| 2002年7月読了 | |||
| 7/26 | 非道、行ずべからず 松井今朝子(マガジンハウス)★ | ||
| 7/25 | ハムレット狂詩曲 服部まゆみ(光文社)★ | ||
| 7/22 | 影の王 スーザン・クーパー(偕成社) | ||
| 7/18 | シェイクスピアを盗め! ゲアリー・ブラックウッド(白水社)★ | ||
| 7/13 | アーサー王物語 ジェイムズ・ノウルズ(偕成社文庫) | ||
| 7/11 | 髭麻呂 諸田玲子(集英社)★ | ||
| 7/9 | レイクサイド 東野圭吾(実業之日本社) | ||
| 7/8 | コーンウォールの聖杯 スーザン・クーパー(学研) | ||
| 7/6 | ふたりのアーサー 1.予言の石 ケビン・クロスリー=ホランド(ソニー・マガジンズ) | ||
| 7/6 | イン・ザ・プール 奥田英朗(文藝春秋)★ | ||
| 7/4 | 調理場という戦場 斉須政雄(朝日出版社)★ | ||
| 7/1 | 月冠の巫王 たつみや章(講談社) | ||
| 7月26日(金) 「非道、行ずべからず」松井今朝子(マガジンハウス) 「ハムレット狂詩曲」にも、片岡清右衛門をはじめ歌舞伎役者が登場するが、 こちらは、江戸の歌舞伎界を舞台にした長編時代ミステリー。 時は文化六年元旦。江戸随一の劇場・中村座の焼け跡から死体が発見された。 火事の前に殺された形跡があるこの老人は、一体誰なのか?そして、それを発 端に、疑惑の黒雲は小屋中を覆い尽くしていく…。 先が気になって気になって、読み終わるまでねむれるかッーと思う本があるの だが、これがまさにそう。犯人は誰なのか?そして、なぜ殺されなければなら なかったのか?華やかな舞台の裏側は、因果の糸がもつれにもつれ、海千山千 の役者揃い!どいつもこいつも怪しく思われて、本文の中で重ねられる推量に 一緒になって翻弄される。読み出したら、も〜とまらない。 430ページたっぷ りと堪能させてもらいました。 謎解きはもちろんのこと、“そうか、歌舞伎って、こういう人たちがいて成り 立っているんだ”と、裏方の世界が垣間見られるのもおもしろかった。現代も のより、少しゆるりとしたテンポにも惹かれたね。 <著者の松井今朝子さんのサイトは、こちらから> ※この本と一緒に、ぜひ「絵本 夢の江戸歌舞伎」という本も手にとってもら いたいです。この作品の舞台となっている、江戸時代の中村座の芝居小屋の様 子が見事に再現されています。も〜、素晴らしいのよ!絶賛!! |
| 7月25日(木) 「ハムレット狂詩曲」服部まゆみ(光文社) 【amazon】1997.9月30日発行・280P・1600円 シェイクスピアつながり第三弾(?)は、ミステリー。服部まゆみさんの本を 読むのは、これで三冊目だけど、私にとって、いつも当たりなんだな!これも よかったよ〜〜。 十二歳で日本を離れ、英国籍を持つ高名な演出家、ケン・ベニング。彼の元に 届いた、「劇団薔薇」の新劇場の柿落としの舞台「ハムレット」の演出依頼。 そして、その手紙の差出人は、ケンにとって忘れられない忌まわしい名前だっ た…。 復讐を果たす目的で来日したケンと、劇団の代表・仁科京子の息子で、主役の ハムレット役に抜擢された片桐雪雄。二人が交互に語り手となって、物語は進 んでいく。複数の目を通すことによって登場する人物像に厚みが感じられた。 劇団の分裂、重荷でしかないハムレット役、秘めた殺意、父の死、夜な夜な稽 古場にばら蒔かれる枯れた薔薇…。さまざまな人たちの思惑が交錯しあう中、 稽古は進み、だんだんと形づくられていく芝居。ひとつの舞台を作り上げてい く過程って、おもしろいねー。無駄なく、どちらかというと淡々と描かれてい く中にも、服部まゆみさんらしく、妖しい色合いを漂わせていく…。 殺人の機会をうかがうたびに、邪魔が入るのは笑えてしまうところもあるんだ けど、親の七光りで選ばれただけで、全く自信のなかった幸雄が、自分の中に 役を感じるまでになる姿がよかったなぁ。そして結末は…最後の最後まで目が 離せませんぞ。 私は図書館で借りた単行本で読みましたが、文庫化(徳間文庫)もされていま す。 |
| 7月22日(月) 「影の王」スーザン・クーパー・作 井辻朱美・訳 小西英子・絵 (偕成社) 再建されたグローブ座で、シェイクスピアの芝居を上演するために、全米から 集められた少年俳優たち。その一員であるナット・フィールドも、公演のため にロンドン入りをする。 しかしナットは、グローブ座での稽古初日、高熱を出して意識を失い、病院に 入院。翌朝目を覚ますと、なんと彼は16世紀のロンドンにタイムスリップして いた! ナットは、女王陛下の御前上演のために、シェイクスピアがよそから借りてき た子役…ということになっており、同じ名前を持つ少年と間違えられたまま、 さっそく芝居の稽古がはじまった。ナットは、本物のシェイクスピアの指導の もと、<真夏の夜の夢>のパック役を演じることになる…。 ナットは、なぜ時をかけ抜けなければならなかったのか?そして、彼が果たし た大きな役割とは?それは、最後の最後に明らかにされることになります…。 アーサー王に続き、今度はシェイクスピアづいてマス…。こちらの方は、母を 亡くし、自殺という形で父をも亡くした少年が、時を越えて初めて自分が負っ た深い悲しみを理解してくれる人と出会う物語。この作品の中のシェイクスピ ア像は、これまでもっていたイメージとは全く違うものになっていましたね。 先に読んだ「シェイクスピアを盗め!」同様、こちらも、16世紀のロンドンや 劇場、劇団の雰囲気を鮮やかに描き出しています。いやー、ホントに当時のロ ンドンって、清濁入り乱れて混在してるよね。 16世紀のグローブ座という、同じ時代設定の二冊を読んでみて…個人的には、 「シェイクスピアを盗め!」の方が好みだったかな。だいだい、ナットが現在 に帰ってきてから、やっと気持ちがノッてきた私は、遅すぎるよね…。 400年 前の世界で、パック役のナットに見事なボディペイントを施す場面が好きでし た。 「コーンウォールの聖杯」もそうでしたが、ラスト、謎めいたところを残して 終わるというのが、クーパー流なのでしょうか?? |
| 7月18日(木) 「シェイクスピアを盗め!」ゲアリー・ブラックウッド 安達まみ・訳 (白水社) 語り手は、ヨークシャーの孤児院で育ったウィッジ。 7歳の時に最初の主人・ ブライト博士に徒弟としてひきとられ、速記術を覚えさせられる。14歳になっ たある日、フォルコナーと名乗る見知らぬ男が現われ、ウィッジを十ポンドの 金貨で買い取っていく。そのフォルコナーの主人で、ウィッジの二番目の主人 となるサイモンバスから命じられた任務は、速記術を使ってシェイクスピアの 「ハムレット」の台詞を書き取り、盗んでこいというものだった。 フォルコナーとともに、ロンドン入りしたウィッジだったが、台詞を書き写し たメモ帳をなくしてしまう。なんとかもう一度台本を盗む機会をつくろうと、 役者志願のふりをして、劇団に潜り込むことになった…。 おもしろかったー。ずっーと孤独で、自分の運命さえも意のままにならなかっ たウィッジが、劇団員たちとの出会いを通して、はじめて気づかいや愛情とい うものに触れ、一座という家族を獲得していくまでの物語。 …と言っても、重々しいものではなく、からっと明るくテンポ良し!読後も爽 やか。楽しかったねー。ウィッジと一緒になって、彼に課せられた任務と仲間 との板ばさみで悩み、フォルコナーの影に怯え、ドキドキとスリルを感じるこ とができました。少年から大人に変わる狭間でもがくニックや、もう一人秘密 をかかえていた仲間の気持ちも染みたなぁ…。 そして、この作品のもうひとつの魅力は、エリザベス朝のロンドンや、宮内大 臣一座の劇団内部の様子、グローブ座の雰囲気を、たっぷりと味わうことがで きること。著作権のない当時、台本は一座にとって命であったということや、 映画「恋に落ちたシェイクスピア」にも重なるけど、女性が舞台に立つことが 許されなかったため、女性の役も少年によって演じられていたというエピソー ドも盛りこまれる。座付き作者のシェイクスピアも登場するし、気分はすっか り16世紀〜でした。 続編「シェイクスピアを代筆せよ!」も、読まなくっちゃ! 1999年、全米図書館協会最優秀賞受賞作品(ヤング・アダルト部門)。 参加している読書会で、市内の小学校での読み聞かせ。1、2年生のクラスに、 それぞれ2人ずつ入る。 私が1年生に読んだ本は、 「せんたくかあちゃん」さとうわきこ(福音館書店) 「コッケモーモー!」ジュリエット・ダラス=コンテ文 アリソン・バートレット絵 たなかあきこ訳(徳間書店) の2冊。 集団に向けて読む本は、家で娘に読んでた時よりは、対象年齢を下げた本の方 がいいだろうし…と、今回、何を読もうか悩みに悩んだが、結局自分が読んで おもしろかったものや、好きなものにする。 夏っぽいかな?と思って、「せんたくかあちゃん」を持っていく。ポピュラー すぎるかなぁと思ったが、知ってる、知ってるーと言いながら、先に読んで〜 の声が多くて、こちらから読む。私も最初きんちょーしたが、読んでくうちに 落ちついてきた。読んでいても、感触がよく、おもしろかったーの声。やっぱ り「せんたくかあちゃん」は人気があるなー。「コッケモーモー!」も“コッ ケガーガー”、“コッケメーメー”の繰り返しに、笑い声が起きて、おもしろ がってくれて、ホッ。 |
| 7月13日(土) 「アーサー王物語」ジェイムズ・ノウルズ・作 金原瑞人・編訳 佐竹美保・絵(偕成社文庫) 「ふたりのアーサー」「コーンウォールの聖杯」と続けてアーサー王に関連す する本を読んだので、やっぱり、一度「アーサー王伝説」を読まねばな!と、 金原さんの訳の本書を手にとることにした。 とても神話的ね…。そして、国を滅ぼすきっかけは、やはり許されない男女の 仲なのね〜などと思ったりもするのだが、全体的に心理描写はほとんどないし ラーンスロット卿とグウィネビア王妃のラブロマンスの部分も、意識的にか、 かなり抑えた仕上がりになっています。とにかく情け容赦のない、壮絶な戦い の連続です!総ルビ。おもしろかったので、サトクリフが描くアーサー王の方 も読んでみたいなと、欲が出た。 |
| 7月11日(木) 「髭麻呂」諸田玲子(集英社) 飢饉や天災で治安は乱れ、陰謀渦巻く平安朝を舞台にした連作短編集。 …といっても、物語はユーモアにあふれ、明るいトーンで軽快に読ませます。 主人公の髭麻呂こと藤原資麻呂は、検非違使庁の看督長を務め、盗賊追捕の役 を仰せつかっている。ごわごわ髭など生やしているが、臆病者の優男。血を見 ただけで、卒倒しそうになる。梓女とは相思相愛だが、梓女の母と祖母、女傑 ぞろいの家におそれをなして、なかなか婿入りの決心がつかないでいる。 髭麻呂が追っているのは、巷で大盗賊として、恐れられている蹴速丸。正体不 明、変装が得意で、別人になりすます。髭麻呂は、何度か鉢合わせしては、巧 みな扮装にだまされ、取り逃がしては上司にたっぶり油をしぼられている…。 いいねー、いいねー。どんなジャンルの本でも、世知がらい世の中だけど、人 生やっぱり捨てたもんじゃないよと、ポンと背中を押してくれるような作品っ て、好きなんだなぁ。物語の構成とか、読んだ印象が、「あくじゃれ瓢六」に ちょっと似てるかなと感じました。 心優しき髭麻呂をはじめ、出てくるキャラクターが、みんないいのよぉー。謎 解きの大好きな梓女。髭麻呂に拾われた口達者な小童・雀丸。今でいうところ の服飾デザイナーの梓女の母と調香師の祖母の、明るさとたくましさ。そして 髭麻呂が追っていく中で、別の面を見せていく蹴速丸! 相次ぐ貴族の子息の誘拐事件を発端に、やがて裏に大きな陰謀が見えてくるあ たりから、ますますおもしろくなっていく…。その巨悪な陰謀を、上の↑登場 人物であの手この手をつかって推理し、追い詰めていく過程が、読みどころ! わかっていても、最後は、うるっときたな。 |
| 7月9日(火) 「レイクサイド」東野圭吾(実業之日本社) 姫神湖畔の別荘地で、4組の親子と塾講師1人が、中学受験のため勉強合宿を開 いていた。受験に対してあまり乗り気ではない並木俊介は、遅れて参加する。 その俊介のもとへ忘れものを届けにきたと言って現われた愛人・高階英里子。 そして、その夜。外出から戻った俊介に、妻の美菜子が、英里子を殺したと告 白する。 動揺する俊介は、協力して隠匿工作を計ろうとするほかの家族に押し切られる ようにして、遺体を湖畔に沈めることに手を貸す。しかしやがて、彼は他の家 族の言動に違和感を抱くことになる…。 東野圭吾さんの本を読むのは、久しぶり。ところどころでひっかかった出来事 や言動が伏線となり、この人たちは、なんでそこまでして執拗に隠し通すこと に加担するのかという謎が、物語をひっぱっていく。 244ページという比較的短めの長編の中で、無駄なく うまーい展開で、ミステ リーを読んだ!という気にさせられる。 最後の、みんなを集めての謎解きの場面では、こうゆうの 2時間もののサスペ ンスドラマでよくあるなーなんて思ったりして。 ミステリーとしては、おもしろかった。でも、この人たち異常だよー、こわい よー。その結束力も、冷静冷淡な言動も、不気味で、気持ち悪かったよぉー。 私も一応、人の親だが、この人たちの気持ちは理解できないと思った。結末は 後味があまりよくなかったかな…。 |
| 7月8日(月) 「コーンウォールの聖杯」スーザン・クーパー・作 武内孝夫・訳(学研) 「闇の戦いシリーズ」の“始まりの物語”とされる本書が、復刊。 夏休み。サイモン、ジェイン、バーニイのきょうだいは、両親とともにコーン ウォール地方を訪れる。三人は、滞在している「グレイ・ハウス」の屋根裏部 屋から、偶然古い地図を発見する。それを、祖父の友人であるメリイおじさん に解読してもらうと、アーサー王がふたたびこの世にあらわれるという約束と 証拠が記されているカップ(聖杯に似た形)のありかを示していた。子どもた ちは、“海の上、岩の下”に隠されている聖杯を探しだそうとするが、同じも のを追っていた悪の手が、三人におよぶことになる…。 ファンタジーだと思って読み始めたら、冒険ものでした。でも、おもしろかっ たー。どこまでも敵が追ってくるという恐怖!地図を読み解き、うまく聖杯を 手にすることができるのか?ずっと緊迫感が途切れず、ハラハラドキドキと楽 しめました。メリイおじさんの存在も、ちょっと謎めいていて、スリルがあっ たな。 敵の正体が、最後まではっきりしなくて、えっっーっと叫びたくなる。最後の メリイおじさんの名前の言い換えも無理がみえたような気がするが…。 「闇の戦いシリーズ」は、未読。ぜひ読まねば!! |
| 7月6日(土) 「ふたりのアーサー 1.予言の石」ケビン・クロスリー=ホランド 亀井よし子・訳(ソニー・マガジンズ) 1199年、イングランド。荘園領主の次男・13歳の少年アーサーは、騎士につか える従者になれる日を、待ち焦がれていた。しかし、父のコルディコット卿は アーサーの将来をどう考えているのか、はっきりと指し示してはくれない。 ある日、父の友人であるマリーンからもらった黒曜石に、不思議な物語が浮か び上がり、石の中のアーサー王の物語と、現実のアーサーの運命が重なり合い を見せていくことになります…。 はぁ〜、「アーサー王伝説」を、きちんと読んでいれば。私がもっと世界史に あかるかったらと思いながら、読みました。情けない…。 なんと! 100章という、細かく短い章から成り立っているんだけど、それが読 みやすさにもつながっているし、反面、私の中では、気持ちが断ち切られてし まう面もあったかな。ちょっと物語に没頭しきれず。 アーサーのしっぽの骨がもっと物語にかかわりがあるのかしら…など、いろん なことを期待して読んでしまったせいか、結構…ふつうでした。いや、決して おもしろくないことはないんですけど。三部から成る、シリーズ第一作目。ま ずは、アーサーの一人称の語りで、中世の階級社会、荘園での暮らしぶりや、 利発で公平なアーサーの人物像を、丹念に浮かび上がらせていきます。そして アーサーの様々な思いと、気持ちが丁寧に刻みこまれています。 ふたりのアーサーは、これから、同じように転機の時を迎えます。いよいよ本 格的に始まるぞーというところでしょうか…。 2001年ガーディアン賞受賞作品。 |
| 7月6日(土) 「イン・ザ・プール」奥田英朗(文藝春秋) 伊良部総合病院の地下にある「神経科」。そのドアをノックすると、中から聞 こえてくる「いらっしゃーい」の甲高い声。そこにいるのは、胸に「医学博士 伊良部一郎」の名札をつけた、四十代前半とおぼしき、丸々と太った色白の医 師。ケイタイ中毒、ストーカーの被害妄想になっているコンパニオン…。そん な伊良部医師のもとを訪れる五人の患者を語り手にした、連作短編集。ミステ リーじゃなくて、ユーモア小説です。 あはははは(←伊良部医師風で)おもしろかったー!とってもとっても変わっ て、あんまりお近づきにはなりたくないが、次第に魅力的に見えてくる伊良部 医師のキャラクターがいいねー。看護婦のマユミさんも、これまたいい味出し てるんだなぁ。 患者が訪ねるやいなや、「さぁ、注射、打ってみよう」と言い出す注射フェチ だし、そこを訪ねた患者は、みな一様にその変わりっぷりに唖然とするが、や がてそれが、救いとなっていく。決して否定しない。むしろ患者と一緒になっ て、はまりはじめちゃったりするのだ。充分ヘンなんだけど、だんだんと実は タイヘンな名医なのかも!?と思えてきたりして。 …と、笑いながらも、患者が抱える心の悩みは、現代の歪も感じさせて、ドキ リとしたり、うすら寒い思いもした。 |
| 7月4日(木) 「調理場という戦場」斉須政雄(朝日出版社) 「ほぼ日刊イトイ新聞」に連載されていた頃から、注目して読んでたんだけど 本という形で手元に置いておきたかったので、先行販売で購入。7/10には書店 でも販売されます。 フレンチレストラン「コート・ドール」のオーナーシェフ・斉須政雄さんの仕 事論、人生論。…といっても、むずかしいものではなく、フランスでの12年間 の修行時代と、東京に戻られて自分の店を開いてからの話が中心。聞き書きと いう形になっています。 …で、はじめて連載を読んだ時から、ずっと同じ思いなんだけど、斉須さんの ものすごいエネルギーに圧倒され、経験から掴み取った本物の言葉に打ちのめ され、その後、ムクムクとやる気が沸き起こってくる。読んでると背筋が 5セ ンチくらい伸びちゃうね。そして、本当に頑張った人がちゃんと認められるっ ていいねー。読んでて気持ちいいよー。 誰かを蹴落として這い上がったり、誰にも負けない一番になることではない。 チームを組んで仕事をしている意味はなんぞや…と、大きく言うと、組織論に もなっている。 プラスもマイナスも両方の経験が全ての糧になり、いろんなことが、しっかり とした土台の上に成り立ってきてるんだなということが、よーくわかる。仕事 だけじゃなくて、生きていく上で大事にしていきたいことが、ギュッと詰まっ ている。 乱雑な厨房からは、乱雑な料理しか生まれない。 本の中に、折りこんである厨房の写真を見ると、隅々まで、掃除が行き届いて いて、もう驚くほど、どこもここもピッカピカよ、ピッカピカ!うっ、ギャー と恥ずかしくなって、思わずうちの台所をゴシゴシ磨いてしまいました…。 そして、その厨房に立っている斉須さんは、失礼ながら、シェフというより、 職人さんという風情で、高ぶらず、全てがにじみ出ているホントにいい顔して るよなー。 きっとこれからなにかにぶつかった時、斉須さんの言葉が、ふっと蘇ってきそ うな気がする。いろんな節目や、行き詰まった時に、何度でも開くことになり そうです。 |
| 7月1日(月) 「月冠の巫王」たつみや章・作 東逸子・絵(講談社) 「月神の統べる森で」に始まる「月神シリーズ」第四巻目にして、完結編。 このシリーズは、一巻目が一番好きだったなぁ。巻が進むにつれて、どんどん 気持ちが離れていくような気がしたが、そういう醒めた目で読んでしまったせ いなのか、最後も、うーん…いまいち手応えが感じられないまま、終わってし まった。 日本の古代を舞台にしたファンタジーを読むと、どうしても好きな上橋菜穂子 さんの作品と比べてしまって…。この「月冠の巫王」は、心に響いてくるもの があまりなかったような…。 縄文と弥生。ふたつの文明の対立は、こんな風にどっちが善で、どっちが悪と 二分化していいのだろうかという疑問が残った。 参加している読み聞かせグループの活動で、ニ歳前後の子どもたちに(親子 6組くらいかな)絵本を読む(行ったのは二人)。 私が読んだのは、 「きんぎょがにげた」五味太郎・作(福音館書店)と、 “きんぎょがにげた。どこににげた??”カーテンの水玉模様にまぎれていた り、キャンディの入ってるビンの中にひそんでみたり…。みつけたと思ったら またにげる!さぁ、かくれんぼが上手なきんぎょを一緒にさがしてみよう!! 「そら はだかんぼ!」五味太郎・作(偕成社)の二冊。 年齢的に、お話を楽しむというより、例えば「きんぎょがにげた」のように、 自分も参加しながら聞くほうが喜ぶのねと感じる。 |