作ってナンボのスピリット パート2

テツ流 
自作マフラー製作のススメ



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【1】基礎編 名称など
【2】ウンチク編 排気脈動とは
【3】マフラーの基本構造編 適正パイプ径って?
【4】排気脈動活用編 特殊機構など
【5】サイレンサー編
【6】自作マフラーの履歴(笑) 



サイレンサーを自作することは難しいです。加工機械が必要にもなってきますので完全自作はすることはないと思いますが、ちょっと手を加えたりは出来るはずです。その、ちょっとした加工で性格や音質を変えることができるので、もし持っているサイレンサーがちょっとだけ気に入らなかったとしても ・・・ まだ手があるってことです!

【5】 好みの音を ・・・
サイレンサー編


ご存知の方のほうが圧倒的に多いと思いますが ・・・ サイレンサーの種類と、その特性についてちょっと触れておきます。

多段膨張式サイレンサー



複数の部屋(膨張室)を通路で繋いだ構造です。入ってきた排気は、広がったと思ったら壁にぶち当たって方向転換して、細いパイプを抜けたと思ったら、また広がって壁にぶち当たって ・・・ と、結構な迷路をさまようこととなります。排気音の正体は、熱と圧力ですから、これだけの迷路を抜けてきたら、さすがに勢いも消えるというモノ。

いわゆるノーマルサイレンサーのほとんどがこれに当たります。また、社外品でもずっと前の車検対応マフラーの中には、わざわざ多段膨張式を採用していたメーカーもあったようですが・・・。メリットとして、 

・高い消音性能 
・経年劣化に強い 
・基本的にメンテナンスフリー

  と言う点が上げられる一方で、デメリットはというと ・・・

・重い
・ストレート構造よりは性能が劣る


てなトコロですかね。

個人的には、最近はこの多段膨張式に興味があります。なにしろ消音能力が極めて高いことも重要なのですが、求める性能を引き出すには、この構造がてっとり早かったりしたりして。しっかりと排気抵抗を掛けられるので、トルクも出やすいですしね(^^;)。どうしても高回転のピークパワーも抑えられてしまうのですが、そこは、キャパを引き上げることで対処します。つまり、85ccなら、100ccバイクのサイレンサーを使ったり、125ccなら、200ccのサイレンサーを使ったり(笑)


ストレート構造サイレンサー



多段膨張式とは違って、ストレートに通れます。ですが、そのまま通れるかというとそうは問屋が卸しません。先ほども書きましたが、排気音の正体は熱と圧力です。高圧の排気は少しでも広がろうとする傾向があるので、パンチングメタルにあく無数の穴に、次々と入っていってしまいます。そして、その先にあるのが吸音材であるグラスウール。いわばテトラポットのようなもので、いかなる波(圧力)も、あっさりと減速せざるをえません。そんな無数の落とし穴を通過すれば、さすがの排気もヘロヘロになることでしょう。サイレンサーが長ければ長いほど効果が大きくなります。

アフターマーケットのサイレンサーのほとんどがこれに当たります。基本構造は、パンチングメタル(穴あき板)を丸めた、パンチングパイプの廻りに、グラスウール(消音材)をまいて、それをアルミやカーボンのカバーで覆ったものです。かなりシンプルな作りのサイレンサーですね。メリットは ・・・

・軽い
・高回転型にしやすい(ピークパワーを出しやすい)

逆にデメリットは ・・・

・経年劣化が激しい(音がデカくなる)
・定期的なメンテナンス もしくは交換が必要
・チャチなサイレンサーが出回っている
・音量が大きい傾向がある

お手軽なサイレンサーでもあるのですが、意外にも面倒な点も多いものです。デメリットに「チャチな」と書きましたが、本当にチャチいものを買ったら後が悲惨です。最悪なのが、中のパンチングが鉄だった場合。間違いなく錆びで、しかも薄いときたら、中のグラスウールを撒き散らす結果となります。あえてドコのメーカーとは言いませんが、アレは本当に止めていただきたい(;´Д`)ノ

また、パンチングパイプの内径が重要ですが、パンチング自体の穴の大きさや、配列、個数などでも消音能力は変わってきます。もちろん、グラスウールの質も重要です。単純な構造である一方で、その作りのノウハウは単純ではないのです。

高性能ストレートってのもある

基本構造はストレートサイレンサーなのですが、それの高度なバージョンもあります。例として、ヨシムラDSCサイレンサーの内部構造を挙げてみます。



まず、パンチングパイプが二重構造となっていて、さらに隔壁で3つくらいに分けられています。これは、メインのパイプから効率よく排気を抜く一方で、グラスウールに吸収しきれない圧力を反転させて、新しく入ってきた排気とぶつけて消音する、「干渉消音」をやってのけている模様。また、消音材も、ステンレスウールとグラスウール(整形材)の二重構造で、消音効果の向上と、耐久性を上げているようです。隔壁の間隔を換える事で音質を変える事ができるそうですが、そこらへんもノウハウなのでしょう。

高いマフラーメーカーのサイレンサーは、大体凝った作りをしています。これらは、パワーを求めると言うよりも、そのほとんどが「経年劣化」の抑制といったところのようです。音量規制をクリアするためには、新品時の排気音は当然ながら、カーボンが詰まった状態を想定した 水没実験 をクリアしないとJMCAの認定はとれません。また、近年は音量のみならず、排ガス規制をクリアせねばならず、その開発はさらにシビアになっていることでしょう ・・・。

少数の先輩方と、多数の後輩達の検討を祈る (;´Д`)ノ

音質をコントロールせよ!!
サイレンサーは低音は消せない???


とある時、先輩が言いました。

「 おめぇ、サイレンサーでよぉ、低音と高音、ドッチが消せると思う?」

え、両方消えないんですか? と聞き返してみると、

「 馬鹿。高音は消せるけど、低音は消えネェよ 」

極端な話だったと思います。もちろん、低音も消せるでしょう。でも、高音は簡単に消せても、低音はなかなかに手こずる厄介者だ、ってことだったのでしょうね。実際に、マフラーを作ってみるときに、その先輩の言うとおりだったと実感したものです。実際、ストレート構造のマフラーを使うと、なかなか低音が消えません。まして、テーパーをかけてしまうと、ラッパと同じで低音が増強されているので、なおさらなのですよ。

そんなわけで、ささやかなノウハウをひとつ。

バッフル 絞り
サイレンサーの後か先か???


結論から言いますと、

絞れば、低音は消えます。

多段膨張式サイレンサーは、この点で最強なのは言うまでもありません。でも、かといって、低音を無くしてしまってもつまらないでしょう。ここでの課題は、低音を「コントロール」することにあります。

音を消すといえば、アフターマーケットのサイレンサーでは定番になっております バッフル があります。バッフルといえば、ほとんどがサイレンサーの出口に取り付けるものですが、装着した時と非装着の時の音質の違いを聞いたことがある方にはわかるでしょうが ・・・ 音が抑えられるというよりは、低音だけが押さえつけられているような ・・・ もちっと言うと、すかしっ屁 のような ・・・ パスパス音になります。ビスビス音でもブスブス音でもいいですが。

バッフルは、要は「絞り」です。楽器をイメージしてもらえれば解りますが、管が広がれば低音が強くなり、狭くなれば高音が強くなります。

ここで、先輩の話を思い出して欲しいのですが、サイレンサーは高音を簡単に消すと言っていました。

つまり、 問題は、絞り(バッフル)と、サイレンサーの位置関係 なのです。

製品設計として、ノウハウを蓄積したわけではないのでエラソーなことは言えないのですが ・・・ 自作マフラーを作るうえで、切った張ったの試作実験をやった際に、その差に驚いたことが多々あります。

絞りで、低音を絞ってから、サイレンサーで高音を消音すべし!!!!

ついでに言うと、サイレンサー出口で、最終的にバッフルで調整すれば完璧ですね ♪

最悪なのが、チャチいサイレンサーでろくすっぽ消音しなくて、そのあとのバッフルで無理クリ押さえ込んで「車検対応」なマフラー・・・。ドコとは言いませんが、多いです (´・ω・`;)。

ちなみに、サイレンサー手前で絞ると、性能が落ちる!!! と思われがちですが、大体テールパイプは太めに設計されているのは先述の通り。多少絞ったところで、むしろ中回転が太るくらいで、大した影響はないと思います。可能であれば、何通りか試して、好みのパワーフィールを探してみてください!!

おまけ ケーススタディー
SRX600 サイレンサーでの性能差


SRXにヨシムラサンパーを改造して使っていたのは前にも書きました。んで、そのサイレンサーですが、実は二種類所有していたのですよ。ひとつは、ストレート構造。そしてもうひとつは、古いタイプのサイレンサーで、中身の半分が反転式(多段膨張式)になっているという、凝ったものです。

つまり、ストレート構造と多段膨張式を、気分で使い分けていた、ということです。他の条件は全て一緒なので、二種類のサイレンサーの比較にはなるでしょう。そいでは、そのインプレを書いて、サイレンサーの章の締めをさせていただきます。

一番の違いは、エンジンの回転数に顕著に出ました。普通に引っ張ると、ノーマルではレッドゾーンまで回すのはなかなかにしんどいものです。では、サンパー + 反転式サイレンサーだとどうか?? 回転を上げていくと、難なくレッドゾーンギリギリまで回ります。それが、ストレート式のサイレンサーだと、レッドゾーン + 500rpmくらいまでストレスなく回り、あまつさえそこから更に回ろうとするのです。さすがに止めてましたが、キャブとカムを交換すると、もっと顕著に違うでしょう。とはいえ、トップスピードでいうとドレくらいかというと、ちょっと試すにも難しかったので・・・(^^;)。5km/hくらいでしょうか。

それでは、反転式サイレンサーはマッタク駄目かというと、さにあらず。むしろ、常用していたのは反転式のほう。

出足から、中回転のトルクが一回り、太いのです。ですから、トップスピードで負けたとしても、100km/hくらいまでの加速ならば、多分反転式のほうが勝っていたと思います。トルクの証拠として ・・・ 全開加速すると、ストレート式のほうはそのまま加速してきますが、反転式にすると、軽くフロントが浮きます。ほんの僅かなのですが、メリハリのある走りが好きな自分としては、反転式サイレンサーのほうが楽しめました。

好みは分かれると思いますが、自分がどのようなシチュエーションでパワーが欲しいか? まず、それを明確にしてからでないと、マフラー選びやサイレンサー選びはできないと思います。そして、自作するのであれば、なおさらのこと、選んでおく必要は有ると思います。もっとも、市販品であれば選択肢は厳しくなりますが、自作ならば選びたい放題!(゚∀゚) お好みでどうぞ!
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