季節やテーマ沿った絵本の紹介    

    <2月・Love・ラブ・らぶ>
 


「ヴィクターとクリスタベル−そっと恋して 
      ペトラ・マザーズ作 今江祥智・遠藤育枝 訳(童話館出版)
amazon1989年発行・116P・1100円
美術館の守衛をしている、ワニのヴィクター。
ある日、美術館に届いた「病いの床にある いとこのクリスタベル」と
いう1枚の絵。
それを見て、「なんて、かわいいひとなんだろう。だけど
かなしそう。ほんとうに
かなしそう」そう思ったヴィクターは、絵の中の
クリスタベルに恋をしてしまいます…。

どこからきたのかわからない、その絵の秘密とは??そして、ヴィクター
の恋の結末は??それは、読んでのお楽しみ♪

実際にヴェニスの美術館にある「聖アルスラの夢」という絵画(この本の
冒頭に載ってます)から、ひらめいて描かれたという、「病いの床にある
いとこのクリスタベル」。これねー、笑えるのよー。だって、構図も同じ
そして同じベット…の中には、ワニが寝てるんだから。今江さんの訳が楽
しいのか、絵の中にも、くくっと笑える遊び心があります。

ヴィクターの一途な愛と、一杯のお茶がキーワード。セレナーデが聞こえ
てきそうな…どちらかというと大人に読んで欲しい1冊。ラストの絵から、
幸せ感じて下さいね。

「あおくんときいろちゃん」レオ・レオーニ(至光社)
amazon1979年発行・1200円
昨年、亡くなったレオ・レオーニの代表作。

ちぎったような青い丸と黄い丸。たったこれだけなのに「あおくんです」
「きいろちゃんです」といわれると、まるで命あるものに見えてきて、さま
ざまなイメージが広がるから不思議。

こんなにシンプルな形で、深〜く語ってくれる絵本。

あおくんのいちばんの仲良しは、きいろちゃん。あおくんは、きいろちゃん
と遊びたくって、あちこちさがしに行きました。
町角でやっと見つけた時、
ふたりはうれしくてうれして、とうとうみどりになりました…。


青と黄色が重なると、緑という別の世界が出来上がります。でも、それでは
「うちの子じゃないと」気がついてもらえない…。二つの色がとけあって作
リ出す色も素敵。そして、それと同じくらい、それぞれ自分の色も大事だよ
ね。

読む人によって、いろんなメッセージが受け取れる本です。

「100万回生きたねこ」佐野洋子(講談社)
amazon1982年発行・1400円
100万回生まれ変わってきたねこは、今までいろんな人に飼われ、大切にさ
れ、そして死んでいきました。でも、ねこはちっとも幸せでありませんでし
た。100万回目に生き返った時、ねこは、誰のものでもない、自由なのらね
この身。そして、1匹の美しい白いねこと出会ったのです…。


だれよりも自分のことが好きで、今までどんな飼い主のことも好きになれな
かったねこが初めて「他のねこを好きになる」という気持ちを持ちました。
(ここの「ねこ」というところを、「人」という言葉にも置きかえられる…
よね)

他のねこ(人)では代用できない、かけがえのないねこ(人)を、なくして
初めて気がつく痛み…。うーん、失恋した時に感じる気持ちも似てないくは
ない…よね??

「ことりをすきになった山」エリック=カール絵 
     アリス=マクレーラン文
 ゆあさふみえ訳(偕成社)
amazon1987年10月発行・1400円
草木も生えず、生き物も住まない山が、ある日やってきた1羽のことりに恋
をした。
ことりのジョイは、鳥の命には限りがあるから、自分の名を娘に、
そのまた娘にと、
継承し、毎年歌声を聞かせに来ることを約束します。

それから春がめぐってくるたびに、1羽のことりが山を訪れるようになります
が、ひた
すら待ち続けるしかない山の、「ここにずっといておくれ」という
願いは叶わずじまい。つらさに耐え兼ねて、山の心臓が爆発した時、奥底か
ら涙が溢れ出しました…。


岩だらけのゴツゴツとした暗い山が、緑と溢れた豊かな地になるまでを、エ
リック=カールのダイナミックな力強いコラージュ(貼り絵)が、彩りを添
えます。希望溢れる1冊です。

「ぼくのともだち、おつきさま」アンダレ・ダーハン(講談社)
1999.6月発行・1600円
“やぁ、こんばんは” そう言って出会った、ぼくと、おつきさま。

文字のない絵本です。でも、あったかい絵と、“ぼくとおつきさま”の笑顔
から、「一緒にいるって、楽しいねー」って声が、絵本全体から聞えてきそ
う!

一緒に歌うのって、楽しいね。一緒に踊るのって、楽しいね。一緒にご飯食
べるとおいしいね…。二人でいると楽しいね。みんなでいると、もっと楽し
いね。

文字がない分、いかようにも、イメージが広がります。あなたなりのストー
リーを描いてみて下さい。

「ちょっときて」瀬川康男(小学館)
amazon1996.12月発行・1750円
小さなネズミに「ちょっときて」と言われて、うれしそうに寄っていく大き
なねこ。近づくと「あっちへいって」…慌てて、急ブレーキ。

「もってきて」、空を飛ぼうと「いっちゃって」「はやくいって」命令ばか
りの小さなねずみ。でも、その中に見えるのは“嫌い”の裏返しの“好き”
「いかないで」「もっとよって」…ここで、2人のハートマークは全開〜!

ねこの気持ちが、嬉しい時はうれしい色に、悲しい時は悲しい色にと、瀬川
康男さん独特の繊細な線画の色づかいとして、あらわされています。


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