いである。
○社会保険には雇用保険、労災保険、健康保険、年金保険がある。失業時には、雇用保受給の手続きと、健康保険と年金を切り替える手続きをおこなう。この文章は筆者の経験に基づいて社会保険について書いたものであるが、もともと社会保障の専門家ではない。間違いなどがあればご指摘いただきたい。
○筆者のブログには具体的な状況が書かれているので、興味がある方はご参照ください。(2008.4.27)
ブログ「健康的研究生活」のカテゴリー「社会保障」
○年収が130万円未満であれば、被扶養者として配偶者の健康保険に入り、国民年金の免除を受けることができます。興味がある方はブログ記事「被扶養者認定の手続き」をご覧ください。(2008.7.18)
1.失業保険(あるいは雇用保険)
「雇用保険被保険者離職証明書」という書類を大学に提出すると、退職後に「離職票」というものが交付されるという。これを「雇用保険被保険者証」と共にハローワーク(職業安定所)に提出すると失業保険の給付が受けられる。ただし、離職後の収入などの条件により、保険金をもらえない場合がある。
筆者の場合、「雇用保険被保険者離職証明書」で大学側が書き込んだ「離職理由」の欄において、「定年、労働契約期間満了によるもの」「労働者の意思により契約更新せず」という項目が選択されていた。自己の都合による離職の場合、3ヶ月の給付制限の後にしか給付を受けられないことになる。
職安の職員の方に、これが事実と異なる事を伝えると、窓口に提出する書類の「離職理由」の欄に、正確な状況を書くように勧めてくれた。そこで、「雇用期間満了による退職」に「半年前の契約時に更新しないことを伝えられていたが、自分の意思で離職したのではない」、と書き加えてはんこを押した。この書類が京都の職業安定所に送られた後、事実関係が調べられ、自己都合による離職でないことが確認された。
四週間おきに指定された日時にハローワークに出向き、「失業認定申告書」を提出して失業保険を受け取る(指定の銀行口座に振り込まれる)。受給の期間や金額は、年齢や勤続年数などにより異なる。筆者は90日間分を受給した。
参考
ハローワークインターネットサービス
失業保険給付&退職マニュアル
失業保険辞典
2.健康保険
私立大学で年金を扱っているのは、日本私立学校振興・共済事業団の共済事業本部共済事業本部である。日本私立学校振興・共済事業団は、ウィキペディアによると「私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定並びに私立学校教職員の福利厚生を図るため、補助金の交付、資金の貸付けその他私立学校教育に対する援助に必要な業務を総合的かつ効率的に行うとともに、私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)の規定による共済制度を運営し、もって私立学校教育の振興に資することを目的として設立された(日本私立学校振興・共済事業団法第1条)文部科学省所管の特殊法人である。」という。要するに私立学校への支援事業と教職員向けの保険事業を行っている団体である。
私学共済の資格喪失報告書と任意継続加入者申出書という書類を大学の事務に提出する際、継続か国民健康保険の切り替えかを選択できる。私は継続した。国民健康保険は前年度の収入に応じて保険料が決まるので、失業時には支払いが辛いためである。また国民健康保険は自治体によって保険料が異なるので各自で問い合わせること。
3.年金の切り換え
失業あるいは非常勤講師のような社会保障を職場から得られない身分になる場合、年金は私学共済組合制度から国民年金に変わる。この変更は、社会保険事務所あるいは市役所などの年金課窓口で簡単に手続きができる。その後、振込用紙が送られてくるので支払いを始める。
手続きの後、行き違いで「国民年金被保険者 資格取得・種別変更・種別確認届書」という書類や「国民年金保険料の納付窓口開設のご案内」という葉書が送られてくる場合がある。しかし3週間ほど待って年金の振込用紙が社会保険庁から送られてくれば、無視してもかまわない。
補足 年金記録の確認
切り替え手続きのついでに記録の確認もしておくことをお勧めする。
<私学共済>
在職中の私学共済の年金記録は「長期給付加入者記録票」というものに書かれている。離職時に受け取るはずであるが、もしなければ、「長期給付加入者記録票 再交付申請書」という書類を共済事業本部から取り寄せる。必要事項を記入して提出すると、一週間ほどして「長期給付加入者記録票」が送られてくる。在職期間に間違いがないことを確かめること。
<国民年金>
最寄の社会保険事務所に出向き、被保険者記録照会回答票という書類を出してもらう。これを領収書などの手元の資料と比較して間違いがないことを確かめる。
ちなみに300月以上納付すると65歳から年金を受けられるとのこと。40年間払ったとすると1ヶ月に66,208円受給でき、保険料納付済期間が短い(40年に満たない)と基礎年金額は減額される。在学期間(平成3年4月から平成12年3月までの場合)で免除を受けた期間については、その期間を3分の1として基礎年金に反映される。
参考
社会保険庁
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更新日 2008年7月19日