作ってナンボのスピリット パート2

テツ流 
自作マフラー製作のススメ



>>> index <<<


【1】基礎編 名称など
【2】ウンチク編 排気脈動とは
【3】マフラーの基本構造編 適正パイプ径って?
【4】排気脈動活用編 特殊機構など
【5】サイレンサー編
【6】自作マフラーの履歴(笑) 



【2】 うんちく編 
排気 "正圧"と"負圧"


(排気正圧・負圧の話は、古いバイカーズステーションの話を始まりに、NSR500のメカニズムの解説書、先輩の教え、チャンバーの設計の話をもとに、自己経験をアレンジしたものです)

燃焼室から見て、排気の正圧と負圧が燃焼を促進させるのは先述した通りです。でも、そのまえに誤解を解いておきしょう。散々「圧」と書いてますが、私は最初、排気ガスそのものと考えてましたが、これは間違いでした。むしろ、「音」といったほうがいいかもしれません。気体である排気ガスは、回転数が上がるほどにそのスピードを増して、音速を限界とします。ですが、圧力は、音速だそうです。音速でなければ、1分間に7000とか10000回転以上も回るエンジンに対して、マフラーの中を行って戻ってくるなんて芸当はできないでしょう。

さて、本題に戻ります。

そんでは、どういったことが正圧と負圧を発生させるか? を、考えてみます。

【負圧】



シリンダーから出た排気ガスと同時に、圧力も排出されます。一定の太さのパイプならば、そのまま流れていきます(厳密には反響し続けてますが)が、その太さが変わるとき、変化を起こします。狭いところから広いところへ開放されたとき正方向へは、圧力は分散されて、圧力が下がります。それと同時に、逆方向へはというと、圧力が下がった分だけの負圧(マイナス圧力)が発生します。

発生した負圧は、流れてきたのとは逆方向(エンジン側)へ、負圧として流れていきます。

【正圧】

逆に、正圧です。



負圧の話は「ほんとかよ?」とお思いと思いますが、正圧は理解しやすいと思います。

今度は、一定のパイプの中を通ってきた圧力が、より狭くなるパイプに突き当たった場合です。もちろん、そのまま流れることは出来なくなるので、ガツンと圧力が上昇します。そうすると、逃げられない圧力の一部が反響・反転して、逆方向へ流れるのです。先ほど、圧力はガスとは違うと書きましたが、ここで排気ガスが逆流しちゃったら問題ですよね(^^;)。そんなわけないのですが。

負圧・正圧はこんな風に考えてください。

イメージとしては、一本のロープに、沢山の人がつかまって(綱引きみたいですね)いるとします。彼らは一定の速度で歩いています。さて、ここでの人達を排気ガスと仮定します。

まず、一番最初の人が前のめりに倒れたとします(圧力低下)。すると、みんなロープで繋がってますから、次の人も引っ張られて前のめりになって、そしてまた次の人も前のめり。どんどん連鎖的に前のめりに倒れてしまいます。結果として、最後尾(シリンダーの中の燃えカスのガス)までもが前のめりに倒れてしまいます。これが負圧です。

逆はもっと簡単です。何かにぶつかって進めなくなって(圧力上昇)、一番前の人が後ろ向きに倒れたとしますと、簡単ですよね。次々と、後ろ向きに倒れてしまいます。最終的に最後尾(シリンダーから出ちゃった新気&抜けすぎたガス)が後ろ向きに倒れる(シリンダーに押し戻される)わけです。これが、正圧です。

排気ガスがとてつもないスピードで動くのではなくて、排気ガス全体が、ちょっと進んだり留まったりするわけです。でも、それがとても大切。

こういった排気による圧力の動きを、 排気脈動(はいきみゃくどう)と、いいます。

これは、4ストよりも2ストのチャンバーで語られることが圧倒的に多いです。ためしに、「排気脈動」で検索してみてください。 ココよりも、もっと解りやすい解説が山ほど出てきます(笑)

実際、この排気脈動が理解できれば、2ストのチャンバーの形状を見るだけで、おおむねの性能が理解できます。そして、4ストのマフラーについてもしかり。あとは、排気脈動を、マフラーのドコで発生させるかでエンジン性能を左右します。それもまた、後で書いていきます(長いな〜・・・)。

うんちく編2
排気脈動 ・・・ パイプ長のエンジン回転数の関係


マニアックな題名になってきましたね ・・・ (´・ω・`;) マァイイヤ

今度は、排気脈動と、エンジン回転数の関係です。これは、結論から言っちゃいましょう。

短い ⇒ 高回転型!
長い ⇒ 低回転型!!

これは割りと簡単です。排気脈動のうち、正圧も負圧も、発生地点からエンジン側に向かって伝わっていくわけですが、その速度は常に等速(音速)ですので、パイプが長いほうが到達に時間がかかり、短いほうがすぐに到達します。一方で、バルブの開閉(2ストならピストンの上下)は、回転数とカムプロフィールにより変化します。低回転の時は、開いて閉じるまでの時間は長いですが、高回転になればなるほど、開いている時間は短くなります。・・・もう、お解かりでしょう。

排気脈動を利用するためには、そのタイミングが一致しなければならないので、低回転なら脈動はゆっくり遅め。高回転ならば、脈動はすぐに作用して欲しいわけです。

・・・でも、それだけか? ナンか、簡単すぎねぇか?? そこで問題をひとつ。

↓ ならば、こういうマフラーは高回転型で、メッチャ速いのでしょうか?? ↓



答えは、 スカスカマフラー です!!

実は、ワタシが加工したマフラーの初代だったと思います(^^;)。場所がなくて短くしたら ・・・ もう、スッカスカ。高回転まで回るのは確かですが、そこまでの回転数が全然パワー出なかったので、本命の高回転まで回すのが難しいと言う体たらく!! 完璧な失敗作だったわけですが、逆にマフラーが変わるだけでパワーフィールの激変振りに驚いたものです(ここからハマったって噂もちらほらと・・・)。

教訓:マフラーはバランスである。

マフラーは、高回転だけでも低回転だけでも駄目なんですね。中回転もあるわけで、とにかくバランスがモノをいいます。ですので、限られた制限の中で、どこまで性能を突き詰めるか?? 更に欲を言うと、本当に 「自分好みのフィーリングを手に入れるか??」 これが究極の野望でもあります。みんな同じなワケ、ないんですから・・・。

お次の章では、実際にマフラーの形状・機構に入って行きましょう!!

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