作ってナンボのスピリット パート2

テツ流 
自作マフラー製作のススメ



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【1】基礎編 名称など
【2】ウンチク編 排気脈動とは
【3】マフラーの基本構造編 適正パイプ径って?
【4】排気脈動活用編 特殊機構など
【5】サイレンサー編
【6】自作マフラーの履歴(笑) 



【3】 実際のマフラーに見る 排気脈動利用の構造
基本編


マフラーの基本構成を考えて見ます。



エキパイ ・・・ ストレート VS テーパー

まず、エキパイについてです。市販されているいわゆるフツーなマフラーですと、エキパイはストレート構造です。一方で、レーサーのエキパイや、リッタークラスのスーパースポーツの高性能マフラ、そして、一部のミニバイク用のレーシングマフラーに関しては、テーパー(太さが変化)構造が主流となります。

となれば、パワーを追求するならばエキパイはテーパーのほうがいいのでしょうか?

ここからはワタシ自身の経験と、仮説で考えますが ・・・ 多分、パワーだけを考えるならそれ程変わりはないと思われます。その根拠は、あとで書く「チャンバー効果」「サンパー理論」と、「絞りの役割」がモトとなりますが、ノーマルより太いエキパイを使うことによって、それなりのパワーが出せる一方で、わりとゴマカシがきく筈なのですよ。それに、よっぽど敏感でなければ、そのフィーリングは気付かないと思われます。ただし、エキパイの太さの選択と、絞りやテールパイプ、サイレンサーのバランスがモノを言うとは思います。

ならば、テーパーエキパイのメリットはなんでしょうか?

やっぱり、答えは「パワー」だと思います。ただし、ココで言う「パワー」は、どの回転域でどんなフィーリングを引き出すか? という、パワーデザインの話です。レーサーは徹底的にパワーを追求するわけですから、カムやキャブレター(インジェクション)、サイレンサーと同様に、パワーフィールもチューニングの範疇なのは当たり前でしょう。実際、レーサーのマフラー開発を間近で見ると、鬼気迫るものがあります。何度もエキパイを切り刻んで、何度も長さを微妙に変化させて、何度も何度もシャーシダイナモ、エンジンダイナモ、そして実走テスト、そして実戦データを蓄積して、また改良を繰り返します。最終的に完成するマフラーは、もう切った貼ったしすぎて、つぎはぎだらけなのはザラでした。それでも、開発は終わらないそうです。

まぁ、そんな雲の上の話は忘れても構いませんが ・・・ ここでのコンセプトは、あくまでも「自分だけの 自作マフラー」。是が非でも、テーパーマフラーを選択していただきたいと思います(^^)。適正パイプ径やら、テーパーの掛け方などは、ノウハウが無ければ全くワケの解らない世界ですが ・・・ 迷ったら、アレです、模倣です(笑) 気に入ったマフラーの太さを測って、それを自分なりにアレンジすれば、それでいいのです。もちろん、ワタシも似たようなもんです。

てか、ゼロから開発できれば、迷わずマフラーメーカーを立ち上げてくださいませ(;´Д`)ノ。

エキパイの形状と、パワーに与える影響

負圧・正圧と、回転数の関係のところでも書きましたが、排気ポートからの距離が短いほど高回転、長いほど低回転の領域に影響を及ぼします。言い換えると、 口金から始まって、高回転域 〜 中回転域 に影響するともいえます。これらは、内径と、その長さによりますので、全長が長いエキパイなら、そのまま低回転への影響もあるでしょう。排気量と、レブリミット(レッドゾーン)回転数によって、その長さは変わってくると思います。

ここで、負圧・正圧の排気脈動を思い出してください。広くなると引き込み、狭くなると押し戻しが発生すると書きましたが、4サイクルの場合、ほとんどが引き込みがメインとなります。で、その引き込みの排気負圧は、パイプが太くなると発生するのですが、いきなり太くなれば思いっきり負圧が発生するのか? ってほど、簡単には行きません。また、適当に太くしていってしまうと、カムとのバランスも崩れてしまって、ちぐはぐなフィーリングになってしまいます。できるならば、パワーバンドに乗るのに合わせて、ギュイーンと回転も伸びていってほしいところ。

「太くなる」といっても、ほんのちょっとずつ太くなる「3次元テーパー」と、数段階に分かれて太くする「テーパー」があります。理想はもちろん、三次元テーパーです。

ここで、ワタシが気に入っているエキパイを紹介します。



エイプ100用、BRD製 3次元テーパーマフラーです。

ガレージセールで、¥500で転がっていたのですが、パッと見で手の込んだマフラーと直感。調べてみると、BRD製であることが判明したのです。エイプのエンジンはもう手元にないのですが、マフラーはナゼか残ってます(^^;)。 口金の内径は、およそφ22ミリ。そこから、無段階に広がっていって、サイレンサーの差込口でφ45ミリほどになります。ここまでが真円のままスムースに広がる構造なんて、流石はチャンバーメーカー。見事なものです。

エンジンの排気ポートから排出されたガスは、口金部分からサイレンサー入り口まで、常に負圧を発生し続けます。広くなりすぎず、また狭くも無く。多分、排気ガスの勢いが無くなっても、スムースに流れるように設計されているのでしょう。実際にこれを付けて走ったことはないですが、色々インプレを調べる限り、「素晴らしい吹け上がり」とか、「幾らでもエンジンが回る」などといった感想が多いようです。欠点といえば、値段が高い(5万くらいしたと思います)ことと、自作はほぼ不可能といったところでしょう(^^;)。これはいつか、再びエイプエンジンを手に入れて試したいと思います。

ついでに、もうひとつ。



今現在(2007年)、一番新しい自作エキパイです。カブ(エンジンはCD90)用に作ったものですので、想定排気量はせいぜい105cc、ヘッドはライトチューンなものとなってます。

思いっきり好みが出るところですが、あえて高回転型にはしていないのがお判りになると思います。口金から出るパイプは、2cmくらいはφ20(内径はφ18くらい)、そこから、5cmくらいがφ25、その先がφ32、φ35、φ42.7〜サイレンサーとなってます。一般的なカブ&モンキーマフラーはφ35のストレートが主流なのを考えると、随分細い印象ですよね。実際、「細すぎネェ??」とか、言われもしました。でも、よく走ります。低回転から中回転を残して、パワーバンドの入り口を「ギュイーン」と行ってもらう、モロ自分好みの設定です。100%計算どおりとは行きませんが、おおむね80%は好みのフィーリングにできてきています。最高速は劣るでしょうが、コーナーの立ち上がりは気持ちいいですよ♪

エキパイ&テールの本題
適正な太さってどうなのよ?


スタートには鉄則があります。

まずは排気ポート径ありき

口金内径(エキパイの一番始まり)は、排気ポート内径と一緒にしてください。これは鉄則です。ヨシムラも、モリワキも、テルミニョーニも、アクラボビッチも、ホンダもヤマハもドゥカティーも、きちんと作ったマフラー(レーサー)はみんな一緒です。絶対条件だとお思いください。狭くなるのは論外、広すぎて段差になるのも駄目。超高回転域に直結する上に、全回転域への影響も大きいです。要は、一番勢いのある排気をスムースにマフラー内に通すためです。ここで詰まったり、段差を作って乱流を作っていては、他の努力が水の泡となります。逆に言うと、ここを段差に作っているメーカーのマフラーは、買わないのが無難です。もっとも、多少の段差はしょうがないかもしれませんが。

第一テーパー

エキパイからすぐの3〜10cm領域は、高回転域の主役です。高性能を謳っているマフラーは、大概ここをテーパーにしているはずです。プレスで広げたパイプもあれば、最中構造で合わせたものもあります。また、真円ではなくて、あえて三角オムスビ型にしているメーカーもあります。大概は、この第一テーパーを経て、そのまま集合部またはテールパイプへと繋がっていきます。

エキパイの、適正パイプ径は??

ある種、一番の関心どころではないかと思いますが ・・・ エキパイの太さについてです。これは、テーパーならメインに使うパイプ。ストレートなら、そのままそのパイプ径と思ってもらって構いません。パッと思い出せる範囲で書きますと ・・・ モンキーがφ35、カタナ250がφ32、400ccクラスは大体φ35、SR400/500がφ42.7。TL1000Rがφ50.8、ZZ-R1100やXJR1200がφ38でした。

単気筒はそのままでいいのですが、4気筒は4分の1の排気量で考えてみてください。カタナ250は高回転型のエンジンですが、それでも62.5ccに対してφ32です。TDMなどは、二本出しですが、425ccあたり、φ38です。

そんな時参考にしたいのが、本気で開発されたマフラーですが、当時の最新鋭だったGSX-R600。軽く12500rpm回る高回転型ですが、150ccあたり、φ32→φ35のテーパーでした。同じく、YZF-R1。250ccあたり、φ35→φ38のテーパーです。この二機種は高回転型ですので、普通のエンジンで考えるならば、もう少しサイズダウンしたあたりが丁度いいのだと予測できます。つまり、ほとんどの機種が太すぎると判断できるのです。

こぼれ話 ・・・ モンキーはφ32でもイイ??

モンキーのマフラーを開発した先輩が居ました。この先輩に色々教えてもらった(教えてはくれませんでしたが・・・)わけですが、こんな質問をしたことがあります。「なんで、モンキーはφ35なんですか? 太すぎませんか??」と聞いたところ、「124cc + φ24キャブ仕様で、φ32とφ35でテストしたんだけど、パワーが変わんなかったから、φ35にした。太いほうがカッコいいだろ? 」とのことでした(;´Д`)ノ  てことで、後日、ワタシ自身がφ32仕様を密かに作ってみたのですが、ウン。確かに、フィーリングは全く一緒でした。GAGエンジンだったのですが、79cc + ST1カム + ポート加工ヘッドくらいでは、どっちみち太かったようです。相性の良いサイレンサーを組んでいれば、φ35はフルチューンに丁度いいのでしょう。ですが、それ以下のチューニング(ましてや50ccやノーマルヘッドの80cc)にとっては、おそらくφ32でも太すぎるはずです。モンキーのマフラーといえばφ35くらいが多いですが、これらの話をちょっと頭に入れておけばいいかもしれません。

おそらく、ゼファー1100クラスでも、適正パイプ径はφ35くらいです。φ38はスーパースポーツ用、φ42.7はまんまレーサーでしょう。意外と、細いモンです。ですので、純正マフラーの内径(注:二重パイプになっていることがあるので、あくまで内径)を計った上で、それよりプラスアルファで作るのが一番かと思います。

そういえば、SRX600用に作ったチタンマフラー(ステンレス設計を流用)は、綺麗に焼けていました。単気筒の7500rpmエンジン、300ccあたりφ35でしたが、焼け色から判断すれば適性だったのでしょう。逆に、太すぎるチタンマフラーを買っても、焼け色はつきません。ご注意を(^^;)

そんじゃ、テールパイプはどうよ??

これはシンプルです(^^;)。大体、ミニバイクはφ42.7、それ以上はφ54でした。でも多分、全部太いです。なぜかというと、レーサーのテールパイプは、1000ccクラスでもφ50.8でした。とはいえあくまで随分前の話(2000年頃)なので、今はどうなっているかは判りませんが・・・。

ゴマカシ? ツジツマ合わせ?
排圧コントロールの名手・「絞り」の役目


コイツが 「絞り」 です!!



要は、パイプを広げたorすぼめたものを、内部に仕込んで排気をコントロールするものです。

もちろん外から見ても解らないモノですが、意外と多く仕込まれていたりします。たとえば、勤めていたメーカーならば・・・

・SRエキパイ φ42.7 → 内部に、絞りφ38
・カタナ250 集合部 → 集合部直後に絞り
・Z400FX エキパイ φ35 → エキパイエンド部に絞り


など等。

排気の流れの先に絞りがあると、まるで川の流れる先にダムがあるかの如く。全体の流速をも変えてしまう力があります。ですので、エンジンに対して、マフラーの抜けが良すぎるときなど、絞りを仕込むと、それだけでエキパイを一回り細くしたような効果があるわけです。ですので、排気圧がうまくかからないけど、エキパイを細くしたくないときなどに、絞りが使われるわけです。安直に考えると、ピークパワーが落ちそうなイメージもありますが、うまく絞りを活用すると全体のトルクが上がるので、かえってパワーは抑えられても最高速があがることがあります。絞りすぎると最高速も落ちますが、そうすると、低〜中回転が増強されたりで。それはそれで乗りやすかったりするから面白いものです。

要は、ゴマカシ・ツジツマ合わせの達人ですw

私は、最終的な調整や、セッティング要素として、よくこの絞りを使います。ちょちょっとくっつけて、フィーリングが変わるのでなんとも面白いのですよ。余談ですが、エキパイにつけるのか、テールパイプに付けるのかで、また性能が変わります。これについてはまた後述します。

また、絞りには他にも重要な仕事があります。それについては、またサイレンサーのところで ・・・

→ 排気脈動活用編  へ、GO!




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