季節やテーマ沿った絵本の紹介    

    <4月・春、満開!>


ふしぎなたけのこ松野正子・文 瀬川康男・絵(福音館書店)
amazon1963.6月1日発行・743円
たろは、かあさんに頼まれて、うらの竹やぶにたけのこを掘りにいった。
掘ってるうちに暑くなったたろは、上着をぬいで、すぐそばのたけのこに
かけた。そのとたん、たけのこが、ぐぐぐっと伸びた。たけのこは、上着
をとろうとして飛びついたたろを乗せたまま、ぐんぐんぐんぐん伸びてい
き、とてつもない高さになっていった。

村の人たちは、伸びるのをやめたたけのこを切り倒し、地面に倒れたたけ
のこに沿って、たろを助けに行く。いくつもの山を越え、やがて、行き着
いた先で、村の人たちは、うれしいことにであうことになる…。


やっぱりおもしろいなぁと思う作品は、文章のリズムがとてもいいよね。
声に出して読んでみると、よくわかる。“ぐぐぐっ”とか、“ぐんぐん 
ぐんぐん”とか繰り返し使われる擬音語も、聞いている子どもたちの心に
残るような気がします。

文章と絵とが一体となる絵本だからこそできる、イメージの広がり!
縦に横にと見開きいっぱいを使ってのダイナミックな絵が、どうなっちゃ
うんだろうというドキドキ感をましていきます。瀬川康男さんは、この作
品で、1967年に世界絵本原画展大賞を受賞されています。

かがくのとも傑作集たんぽぽ平山和子・文・絵 
                      北村四郎・監修(福音館書店)
amazon1972.4月1日発行・838円
小さな子どもたちも知っている、身近〜な植物・たんぽぽ。この本は、た
んぽぽの一生を、わかりやすく描いた科学絵本です。

雨の日のたんぽぽの花は、どんな様子だった?夜の間は、どう?
葉や茎は、その時の植物の状態に合わせて、刻々と変化していることがわ
かります。わたげは、晴れた日に開くって、初めて知りましたー。

一番驚いたのは、たんぽぽの根の長いこと、長いこと! 4ページにわたっ
て描かれているその根は、実物大なんだとか。定規で測ってみたら、なん
と80センチもありました。草刈りの時、刈り取っても刈り取っても、また
生えてくる、たんぽぽのたくましさの秘密は、ここにあったのかとよ〜く
わかりました(笑)。

よく見かける=知ってるつもりのたんぽぽでしたが、こんなにも不思議な
ことや発見がいっぱいなんだと、大人でも面白かった!(ふだん、いかに
漠然とものを見ているのかと、ちと反省)。この本を読んだ後には、ホン
トにそうなっているのかな?と、親子でゆっくり観察してみてね。

まずは、対象物をじっくりと観察すること。そこから、科学の目が育って
いくんだなと、しみじみ感じさせられた一冊です。

いいことって どんなこと神沢利子・文 片山健・絵(福音館書店)
amazon1993.3月1日発行・800円
雪解けの頃。「ぴちゃ ぴちゃ ぴてぴて」。女の子は、まどから、うれ
しそうなしずくの音を聞きます。「しずくさん、しずくさん、どうしてそ
んなにうれしいの」。そう聞いた女の子に、しずくは答えます。「いいこ
とがあるからよ」。

その声にさそわれるようにして外に出かけた女の子は、うれしそうな小鳥
や川、風の歌声を聞きます。女の子は、同じように尋ねてみますが、みん
な「いいことがあるからよ」としか答えてくれません。やがて、リスを追
いかけて、ころんでしまった女の子が、自分でみつけたいいこととは?

これ、とっても好き。そうそう、そうなのよーと、自分の中の感覚と、ピ
タッとハマりました。何ヶ月も雪に閉ざされた中に訪れる春の予感って、
本当に嬉しいものなのよ〜と共感しまくり。待ちわびた…というのかな。
心ワクワクするような喜びにあふれてる。この感動が、実感としてわかる
ことを嬉しく思う。きっと作者の神沢利子さんが、樺太で過ごしたという
子ども時代に、同じような経験をされたのかもしれません。

片山健さんの描く女の子も、素朴さと力強さにあふれていて、非常にいい
味だしてます。

「ピンク、ぺっこん」村上康成(徳間書店)
amazon2000.8月発行・1300円
「ピンクとスノーじいさん」村上康成(徳間書店)
amazon2000.9月発行・1300円
「ピンク!パール」村上康成(徳間書店)
amazon2000.10月発行・1300円
「ピンクのいる山」村上康成(徳間書店)
amazon2000.7月発行・1300円
ピンクは生まれたばかりのヤマメの赤ちゃん。いつもおなかが、ぺこぺこ
のぺっこん…。春に生まれたばかりのピンクが、ヤマセミに襲われたり、
人間に釣られたりと、恐い目にあいながらもたくましく生きていくシリー
ズ1作目「ピンク、ぺっこん」…の続編。


「ピンクとスノーじいさん」 ピンクが迎えるはじめて冬。食べるものが
なくなるつらい冬。春が来るまでじっと待つしかないと教えてくれたイワ
ナのスノーじいさんが、イタチに襲われそうになったところを助けてくれ
ました。そして待ちに待った春がやって来ます。

三作目「ピンク!パール!」では、大きくなったピンクが、サクラマスと
いうサケになって生まれた川に帰ってきます。恋人のパールも一緒です。
懐かしい水の匂い。懐かしいふるさとの川で自分たちの子どもを産むため
に力をふりしぽって川を登ります。川辺の桜の花びらが舞う中、ピンクと
パールの体も一瞬ピンク色に輝いて見えます…。

色鮮やかでかろやかな印象の村上康成ワールド。何度も、頑張れピンク!
と、応援したくなりました。
作者の自然に対する敬愛、ピンクへの愛情が
伝わってきます。あちこちでちょこちょこ顔を出す愛らしい動物たちの表
情にも、注目してみてね。

「さくらの里の風来坊」川端誠(ブックローン出版)
amazon1997.4月発行・1400円
版画、紙粘土、そして風来坊シリーズの絵など、様々な手法を使って多様
な世界を作り上げる川端誠さん。最近はまってるのよ〜ってことで、この
1冊。

木彫りの風来坊とよばれるお坊さん。いつも勝手気ままな一人旅。でも旅
は楽しいことばかりではありません。小さな娘を救うため、自分の命を落
とした母親のお里さん。お里さんをはね、ふみつけて走り去っていった侍
たちを見て、風来坊は怒りをこめて観音像を彫り上げます。そしてそれを
お里さんの故郷、満開のさくらに包まれる静かな村が見渡せる場所に納め
ました…。

読む時代劇!いいすっ!力強い線−荒々しくてパワフルな中に、男の哀愁
が漂います。せつない思いが残りました。

「14ひきのぴくにっく」いわむらかずお(童心社)
amazon1986.11月発行・1200円
“おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そしてきょうだい
10ぴき。ぼくらは みんなで 14ひき かぞく”で始まる、ご存知ねずみ
の14ひきシリーズ。今回は、春の巻き〜ということで、お弁当を持って野
原に出発ー!

光が射し込む森、ひとつひとつ丁寧に描かれた花々、描き分けられたねず
みたちそれぞれのキャラクター。絵を読むことで、様々な発見があって飽
きません。

ぽかぽか陽気、咲き乱れる草花、ぬけるような青空と、本当に気持ち良さ
そうー!おにぎり持ってピクニックに出かけようか!そんな気持ちになる
ことうけあいです。

「あくび」中川ひろたか・文 飯野和好・絵(文渓堂)
amazon1999.10月発行・1500円
春だから眠いのか?私の場合、それは 1年を通してのことなのか?と、な
んだかよくわかんないけど、ひたすら眠いこの頃〜。

ページをめくるたび出てくるのは、次々に大きな口を開けてあくびをする
姿。カバもキリンもゾウも、運転手さんも、お客さんも、工事のおじさん
も、おとうさんも…。

飯野和好さんの吸い込まれそうなほどの迫力のあるあくびに“フワー”。
あくびがうつって、だんだん眠くなっていきます…。

「そのつもり」荒井良二・作(講談社)
amazon1997.12月発行・1400円
ある森の中…その名も「そのつ森」。そのつ森では、森の空き地をどう使
おうか、動物たちの会議が開かれていました。でも、なかなか決まりませ
ん。何年も何年もです。

猿が穴を掘って温泉にしようと言うと、みんなは少し考えて「いいねぇ、
それ」と、その“つもり”になります。(出来たつもりで温泉に入ってい
る動物たちが描かれてるのね)山より高いものをつくりたいなぁというオ
ジョコの提案にも、そのつもりになり、オバケを住まわせたいというコウ
モリの提案にも、「いいねぇ、それ」と、オバケ大会さながらの風景を思
い浮かべます…。
 
この絵本の中に漂うのんびり、ゆったり感がたまらなく好きなんですー。
荒井良二さんのほのぼのした絵も、マル。作者が楽しんで描いたのが、伝
わってきますよ。


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