| 2001年8月読了 | |||
| 8/31 | 点子ちゃんとアントン エーリヒ・ケストナー(岩波少年文庫) |
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| 8/27 | R.P.G 宮部みゆき(集英社文庫) | ||
| 8/25 | あやつられた学校 ジリアン・クロス(偕成社) | ||
| 8/23 | 南の島のティオ 池澤夏樹(文春文庫)★ | ||
| 8/20 | こんな映画が、 吉野朔実(PARCO出版) | ||
| 8/17 | 子どものことを子どもにきく 杉山亮(新潮OH!文庫)★ | ||
| 8/6 | 上と外 6.みんなの国 恩田陸(幻冬舎文庫) | ||
| 8/5 | ドミノ 恩田陸(角川書店)★ | ||
| 8月31日(金) 「点子ちゃんとアントン」 エーリヒ・ケストナー作 池田香代子訳(岩波少年文庫) 点子ちゃんは、裕福な家庭の一人娘。会社社長の父親はめっぽう忙しく、母親 は買い物だ、パーティだと出歩いてばかり。友達のアントンは、父を亡くし、 母親は病気で寝ている、貧しい身の上だ。そんな二人の友情物語…。 一見、突拍子もないことをしているようだけど、ものごとの本質を見透かす目を もっている点子ちゃん。 それに対して、点子ちゃんの母親は、全く娘をかえりみようとしないし、 アントンの母親は、一人で看病をし、料理をし、底をついてしまった生活費 のために、夜は靴ひもを売って稼いでいるアントンに対してだよー、 自分の誕生日を忘れたくらいで、もー、なんなのよー!の態度…。 アントンは、けなげだけど、私しゃ、ぐれちゃうぜ…。 …と、途中、憤慨しながらも、読み終わった後は、やっぱり晴れ晴れとした 気持ちになってしまう。 各章の終わりに挿入されている、「立ち止まって考えたこと」。 最初は、これは道徳の時間か??と思うほど、説教くさく感じてしまったのね。 だけどね、一番最後の「立ち止まって考えたこと−その16」で、ナチによる不穏 な足音が聞こえてきたであろうあの時代、本当になんとかしたい、子どもたちに なんとか伝えたいんだという気持ちが、真っ直ぐに伝わってきて、心打たれてし まった。 映画化されたようですね。地方に住む私は、ビデオ化されるのを待つばかり。 <映画「点子ちゃんとアントン」公式サイトは、こちらから> |
| 8月27日(月) 「R.P.G (ロール・プレーイング・ゲーム)」 宮部みゆき(集英社文庫) 宮部みゆきさん、初の文庫書き下ろし。 読み始めたら最後…。気になって離せなくなって、一気に読んじゃいました。 建設中の建て売り住宅の中で発生した、中年サラリーマンの刺殺事件。カラオ ケボックスでアルバイトをしている、女子大生の絞殺事件。二つの事件の関連 性を匂わす証拠が複数発見されるも、捜査は行き詰まりの様相を呈してい た。そんな中、被害者の所田良介が、ネット上に擬似家族を持っていたことが、 判明する…。 何をどう書いても、ネタバレしちゃいそうなのですが…。 誰が犯人か?というのは、だんだんとわかってきます。(わざとわからせるよう に書いているんだろうなと思った)でも、まさかこうくるとは予測できず、 うーん、まんまと宮部さんに、してやられた…って感じ。“えーっ、そんなの ありッ??”と思いながらも、きりりと光る佳作に仕上がっています。 今回は、「模倣犯」のデスク担当だった武上刑事と、「クロスファイア」の石津 ちか子刑事が謎に迫ります。石津刑事の「クロスファイア」後の、警察での処 遇…。武上刑事の娘の法子さんは、(きっと)あの篠崎刑事とつき合ってるの ね〜なんて、そんな小ネタも、ファンとしては嬉しいところでした。 (でも別に「クロスファイア」や「模倣犯」を読んでなくても、何の支障もあり ません〜) |
| 8月25日(土) 「あやつられた学校」 ジリアン・クロス・作 安藤紀子・訳 飯田貴子・絵(偕成社) あまりにも整然としすぎている生徒たち…。 里子としてハンター家にやってきたダイナは、転校第一日目にして思う。 「この学校、何かがおかしい…。」 黒ずくめの衣装に、黒めがね。紙のように白い顔に、緑色の目…。 この不気味な校長は、いったい何をたくらんでいるのか? 校長の手下のような生徒委員にいつも見張られながら、ダイナたちが、いかにし て彼に立ち向かっていこうとするのか…が読みどころ。 ひねた大人の目線で読んじゃったせいか、どこか笑っちゃうところも、なきにし もあらず…なんだけど、校長がやっていること、自分の意志で考えることのしな い生徒たちの姿に、時折、ゾッとさせられたりして。 これを、アニメか、映像にしたらぴったりはまるかも…と思っていたら、イギリ スではテレビ放送され、ミュージカルにもなっているとか。ミステリー仕立てで 最後までハラハラさせられるから、子どもたちに人気ありそうな感じ。 高学年くらいからどうぞ。 あとがきによると、“悪魔の校長シリーズ”と銘打ったこの本は、これまでイギ リスで出ている五冊の中の一作目なんだそう。なんと、この男(校長)は、一冊 ごとに職業を変えて登場するとか。その不滅ぶりが一番怖いぞ。いったいどんな 職業なのか、気になるなぁ。 |
| 8月23日(木) 「南の島のティオ」 池澤夏樹(文春文庫) 短い10篇の物語から成る連作短編集。 舞台は、珊瑚礁に囲まれた南の島。語り手は、小さなホテルの息子ティオ、 12歳。読後の印象はそれぞれ違うが、なんとも不思議で、気持ちのいい世界 が広がっている…。夏に読むのに、ぴったりの1冊だ。 まずは、一作目の「絵はがき屋さん」で、ギュッと心を掴まれた。そして、なん てったって、少年ティオがとてもいいのだ♪賢くて、何が大事かを既にわかって いる。クゥー、こういう少年に弱いんだなぁー。 そのティオの目を通して見る、島を訪れ去って行く人たちとの、出会いと別れ。 島の人たちの生活。理屈では語れない不思議な出来事…。 あの世とこの世をつなぐカマイ婆の存在感も大きいなぁ。 受け取った人が必ず訪ねてくるという、不思議な“絵はがき”じゃないけれど、 読後はきっとこの島に行ってみたくなるし、ティオに会いたくなるはず!! 第14回小学館文学賞受賞作品。 |
| 8月20日(月) 「こんな映画が、」 吉野朔実(PARCO出版) 吉野朔実さんのシネマガイド。 カラーイラスト付きだもんねー、なんと嬉しいことよッ! 雑誌「anan」などで連載されていたものを、まとめたものです。 それにしても、本にも、映画にも詳しくて、多才だなぁ。 紹介されているのは、1995年〜2000年公開分のおよそ100本ほど。 その中で、私が見たのは、 「太陽と月に背いて」「トレインスポッティング」「スリーパーズ」 「奇跡の海」「浮雲」「フィフス・エレメント」「ピアノ・レッスン」 「リバー・ランズ・スルー・イット」「ブラス!」「シーズ・ソー・ラヴリー」 「バッファロー’66」「運動靴と赤い金魚」「マトリックス」 「海の上のピアニスト」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」 「オール・アバウト・マイ・マザー」「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」 の、わずか17本。少なっ…。 そうそう!!これは良かったー、こっちの映画は私はいまいちだったなーとか、 おしゃべりするように楽しめました。 吉野さんのスタンスとしては、ポスターやテレビなどの露出度の高いものよりは 誰にも知られないまま終わってしまうなんて、もったいない!という作品を中心 に取り上げているようです。 故に…。どちらかというと、ハリウッドの大作ものより、単館系の映画の方が 好きと思っている私も、題名さえ初めて聞いたぁーというものや、地方では、 ビデオ屋さんでも捜すのに、ひと苦労しそうだな(笑)と思うものもあります。 (だからこそ、捜しがいはあるのかも!?) とにかく、この本を読んだ後には、思わず、ビデオ屋さんに走りたくなること、 請け合いです! 吉野さんが友達から言われたという、 「大当たりがあって、その後はずっとはずれ続ける。こっちのテンションも下 がってきて、もういいやって思うと大当たりに出会う。で、やめられないのよ ね。この繰り返しよ」この言葉、よく分かる〜〜! いや、映画だけじゃなくて、本にも通じるところがあるかもしれないけど。 (本の方が、当たりはずれの振り幅は小さいが…) ベトナム映画の「季節の中で」、中国映画の「あの子を探して」と「初恋のきた 道」は、絶対見なきゃと要チェック! |
| 8月17日(金) 「子どものことを子どもにきく」 杉山亮(新潮OH!文庫) 杉山亮さんは、おもちゃ作家であり、「こども講談」「もしかして名探偵」など の名探偵シリーズを書いている児童書作家。 これは彼が、年に1度、息子の隆君を喫茶店やレストランに誘い出して、テープ レコーダーを回し、インタビューをした記録である。(3歳から10歳まで) 小さい子の言葉って、ほんとにキラキラしてるよねー。それが、どんなに意表を ついていても、どんなにトンチンカンなことを言っててもね。 (別に杉山さんちの隆君だけじゃなくて、きっとどこの子にも、思いあたること があると思うんだけど)特に4歳の時の、どうやって飛行機を作るかという隆君 の言い分は、絶品だ!! それが成長と共に、考えることがぐっと鋭くなっていく。今度は、真意をついて いくんだな。 あ〜、そうだった、そうだったと思いながら読んだけど、成長と共に忘れていく んだよね。娘のそんな言葉を書きとめておけばよかったなーと、今さらながら 思う。 私がクスクスと笑いながら読んでいたのを見て、“おもしろそうだから、次読ま せてー”と、読後は、娘へ手渡すことに…。 |
| 8月6日(月) 「上と外 6.みんなの国」 恩田陸(幻冬舎文庫) とうとう完結! 何度も、これで大丈夫…と、ホッとするのもつかの間、これでもかこれでもかと 危機が襲い、最終巻でも、ハラハラドキドキの展開は続きます。 うーん、おさまるところにおさまったというか、きれいにまとまったんじゃない でしょうか。1巻目で、大好きだったじいちゃん再登場の場面で、涙ぐんでしま いそうになりました。 練と千華子とも、これでお別れだ〜、名残惜しいなァ。何年か後に、また成長し た二人に違った形で会いたいなぁ。 |
| 8月5日(日) 「ドミノ」 恩田陸(角川書店) 恩田さんの最新刊。 まさにジェットコースターストーリー??で、読み始めると、いやぁ〜、 とまらない、とまらない!!午前中、bk1から届くやいなや、その日のうちに 一気読みだぁ〜。 それは、7月のとある午後のこと…。 営業目標金額が達成できるか否かの契約受付最終日を迎えた保険会社・ 八重洲支社の社員たち。舞台「エミー」のオーディションに挑む少女、句会の オフ会の待ち合わせをしている老人たち、そして、ミステリーサークルの幹事長 の座を懸けている学生…。 一見なんの繋がりもないような、様々な人間模様が…というのが、映画「マグノ リア」を彷彿とさせ、細かい場面の切り替えが、なんとも映像的。 迫りくるタイムリミット!誰もが誰かを捜していた! 必死の思いでかけめぐる28人が、東京駅になだれこむ!! 多くの登場人物が繋がって絡まり合って、物語は畳み掛けるように、どんどん どんどん展開していきます。もうなんでもアリなのよー、ワッハッハ。 書き込まれている、それぞれのキャラクターもエピソードもGOOD。 恩田さんのこれまでの著書とは、雰囲気違うかな。だけど、これはこれで私は 好き♪ |