うちの埼玉郷土料理事典
あ行
- 青い柚子
- 青い柚子はうどんの薬味にする。小さくて固いので、皮の表面だけ下ろし金でおろしてちらす。(→柚子)
- アカガエル
- アカガエルはおいしいんだよ、と母が言っていた。もちろん現代では食べない。以前千葉県立博物館での「カエルのきもち」展を見に行ったとき、会場に貼ってあったカエルの思い出アンケートに「アカガエルはおいしい(埼玉県飯能市60歳代女性)」という、うちの母と全く一致するのがあって驚いた。もちろん別人なのだが。
- あんびん
- あんびんもちともいう。法事に出す巨大な大福。普通の大福の三倍ほどの大きさで、それが四つ五つ入った箱を法事の客にお土産にあげた。予備の分がうちに残ったが、食べきれたものではない。それでも貰ったほうは懐かしいからか喜んでくれたようだ。塩あんびんといって、甘くない塩味のあんこのもあるらしいが、うちが近所の菓子屋につくってもらったのは甘いもの。花とかなんかの形になっていて、多少の色が付いていてかわいい。入間地方で人気の和菓子屋「かにや」にもあんびんがある。
(参考サイト=株式会社かにや 法要のお菓子)
- 一里飴 いちりあめ
- この地方では有名な飴で、製造は越生町の住吉屋。東京のデパートでも売っていることがあるから埼玉銘菓の一つ。蜂蜜入りのわりと濃厚な味。たぶん一里飴の缶は(中身は空でも)たいていの家にはあるとおもう。だから子供の頃には地元のものだとは知らずに育つ人が多い。父は一里飴のことを「鉄砲玉」と呼ぶ。また、昔は自転車の荷台にのせて売って歩いていたという。そのころは一粒買いができて、なめながら一里歩けるほどの大きさということになっていたらしい。売り文句としては一粒三百メートルのグリコのキャラメルに似ている。飯能市には四里のあいだ尻餅をつかずにいかだ流しができるという四里餅(しりもち)がある。
- いなご
- 子供の頃はいなごの佃煮をたべた。買ったものだったと思う。ほんとうは足と羽根を取って佃煮にするんだそうだけれど、足があるのを食べたことがあり、後ろ足の細いところが歯茎にささって、ぎざぎざのせいで抜けずに困った。中学のときに弁当にいなごを入れられたことがあって、私立校で東京の友達もいたのでめずらしがられてひとつあげた。
田んぼでいなごをとることはあったけど、それは当時飼っていたチャボにやった。祖母は「逃げないように足と羽根をむしるんだ」といっていた。チャボでさえそうするのに、自分が食べて痛い思いをしたあのイナゴは何だったんだろうと思う。
- うど
- テレビなどで聞くところでは、ウドといえば酢味噌和えらしいけれど、うちでは人参や油揚とで炒め煮のようにすると決まっている。とうぜんシャキシャキした歯ごたえはなくて、やわらかくなる。味付けは醤油と砂糖。ある日テレビで東京の東村山のウド農家を取り上げていて、その家でうちと同じように調理していたのをみたときに、初めて郷土料理だと知った。東村山から埼玉の所沢一帯はウドの産地。
- うどん
- 地粉の手打ちうどんは旨い。食べ方は、ざるか煮込みかずりだしで、かけのタイプはうちではやったことがない。ずりだしと言うのはかまあげのこと。埼玉はお祝いでも葬式でもうどんということになっている。といってもいまどき結婚式では出さないだろうけれど、法事にはぜったいでてくる。法事のはその場で食べなければ持ち帰りもできるようにパックになっているのを出すのがいまは普通。お盆で送っていく前にも、ご馳走としてうどんを食べるらしい。
- うどん・そばのつゆ
- うどんやそばは水で冷やすのに、つゆは作ったままの温かいので食べることが多い。だしは煮干しと椎茸が多い。かつお節は上等だけど、煮干しの方が食べ慣れていて旨い気がする。昆布は使わない。椎茸は入れっぱなしにして具にする。(→肉汁うどん)
- Aコープ
- 農協のスーパー。いまはスーパーが増えて、いろいろ洒落たものを置くところも多いけれど、Aコープにいくと農民や高齢者向けの品ぞろえで懐かしい。郷土料理を作るときには便利な店。野菜は別に農協の直売所があるからそこで買う。
- お供物 おくもつ
- 近隣の寺のうち、比較的広い範囲から信仰を集めているところでは、縁日の時などに地区の世話役が家を回って祈願を集めたりするところもある。帳面に祈願内容を記して祈願料をあずけると、あとで御札とお供物を持ってきてくれる。お供物は赤い水引が印刷された紙袋に、落雁のような菓子が紅白で二個入っている。一度仏壇にあげてから食べるのが子供の時はとても楽しみだった。
(写真=袋に入ったお供物 中身はかびちゃったので撮影見送り)

- お好み焼き
- うちで作るお好み焼きの具は、ねぎと桜海老とキャベツ。粉が多く、わりあいと薄く、少し固い。店や祭りで食べるものとはだいぶちがっている。これは「ねぎと桜海老のたらしやき」にキャベツが加わったものだったのだ。
- お茶
- もちろん狭山茶。それでも静岡茶はたまに他所の人から貰ったりするけど、宇治茶などは飲む機会がほとんど無い。狭山茶の主産地は入間市で、狭山市は「狭山茶が出来るところだから」ということであとからついた名前なのだそうな。だから入間狭山に限らず、東京都側でも、この周辺で産すれば狭山茶。新茶が出る時期はわかるから、多少楽しみにしている。新茶を貰うこともある。近所にはあちこちに茶畑があるので、子供の頃はコロコロとしたお茶の実を集めて、自動車が来たときにタイミングよく転がしてタイヤに踏ませる遊びをした。
- おはぎ
- ぼたもちと区別していない。(→ぼたもち)
- お盆の馬
- お盆には、なすときゅうりで馬を作って仏壇に置く。きゅうりが馬で、なすは牛だとも言う。きゅうりは馬にするからには、あまり真っ直ぐでないのがいいような気がする。足はほんとうはオガラだけど、オガラは買わないと無いので割りばしにする。墓参りの時に持っていって、ご先祖様を乗せてきたり送っていったりする。送っていったら馬も牛もお墓に置いてくる。(写真→「だんご」の項を参照)
か行
- かて
- うどんやそばに添えて出す野菜のこと。縦長に切ったなす、いんげん、ほうれん草などを茹でたあとで水で冷ます。うちではキャベツも出る。うどんつゆにボシャッとつけて食べる。茹でたなすやキャベツは色が悪いし、水っぽくて私は旨いとも思わないが、好きな人もいる。
- 草餅
- 時期になると草餅を作ったりもらったりする。上新粉で大福にする。表面には黄な粉を少しつけることが多い。柴又の草だんごのようにはしない。
- ごま
- このへんでごまというと、黄色いごまだ。金ごまというらしい。白ごまや黒ごまはない。
- ごまよごし
- 胡麻和えのこと。ほうれん草やいんげんをごまよごしにする。
さ行
- 地粉 じごな
- 地元(埼玉か群馬)でとれた小麦粉のこと。品種は農林61号というものらしい。うどんにすると色が茶色っぽい。その鈍い色が地粉の証拠で食欲をそそる。群馬の小麦粉はふつうのスーパーでも売っているが、埼玉のはAコープや米穀店で手に入る。私がつかっているのは北極星印の地粉という埼玉産の物。群馬のより少し高く、3キロで七百数十円。高いと言っても1キロの粉でうどんが五人前ぐらい出来るから安いものだ。最近はこれでパンも焼いている。
(写真=地粉、製麺機)
- しるこ
- 小豆を濾したのがしるこで粒入りがぜんざいだという人もいるけれど、この説には納得していなかった。うちではしることいえば粒があって、濾したのなんて作ったことがないから。東京神楽坂の「紀の善」という甘味處に答えを見つけた。この店の説明では、しるこは小豆が濾してあって、田舎じるこは粒入りで、ぜんざいは漉し餡そのままに近いボテッとしたもので汁気がない。だからうちのはまさに田舎じるこということになる。餅がないときにすいとんを入れて作ることもあって、これもあんがい悪くない。
- しんぎりしんぎり
- 父がたまに言う、歯ごたえについての擬態語。しんぎりしんぎりしたものが好きらしい。
- すいとん
- 小麦粉をてんぷらの衣よりは濃く水で溶いて、煮え立った汁の中に落としていびつに固めたもの。母のはほんとにいびつで、大きさもばらばらに作ったが、父が昔食べたのは、杓子を使ってちょっと餃子のような形にした物だったという。汁その他の具はひもかわと同様。(→ひもかわ)
- 製麺機
- 農文協「手作り日本食シリーズ 健康食うどん」に『私が知る限りでは、関東の西の山塊(略)は家庭用の手まわしめん機がよく普及していたようです。埼玉にはいまも現役で働いている家がかなりあります。』とイラスト入りで紹介されている製麺機はうちにもある。イタリアのパスタマシーンと同じようなもので、もっと大きくて重い。うちのは「小野式製麺機」というシールが貼ってあり、埼玉県戸田市で製造されたものらしい。戸田市は埼玉でも東部なので、使われている範囲は関東の西の山塊というよりもっと広いかもしれない。テレビで、群馬の人がラーメンを作るのにも同様の製麺機を使っているのを見た。(写真→「じごな」の項を参照)
- 雑煮
- 雑煮に入れるものは、大根(銀杏切り)、人参(銀杏切り)、ごぼう(ささがき)、さといも、小松菜、鳥肉、餅。味付けは醤油。昔は鳥は入れなかったという。餅は四角で、好みで焼かなかったり焼いたりする。正月は大神宮様(神棚)、床の間、台所の神様、仕事場、井戸神様の五ケ所に幣束を立てていて、三が日は毎朝雑煮の具の野菜を少しずつ小皿に載せてあげる。前日の分を捨てずに足すのだと言われたこともある。仏壇にもあげる。七草がゆにはお供えしたのをさげていれるんだと父はいうが、あんな干からびたものをほんとにそんなことするのか疑わしい。と思っていたら、日高町史民俗編にも同様のことが書いてあった。
- そば
- 大みそかには近所の農家が打ったそばをもってきてくれるけれど、父も私もそば好きで大量に食べるので、父が近所のばあさんに教わって打つようになった。この辺で作るそばの粉の割合は多くなく、6割ぐらいらしい。(→うどん・そばのつゆ)
た行
- たくあん
- ある年の冬、あちこちの知り合いからそれぞれ自家製のたくあんをもらってたいへんだった。どれが誰のかわからなくなったけれど、おいしいのやあまりおいしくないのがあって、いろいろ違うものだと思った。くちなしで黄色くしたのとそうでないのがあった。
- たけのこ
- たけのこは近所の竹が生える家から貰ったりする。買うことはほとんどない。孟宗竹のと真竹のだとおもう。小女子や油揚と煮ることが多い。ちくわやさつまあげを入れることもある。五目寿司にもする。
- たにし
- 母はむかしたにしを食べたといっていたが、自分は食べたことはない。
- だんご
- 1)米の粉を熱いお湯でこねる。それを普通食べるくらいのだんごにまるめて蒸す。それをまたすりこぎでつぶしてから食べる団子をつくる。けっこういびつだ。砂糖醤油の少し薄めたのに片栗粉でとろみをつけて、皿に盛った団子にかけたりする。串にはささない。お盆にはお供えして、送るときに持っていき置いてくる。
(写真=お盆の馬、ぼたもち、団子1)
- 2)所沢のだんごは旨い、と飯能生まれの母は言っていたことがある。この団子は串刺しの普通の団子で、醤油味のもの。うちではクニャクニャした柔らかいものより、歯ごたえのあるほうが好まれる。所沢に限らず街道筋には目立たない小さい団子屋があって、おばさんがやっている。
(参考サイト=ごちそう埼玉:所沢市)
- ぢごな
- (→じごな)
- てんぷら
- このへんでてんぷらにするものは、いんげん、なす、かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、ねぎとさくらえび、小女子、にんじん、ごぼう、みょうが、たまねぎ、など。ネギにさくらえびが混ざるのと小女子が例外で、これでもかというほど野菜ばかり。うどんなどに添えて出す。いわゆる海老天や魚のてんぷらはない。
な行
- 肉汁うどん
- 豚肉の小間切れが入ったうどん汁を特に「肉汁」といって喜ぶ。この場合つゆは甘めなので、みりんか何かをいれるのかもしれない。ねぎや細く切った油揚をいれることもある。これもかけではなくて、つけ汁である。
- ねぎぬた
- 太くて柔らかいねぎを適当に切って、軽く茹でてぬたにする。白いところはぬるっとして甘く、青いところはギュッとした歯ごたえがあるのがいい。蒸してもいいらしい。埼玉のねぎといえば深谷ねぎが有名。深谷は東京へ出荷するときの集積地で、実際の産地はもっと範囲が広かったんだそうだ。
- のらぼう
- アブラナ科の菜っ葉で、埼玉や多摩周辺の野菜。葉も茎も柔らかくてくせが無い。自家用としては、畑のすみなどに立たせておいて、要る分の葉っぱだけぽきぽき折って収穫できるらしい。味噌汁やおひたしにする。
(参考サイト=野口のタネ のらぼう)
は行
- ひもかわ
- 山梨のほうとう、群馬のおっ切り込みなどと同じような、幅広の麺を使った野菜たっぷりの煮込みうどん。呼び名はいろいろあるようだけれど、うちではひもかわと言う。何を入れてもいいけれど、具の種類をなるべく多くして始めに炒める。入れる野菜は、菜っ葉、根菜、芋類、ねぎ、きのこ、油揚、豚か鳥肉などで、とくに決まりはない。とくにダシはとらなくても、きのこや肉を入れればおいしい。味付けは醤油。鍋いっぱいに作るから翌日にも残って、味噌汁代わりにたべる。麺はどろどろにとけている。おなじような材料ですいとんもつくる。
- ひやしる
- 無知ゆえに宮崎のひとは他所には無いものだと思って自慢をし、無知ゆえに埼玉の人はどこにでもあると思っている、全国のところどころにとびとびにある料理。とにかく宮崎の人が「他所に無い」と言ったりするのは許せない。うちでやるのは、すり鉢で多めのごまをすり、青じそもすり、味噌もすり、砂糖を入れ、水で溶いて、近所でもらうキュウリの薄切りをどっさりいれ、氷も入れる。他にも薬味をいれてもいい。にぼしもすってダシにするというやり方もあるが、個人的には無いほうがスッキリして好き。その汁を細いうどんや冷麦のつけ汁にする。真夏の暑いときにも信じられないほどたくさん食べられるし、栄養もある。
- 蕗
- 1)そのへんに生えてくる細いふきは、醤油で真っ黒く煮てきゃらぶきにする。砂糖も少し入るかもしれない。保存が利く。
- 2)きゃらぶきじゃない太い蕗は小女子と煮る。
- 3)ふきのとうは醤油で煮びたしにしたり、てんぷらにしたり、酢味噌和えにもする。煮たのがいちばん苦い。
(写真=蕗と小女子の煮たの)
- ぶんず
- さやえんどうのこと。よく近所からたくさんもらう。味噌汁に入れたり、じゃがいもと煮たりする。
- ぼたもち
- おはぎと区別していない。直径6から7センチ程の球形につくる。粒あん、黄な粉と砂糖、ときにはごまと砂糖のも作る。中に餡は入れない。できあがったら仏壇にもあげる。たくさん作ってぼたもちばかりの食事にする。時期には和菓子屋でぼたもち用にあんこを売っている。
(写真→「だんご」の項を参照)
ま行
- 祭りの食事
- 1)地元の神社のお祭りには、お祭りの日の料理を作る。うちでもよそでも、神社でもほぼ同じなので、これをお祭りの食事と言っていいと思う。にんじん、ごぼう、こんにゃく、厚揚げ、里芋、ちくわ、いか、このぐらいの物を、少し甘味も利かせたりして醤油で煮たもの。それと赤飯。昔はこれがご馳走だったんだろうと思う。それらを折に詰めて、商売上つきあいのある親しい家に持っていったりもする。また相手のほうが祭の日には、やはり同様のものをこちらに持ってくる。
(写真=うちで作った煮物と栗入り赤飯,近所でもらった煮物)

- 2)獅子舞の練習期間は毎日、終了後に酒と、つまみとして木綿豆腐が一人あたり半丁出る。半丁に切っただけのかたまりで、上面に箸で穴を開けて醤油を溜めて、崩しながらつけてたべることが多い。獅子舞の稽古は子供も来るが、子供は豆腐のおいしさなどよくわからないので、菓子パンとジュースをもらう。昔は稽古期間には粥が出たらしい。粥は氏子が出し合った米でつくり、ふだんは麦飯ばかりだったので、子供もよろこんで食べたそうだ。
- 3)祭当日は、昼食には1)の煮物と、ネギの味噌汁。獅子舞の合間にはおむすび(しょうゆ飯とごま塩)。打ち上げには煮物とおむすびの残りと豆腐が勢揃いする。獅子舞の奉納をしている最中の直会(なおらい)にも料理が出るけれど、それには参加したことが無いからわからない。
(写真=祭当日の豆腐,煮物)

- (参考サイト=野々宮神社の獅子舞)
- まむし
- 私が小さい頃、父がどこかでもらってきたのか、まむしを蒲焼きのようにしていて、すこしもらって食べておいしいと思った記憶がある。父は手製のまむし酒もたまに飲んでいた。焼酎の瓶にまむしが入っている物。まむしは川の近くなどでたまに見る。
- まんじゅう
- 1)近所のお年寄りはよくまんじゅうを作ってきてくれる。農協などでも地元のおばさんが作ったまんじゅうを売っている。炭酸まんじゅうといって、重曹で皮を膨らませるらしい。まんじゅうをもらったらまず仏壇にあげて、それから気が向いたら食べる。
- 2)菓子屋のまんじゅうでは酒まんじゅうが人気。味噌付けまんじゅうもある。(→味噌付けまんじゅう →ゆでまんじゅう)
- 味噌
- 味噌作りセットなるものがうちにきて、そのまま放っておいたら麹に虫がついた。大豆は大丈夫だったので、麹をAコープで買って仕込んだ。味は二通り。意外と微妙な配合の違いで変わるらしい。Aコープのおばさんも味噌は自分で作るといっていた。
- 味噌付けまんじゅう
- 飯能市にこの看板を出している店が数件あって、飯能名物と書いてある。日高の和菓子屋でも売っている。餡の入った平たい白いまんじゅうを二個竹串に刺して、火であぶり、甘い味噌を全体につける。竹串に刺したままたべるか、抜いて食べるかはその人の勝手。中も外も甘いけれど、味噌がきいていて旨いから二個はぺろりとたべてしまう。熱いほうがより旨い。味噌がたっぷりついているから、指にもついてべたべたするので、指もなめなくてはいけない。子供の時、群馬の味噌付け饅頭を食べたことがあるが、饅頭が小さくて、餡が入ってなかったのでがっかりした。
- みたび
- さやいんげんのこと。父が言うには「三度できるからだんべ」と。収穫期間が長いということらしい。
- もちぐさ
- よもぎの別名で、うちではもっぱらもちぐさと言う。草餅を作るので採るのが楽しみだが、このごろは犬が散歩にこないところを探すのが面倒になってきた。
や行
- 山鳥
- 山鳥はおいしい、と母が言っていた。キジの仲間だからおいしいだろうと思う。
- 柚子
- 庭に柚子の木がある家は少なくない。毛呂や越生あたりは柚子をたくさん作っている。柚子は時期になればどこかからもらう。どうかするとスーパーのレジ袋にどっさり、二袋ももらったこともある。
近所のお爺さんから、「今日はえびす講だから柚子もってきたぁ」と言われて、もらった事もある。「融通がきくっつうだかんな」と言っていた。
- 柚子の砂糖漬け
- 黄色くなった柚子をざくざく輪切りにして砂糖をかけて漬けたもの。和製簡易マーマレードといったところか。すーとしておいしい。これをつまみに酒を飲む人もいる。
- 柚子巻
- 大根の薄い輪切りをすこし干して、黄色い柚子の皮を細く切ったのを三本くらい入れて巻いて、針と糸を使って止めて干して、酢と砂糖と水の漬け汁に漬ける。甘酢っぱい冬の食べ物。コリコリしている。
- ゆでまんじゅう
- 母が一度作って、うちにきていた叔父に出したところ、「なつかしいなぁ」といいながら食べていた。皮にふくらし粉が入らず、茹でるだけ。もちもちした歯ごたえがあり、ほぼ一口サイズで旨い。自分も作ってみたが、ゆでているうちに皮が破れたりしてうまくいかなかった。
らわ行
不許複製
筆者 のぐちたかゆき 埼玉県日高市に育つ。父は越生、母は飯能、母の両親は岩槻出身。