Umizuki Digital Photo Gallery [似ている魚の見分け方へ]  [トップページへ] 



イチモンスズメダイ
Chrysiptera unimaculata
VS. ミヤコキセンスズメダイ
Chrysiptera leucopoma







画像の上にポインタを置くと識別ポイントが表示されます。


上: イチモンスズメダイ
2006年11月5日
静岡県賀茂郡西伊豆町浮島
水深:1.5m
体長:1.5cm
下: ミヤコキセンスズメダイ
2006年11月4日
静岡県賀茂郡西伊豆町黄金崎公園ビーチ
水深:2m
体長:1.5cm






【識別ポイント】

 イチモンスズメダイの幼魚とミヤコキセンスズメダイの幼魚でほぼ同サイズ、同角度の画像が撮影できたので、それを例にとって識別ポイントを説明します。

@目から伸びる青いラインと背鰭基部の黒斑の関係
 この違いは説明しづらいのですが、一番わかりやすい違いだと考えています。
 まず、目から背鰭基部の黒斑に伸びる青いラインはイチモンスズメダイの幼魚よりもミヤコキセンスズメダイの幼魚の方が太い傾向がはっきりしていますが、それだけでは識別ポイントになりません。それよりも青いラインが黒斑をどのように取り囲んでいるかを見た方がわかりやすいです。イチモンスズメダイの幼魚では、青いラインが黒斑の周囲をきれいに丸く縁取るため、黒斑の下で青いラインが大きく下に膨らみます。つまり、目から伸びる青いラインと黒斑を丸く縁取っている青いラインが独立してつながっている感じで、実際にこの画像のように途切れそうになっている個体もしばしば見られます。一方、ミヤコキセンスズメダイの幼魚では、目から伸びる青いラインは黒斑を囲む青いラインと一体となっていて、黒斑の部分で上に膨らみますが、下にはほとんど膨らみません。つまり、目から伸びる1本の太いラインの中に黒斑があり、そのために青いラインが黒斑の上部に膨らんでいる感じです。要するに、イチモンスズメダイの幼魚は黒斑が青いラインで取り囲まれてきれいな眼状斑となっているのですが、ミヤコキセンスズメダイの幼魚は黒斑が太い青ラインの中に埋もれて存在しているイメージです。

A虹彩の色
 硬骨魚類の眼球は人間と同様に黒く見える水晶体の周囲に虹彩があります。その虹彩がイチモンスズメダイの幼魚では目の周囲の体色とほとんど同じであるのに対して、ミヤコキセンスズメダイの幼魚では黒ずんでいます。おかげで少し人相(魚相?)が悪く見えます。

Bミヤコキセンスズメダイの幼魚には鰓蓋に沿って色素胞が少なくて明色の部分が見られることがありますが、イチモンスズメダイの幼魚には見られません。ただし、これは体色などによって、必ずしもミヤコキセンスズメダイの幼魚すべてに見られるものではないようです。



【クイズ】
 それでは、クイズです。下の画像の幼魚はイチモンスズメダイとミヤコキセンスズメダイのどちらでしょう?

これは黄金崎公園ビーチのエントリー口にずっと居着いている個体です。8月下旬から11月中旬現在まで継続して観察されていてかなり大きくなってきました。


【撮影地】西伊豆黄金崎公園ビーチ
【水 深】1m

上:【撮影日】2006年8月28日
  【サイズ】1.5cm

中:【撮影日】2006年10月1日
  【サイズ】2.5cm

下:【撮影日】2006年11月4日
  【サイズ】3cm


一番上の画像は安良里ダイビングセンターの中野さんの撮影です。


正解はこちら

下の画像はかなり成長して特徴がはっきりしていますし、Topic Photoでも紹介しているので、どちらかわかりますよね?Topic Photoはこちらをご覧下さい。


【撮影地】南伊豆落居
【水 深】1m

上:【撮影日】2006年10月9日
  【サイズ】3cm

下:【撮影日】2006年10月21日
  【サイズ】3.5cm


正解はこちら

2週間後に観察しても同じ場所に居て、目の後ろの青い模様がほとんど同じなので、同一個体だと思います。2週間ではわずかに成長しただけで、ほとんど変化はありませんでした。


【撮影地】南伊豆落居
【水 深】1m

上:【撮影日】2006年10月9日
  【サイズ】1.5cm

下:【撮影日】2006年10月21日
  【サイズ】2cm


正解はこちら

この個体も2週間後に同じ場所で観察できましたが、やや成長して体色が黒ずんできただけで、それほど変化はありませんでした。


【撮影地】南伊豆落居
【水 深】1m

上:【撮影日】2006年10月9日
  【サイズ】1.5cm

下:【撮影日】2006年10月21日
  【サイズ】2cm


正解はこちら

この個体も実は継続して観察できています。成長過程は正解で確認してみてください。


【撮影地】西伊豆黄金崎公園ビーチ
【水 深】2m
【撮影日】2006年10月12日
【サイズ】1.5cm


この画像は安良里ダイビングセンターの中野さんの撮影です。


正解はこちら

一番初めにイチモンスズメダイとミヤコキセンスズメダイの幼魚の識別に疑問を感じたのはこの個体でした。成長して特徴がはっきり出始めています。さて、どちらでしょう?


【撮影地】西伊豆黄金崎公園ビーチ
【水 深】1m
【撮影日】2006年10月1日
【サイズ】2.5cm


正解はこちら

これもかなり成長した個体なので、わかりやすいですね。


【撮影地】南伊豆落居
【水 深】2m
【撮影日】2006年10月21日
【サイズ】3cm


正解はこちら

ちょっと小さい個体ですが、Topic Photoで紹介した個体なので、わかりますよね?Topic Photoの画像はこちら


【撮影地】西伊豆黄金崎公園ビーチ
【水 深】1.5m
【撮影日】2006年10月1日
【サイズ】1.5cm


正解はこちら

これも小さい個体ですが、どちらでしょう?


【撮影地】西伊豆黄金崎公園ビーチ
【水 深】1m
【撮影日】2006年10月1日
【サイズ】1.5cm


正解はこちら

これは今まで見た中で一番小さいといってもいいくらいの極小サイズだったので、ちょっとわかりづらいでしょうか?


【撮影地】南伊豆落居
【水 深】1m
【撮影日】2006年10月9日
【サイズ】1cm


正解はこちら



【謝辞】
 イチモンスズメダイの幼魚とミヤコキセンスズメダイの幼魚を識別するにあたって、レグルスの加藤さんをはじめ、多くの方々と情報交換させていただきました。また、安良里ダイビングセンターの中野さんには、僕が撮影した個体のさらに若い時期の画像を提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。