| 1999年7月読了 | |||
| 7/29 | みどりの船 クェンティン・ブレイク(あかね書房)★ | ||
| 7/28 | スプートニクの恋人 村上春樹(講談社) | ||
| 7/24 | ハンサム・ガール 佐藤多佳子(フォア文庫)★ | ||
| 7/20 | からくりからくさ 梨木香歩(新潮社) | ||
| 7/17 | おんなのこだから ルイフ・クリスチャンソン(岩崎書店) | ||
| 7/9 | ロストワールド 林真理子(読売新聞社) | ||
| 7/4 | 星空キャンプ 村上康成(講談社)★ | ||
| 7月28日(水) 「みどりの船」 クェンティン・ブレイク・作 千葉茂樹・訳(あかね書房) 夏休み。2週間も田舎のおばさんの家で過ごすうちに、ぼくとアリスはすっかり 退屈してしまった。そこで壁を乗り越えて、お屋敷の庭にもぐりこんでみること にしたんだ…。 森のような庭に迷い込んでいくうちに、見つけたもの。 それは、植木を刈り込んで作ったみどり色の船。 (本物じゃなくて、生えている木を船の形に見立てて刈り込んであるのね。 ちゃんと舵もついていて、船長の写真も飾ってあるの) それから毎日、二人はその船の持ち主・老婦人トリディーガさんと水夫長ととも に世界中を航海します…。 子どもの頃って自分たちだけの秘密の場所があって(秘密基地とか言ってたな) こんな風に夢中になって遊んだよね〜と、懐かしい想いにかられます。 “輝かしい子供時代”が、ここにありますよ。 とにかくこの本は、みどり色が印象的。 自分がこの森の中に入り込んで、涼しい風を感じているような心地良さがありま す。初夏から夏に向けて、びったりの絵本でしょう。 |
| 7月28日(水) 「スプートニクの恋人」 村上春樹(講談社) 村上春樹氏・新作の恋愛小説。 ベストセラーにも名を連ねる、この本を読んでみたけれど…。 “スプートニク”とは、世界初に打ち上げられたソ連の人工衛星の名前。 スプートニク2号は、ライカ犬を乗せた打ち上げにも成功するが、衛星は回収されず、 真っ暗な宇宙を回り続けることに…。 「ぼく」から語られる「ぼく」とすみれとミュウの物語。「ぼく」は女性として すみれが好きだけど、その気持ちを伝えたことがない。そのすみれが生まれて初 めて恋に落ちた相手は、年上の女性ミュウだった。そしてミュウには、深い傷が あり、すみれの気持ちに答えてあげることが出来ない…。 「ふたつの衛星の軌道がたまたまかさなりあうとき、わたしたちはこうして顔を合わせる。 あるいはこころを触れ合わせることもできるかもしれない。でもそれも束の間のこと。 次の瞬間には私たちはまた絶対の孤独の中にいる」 凡人の私には、わかったようなわからないようなまま読み終えてしまいました。 ミュウの気持ちがいまひとつつかめず、彼女に生命力が感じられずに…。 自分の中に、グッとひきつけられずに、入り込めずに、何か遠くで、話が展開し ていたような、そんな気がしてなりませんでした。 ラスト、ミュウとの出会いは人工衛星スプートニクのように、すれ違い交わるこ とはなかったけれど、「ぼく」とすみれの関係は、そうじゃなかった…ってこと よね!?ねっ?ねっ? |
|
7月24日(土) 「ハンサム・ガール」 佐藤多佳子(フォア文庫) あっ、「しゃべれどもしゃべれども」の佐藤多佳子さんだ…。 そう思って手にとったこの本。 佐藤多佳子さんは、児童文学も随分書かれているんですね…。 私・柳ニ葉の家族…。パパは元プロ野球の二軍選手、今は家事育児何でもOKの 専業主夫。ママは大阪で単身赴任中のキャリアウーマン。晶子おネェは現実主義 でボーイフレンドに夢中。そして、ニ葉はコントロール抜群のサウスポー、少年 野球チームのピッチャー。パパもママも「女の子なんだから××しちゃダメ!」って コトはぜったいにいわないよ…。 だけど、職場で、男ばかりの野球チームの中で「女だから」で苦しむママと双葉。 役割が逆転している夫婦。でも、それはそれぞれに「向いているから」。 双葉もそれはわかってはいるけれど、野球チームの男の子に知られるのがイヤだ なと思ってしまう。どうしてうちのパパとママの仕事が逆転しているのか時々悩 んでしまうのだ…。 「一度はやめようかと思ったチームに、いつのまにか私はとけこんでいる。 予想していたのとはぜんぜんちがった。何か劇的なことが必要だと思ったの。 でも、ちがう。小さな毎日の積み重ね。暑い夏休みに毎日毎日グラウンドに出 かけ泥まみれ汗まみれでいっしょに練習する。 そうやって、私“ヒーロー”にも“男の子”にもならずに、アリゲーターズの 一員になれたみたい…。」 ふつうじゃないけど、それでいい。 ママの左遷からのがんばり。ライバルで同志でコンビ!?の塩見くん。 幸せそうでかっこいいパパ。 頭の中だけではなく、身をもって体でそう思えるようになった双葉。 皆と違うことは大変なエネルギーがいることだよね。でも、それを獲得した時の 力ってすごいと思うな。パパもママも…。 このパパほんといいんだよぉ。高学年ぐらいから大丈夫でしょう。 男の子も女の子も、女性にも男性にも読んで欲しいな。 文章のリズムがとってもいい!そしてとってもすてきな物語。 ハンサム・ガール。 女にしても男にしても通用する、魅力ある人間よ。最高にカッコいい人。 |
| 7月20日(火) 「からくり からくさ」 梨木香歩(新潮社) 児童文学を何冊も書かれている梨木さんですが、この本は、大人向け…ですね。 私はいつか、人は何かを探すために生きるのだといいましたね。 でも本当はそうではなかった。 人はきっと、日常を生き抜くために生まれるのです。 そしてそのことを伝えるために。 亡くなった蓉子の祖母の古い家。そこを下宿屋にして、集まった若い女性4人。 管理人は、染色・草木染めをしている蓉子。染織を専攻している美大生の紀久と 与希子。はり灸の勉強をしているアメリカ人のマーガレット。そして祖母から受 け継いだ、蓉子に語りかけるという「りかさん」という名の人形。 りかさんはそこに存在する。でも、祖母が亡くなった時、お浄土送りをすると宣 言した後、“帰ってこない”のだ…。 梨木さんの本には、いい意味で、独特の空気や時間が流れていると思っているの ですが、それを特に色濃く感じた作品でした。静かに、そして落ち着いた生活を 営んでいく4人。こんな風に丁寧に暮らしていけたらな…と、あいかわらずバタ バタ暮らしている私は、ため息ついちゃうほど。 “りかさんという名の人形。蛇の夢。お蔦騒動・竜女のお面。クルドの地”。 一見なんのかかわりもなさそうな事柄が、縦糸・横糸となり、物語を織りなして いきます。 家系図書いちゃおうかなと思うほど、ミステリアスなりかさんの人形をめぐる複 雑な縁(いにしえ)を読みこなしていくと、ラスト静かな感動が待っています。 二度・三度と読むたびに、より味わい?がでてきて、惹かれていく作品です。 《関連サイト》 WEB新潮 「作家自作を語る」のコーナーで、梨木さん自ら、この「からくり からくさ」のことを 語っている声が、聞けますよ。 |
| 7月17日(土) 絵本 「おんなのこだから」 レイフ・クリスチャンソン(岩崎書店) 娘の部屋に置いてあって、おっ!と思った本。(図書館で借りてきたらしい) “おそうじ せんたく おかいもの 食事のしたく あとかたづけ 弟や妹のせわ 女の子 だから あたりまえ? 女の子だから ひかえめに?”から始まるこの絵本。 “あなたはどう思う?” と、問題を投げかけて終わっています。 やさしい言葉とかわいい絵で書かれていますが、深いです…。 女の子だから、逆に男の子だからこうしちゃいけない。こうしなければならな い。そんなことって、考えてみると何にもないんだよね…。 今よりむしろ、昔の方が、こう言われて育った人が多いのかな?? (私は、ぼっーと育っちゃったけど) 無意識にそれにとりつかれている、縛られている方もいるかもしれません。 そして、無意識に、子どもにも強要しちゃうっていう…。 お子さんと、あるいは夫婦で、どう思う?って話し合ってみてもいいよね。 本当は、いつまでも、男たるもの、女たるものと、偏った意識を持っているおじ さんたちに、ぜひ読んで欲しいんだけど。 |
| 7月9日(金) 「ロストワールド」 林真理子(読売新聞社) TVドラマ脚本家 沢野瑞枝37歳。バブルのちょう児と言われた不動産屋郡司氏と 結婚生活を送り、離婚後1人で娘を育ててきた。そんな彼女に、10年前のあの パプル期のことを描いて欲しい−自分の過去と一致するような−企画が持ち込ま れてきた…。あの頃を思い出すために、パプル期、夫の友人だった高村氏に逢う ようになり、瑞枝のドラマに出演した年下の役者からも求婚されるというおいし い話〜。 読売新聞朝刊に連載されたという長編小説です。 現在、バブル期の回想、脚本のセリフが上手に構成されていたと思う。がっ! 道徳的なことをとやかく言うつもりはないのですが、自分は外で男性とおいしい ものを食べたり、いい思いをしている夜、10歳の娘さんはいつも家で1人…。 仕事中は、ほとんど部屋から出ずに、弁当生活なのに…。いいのかぁー、そんな んで??そんなんで、自分の幸せばかり追いかけても、後から子どものツケは こないのかぁ?違和感というか、なんだかやりきれない思いでした。 ハァー、こんな時代もあったなと懐かしい思いもありましたが、ただ、それだけ だったかなぁ。ちょっと残念でした。 |
| 7月4日(日) 絵本 「星空キャンプ」 村上康成(講談社) 昨日図書館で見つけたこの本、当たり〜!! これからキャンプシーズンとなるこの季節に、とってもいいですよ〜。 お父さんとお母さんとミナが、キャンプで過ごした1週間を描いたものなんです が、絵がいいのよぉ〜。自分も河に星の中にと、絵の中に入り込んじゃったよ うな感覚におちいりました。きれいな色の背景に、力強い線なんだけど、ほの ぼのとしてる絵。実際にキャンプに行ってるような気持ち良さを味わいました よ! |