季節やテーマ沿った絵本の紹介    

    <3月・めぐる季節>



三寒四温とはよく言ったもので、そろそろ春めいてきたかなと思ったら、また冬に
逆戻りしたりと、なかなかすんなり暖かくならない北海道ですが、
それでも、一歩
一歩、春は近づいてきているようです。


3月は、学期末、年度末の時期。別れの後にも、また新しい春がやってきます。
月は、一年の季節をぐるっとめぐる…そんな絵本たちをあつめてみました。
(後か
らみてみると、めぐってないのもあって…ひょぇ〜〜、お許しを〜)

「仔牛の春」五味太郎(偕成社)
amazon1999年1月発行・31P・1200円
私が読んだのは、図書館から借りたリブロポートのものですが、現在は、
偕成社から再刊として出版されています。


春が来て、雪が解け、土が顔を出し、草が芽を吹く。
夏になり、秋が来て
冬がやってくる。
そして、また春がめぐってきた時、仔牛にも小さな角が
生えました…。


「春がきます」と、最初の絵…。あれっ?真っ白の牛なんて??と思って
いると
「雪がとけます」で、牛に黒い模様があらわれはじめ、(白い雪が
解けて土があらわれて…ってことよね)
「土がかおをだします」で、黒い
模様が広がっていき、
「草が芽をふきます」で、その模様がズームになり
芽が出始め、
「花がさきます」ここで、牛の模様が畑へと移行していきま
す。


また冬の白い畑が、だんだんと牛の体に見えるようなしくみになっていっ
て、
最後は、角の出た仔牛の姿で終わるのよ〜。

巧い!まさに五味太郎ワールドよ〜。見てみてねー。

「どうぶつえん物語」あべ弘士(絵本館)
amazon1994.7月発行・1000円
動物たちにも同じように、一年は、めぐってきます。

以前、旭川市の旭山動物園にいらした、あべ弘士さんならではの作品。
(ここの動物園は、看板、ごみ箱など、あべさんの置き土産?がたくさん
あっておもしろいのよー)

飼育係と、動物たちの一年間を、ほのぼのとした絵日記風に綴っていきま
す。
 春 ポカポカ陽気の日 カワウソとひるね 園長に見つかりしかられる
 秋 空気ひんやりの日 ゴリラに哲学ならう

ヒョウの誕生、ゾウの病気、フクロウと記念写真、アザラシの脱走…。生
も死もある、動物園の四季。見守る飼育係のあったかい眼差し。

動物たちと一緒の日々って、豊かだなぁーと感じさせてくれる大好きな一
冊です。

「かぜは どこへいくの」シャーロット=ゾロトウ作 
             
ハワード=ノッツ絵 松岡享子訳(偕成社)
amazon1981.4月発行・28P・1000円
  「ふゆのおわりは?」
  「ふゆのおわり、ゆきが とけて、とりたちがもどってきたら、それ
   は、はるのはじまりよ」

「昼がおしまいになったら、お日さまはどこへいくの?」
「風がやんだら、そのあと どこへいくの?」
小さな男の子には、不思議なことがいっぱい。おかあさんは、この世のも
のはすべておわるのではなく、また別のところで、ふたたびちがった形
ではじまることを教えます…。

いのちは、ぐるぐると続いていきます。

柔らかいノッツの鉛筆画。こんな母親にはなれそうにないけれど(笑)、
読んでいくうちに、暖かさに包まれて優しい気持ちになっていきました。
モノクロですが、色が見えてくるような気がするよッ。

おやすみタイムなど、静かな時間にゆったりと読みたい一冊。

「にぐるまひいてドナルド・ホール文 バーバラ・クーニー絵
               もきかずこ訳(ほるぷ出版)
amazon1980.10月発行・1400円
19世紀初め、古き良き時代のアメリカ・ニューイングランド地方の暮らし
ぶりを描いた絵本。

とうさんが、この一年間、家族みんなで作り育てたものを荷車に積み込
んで町の市場に売りに行きます。品物全部を売り、からになった荷車も、
牛も売ってポケットをお金で一杯にしたとうさんは、市場で家族の必需品
を買い、家に帰ります。そして、また季節はめぐり、新しい一年がはじま
ります…。

自然豊かな地で、一人一人が自分のできることで生活を支えている暮らし
は、今の時代、逆に豊かなことではないだろうかと思わせてくれます。
生活していくというのは、こういう循環性が原点なんだろうなぁ。

木版に描いたというバーバラ・クーニーの絵が、素敵です。心落ち着く一
冊。

「ヘイスタック」ボニー・ガイサート文 アーサー・ガイサート 
               久美沙織/訳(BL出版)
amazon1998.6月発行・32P・1500円
“ヘイスタック”とは、干し草をまとめて高々と積み上げたもののこと。
北アメリカの大草原地帯では、かつてはごく当たり前に見られたものだっ
たそうですよ。

春になって伸び始めた草が、育ちきったら、家族みんなでヘイスタックを
作ります。それは、これから1年間、牛や豚たちのエサになり、家になり、
時には、遊び場にもなります。そして、山ほどのいのちを育て、食べ残し
とフンばかりに、姿を変えたヘイスタックは、牧場中にまいて、肥料とな
り、草の養分となるわけです…。

長年の知恵や工夫が詰まったヘイスタック。つながっていくいのちという
ものを、再認識させられます。

木のうたイエラ・マリ(ほるぷ出版)
amazon1977.12月10日発行・36P・1400円
文字のない絵本。

主役(?)である一本の大きな木が、見開きページ・16場
面−全て同じ位置に置かれているという構成。四季によっ
て刻々と姿を変える大木と、周辺に息づくリスや鳥、草花
の変化が鮮やかに展開されていきます…。

まずは、その美しさに感動しきり!!シンプルで洗練されたデザイン。作
者のグラフィック・デザイナーという経歴に、大きくうなずきました。ど
ちらかというと、子どもより大人の方に好まれそう。

春が来て、冬眠から目覚めたリス。新芽が息吹だし、大木の中で子育てす
る鳥。実った木の実を食べ、ためこんだ実とともに、また雪に覆われた大
地の中で眠りにつくリス…。一本の木が育む、いのちの営み。まさに、い
のちはめぐり、続いていく。優れた絵本は、優れた科学性(循環性)を持
つという見本でもあります。1977年に出版された、息の長い作品です。

ぼくとポチのおかしな12人のともだちきたやまようこ(理論社)
amazon1999.10月発行・74P・1000円
ぼくとポチの暮らしに、1月は雪だるま、2月は鬼の女の子、そして12月の
クリスマスツリーまで、毎月いろんな“ともだち”がやってきます。そし
て、わかるんだ!ともだちが一緒だと、こんなことができる、こんな楽し
いことがあるんだって!

選び考え抜かれた最少の言葉たちと、かわいらしい絵と共に、上手に使わ
れている余白が、心地いい。小さなサイズの絵本です。

                   
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