| 1999年5月・6月読了 | |||
| 6/24 | 墜落遺体 飯塚訓 (講談社)★ | ||
| 6/22 | この本読んだ?おぼえてる? 赤木かん子 (フェリシモ出版) | ||
| 6/22 | 鉄道員 浅田次郎 (集英社) | ||
| 6/20 | 独立自営の女たち くにともこ編 (編書房)★ | ||
| 6/12 | 秘密 東野圭吾 (文藝春秋) | ||
| 5/29 | 黒い家 貴志祐介 (角川書店) | ||
| 5/25 | 五体不満足 乙武洋匡 (講談社) | ||
| 5/1 | さらに大人問題 五味太郎 (講談社) | ||
| 6月24日(水) 「墜落遺体」 飯塚訓(講談社) 副題は、「御巣鷹山の日航機123便」。事故が起きた昭和60年は、私が就職した年。 8月12日、第一報のニュース速報が流れた時は、ちょうど家族で夕食中。その時の ことは、なぜだか今でも、はっきりと覚えています…。 著者は当時警察官。犠牲者の身元確認班長として指揮を取り、警官・医師・歯医者 看護婦らと、文字通り、不眠不休で行った作業を、退官し、事故から13年目に、 明らかにしたものです。 報道人のレンズから守るために、隙間なく暗幕を張り、40℃にもなった体育館。 指紋から、血液型から、歯型から、骨のX線から、1日も早く身元を確認してあげ たいと、誰もが必死に手がかりを探す日々。その懸命さに強く心を打たれました。 極限状態の中、家族を探す遺族も含め、だんだんと一体化していったようです…。 五体が全て揃っていた完全遺体は35パーセント。この数字からも、飛行機事故のす さまじさと、確認作業がどんなに困難を極めたかということが、おわかりになるか と思います。あまりの壮絶さに、金縛りになったようになりながら読みました。何 度も何度も涙ぐみました。 警官も医者も歯医者も看護婦も職業意識を超えて、突然の事故で命を失ってしまっ た人たちに対して、人として、どう対処してあげようか…そういう気持ちを感じと りました。きれいにしてあげたいと遺体の処理をする看護婦さんの懸命な姿やその 気持ちに、また、想像を絶するつらい確認対面をしなければならなかったそれぞれ の遺族の姿に涙がこぼれました。 |
| 6月22日(火) 「この本読んだ?おぼえてる?」 赤木かん子(フェリシモ出版) 赤木かんこさん…の名前は、児童文学がお好きな方には、おなじみかな。おしゃべ りをしてるかのような文体(これって難しいのよ)と、歯に衣きせぬ書評。かん子 さんのこの頃の活動を見ていると、図書館の救世主??と密かに思っているのです が…。 子どもの時に読んだあれを読みたいな…と思っても、誰が書いたのか、どんな題名 だったのか覚えていなくて、探せないことってありますよね。そういう本をストー リーの断片からお探ししましょう…という“こどもの本の探偵”で有名になったの が、かん子さん。この本は、その“こどもの本の探偵”の中で、何十人もの方から 同じ本を訊かれることがあるのに気がついて、まとめたものなんですね。(以前、 「こちら本の探偵です」という本も出してますが…。) 懐かしい、そして今でも現役の絵本や児童文学がフルカラーで紹介されています。 (小さめのとってもきれいな本です。贈り物にもいいかも!?)子どもの頃夢中で 読んだ本あり、娘が生まれてから一緒に楽しんだ本あり、そしてこれからぜひ読ん でみたい本あり…。絵本と物語がちょうどいい配分で紹介されています。 中川季枝子、かこさとし、斎藤洋、H.A.レイ、センダック、バートン、ケストナー など、絵本・児童文学の入門書としても使えるかなと思いました。それにしても何 十人も同じ想いをもっていた本って、やっぱり力あるんじゃないかな。 この本の中で取り上げられている「大きな1年生と小さな2年生」。私がちょうど2年 生の時に読んだ本で、自分がやたら小っちゃく、近所に仲良しの大きい体の1年生 の男の子がいたことで、親近感を持って読んだこと。この本の感想文が文集に載っ たことで、特に思い出深く思っていました。読みながら、そうそうホタルブクロと いう名前の花が出てきたよーと喜んじゃった!表紙の絵は記憶にあったのですが、 作者・古田足日氏の名前はどこにも残っていませんでしたね。 こどもの本は、“子どものため”だけの本ではありません。かん子さんはヤングア ダルト向けに(字面だけで受け取らないでね。20代、30代、40代でも充分です!) 絵本や児童文学を紹介している本も多く出版しているので、大人の皆さんも1冊で も多く手にとってくれるとうれしいな! 「かんこのミニミニヤング・アダルト入門パート 1」(リブリオ出版) 「かんこのミニミニヤング・アダルト入門パート 2」(リブリオ出版) 「赤木かんこのヤングアダルトブックガイド」(レターボックス社) 「YA(ヤングアダルト)読書案内」(晶文社) |
| 6月22日(火) 「鉄道員(ぽっぽや)」 浅田次郎(集英社) それぞれ40ページくらいの8つの物語を収めた短編集。 泣かそうとしてる??浅田次郎さん!?と思いながら、読み進めました。技で泣か されるより、思わず共感して泣いちゃう方がいんだけどな…。 私が好きだったのは、映画化された「鉄道員(ぽっぽや)」や「ラブレター」ではなく プロジェクトの失敗の責任を負わされ、海外に飛ばされることになったエリートサ ラリーマンが、小さい頃捨てられた父親の亡霊に会う「角筈にて」。夫が浮気をした のに、夫の親族から身内がいないことや子どもができないことで、非難されるちえ 子のもとに祖夫が幽霊となって帰ってきてくれる「うらぼんえ」。別居中の夫婦が、 閉館することになった故郷の映画館を訪ねる「オリヲン座からの紹介状」の3本でし た。 「鉄道員(ぽっぽや)」は北海道が舞台なんですが、こんなに北海道弁多用する?? 使わないことはないけど、ドラマで役者さんが、とってつけたような北海道弁を話 すのを聞くような気がして、そこのところばかり気になっちゃいました。 |
| 6月20日(日) 「独立自営の女たち」 くにともこ編著(編書房) いろんなことで、ハァーと落ち込んだりしていたこの頃なんですが、図書館で借り たこの本から、パワーをもらった〜!!そんな気がしました。税理士・司法書士、 弁護士・カウンセラー・出版社経営・レストラン経営・絵本画家など、バラエティ に富んだ職業を持つ15人の女性のインタビュー集。 その中で、共通していたのは、必死で勉強した時期が必ずあること。そして、いつ までも勉強を続けていくことを忘れないことや、常に新しい情報を仕入れているこ と。あせりを感じた時期も、後々にはどんなことでも経験として無駄ではなかった こと。ネットワークを作り、人脈を築き上げてきていること…でしたね。何事も一 日にしてならずなんだなぁと、しみじみと感じました。やっぱり、コツコツと地道 に努力してきた結果なんですね。そのことを再認識できたことが、励ましにも、が んばる力にもなった気がします。この本では職業をもっている女性を取り上げてい ましたが、仕事・職業云々ではなく主婦であっても、その人の生きていく姿勢の問 題のような気がしました。 その中で一番心に残ったのは、劇団の役者から弁護士になった女性が、闘病中のお 父様から言われた“何をしてもいいけれど40歳になるまでにテーマを持てよ”とい う言葉でした。私が40歳になるまであと6年…。自分のテーマを見つけていくこと は、とってもとっても難しいことだけど、そのことを常に心のどこかにおいておき たいな。夫が転勤族ゆえ、自分がその年齢になった時、どこでどんな生活をしてい るのか、予測もできないところもあるけれど、根本的なことは変わらないし、そこ をおもしろがっちゃうこともできるかなぁと思っています。その時々、その場所で テーマを持って生活していくことだってできちゃうしね。 《関連サイト》 編書房のサイトはこちらです |
| 6月12日(土) 「秘密」 東野圭吾(文藝春秋) 妻・直子と娘・藻奈美が乗ったスキーバスが、転落事故に遭う。直子は外傷がひど く、藻奈美は外傷はないものの脳に傷害を負っていた。やがて直子が藻奈美の手を 握りつつ息絶える。その後、奇蹟的に目覚めた藻奈美には、なんと直子の人格が乗 り移っていたのだ。夫・平介と藻奈美の体を借りた直子は、その秘密を胸に親子を 演じて毎日を過ごすようになる…。 ミステリーといっていいかどうか…恋愛小説??のような気もしました。私はどう しても女性(直子)の立場で読んだので、二度目の青春を送る妻に激しく嫉妬する 夫の姿には、ちょっとイライラしました。妻だって二度目の人生を送る楽しさと共 に失わなければいけないものも多くて、どちらもツライはずなのに…。互いのこと を想うあまりとは言え、う〜ん、私だったらいやだなぁ…。 一体どんな風に決着をつけるのかワクワクしましたが、そうせざるを得なかった、 それが二人のためには一番いいんだと決断した妻の気持ちというのがわかる気がし ました。ラスト泣ける…と聞いてましたが、泣けなかったなぁ、私。女性と男性で は、感想違うのかなぁ??父の日に読んで〜と、贈ってもいいかも!? |
| 5月29日(土) 「黒い家」 貴志祐介(角川書店) 怖い怖いと聞いていて、そんなに怖いのか〜!?と読み始めたのですが、ホントで す!とにかく怖いのよぉ〜!!怖いので、陽のあるうちに、ひとけがあるうちに… と読んでいたのですが、やめられず、家族が寝静まった後にも1人起きて読んでい たら、(シーンと静かだと怖くって、見てもいないテレビをつけてしまった)偶然 にも、バッと停電に!!ひやぁ〜〜、これは演出かい!!って思ってしまったほど の恐ろしさ。(しかも二度も)ゾゾゾッ度…が増してしまったことは、言うまでも ありません…。 ホラーミステリーなので、ストーリーは言えませんが、生命保険会社の支払い査定 主任の若槻氏がどんどん追い詰められていく様子に、ぶるぶる、ドキドキ…。緊張 感を持って、読んでいきました。鈴木光司氏の「リング」よりも数段怖いです!(私 は、イマイチ…と思ってしまった「リング」でした〜。)保険会社の内情もわかって 興味深いところでした。日本ホラー小説大賞受賞作品。 以前、同じ著者の作品で、「天使の囀り」を読んだ時は、怖いっていうより、気持 ち悪かったですね〜。こちらは、アマゾン学術調査隊に加わった作家の高梨氏が、 調査中、道に迷い、食べるものもなかったため、野生のサル・ウアカリを食べた。 そのことで、原住民とトラブルが起きそうだ…というメールを最後に連絡が途絶え る。そして、その後帰国した彼は、全く人が豹変してしまった様子を見せる…とい うところから、始まります。想像すると、うわっ〜〜と気持ち悪い場面では、想像 しないようにしないようにと努めながら読んだりして…。 でも、どちらもぐいグイ読ませる力のある作品です。怖いもの見たさのあなた!! どうぞ一読を〜!!(夏にいいかもね〜) |
| 5月25日(火) 「五体不満足」 乙武洋匡(講談社) 言わずと知れた大ベストセラー。テレビで見ていた好青年そのままの、さわやかな 印象を持って読み終えました。 健常者として産まれても、ふさぎこんだ暗い人生を送る人もいる。 そうかと思えば手も足もないのに、毎日ノー天気に生きている人間もいる。 関係ないのだ、障害なんて。 (あとがきより) 以前、この本を本屋さんで立ち読みしていた時、産んでから1か月、お母さんが初 めて乙武くんに対面して、「かわいい」っていう場面があるでしょう。そこで私、本 屋さんにいることも忘れて、ブワッ〜〜〜と涙があふれてしまい、あっ!マズイ、 マズイ…と思ったことがありました。私だったら、私だったら、そう思えるだろう か…。ショックで、どうしてわが子だけ…と思ってしまうような気がして、かわい いと思える自信も余裕もあるかどうか…。 私のいとこは、出産時の事故によって重度の障害を持っていましたので、小さい時 から、叔母の大変さを見てきました。いとこは、話をすることも歩くこともできな いために、学校にも行けませんでしたが、ボランティアや仲間の手を借りながら、 叔母はいつも明るく前向きでした。子ども心に、子どもは親を選べないと言うけれ ど、もしかして、わかっていて、ボクをよろしく!と叔母のもとに産まれてきたん じゃないかなぁという気がしていました。 叔母が三年前、病気で亡くなった時、黒人女性マヤ・アンジェロウの「私の旅に荷 物はいらない」(立風書房)の “亡くなった私の愛する人達からこれまで学んだ こと、これから学べることを考えるべきだ。すばらしい人生を送るのに役立つどん な遺産が残されたかを考えるのだ”という一節を思い出しました。お葬式の時皆に 天国に行くね…と言われていた叔母から、私にもたくさんのものを残してもらった 気持ちでした。 娘が幼稚園の時、赤ちゃんの時に遭った交通事故で知的障害が残ってしまったHく んと一緒でした。朝来ると皆で出迎えに行ったり、声かけたり、手伝ってあげたり そんなことが自然とできるクラスでした。H君がいてくれたことで、他の子どもた ちにもずいぶん優しい気持ちが育っていったようです。どちらか一方だけが手助け されているわけではなくって、相互関係だよね。H君からもらった、皆の心に残さ れていった大事なものって、きっとあると思うなぁ。 乙武くんは、確かに周りに恵まれていたということもあったでしょうが、私は人が 人をよぶ…と思っているところがあるので、乙武君の力がそういう方達を引き寄せ るんじゃないかなと思いました。本人の人徳でいつのまにか周りも集まってくる。 そんな育て方をされたご両親に敬服致します…。 そして乙武君が書いていた「その人にしかできないこと」。「自分の役割」って何だろ うと、私も考えながら、生きていけたらいいな! |
| 5月1日(土) 「さらに大人問題」 五味太郎(講談社) 本屋さんで、「さらに大人問題」を見つけて、一気に読んじゃった。 “はっきり言って皆さん堅いんです。重たいんです。真面目なんです。 ぼくはただおもしろがっているのですから、少しズレます” (前書きより) まじめなことがいけないとは思わないけど、子どものことを思って…なんて連発さ れたりそれが子どものためとは言ってるけど、結局は自己満足のためじゃん!なん て読めちゃうと疲れる〜ってことある〜。 私はこの本に書いてあること全てに、賛成とは思えなかったんですけど、 “どう見ても大人が問題なのですから、それを子どもたちに転嫁しないでね” には、自分の戒めとしても、納得するものがありました。 |