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2002年6月読了
★印は、おすすめ
6/30 この本、おもしろいよ!(およそ小学校3〜4年生くらい)
6/13 チョコレート工場の秘密 ロアルド・ダール(評論社)
6/12 母恋旅烏 荻原浩(小学館文庫)
6/11 ともだちは海のにおい 工藤直子(理論社)
6/10 魔神の指輪(シェーラひめのぼうけん 1) 村山早紀(フォア文庫)
6/10 うしなわれた秘宝(シェーラひめのぼうけん 2) 村山早紀(フォア文庫)
6/3 家なき鳥 グロリア・ウィーラン(白水社)

 6月30日(日) この本、おもしろいよ!(およそ小学校3〜4年生くらい)

読書会の例会当番を担当して、取り上げた児童書です。題名の羅列だけで、す
まぬ…。

「あらしのよるに」木村裕一・作 あべ弘士・絵(講談社)
amazon1994.10月発行・1000円
感想

なん者ひなた丸 ねことんの術の巻斉藤洋・作 
                    大沢幸子・絵(あかね書房)

amazon1995.1月発行・147P・900円
主人公のひなた丸は、忍者の見習いの男の子。できる術といったら、忍者の衣
装から、すばやく猫のぬいぐるみに着替える“ねことんの術”だけ。そんなひ
なた丸に、となりの国が雇った忍者を探れという仕事が舞い込み、はりきって
出かけますが…。


ひなた丸は、まだまだ忍者の見習なので、“なん者”。おとうさんのように一
人前になると、“忍者”。その忍者を究めると、隠居しているおじいちゃんの
ように“ぬん者”になるという設定。くすくす笑いながら、テンポよく読めま
す。おじいさんと父さんの教えを守り、一日も早く一人前の忍者になりたいひ
なた丸と、それをしっかりと見守っているおじいちゃんがいい!<なん者ひな
た丸>シリーズとして、以下16巻あり。

火よう日のごちそうはひきがえるラッセル・E・エリクソン・作 
              ローレンス・D・フィオリ・絵 佐藤涼子・訳(評論社)

amazon1982.3月発行・82P・1000円
ウォートンとモートンは、小さなひきがえるのきょうだい。ある日、ウォート
ンは、おいしいカブトムシの砂糖菓子を、トゥーリアおばさんのうちまで届け
に行こうとします。けれど、地面の上は真冬。カエルが飛び歩くなんて、とん
でもない季節。ウォートンは、反対するモートンをふりきり、思いつく限りの
重装備で出発しますが、たちの悪いみみずくに捕まり、みみずくの誕生日であ
る、次の火曜日におまえを食べるぞと宣言されてしまいます。

料理好きのモートンと、掃除が大好きなウォートンというひきがえるの兄弟の
話。シリーズものです。短いお話ですが、非常にうまくまとまっていて、二転
三転する展開が楽しい。

「ねことともだち」いとうひろし(徳間書店)
amazon1995.1月発行・109P・1300円
感想

「魔神の指輪」村山早紀・作 佐竹美保・画(フォア文庫)
amazon1997.4月発行・154P・560円
感想

大どろぼうホッツェンプロッツプロイスラー・作 中村浩三・訳(偕成社)
amazon1966.6月発行・184P・900円
おばあちゃんの大事なコーヒーひきが奪われた。それを取り返すため、孫のカ
スパールと、その友人のゼッペルは、大どろぼうホッツェンプロッツをつかま
えようとするが、逆につかまっちゃって…。


定番かな。この本の魅力は、とにかく楽しいでしょ。ちょっと間抜けな大どろ
ぼうなんだけど、ハラハラドキドキする山場がちゃんとあるし、この物語自体
が、どこかとぼけてる感じがあって。

カスパールが、できるだけバカにみえるようにと、魔法使いに言いつけられた
仕事を、めちゃくちゃに言いかえる言葉遊びとか、物語の中にたくさんでてく
るおいしそうな食べ物とか…細かいところに、楽しめる要素があるような気が
します。

ピンチになったり、チャンスになったり、笑えて、スリルが感じられて、最後
には、満腹感も味わえるという一冊です。

「ポリーとはらぺこオオカミ」キャサリーン・ストー・作 
                          掛川恭子・訳(岩波書店)

amazon1979.3月発行・86P・1000円
こちらは、赤ずきんちゃんを下敷きにしたお話。




「ドリドル先生アフリカゆき」ロフティング・作 井伏鱒二・訳(岩波書店)
amazon1961.9月発行・250P・1560円

「黒い島のひみつ」エルジェ・作 川口恵子・訳(福音館書店)
amazon1983.4月発行・64P・1600円

「ルドルフとイッパイアッテナ」斉藤洋・作 杉浦範茂・絵(講談社)
amazon1987.5月発行・184P・900円

「子ブタシープピッグ」ディック・キング=スミス 木原悦子・訳
            メアリー・レイナー・絵(評論社)

amazon1991.11月発行・154P・1200円

「にんきもののひけつ」森絵都・文 武田美穂・絵(童心社)
amazon1998.10月発行・80P・900円

「スクールバスの子ねこ」マージョリーとアンドリュー・シャーマット・作
        乾侑美子・訳 はたこうしろう・絵(偕成社)
amazon1994.8月発行・116P・1000円

「びりっかすの神さま」岡田淳・作・絵(偕成社)
amazon1988.11月発行・164P・1000円
感想

「ともだちは海のにおい」工藤直子 長新太・絵(理論社)
amazon1984年・228P・1200円
感想

「ふしぎな木の実の料理法」岡田淳(理論社)
amazon1994.12月発行・192P・1500円

「バレエをおどりたかった馬」H・ストルテンベルク・作 
         菱木晃子・訳 さとうあや・絵(福音館書店)

amazon1999.10月発行・121P・1200円

「ペンギンハウスのメリークリスマス」斉藤洋・作 伊東寛・絵(講談社)
amazon1989.11月発行・1300円
感想

「クラマ博士のなぜ」山中恒(理論社)
amazon1997.2月発行・236P・1300円

「よい子への道」おかべりか(福音館書店)
amazon1995.10月発行・106P・1000円

「正しい暮し方読本」五味太郎(福音館書店)
amazon1993.10月発行・50P・1500円

「ことわざ絵本」五味太郎(岩崎書店)
amazon1986.8月発行・211P・1000円

「ヨムヨム王国−子どもの本のガイドブック斎藤次郎+増田喜昭(晶文社出版)
amazon2000.8月発行・189P・1400円
感想


 6月13日(木) 「チョコレート工場の秘密ロアルド・ダール・作
              田村隆一・訳 ジョセフ・シンデルマン・絵
(評論社)


amazon1972.9月10日発行・238P・1400円

チャーリーの家は、とても貧乏で、食糧を買うお金にさえこと欠き、いつもお
なかをすかせていた。大好きなチョコレートも、年に一度の誕生日に買っても
らうだけ。しかも、その板チョコを一ヶ月もかけて大事に大事に食べるのだ。

家の近くには、世界で一番大きなチョコレート工場があり、そこの煙突からは
いつも甘い匂いが漂ってくる。しかし、そこに出入りする工員を、誰も見たこ
とがない。

ある日、そのチョコレート工場長のウィリー・ワンカさんが、「ワンカチョコ
レートの中に入っている、五枚の金色の券を当てた子どもたちを、工場見学に
招待します」と発表する…。

大人になってから読んだせいもあるんだけど、正直言って、個人的にはあまり
好きとは言えなかったんだけど…。(小学生の時に読んでたら、全然違う感想
をもったかもしれないが…)

でも、このチョコレート工場の内部の様子には、度肝を抜かれた。まさに、奇
想天外の世界!!自分のちゃっちい想像力なんて、ぶっとばすほどのすごいも
のだった。なんとも不思議で、思いもつかないようなお菓子がわんさか出てく
る。これは、子ども心をくすぐるよねー。こりゃあ、夢中になるわけだ。チョ
コレートの川から、ジョッキですくいあげたたっぷりのホットチョコレートが
おいしそうでたまりませ〜ん。チャーリーに金券が当たったと知って、踊り出
す96歳のジョーじいさんが、かわいかったなー。

だけど、大人の目から見ると、これってなかなか辛辣だよねぇ…。実は私、む
しょうにワンカさんがこわかったのだ。(挿絵も、ちょっと不気味)笑って、
人を斬るような。そ、そこまでもしなくても…と思うほど、徹底的にやっつけ
る。善悪はっきりしてるよね。あと、それって人種差別じゃないのという表現
があったりして、ちょっとびっくり。

この「チョコレート工場の秘密」は、恩田陸さんの「三月は深き紅の淵を」の
冒頭に引用されてたよね。そして、最後に、ボタンだらけのガラスのエレベー
ターの行き先が、「上と外」だったのに、嬉しくなった私です。


 6月12日(水) 「母恋旅烏荻原浩(小学館文庫)

amazon2002.4月1日発行・445P・714円

書き下ろし文庫。

大衆演劇役者の花菱清太郎は、一座を飛び出し、自分で劇団を旗揚げするが解
散。その後、ころころと仕事を変えては、ことごとく失敗。そして、ふだんは
仲の悪い家族を巻き込んでレンタル家族派遣業を始めるが、増えるのは仕事で
はなく、借金ばかり。やがて、取立てに追われ家にも帰れず、清太郎は、元の
大衆演劇の世界に戻ることになったが…。


くぅ〜、いいねぇ〜。笑わせて、胸にしみて…。年をとったのか、近頃こうい
うのに、めっきり弱くなってしまった。

次男の寛二が中心となり、長女の桃代、長男の太一、清太郎と、語り手を変え
ながら描かれる、ドタバタ家族劇。

主人公の清太郎は、カッコ悪くて、泥臭くて…。花菱清太郎に向かって、だは
は、いまどきそんなの流行んないじゃないのーなんて、心の中で悪態をついて
も、最後には、すっかり晴れやかないい気分にさせられている。この家族と離
れがたい気持ちになっているのだ。特に旅回り一座に戻ってからの後半部分か
ら、よりぐぐぐっとひきつけられて楽しめました。

生き生きと描かれている寛二の存在がよかったなぁー。兄ちゃんの太一と一緒
に、レンタル家族派遣業の営業で、ヤクザの事務所に行った時のエピソードが
特に好きでした。


 6月11日(火) 「ともだちは海のにおい工藤直子 長新太・絵(理論社)

amazon1984年・228P・1200円

わけあって、中学年ぐらいからの子どもの本をリストアップしていて、再読・
積読消化の日々。

で…。いいよね〜〜、これ!!

暗い夜の静かな海で、偶然出会ったくじらといるか。コドクもいいが、“いっ
しょ”も悪くない。詩と文章で綴る、ふたりの友情物語…。


ビールと本が好きなくじらと、体操とお茶が好きないるか。いるかがくじらに
なわとびを教えたり、くじらがつくる詩や小説を朗読してもらったり、ふたり
で人魚に手紙と贈り物を置いてきたり…。なんでもない日々の積み重ねなんだ
けど、あったかくて、優しいやりとりに、肩の力が抜けるというか、ゆったり
とした気分になってくるんだよね。長新太さんの挿絵が、これまたいんだ!

我が家では、娘も私もお気に入り。子どもだけではなく、大人も、ぜひこの世
界に浸って欲しいなぁ。

この本の中の、「うみとなみ」「いるかのてがみ」「雲の手紙」の三つの詩に
メロディをつけて、新沢としひこさんが歌ってます!→CD「あいたくて


 6月10日(月)

 「
魔神の指輪(シェーラーひめのぼうけん 1)
           村山早紀・作 佐竹美保・画
(フォア文庫)

amazon1997.4月発行・154P・560円

最後の戦い」で完結した、「シェーラひめのぼうけん」シリーズ第一作目。
まずは、物語の始まり−序章です。

遠い昔の遠い砂漠での出来事…。シェーラザード王国の全てものが、魔法使い
サウードの野望のために、石に変えられてしまった。
魔神の指輪に守られ、唯
一助かった世継ぎのひめ・シェーラと、幼なじみの魔法使いファリードの二人
は、
王国を救うための旅に出る…。

うしなわれた秘宝(シェーラーひめのぼうけん 2)
           村山早紀・作 佐竹美保・画
(フォア文庫)

amazon1997.9月発行・154P・560円

シリーズ二作目。

さてさて…。シェーラザード王国にかけられたのろいをとくために、新たに
わったハイルを含め三人は、賢者ハーシブから教えてもらった“七つのかぎ”
の宝石をそろえるため、うしなわれた都・サラーブの遺跡にたどり着いた…。


シェーラひめの元気さがたまらない。アニメっぽいけど、テンポもいいし、コ
ミカルな部分も見せて、なかなかおもしろい。ふだんあまり本を読まない子に
も、とっつきやすいかも。小学生がはじめて自分で読む冒険ものとしても、楽
しめると思うなぁ。(どちらかというと、女の子向け。およそ中学年くらいか
ら)

おてんばな女の子に、幼なじみのちょっと情けない男の子と、不良っぽい男の
子の組合せ…とありがちな設定だけど、やっぱりこういうのが好まれるんだろ
うなぁ。そういえばシェーラひめのように怪力な女の子って他にもいたなぁと
思ったら、リンドグレーンのピッピだった。アラビアンナイトも入ってるし、
ワクワクドキドキと読める要素がたっぷり。シェーラひめのまっすぐさが眩し
いです。


 6月3日(月) 「家なき鳥グロリア・ウィーラン 代田亜香子・訳(白水社)

amazon2001.12月30日発行・176P・1500円

主人公は、インドに住む13歳の少女・コリー。彼女は、口減らしのため、相手
の顔も知らずにお嫁にいく。しかし、花婿の少年・ハリは重い病気で、結婚も
治療のための持参金目当てだったことがわかる。その上、ハリが亡くなり、コ
リーはあっという間に未亡人になってしまった。

帰る場所はない。その後は、サス(義理の母親)から苛められるつらい日々。
やがて、サッサー(義理の父親)が死に、義妹のシャンドラがお嫁にいき、弟
のところに身を寄せることになったサスは、コリーを「未亡人の町」に置き去
りにする…。


日本の13歳の子どもたちと比べて、あまりに過酷な境遇に驚き、これは一体い
つの時代の話なの??と思っていたら、途中で、現代のことだと気がつき、二
度びっくり。

一見、暗く重そうな設定なんだけど、意外にあっさりとした印象。きっと、い
ちいちネガティブになっていたら、生き抜いてはいけないのかもしれない。ぐ
いぐいと物語を読み進めさせる力がありました。

コリーの心の内をつぶさに描いていくなかで、彼女の自分の気持ちに正直で、
気負わず、素直にものごとを見ているというところに好感が持てました。

物語の中でコリーを勇気づけるのは、サッサーに習った文字と、マー(実母)
から教えてもらった刺繍。

“手仕事というのは、自分の心の奥底と対面することでもある”と聞いたこと
があります。コリーが、はじめてキルトを作ったのは、自分の嫁入り道具のた
め、二枚目はハリが亡くなったなぐさめのため、三枚目は親友でもあったシャ
ンドラの結婚祝いのため、そして最後は自分自身の喜びため…。節目節目で、
自らの体験や思いを、ひと針ひと針縫いこんでいく。向き合って、刺繍として
表現することで、その都度、気持ちに一応の決着をつけることができたのでは
ないかと思ったりもしました。

そして、自分の身体で覚えたものが、最終的には、道を開いていく力になって
いくのねと、しみじみ感じさせられました。

全米図書賞受賞作品です。


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